CNOサイクル

恒星の内部で水素をヘリウムに変える核融合反応の過程

CNO (CNO cycle) -CNO
CNO

CNO193719391967CNO(C)(N)(O)

-CNOCNOCNO1.6%

CNO1,400-3,000K12C16O1IIICNO2CNO

CNO-1 サイクル

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CNOサイクルの場合も陽子-陽子連鎖反応と同様に、4個の水素原子核が1個のヘリウム原子核に変換される。CNOサイクルの反応経路は以下の通りである。表中の「平均寿命」は各反応が進行する平均的な時間尺度を示す。

反応経路
反応 平均寿命
      +1.95 MeV 1.3 × 107
      +1.37 MeV 7 分
      +7.54 MeV 2.7 × 106
      +7.35 MeV 3.2 × 108
      +1.86 MeV 82 秒
      +4.96 MeV 1.12 × 105

 12C

 12C, 13C, 14N, 15NCN 13N 15O

4122

CNO-2 サイクル

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上記の反応の最後で 15N と水素が融合する際に、約0.04%の確率で 12C と 4He ではなく 16O とガンマ線光子が作られる場合がある。この場合にはサイクルが分岐し、以下の反応経路をとる。

     
     
     
     

CNO-1 サイクルでの炭素・窒素・酸素と同じく、この CNO-2 サイクルで生成されるフッ素原子核も単に触媒として働き、サイクル反応が定常状態にある場合には恒星内に溜まることはない。

エネルギー生成

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CNOサイクルでは1サイクルごとに約25MeVのエネルギーが生成される。CNOサイクルの1サイクルが完結するまでの時間は約 3.8 × 108 年で、陽子-陽子連鎖反応の時間尺度(約109年)よりも短い。このため、CNO サイクルを主なエネルギー源とする大質量星では単位時間当たりのエネルギー生成率が小質量星よりも大きい。

また、CNOサイクルは温度に非常に敏感な反応である。CNOサイクルのエネルギー生成率は温度の15乗に比例する。従って温度が5%上昇するとエネルギーの放出は約2.08倍に増加する。

関連項目

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