出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
「シチホウ 」、「シッポウ 」、「七宝 」のその他の用法については「七宝 (曖昧さ回避) 」をご覧ください。
七 宝 ︵ し っ ぽ う ︶ と は 、 主 に 金 属 の 素 地 に 、 ガ ラ ス 質 の 釉 を 焼 き つ け て 装 飾 す る 技 法 [ * 1 ] 。
素 地 に は 銅 を 用 い る こ と が 多 い が 、 金 ・ 銀 ・ 青 銅 ・ 鉄 ・ 合 金 ︵ 例 え ば 銅 と 亜 鉛 を ま ぜ た タ ン パ カ ︶ な ど の 金 属 、 と き に は セ ラ ミ ッ ク ︵ 陶 器 や 粘 土 片 ︶ や ガ ラ ス と い っ た 金 属 以 外 の 材 料 も 素 地 と な る 。
古 今 東 西 、 特 に シ ル ク ロ ー ド 沿 い の 世 界 各 地 で 多 様 な 技 法 が 存 在 す る が 、 そ れ ら は 日 本 で 言 え ば 象 嵌 七 宝 、 有 線 七 宝 、 描 画 七 宝 ︵ 琺 瑯 ︶ に あ た る 3 種 に 大 別 す る こ と が で き 、 西 洋 で は シ ャ ン ル ヴ ェ 、 ク ロ ワ ゾ ネ 、 ペ イ ン ト エ ナ メ ル 、 中 国 で は 内 填 琺 瑯 、 掐 糸 琺 瑯 、 画 琺 瑯 が こ れ に 相 当 す る 。
そ れ ぞ れ 、 ﹁ 主 に 素 地 の 凹 み に 釉 を さ す ︵ 象 嵌 ︶ ﹂ 、 ﹁ 素 地 の 上 に 金 属 線 の 区 切 り を つ け て 釉 を さ す ︵ 有 線 ︶ ﹂ 、 ﹁ 素 地 に 直 接 釉 で 絵 柄 を 描 く ﹂ 、 と い っ た 違 い が あ る [ 1 ] 。 本 項 で は 、 各 地 域 の 様 々 な 技 法 の 違 い に つ い て 述 べ る 。
地域による名称の違いや歴史については「
七宝 」を参照
西 洋 の 技 法 [ 編 集 ]
ク ロ ワ ゾ ネ ・ エ ナ メ ル
以 下 で は 、 主 に ヨ ー ロ ッ パ の ア ン テ ィ ー ク ・ ジ ュ エ リ ー に 見 ら れ る エ ナ メ ル の 技 法 に つ い て 述 べ る 。
シ ャ ン ル ヴ ェ [ 編 集 ]
シ ャ ン ル ヴ ェ ( c h a m p l e v é ) と は 、 土 台 の 金 属 を 彫 り こ ん で 、 で き た く ぼ み を エ ナ メ ル で 埋 め て 装 飾 す る 技 法 。 初 期 の 頃 は 、 輪 郭 線 の 部 分 を ラ イ ン 状 に 彫 り こ ん で い た 。 技 術 の 発 達 に つ れ て 、 逆 に 、 面 に な る 部 分 を 彫 り こ ん で エ ナ メ ル で 装 飾 し 、 彫 り 残 し た 金 属 部 分 を 輪 郭 線 と す る よ う に な っ た 。
クロワゾネ [ 編集 ]
クロワゾネ (cloisonné ) とは、土台となる金属の上に、さらに金属線を貼り付けて輪郭線を描き、できた枠内をエナメルで埋めて装飾する技法。シャンルヴェよりさらに細かい表現が可能になる。
バスタイユ [ 編集 ]
バスタイユ(Fabergé )
バスタイユ (basse-taille) とは、エナメルの半透性を生かし、土台の金属に刻まれた彫刻模様(ギヨシェ)を見せる技法。金属に施された彫刻が主眼となるので、使用されるエナメルは単色。ピーター・カール・ファベルジェ の作品に、この技法を使用したものが多い。
プリカジュール [ 編集 ]
プリカジュール (plique à jour ) とは、薄い金属箔の上に、クロワゾネとほぼ同じ工程でエナメルを焼き付け、その後に薬品処理によって箔を取り除く技法。金属枠のみによって支えられたエナメルは光を透過するので、ステンドグラス のような効果を得られる。アールヌーボー 期のジュエリーに好んで使用された。美しいが非常に繊細で、衝撃に弱い。1997年の映画『タイタニック 』に登場したヒロインの蝶の櫛 には、この技法が使用されていると思われる。
ロンドボス・エナメル The Dunstable Swan Jewel (c.a. 1400)
ロンドボス [ 編集 ]
ロンドボス (ronde bosse) とは、金などの立体像の表面全体に、エナメルを施す技法。ルネサンス 期のジュエリーなどに多く例を見ることができる。
ペイントエナメル [ 編集 ]
ペイントエナメル (painted enamel) とは、あらかじめ単色で焼き付けたエナメルを下地とし、その上に、筆を使ってさらにエナメル画を描き、焼き付ける技法。人物や植物を描いたミニアチュールが例として挙げられる。特に絵柄の細かい高度なものは細密描画などとも呼ばれている。
グリザイユ [ 編集 ]
グリザイユとは、モノクローム で描く技法。また、描かれた絵画 のこと。フレスコ 画やエナメル で描かれたものが含まれる。フランス語 で gris とは「灰色」を意味し、色は一般に灰色か茶色が使われるが、他の色がつくこともある。
中国の技法 [ 編集 ]
掐絲琺瑯菱花口碟 (明朝早期)
中国の琺瑯の技法は3つの技法に大別できる。
内填琺瑯 [ 編集 ]
内填琺瑯 ( ないてん ほうろう ) は、シャンルヴェ、あるいは、象嵌七宝に相当する技法。
掐糸琺瑯 [ 編集 ]
掐糸琺瑯 ( こうし ほうろう ) は、クロワゾネ、あるいは、有線七宝に相当する技法。
画琺瑯 [ 編集 ]
画琺瑯 ( が ほうろう ) は、ペイントエナメル(描画七宝)に相当する技法。
日本の技法 [ 編集 ]
日 本 に お け る 七 宝 の 技 法 は 、 釉 薬 や 器 胎 の 種 類 な ど 材 料 の 違 い と 、 線 付 け の 有 無 な ど 製 作 方 法 の 違 い に よ っ て 大 別 で き る [ 2 ] 。
象 嵌 七 宝 [ 編 集 ]
並 河 靖 之 花 鳥 文 花 瓶 / 明 治 時 代 / ロ サ ン ゼ ル ス ・ カ ウ ン テ ィ 美 術 館 所 蔵
胎 を 鋳 造 や 彫 る な ど に よ っ て 凹 ま せ た 部 分 に 七 宝 を 施 す 技 法 。 凹 面 に 直 接 釉 薬 を 入 れ る 方 法 と 凹 面 と 同 じ 形 の 胎 に 七 宝 を 施 し は め 込 む 方 法 な ど が あ る 。 江 戸 時 代 中 期 頃 ま で の 作 品 は こ の 手 法 を 用 い た も の が 多 く 見 ら れ る 古 来 の 技 法 。 凹 面 の 内 部 に 有 線 を 施 す も の も あ る が 、 全 く 植 線 を せ ず 金 属 の 凹 み に 直 接 釉 薬 を 入 れ た も の に 関 し て は 西 洋 の シ ャ ン ル ヴ ェ の 技 法 に 近 い 技 法 で あ る 。
有 線 七 宝 [ 編 集 ]
リ ボ ン 状 の 薄 い 金 属 線 で 模 様 を つ け る 技 法 。 薄 い 金 属 線 で 模 様 を 描 く た め 、 緻 密 な 図 柄 を 表 現 で き る 反 面 、 植 線 の 手 間 の か か る 手 法 で あ る 。 日 本 で は 、 古 く は 桂 離 宮 松 琴 亭 ︵ 1 6 2 0 - 1 6 2 5 年 に 構 築 ︶ の 二 の 間 戸 袋 の 引 手 ︵ 銅 製 巻 貝 形 を 有 線 に し て 、 不 透 明 の 白 色 や 肌 色 釉 を 施 し た も の ︶ に 見 ら れ る 技 法 で あ る 。 有 線 七 宝 と し て は 明 治 時 代 の 並 河 靖 之 の 作 品 の 評 価 が 高 い 。 西 洋 の ク ロ ワ ゾ ネ の 技 法 の 和 訳 と 考 え て も 差 し 支 え な い が 、 特 に 並 河 の 作 に 見 ら れ る 植 線 技 術 は 西 洋 の ク ロ ワ ゾ ネ と 比 べ て も 卓 越 し た 技 で あ る 。
無 線 七 宝 [ 編 集 ]
双 鳩 図 盆 , 濤 川 の 無 線 七 宝
七 宝 釉 の 間 に 金 属 線 の 仕 切 り を つ け な い 技 法 。 無 線 七 宝 と い う 言 葉 に は 大 き く 分 け て 2 つ の 意 味 合 い が あ る 。 本 格 的 な 無 線 七 宝 は 濤 川 惣 助 が 考 案 し た も の で あ る 。 無 線 七 宝 と 言 え ば 、 よ く こ の ﹁ 濤 川 惣 助 の 作 に お け る 無 線 七 宝 ﹂ を 意 味 し 、 釉 よ り 低 い 高 さ の 植 線 を 行 う ﹃ 忍 び 針 ﹄ 、 あ る い は 、 焼 く 前 に 植 線 を 抜 き 取 る ﹃ 抜 き 針 ﹄ と い っ た 特 殊 な 植 線 技 法 ︵ 有 線 七 宝 の 一 種 と 呼 ん で も 差 し 支 え な い ︶ な ど も 駆 使 し て 、 植 線 を 見 せ な い 画 を 作 り 上 げ る 技 法 の 総 称 で あ る 。 一 方 で 、 西 洋 の シ ャ ン ル ヴ ェ や ペ イ ン ト エ ナ メ ル の よ う に 、 単 に 植 線 の 無 い 七 宝 と い う 意 味 で は 日 本 で も 江 戸 時 代 に も 見 ら れ [ * 2 ] 、 近 年 の フ リ ッ ト 法 ︵ フ リ ッ ト 釉 を 並 べ て 焼 き 付 け た も の ︶ な ど も 無 線 七 宝 の 一 種 と い え る 。
描 画 七 宝 [ 編 集 ]
西 洋 の ペ イ ン ト エ ナ メ ル に あ た る 技 法 。 定 義 上 は 無 線 七 宝 に も 分 類 で き る が 、 絵 画 の よ う に 七 宝 釉 で 絵 を 描 く よ う な も の は 描 画 七 宝 と 呼 ば れ 、 特 に 絵 柄 の 細 か い 高 度 な も の は 細 密 描 画 な ど と も 呼 ば れ て い る 。
金 属 胎 七 宝 [ 編 集 ]
鉄 、 銅 、 銀 、 金 な ど の 金 属 を 胎 ︵ 土 台 と な る 素 地 の こ と ︶ と し て 用 い る 通 常 の 技 法 。
ガ ラ ス 胎 七 宝 [ 編 集 ]
竹 内 忠 兵 衛 の 磁 胎 七 宝
ガ ラ ス を 胎 と し て 用 い る 技 法 。 金 属 胎 を 基 本 と す る 七 宝 の 定 義 か ら 外 れ た 技 法 。 大 正 時 代 名 古 屋 の 恒 川 愛 三 郎 ︵ 1 8 7 9 - 1 9 4 6 年 ︶ に よ っ て 発 明 さ れ た が 、 当 時 は わ ず か な 試 作 品 が 作 ら れ た だ け で あ っ た 。
陶 磁 胎 七 宝 [ 編 集 ]
陶 磁 器 の 表 面 に 有 線 七 宝 あ る い は 無 線 七 宝 を 併 用 し て 釉 薬 を 施 し た も の 。 明 治 時 代 前 期 に 盛 ん で あ っ た が 、 製 作 後 、 時 を 経 る に 従 っ て 表 面 に 亀 裂 を 生 じ る 品 が あ っ た り 、 銅 胎 七 宝 の 発 展 に 伴 い 、 次 第 に 行 わ れ な く な っ た 。 磁 胎 七 宝 は 、 名 古 屋 の 吉 田 直 重 に よ っ て 発 明 さ れ た と い わ れ て お り 、 同 じ く 名 古 屋 の 竹 内 忠 兵 衛 ら が 手 掛 け て い る 。 陶 胎 七 宝 は 、 六 代 - 七 代 錦 光 山 宗 兵 衛 、 十 四 代 安 田 源 七 、 北 村 長 兵 衛 と い っ た 、 京 都 の 京 焼 ︵ 清 水 焼 や 粟 田 口 焼 ︶ の 陶 芸 家 ら が 手 が け た 。
透 胎 七 宝 [ 編 集 ]
濤 川 の 銀 製 透 胎 七 宝 , 1 9 0 0 年 , ウ ォ ル タ ー ズ 美 術 館 蔵
胎 の 一 部 を 切 り 透 か し に し て 透 明 釉 を 施 す 、 あ る い は 、 銅 胎 の 一 部 を 切 り 透 か し に し て 透 明 釉 を 施 し 、 他 の 銅 素 地 の 部 分 に は 通 常 の 七 宝 を 施 す 技 法 。 下 地 に 彫 金 な ど を 施 す と 、 透 け て 、 図 案 が 浮 き 彫 り さ れ る 。 西 洋 の プ リ カ ジ ュ ー ル の 技 法 の 和 名 と 考 え て 差 し 支 え な い 。 明 治 時 代 末 期 以 降 に は ア ー ル ヌ ー ヴ ォ ー な ど の 影 響 を 受 け 、 ル ネ ・ ラ リ ッ ク に 代 表 さ れ る 宝 飾 作 家 が 当 該 技 法 を 用 い た 宝 飾 品 を 製 作 し た 。 日 本 の 七 宝 家 ら も 、 こ の 潮 流 に 乗 っ て 透 胎 七 宝 や 後 述 の 省 胎 七 宝 を 手 が け て お り 、 ウ ォ ル タ ー ズ 美 術 館 に は 、 濤 川 惣 助 の 作 と い わ れ る 銀 製 の 透 胎 七 宝 が 所 蔵 さ れ て い る 。
省 胎 七 宝 [ 編 集 ]
安 藤 七 宝 店 加 藤 耕 三 に よ る 省 胎 七 宝
銅 胎 に 銀 線 で 模 様 を つ け て 七 宝 釉 を 焼 き 付 け た 後 、 素 地 を 酸 で 腐 食 さ せ て 表 面 の 七 宝 部 分 だ け を 残 す 技 法 。 フ ラ ン ス で 12 世 紀 か ら 13 世 紀 に か け て よ く 使 わ れ た 技 法 で あ る 。 日 本 で は 明 治 時 代 後 期 に フ ラ ン ス 製 品 を 手 本 に 名 古 屋 の 安 藤 重 兵 衛 が 川 出 柴 太 郎 ︵ 英 語 版 ︶ の 協 力 の も と に 完 成 さ せ た と い う 。 日 本 で は 胎 ︵ 素 地 ︶ を 溶 か す 技 法 を 特 に 省 胎 七 宝 と 呼 び 、 透 胎 七 宝 と 区 別 す る が 、 こ の よ う な 技 法 の 区 別 は ヨ ー ロ ッ パ や ロ シ ア で は あ ま り 見 ら れ な い 。
泥 七 宝 [ 編 集 ]
泥 七 宝 独 特 の 釉 薬 ︵ 多 く は 不 透 明 の 釉 薬 ︶ を 用 い て 焼 い た 古 来 の 技 法 。 透 明 な 釉 薬 は 西 洋 で は 東 ロ ー マ 時 代 か ら 見 ら れ る が 、 東 洋 で は 不 透 明 な 釉 薬 を 用 い た も の が 多 い 。 一 般 的 に は 、 ゴ ッ ト フ リ ー ド ・ ワ グ ネ ル に よ っ て 透 明 釉 薬 が 発 達 す る 以 前 の 、 そ れ ら の 七 宝 器 や 釉 薬 を 総 じ て ﹁ 泥 七 宝 ︵ ど ろ し っ ぽ う ︶ ﹂ と 呼 ぶ 。 な お 、 日 本 で は 古 く か ら 平 田 道 仁 に 始 ま る 平 田 七 宝 の よ う に 透 明 感 の あ る 作 も 存 在 し た た め 、 そ れ ら を 区 別 し て 単 に 泥 七 宝 と 呼 ぶ に ふ さ わ し い 濁 り の あ る 釉 薬 を 用 い た 作 を ﹁ 泥 七 宝 ﹂ と 呼 ぶ 場 合 も あ る 。 ま た 、 初 期 の 尾 張 七 宝 の 釉 薬 や 作 を 泥 七 宝 と 呼 ぶ 場 合 や 、 京 都 で は 鋳 造 器 に 七 宝 を 入 れ た も の を 泥 七 宝 と 呼 ぶ 場 合 が あ る ︵ 京 都 の 泥 七 宝 を 参 照 ︶ [ 4 ] 。
箔 七 宝 [ 編 集 ]
銀 箔 や 金 箔 な ど の 金 属 箔 を 使 用 し た 技 法 。 銀 箔 や 金 箔 の 輝 き を 利 用 し た 技 法 で あ る 。 表 面 に 焼 き 付 け る 技 法 も 含 ま れ る が 、 主 に は 、 金 属 箔 の 上 に 釉 薬 を 焼 成 し た 技 法 を 指 す 。 主 素 地 ︵ 胎 ︶ と 箔 の 間 に は 一 層 の 釉 薬 が 焼 き 付 け て あ り 、 糊 の 役 目 も 果 た す 。 銀 箔 や 金 箔 に 描 画 的 な 表 現 を 施 さ ず そ の ま ま 焼 き 付 け 、 そ の 上 に 色 釉 薬 で 彩 色 す る こ と や 、 無 色 透 明 の 釉 薬 を 焼 成 し 、 そ の 上 に 色 釉 薬 な ど で 描 画 や 彩 色 を 施 す 手 法 が あ る 。 銀 箔 を 使 用 し た 技 法 を 日 本 国 内 で は ﹁ 銀 張 七 宝 / 銀 貼 七 宝 ﹂ と 呼 ぶ こ と が 多 い 。 ま た 、 銀 箔 に 凹 凸 を つ け て か ら 焼 き 付 け る 技 法 を ﹁ 銀 張 有 線 ﹂ と 呼 ぶ こ と が あ る 。 銀 張 有 線 は 、 有 線 七 宝 様 の 表 現 を 銀 箔 に 凹 凸 を つ け る こ と で 可 能 に し た 技 法 と し て 考 案 さ れ た 。 有 線 七 宝 と 象 嵌 七 宝 を 組 み 合 わ せ た よ う な 技 法 と も い え る 。 考 案 さ れ た 当 初 は 有 線 七 宝 様 の 作 品 を 量 産 す る こ と も 可 能 で あ っ た た め に 多 用 さ れ た 一 面 が あ る が 、 現 在 と な っ て は こ の 銀 張 有 線 技 法 も 手 間 が か か る こ と や 、 焼 き 付 け 時 の 温 度 に 注 意 が 必 要 な た め 、 工 房 や 作 家 も 少 な く 伝 統 的 技 法 の ひ と つ で あ る 。
ジ グ ソ ー 七 宝 ︵ 糸 鋸 七 宝 ︶ [ 編 集 ]
金 属 胎 七 宝 の ひ と つ と も 見 ら れ る が 、 七 宝 の 大 作 な ど を 制 作 す る た め に 、 基 板 と な る 金 属 板 を 糸 鋸 で 数 十 か ら 数 百 の パ ー ツ に 切 断 し 、 裏 表 に 七 宝 釉 を 焼 成 し た 後 、 表 面 の 図 案 に 合 わ せ 、 元 の 形 に 貼 り 合 わ せ る 技 法 。
(一) ^ 焼 成 温 度 は 、 国 や 地 域 、 業 者 に よ っ て 釉 薬 の 成 分 が 異 な る た め 様 々 で あ る 。 そ の 上 で 目 安 を 示 す と 、 国 内 に お い て は メ タ ル 釉 な ど と 呼 ば れ る 平 面 向 け の 釉 薬 の 中 で は 7 0 0 ℃ ぐ ら い の 比 較 的 低 温 の も の も 見 ら れ る が 、 立 体 釉 な ど と 呼 ば れ る 立 体 向 け の 釉 薬 の 中 で は 9 0 0 ℃ 近 く の 比 較 的 高 温 の も の が 見 ら れ る 。
(二) ^ 五 三 桐 形 引 手 に は 象 嵌 七 宝 、 有 線 七 宝 、 無 線 七 宝 の 三 種 の 技 法 が 見 ら れ る 。 [ 3 ]
(一) ^ " 光 彩 の 巧 み - 瑠 璃 ・ 玻 璃 ・ 七 宝 - " , 五 島 美 術 館 , p p . 2 8 - 2 9
(二) ^ マ リ ア 書 房 ﹃ 日 本 の 七 宝 ﹄ 1 9 7 9 年 。
(三) ^ ﹃ 日 本 の 美 術 3 ﹄ N o . 3 2 2 七 宝 、 至 文 堂 、 1 9 9 3 年 。
(四) ^ 雑 誌 ﹃ な ご み ﹄ 1 9 9 8 年 6 月 。
関連項目 [ 編集 ]
ウィキメディア・コモンズには、
クロワゾネ に関連するカテゴリがあります。
外部リンク [ 編集 ]