「自由振動」の版間の差分
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== 単振動 == |
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===フックの法則=== |
===フックの法則=== |
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金属のバネやゴムの棒は、外からの力を加えないとき固有の長さをもつ。これを''自然長'' という。これら自然長から伸ばしたり縮めたりして変形させると、元の長さに戻ろうとする力、いわゆる[[復元力]]がはたらく。復元力から生じる性質を'' |
金属のバネやゴムの棒は、外からの力を加えないとき固有の長さをもつ。これを''自然長'' という。これら自然長から伸ばしたり縮めたりして変形させると、元の長さに戻ろうとする力、いわゆる[[復元力]]がはたらく。復元力から生じる性質を''弾性'' とよび、弾性を持つ物体を''弾性体'' とよぶ。
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多くの弾性体では変形の量が小さい限り復元力と変形量の間に比例関係がある。これをその発見者である17世紀の[[イギリス]]の物理学者[[ロバート・ |
多くの弾性体では変形の量が小さい限り復元力と変形量の間に比例関係がある。これをその発見者である17世紀の[[イギリス]]の物理学者[[ロバート・フック]]の名にちなんで'''フックの法則'''とよぶ。フックの法則は、板や棒の曲げのような、伸び縮みとは別種の変形でも同じように成り立つ。 |
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なめらかで水平な床の上にバネを置く。バネの右方向を正に ''x'' 軸をとる。バネの左端をある場所に固定し、自然長の状態にしたとき、その右端の位置を ''x'' の原点に選ぶ。バネが変形したとき、その右端の ''x'' 座標によって変形の状態を表すことにする。''x'' > 0 であれば伸び、''x'' < 0 であれば縮みである。バネの伸びが ''x'' のとき、それによって生じる力を ''F'' とする。力が右向きであれば、''F'' > 0、左向きでは ''F'' < 0 である。このとき、フックの法則は次のように表すことができる。
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なめらかで水平な床の上にバネを置く。バネの右方向を正に ''x'' 軸をとる。バネの左端をある場所に固定し、自然長の状態にしたとき、その右端の位置を ''x'' の原点に選ぶ。バネが変形したとき、その右端の ''x'' 座標によって変形の状態を表すことにする。''x'' > 0 であれば伸び、''x'' < 0 であれば縮みである。バネの伸びが ''x'' のとき、それによって生じる力を ''F'' とする。力が右向きであれば、''F'' > 0、左向きでは ''F'' < 0 である。このとき、フックの法則は次のように表すことができる。
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長さ <math>l</math> の糸の先に質量 <math>m</math> のおもりをつけ、糸の他端を固定してつり下げる(図 2-1)。 |
長さ <math>l</math> の糸の先に質量 <math>m</math> のおもりをつけ、糸の他端を固定してつり下げる(図 2-1)。 |
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おもりを少し横に引いて手を放すと、おもりは糸の固定点の真下の振り子のつりあいの位置 ''O'' を中心として往復運動を始める。おもりは糸の上端の固定点を中心とした円周上を運動するから、振り子のつり合いの位置 ''O'' を原点として、円周に沿って<math>x</math> 軸をとると、おもりの運動は <math>x</math> 軸上の一次元の運動と見ることができる。 |
おもりを少し横に引いて手を放すと、おもりは糸の固定点の真下の振り子のつりあいの位置 ''O'' を中心として往復運動を始める。おもりは糸の上端の固定点を中心とした円周上を運動するから、振り子のつり合いの位置 ''O'' を原点として、円周に沿って<math>x</math> 軸をとると、おもりの運動は <math>x</math> 軸上の一次元の運動と見ることができる。このとき、おもりの運動に関わる力はおもりに働く重力 <math>mg</math> の円周への接線方向だけである。ここで、重力 <math>mg</math> の円周への法線方向と糸の張力重力 <math>T</math> は、おもりの運動を円周上に拘束する役割をしている。糸の鉛直方向となす角が <math>\theta</math> のとき、おもりの <math>x</math> 軸上にかかわる力 <math>F</math> は、
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:<math>F = -mg \sin\theta</math> … (2-ii) |
:<math>F = -mg \sin\theta</math> … (2-ii) |
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上式を用い<math>\theta = 0</math> から<math>\theta = \theta _0</math>となる時刻を計算すると |
上式を用い<math>\theta = 0</math> から<math>\theta = \theta _0</math>となる時刻を計算すると |
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<math>t=\frac{1}{2 \omega} \int _ {0} ^ {\theta _ 0} \frac{1} |
<math>t=\frac{1}{2 \omega} \int _ {0} ^ {\theta _ 0} \frac{1}{\sqrt{\sin^2(\theta_0 /2) - \sin^2(\theta / 2)}} d\theta</math>. |
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この値の4倍に |
この値の4倍にあたる4tが振り子の周期である。<math>\sin(\theta_0 /2)=a</math>、<math>\sin(\theta /2)=a \sin \phi</math>と置換すると結局周期は |
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<math>T=\frac{4}{\omega} \int _ {0} ^ {\frac{\pi}{2}} \frac{1}{\sqrt{1 - a^2 \sin^2 \phi}} d\phi</math>. |
<math>T=\frac{4}{\omega} \int _ {0} ^ {\frac{\pi}{2}} \frac{1}{\sqrt{1 - a^2 \sin^2 \phi}} d\phi</math>. |