吉野せい
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吉野せい︵よしのせい︶文筆家。明治32年︵1899年︶に福島県磐城郡小名浜町︵現福島県いわき市小名浜町︶の裕福な網元の娘として生まれる。
若い頃から山村暮鳥らの文人と交流をもち、雑誌や新聞に作品を投稿していた。
作家としての将来を期待されるも大正10年︵1921年︶、詩人三野混沌︵みのこんとん︶と結婚し、好間︵現福島県いわき市好間︶の菊竹山︵きくたけやま︶で開墾生活に入る。結婚してから夫・三野混沌が昭和45年︵1970年︶に亡くなるまで、ほとんど作品を書いておらず、彼の死後、交流のあったいわき市小川出身の詩人・草野心平に作品を書くように勧められたことを契機に、再び執筆活動を始めることになる。
昭和50年︵1975年︶、76歳にして﹁洟︵はな︶をたらした神﹂が第6回大宅壮―ノンフィクション賞と第15回田村俊子賞の2つの文学賞を受賞。その2年後の昭和52年︵1977年︶、短い執筆生活を終え永眠。
著作に﹁洟をたらした神―吉野せい作品集 (単行本) 弥生書房﹂がある。