カール・グスタフ・ヘンペル

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Carl Gustav Hempel190518 - 1997119

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19291934"Der Typusbegriff im Lichte der neuen Logik"19371939-19481948-19551955-196421964-19661985

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D-NI-S[]


: deductive-nomological modelD-N使

D-N使使(inductive-statistical model, I-S使

D-N竿

カラスのパラドックス[編集]

科学的仮説の検証の基本的モデルは仮説演繹法であるが、このモデルをおびやかすパラドックスがヘンペルの指摘したカラスのパラドックスである。仮説演繹法は、たとえば「すべてのカラスは黒い」という仮説をたてたなら、「次に観察するカラスも黒いはずだ」という予測が演繹でき、その予測が確かめられることで仮説がより確からしくなる、というプロセスをへる。ところで、「すべてのカラスは黒い」(A)という命題と「すべての黒くないものはカラスではない」(B)という命題は論理的に同値(対偶)である。この後者の命題(B)からは、「次に観察する黒くないものはカラスではないはずだ」という予測が演繹でき、その予測が確かめられることで仮説(B)はより確からしくなる。しかし、それならば、部屋の中にある黒くないものを観察するだけで仮説(B)がより確からしくなることになり、同時にそれと同値である前者の仮説(A)も確からしくなることになる。つまり、部屋の中に居ながらにして「すべてのカラスは黒い」という仮説を確かめることができてしまうことになるのである。これは非常に奇妙であり、仮説演繹法を改良する必要があることが分かる。

著作[編集]

主著[編集]

  • 1936: "Über den Gehalt von Wahrscheinlichkeitsaussagen" and, with Paul Oppenheim, "Der Typusbegriff im Licht der neuen Logik"
  • 1942: The Function of General Laws in History
  • 1943: Studies in the Logic of Confirmation
  • 1959: The Logic of Functional Analysis
  • 1965: Aspects of Scientific Explanation
    長坂源一郎訳『科学的説明の諸問題』岩波書店、1973年
  • 1966: Philosophy of Natural Science
    黒崎宏訳『自然科学の哲学』培風館、1967年
  • 1967: Scientific Explanation

論文集[編集]

  • Aspects of Scientific Explanation and Other Essays (1965), ISBN 0-02-914340-3.
  • Selected Philosophical Essays (2000), ISBN 0-521-62475-4.
  • The Philosophy of Carl G. Hempel: Studies in Science, Explanation, and Rationality (2001), ISBN 0-19-512136-8.

論文[編集]

外部リンク[編集]