「会沢正志斎」を編集中
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文久3年︵1863年︶、水戸の自邸にて死去。82歳。墓所は[[茨城県]][[水戸市]]の本法寺<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.city.mito.lg.jp/001373/001374/0/shiteibunkazai/siteibunkazai/aizawaseisisainohaka.html|title=会沢正志斎の墓|accessdate=2021-04-04|publisher=水戸市}}</ref>。
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文久3年︵1863年︶、水戸の自邸にて死去。82歳。墓所は[[茨城県]][[水戸市]]の本法寺<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.city.mito.lg.jp/001373/001374/0/shiteibunkazai/siteibunkazai/aizawaseisisainohaka.html|title=会沢正志斎の墓|accessdate=2021-04-04|publisher=水戸市}}</ref>。
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正志斎は『新論』において尊王攘夷論を唱えた人物として知られるが、後年『時務策』を著しており開国を全面的には否定しなかった。『新論』は幕府に遠慮して出版はされず、無名氏の執筆として写され、多くの人々に読まれた。[[長州藩]]の[[吉田松陰]]や[[久留米藩]]の[[真木保臣]]が水戸を訪れ、正志斎に面会している。特に吉田の『東北遊日記』には、「会沢を訪ふこと数次、率ね酒を設く。…会々談論の聴くべきものあれば、必ず筆を把りて之を記す。其の天下の事に通じ、天下の力を得る所以か」と記されている。 |
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正志斎は『新論』において尊王攘夷論を唱えた人物として知られるが、同時代の多くの知識人は『新論』に含まれる神話的な国体論に関心を示さず、思想書というよりも海防論の書として評価した<ref name="Kirihara">桐原健真「会沢正志斎『新論』」『日本の思想 第三巻:内と外』 <岩波講座> 岩波書店 2014年 ISBN 978-4-00-011313-7 pp.262-273.</ref>。[[長州藩]]の[[吉田松陰]]も当初はその一人だったが、嘉永4年(1851年)の水戸来訪の際には正志斎に6度に渡り面会し、以後「日本」の自覚を主張するようになった<ref name="Kirihara"/>。 |
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松陰の﹃東北遊日記﹄には、﹁会沢を訪ふこと数次、率ね酒を設く。…会々談論の聴くべきものあれば、必ず筆を把りて之を記す。其の天下の事に通じ、天下の力を得る所以か﹂と記されている。
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幕末期になり、尊皇攘夷論が盛んになると『新論』は多くの志士たちに読まれるようになるが、正志斎の思想をそのまま受容することは無く、「国体」や「祭政一致」といった言葉や部分だけを換骨奪胎する形で受け入れられた<ref name="Kirihara"/>。水戸学の中での正志斎の評価が高まらなかった理由として、戦前の水戸学研究では、光圀と斉昭・東湖を水戸学の2つのピークとする認識が一般的だったことと、最晩年に著した『時務策』の中で「今時外国と通好は已むことを得ざる勢なるべし」と述べたことが、変節・[[転向]]と受け取られたことが後々まで影響したことが挙げられる<ref name="Kirihara"/>。 |
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== 著書 == |
== 著書 == |
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*『[[日本思想大系]] 53 水戸学』<ref>会沢正志斎は「新論」「退食間話」「人臣去就説」「時務策」</ref>[[今井宇三郎]]・[[瀬谷義彦]]・[[尾藤正英]] 校注、[[岩波書店]]、1973年 |
*『[[日本思想大系]] 53 水戸学』<ref>会沢正志斎は「新論」「退食間話」「人臣去就説」「時務策」</ref>[[今井宇三郎]]・[[瀬谷義彦]]・[[尾藤正英]] 校注、[[岩波書店]]、1973年 |
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*『新論』関口直佑全訳注、[[講談社学術文庫]]、2023年12月。{{ISBN2|978-4065341971}} |
*『新論』関口直佑全訳注、[[講談社学術文庫]]、2023年12月。{{ISBN2|978-4065341971}} |
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== 脚注 == |
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== 関連項目 == |
== 関連項目 == |
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* [https://webcitation.org/67a4dsQOn?url=http://www13.plala.or.jp/shisekihoumon/mito5.htm 水戸 会沢正志斎] |
* [https://webcitation.org/67a4dsQOn?url=http://www13.plala.or.jp/shisekihoumon/mito5.htm 水戸 会沢正志斎] |
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* [http://edb.kulib.kyoto-u.ac.jp/exhibit/ishin/jinmei/Aizawa.html 京都大学附属図書館 維新資料画像データベース] |
* [http://edb.kulib.kyoto-u.ac.jp/exhibit/ishin/jinmei/Aizawa.html 京都大学附属図書館 維新資料画像データベース] |
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