W-OAM
W-OAM(ダブリュ・オーエーエム、ウィルコム・オーエーエム)は、Y!mobile(旧ウィルコム)の高度化PHSを使用して提供されていた通信サービスの名称。WILLCOM Optimized Adaptive Modulationの略。
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/1/12/WILLCOM-phs-station-8elements.jpg/250px-WILLCOM-phs-station-8elements.jpg)
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/3/3a/Ws002in_rx420al.jpg/250px-Ws002in_rx420al.jpg)
概要
編集通信方式
編集従来のPHSの変調方式はπ/4 shift QPSK(1x/32kbps)である。なお、π/4 shift QPSKとQPSKは厳密には異なるが、各方面では便宜上単にQPSKと記述される事も多い(本項目でも単にQPSKと記述する)。また同じく、W-OAMで採用された変調方式はD8PSKとπ/2 shift BPSKであり、8PSKとBPSKとでは厳密には異なるが、8PSK・BPSKと記述される事も多い(本項目でも単に8PSK・BPSKと記述する)。
W-OAM
編集- (対応チップセット) AX20Pシリーズ(P2チップセット):スロットダイバーシティー、ハーフレート、無手順パケット、コアモジュール標準[1]。
- (対応チップセット) ML7257:スロットダイバーシティー、ハーフレート、CPU=ARM7TDMI[2]。
W-OAM typeG
編集通信速度
編集各種変調方式とチャンネル多重数の組み合わせにより、以下の表のような高速化が計画されていた[5]。
無線区間の最大スループット
変調方式\リンク数 | 1x | 2x | 4x | 8x | 12x | 16x |
BPSK | 13kbps | 26kbps | 52kbps | 104kbps | 156kbps | 208kbps |
QPSK | 32kbps | 64kbps | 128kbps | 256kbps | 384kbps | 512kbps |
8PSK | 51kbps | 102kbps | 204kbps | 408kbps | 612kbps | 816kbps |
16QAM | 約63kbps | 約125kbps | 約250kbps | 約500kbps | 約750kbps | 約1Mbps |
32QAM | 約80kbps | 約160kbps | 約320kbps | 約640kbps | 約960kbps | 約1.3Mbps |
64QAM | 約100kbps | 約200kbps | 約400kbps | 約800kbps | 約1.2Mbps | 約1.6Mbps |
変調方式\リンク数 | 1x | 2x | 4x | 8x |
BPSK | 13kbps | 26kbps | 52kbps | 104kbps |
QPSK | 32kbps | 64kbps | 128kbps | 256kbps |
8PSK | 51kbps | 102kbps | 204kbps | 408kbps |
16QAM | 約63kbps | 約125kbps | 約250kbps | 約500kbps |
32QAM | 約64kbps | 約128kbps | 約256kbps | 約512kbps |
64QAM | 約64kbps | 約128kbps | 約256kbps | 約512kbps |
(無線区間の変調方式にかかわらず、1x=最大64kbpsに制限される。)
フレームフォーマット
編集![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/ja/timeline/7r2y6mzzjrbt2zztkr69l949xk40wxf.png)
- 横軸、マイクロ秒。
音声通話におけるW-OAM
編集対応端末
編集データ通信端末
編集- W-OAM対応(BPSK/QPSK/8PSK)
- W-OAM typeG対応(BPSK/QPSK/8PSK/16QAM/32QAM/64QAM)
音声端末
編集- W-OAM対応(BPSK/QPSK/8PSK)
- WX130S : 8PSK非対応
- WX220J : チップセットML7257[2]
- WX321J : チップセットML7257[2]
- WX320K : チップセットML7257[2]
- WX320KR
- WX320T
- WX330K
- WX331K
- WX331KC
- WX333K
- WX334K
- WX334K P
- WX330J
- WX330J E
- WX340K
- WX341K
- WX341K P
- WX350K
- WX01A
- WX02A
- WX03A
- WX05A
- WX06A
- WX01J
- WX01JR
- WX01NX
- WX01K
- WX02K
- WX03K
- WX05K
- WX07K
- WX08K
- WX09K
- WX11K
- WX01S
- WX02S/XWX02S
- WX03S
- WX04S
- WX01SH
- WX02SH
- WX03SH
- 301JR
- 301KC
- 401AB
- 401KC
スマートフォン
編集- W-OAM対応(BPSK/QPSK/8PSK)
W-SIM(通信モジュール)
編集W-OAM対応W-SIMが接続可能なSIM STYLE端末
編集- データ通信端末
- WS002IN / "DD"
- WS008HA ExpressCardアダプタ
- WS014IN
- 音声端末
- その他端末
料金など
編集従来の料金プランでそのまま利用ができ、別途オプション料金は不要であった。W-OAM通信およびW-OAM typeG通信を利用したために別途課金されることはなかった。なおパケット従量課金制の料金コース等を契約中の場合でも、高速化した分だけ単位時間あたりのパケット消費量が増加することになるが、あるデータをダウンロードするのに必要な総パケット量に変化が生じるわけではないので、ダウンロードに要する時間が短縮されるだけで料金に変化はなかった。ただし、高速化によって快適になったために以前より総パケット量を増やすような通信をすれば、料金は上がることに繋がった。
なお、中継基地局であるホームアンテナ(レピーター)にはW-OAM/typeG通信や8xパケット通信に対応したものは2007年2月現在で存在しなかった。ただし、W-OAM/typeG通信においては、ホームアンテナを経由せずともBPSK変調により、低ビットレートながら実効上の屋内浸透性を向上させた通信を行うとされていた。
脚注
編集- ^ a b 【WIRELESS JAPAN 2006】エービットブースで“次世代PHS”の姿が見えた!:デジタルARENA
- ^ a b c d Unveils Base Band LSI, Compliant with Advanced PHS Standard | OKI Global(英語)
- ^ WILLCOM沖縄|PHS高度化通信規格「W-OAM」の高速化について 【WILLCOM FORUM & EXPO 2007】 近氏、次世代PHSの強みをアピール
- ^ 【ワイヤレスジャパン報告】エイビットブースのPHSチップロードマップに「AX30Pシリーズ」のサンプル出荷開始を確認:デジタルARENA
- ^ W-OAMのイメージ
2006年のウィルコムは「ADVANCED & COMFORTABLE」 - ^ WILLCOM|ますます速く快適に 基地局のIP化を実施