「メルヘン」を編集中
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[[古代エジプト]]の新王国時代に叙述された『二人兄弟』と呼ばれるおとぎ話は、古代エジプトのおとぎ話のなかで最もメルヘンの基本条件を備えたものと言える<ref name="Freund">ヴィンフリート・フロイント『若い読者のためのメルヘン』木下康光訳 中央公論美術出版 2007年 ISBN 9784805505328 pp.10-24.</ref>。ヨーロッパのメルヘンの多くは、[[古典古代]]の[[民族叙事詩]]や[[ギリシャ神話]]、[[十字軍]]の従軍体験譚など、メルヘン的な要素を持つ原話の痕跡を残すものも多い<ref name="Freund"/>。 |
[[古代エジプト]]の新王国時代に叙述された『二人兄弟』と呼ばれるおとぎ話は、古代エジプトのおとぎ話のなかで最もメルヘンの基本条件を備えたものと言える<ref name="Freund">ヴィンフリート・フロイント『若い読者のためのメルヘン』木下康光訳 中央公論美術出版 2007年 ISBN 9784805505328 pp.10-24.</ref>。ヨーロッパのメルヘンの多くは、[[古典古代]]の[[民族叙事詩]]や[[ギリシャ神話]]、[[十字軍]]の従軍体験譚など、メルヘン的な要素を持つ原話の痕跡を残すものも多い<ref name="Freund"/>。 |
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==フォルクスメルヘン(民間メルヘン)== |
==フォルクスメルヘン(民間メルヘン)== |
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民間メルヘンの創始者を決めることは出来ない。口承は長い期間、排他的で、また伝統的で自然な形態で今日まで続いてきた。しかし伝統的な口承の時代から、効率的な[[歴史時代|文字の時代]]が始まり、[[中世]]の初期おとぎ話は、文学として記録されて発見される。現代においては印刷によって、さらに普及の可能性を得ている。口承による伝統的文芸に基づいた出版の形態について、フォルクスメルヘンは固定的な形式を持っていない。むしろ非常に多くの、部分的に異なったバリエーションが現れている。しかし人物の動きに含まれる物語の基本的な構造︵[[主題]]、行動の道筋など︶は、それらバリエーションで分類できる。そしてバリエーションからの逸脱は、古く、広く拡散したものほど大きくなる。
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民間メルヘンの創始者を決めることは出来ない。口承は長い期間、排他的で、また伝統的で自然な形態で今日まで続いてきた。しかし伝統的な口承の時代から、効率的な[[歴史時代|文字の時代]]が始まり、[[中世]]の初期おとぎ話は、文学として記録されて発見される。現代においては印刷によって、さらに普及の可能性を得ている。口承による伝統的文芸に基づいた出版の形態について、フォルクスメルヘンは固定的な形式を持っていない。むしろ非常に多くの、部分的に異なったバリエーションが現れている。しかし人物の動きに含まれる物語の基本的な構造︵[[主題]]、行動の道筋など︶は、それらバリエーションで分類できる。そしてバリエーションからの逸脱は、古く、広く拡散したものほど大きくなる。
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[[アレクサンドル・アファナーシェフ]]によるロシア民話、Joseph Jacobsによる[[イギリス]]のおとぎ話、Peter Christen Asbjørnsenによる[[ノルウェー]]民話がある。 |
[[アレクサンドル・アファナーシェフ]]によるロシア民話、Joseph Jacobsによる[[イギリス]]のおとぎ話、Peter Christen Asbjørnsenによる[[ノルウェー]]民話がある。 |
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== クンストメルヘン(創作メルヘン) == |
== クンストメルヘン(創作メルヘン) == |
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いわゆる創作メルヘンは、[[詩人]]や作家など、特定できる個人の意図による作品である。彼らはしばしば伝統的な民間メルヘンを題材にして、空想的な驚異の歴史を新たに作り上げたが、驚異、非現実性という観点で民間メルヘンとの繋がりが残っている。それらの内容は、[[哲学]]と個々人のアイデアにより作られ、同時に文学思潮の影響を受ける。[[ロマン主義]]の成果として、創作メルヘンは最初の興隆を得て、決定的な衝撃を受けてさらに発展する。初期ロマン主義では人為的作品のアクセントとして、従来のメルヘンとの境界を隠し、公平な読者は簡単に増えることは無かった。しかしそれは後期ロマン派詩人には、再び単純なメルヘン調︵Märchenton︶が好まれた。
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いわゆる創作メルヘンは、[[詩人]]や作家など、特定できる個人の意図による作品である。彼らはしばしば伝統的な民間メルヘンを題材にして、空想的な驚異の歴史を新たに作り上げたが、驚異、非現実性という観点で民間メルヘンとの繋がりが残っている。それらの内容は、[[哲学]]と個々人のアイデアにより作られ、同時に文学思潮の影響を受ける。[[ロマン主義]]の成果として、創作メルヘンは最初の興隆を得て、決定的な衝撃を受けてさらに発展する。初期ロマン主義では人為的作品のアクセントとして、従来のメルヘンとの境界を隠し、公平な読者は簡単に増えることは無かった。しかしそれは後期ロマン派詩人には、再び単純なメルヘン調︵Märchenton︶が好まれた。
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