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「粗度係数」の版間の差分

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'''粗度係数'''(そどけいすう)とは、河川の水が河床や河岸などと触れる際の抵抗量を示した数値。


''''''[[]][[]][[]][[]]([[]][[]])[[]]

== 概 ==

人工水路よりも起伏、曲線、障害物(水草、礫等)に富んだ自然河川の方が値は高くなる。



== 算出方法 ==

== 算出方法 ==

以下の[[マニング公式]]より求められる

粗度係数''N'' は、[[マニング公式]]より求められ、次式で表される

:<math>N = \frac{R^{2/3}I^{1/2}}{V}</math>

<math>

\mathit{V}=R^{\,\!2/3}I^{\,\!1/2}\frac{1}{N}

\Leftrightarrow

\mathit{N}=R^{\,\!2/3}I^{\,\!1/2}\frac{1}{V}</math>



ここで、


VR[m]IN

* ''V'' は平均流速 [m/s]

* ''I'' は[[勾配]]

* ''R'' = ''A'' /''S''は径深 [m]

* ''A'' は流積 [m<sup>2</sup>]

* ''S'' は潤辺 [m]



== 径深 ==

== 特徴 ==

<math>\mathit{R}=\frac{A}{S}</math>


R=径深[m]

A[m<sup>2</sup>]=流積

S[m]=潤辺 


== マニング公式による粗度係数の特徴 ==

*実用公式

*実用公式

:摩擦損失係数がレイノルズ数や相対粗度[粗度高さと水深の比]の関数となり水理条件により変化するのに対して、マニングの粗度係数は広い水理条件のなかで変化が少ないことがわかっており、この点で実用的。

:[[摩擦損失係数]][[レイノルズ数]][[相対粗度]](粗度高さと水深の比の関数となり水理条件により変化するのに対して、マニングの粗度係数は広い水理条件のなかで変化が少ないことがわかっており、この点で実用的。

*定常流という前提

*定常流という前提

:マニングの公式は時間がたっても流量が変化しないという定常流が前提である。よっての値は常に変化する。

:マニングの公式は時間がたっても流量が変化しないという定常流が前提である。よって''N'' の値は常に変化する。

*次元

*次元


:N[[|m]][[|s]]使

:[[]][]{{sup-|1/3}}&times;[][[|]][[]]: m[[]]: s使

*抵抗係数の表示

:以下の概略値もそれを基にしている。


:''f''' ''N'' [[#|]][[]]''N'' 

==マニングの粗度係数Nの概略値==

'''閉管路'''[暗渠] 


真鍮管  0.009~0.013

鋳鉄管  0.010~0.016

鉄鋼管 0.010~0.017

純セメント平滑管 0.011~0.013

コンクリート管 0.011~0.016



== 概略値 ==

'''人工水路'''

長さにm(メートル)、時間にs(秒)の単位を使用している。

滑らかな木材  0.010~0.014

コンクリート巻き 0.011~0.020

切石モルタル積み 0.013~0.017

粗石モルタル積み 0.017~0.030

粗石空積み 0.023~0.035

土を開削した水路、直線等断面 0.014~0.025

土を開削した水路、蛇行不等断面 0.023~0.030

岩盤に開削した水路、滑らか 0.025~0.040

岩盤に開削した水路、粗い 0.035~0.050



; 閉管路[暗渠]

'''自然河川'''

: 真鍮管  0.009~0.013

: 鋳鉄管  0.010~0.016

: 鉄鋼管 0.010~0.017

: 純セメント平滑管 0.011~0.013

: コンクリート管 0.011~0.016



; 人工水路

線形、断面とも規則正しい、水深大 0.025~0.033

: 滑らかな木材  0.010~0.014

線形、水路床が礫、草岸 0.030~0.040

: コンクリート巻き 0.011~0.020

蛇行していて、淵瀬あり 0.33~0.045

: 切石モルタル積み 0.013~0.017

蛇行していて、水深が小さい 0.040~0.055

: 粗石モルタル積み 0.017~0.030

水草が多いもの 0.50~0.080

: 粗石空積み 0.023~0.035

: 土を開削した水路、直線等断面 0.014~0.025

: 土を開削した水路、蛇行不等断面 0.023~0.030

: 岩盤に開削した水路、滑らか 0.025~0.040

: 岩盤に開削した水路、粗い 0.035~0.050



; 自然河川

== 抵抗係数の表示 ==

: 線形、断面とも規則正しい、水深大 0.025~0.033


<math>f'</math><math>f'</math>N[[]]N

: 線形、水路床が礫、草岸 0.030~0.040

: 蛇行していて、淵瀬あり 0.33~0.045

: 蛇行していて、水深が小さい 0.040~0.055

: 水草が多いもの 0.50~0.080



== 参考文献 ==

== 参考文献 ==

土木工学ハンドブック」土木学会編 技報堂出版p494

* {{Cite book|和書 |author = 土木学会編|coauthors = |title = 土木工学ハンドブック|year = |publisher = 技報堂出版|page = 494}}

図説わかる水理学」   井上和也編学芸出版社p101

* {{Cite book|和書 |author = 井上和也編|coauthors = |title = 図説わかる水理学|year = |publisher = 学芸出版社|page = 101}}

わかりやすい水の力学」 椎貝博美著 鹿島出版会p27 

* {{Cite book|和書 |author = 椎貝博美|coauthors = |title = わかりやすい水の力学|year = |publisher = 鹿島出版会|page = 27}}

図解 土木講座 水理学の基礎第二版」吉岡幸男 技報堂出版p40

* {{Cite book|和書 |author = 吉岡幸男|coauthors = |title = 図解 土木講座 水理学の基礎第二版|year = |publisher = 技報堂出版|page = 40}}

* {{Cite book|和書 |author = 日野幹夫|coauthors = |title = 明解水理学|year = |publisher = 丸善|page = 150}}

「明解水理学」 日野幹夫著 丸善株式会社p150



== 関連項目 ==

== 関連項目 ==

[[水理学]]

* [[水理学]]



{{DEFAULTSORT:そとけいすう}}

{{DEFAULTSORT:そとけいすう}}

[[Category:水理学]]

[[Category:水理学]]

[[Category:大気拡散モデリング]]


2021年10月2日 (土) 21:15時点における最新版


()

[]


N 




V  [m/s]

I 

R = A/S [m]

A  [m2]

S  [m]

[]








N 



[]1/3×[]: m: s使



f' N N 

[]


ms使



  0.0090.013

  0.0100.016

 0.0100.017

 0.0110.013

 0.0110.016



  0.0100.014

 0.0110.020

 0.0130.017

 0.0170.030

 0.0230.035

 0.0140.025

 0.0230.030

 0.0250.040

 0.0350.050



 0.0250.033

 0.0300.040

 0.330.045

 0.0400.055

 0.500.080

[]


494 

101 

鹿27 

  40 

150 

[]