(ジャーナリスト・近藤大介)

 文在寅大統領は、いまから一年半前の昨年5月10日に、第19代韓国大統領に就任した。その前日に大統領選挙が行われたが、選挙に先立って、計3回にわたって有力候補者たちによるテレビ討論会が開かれた。私はその模様を、インターネットテレビの生放送で見たが、文在寅候補のスピーチは、他の候補者たちを圧倒していた。経済、安保、教育、福祉・・・どの問題を論じても、トレードマークの白い歯を見せた作り笑いを浮かべながら、完璧に答えた。ひところ国民的人気を呼んでいた安哲秀候補などは、文在寅候補の「引き立て役」にすぎず、誰が次期韓国大統領にふさわしいかは一目瞭然だった。


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 安倍首相側近に聞くと、文大統領は安倍首相との日韓首脳会談で、慰安婦などの歴史問題や竹島の領土問題について、激しく言い寄ってきたことは一度もないという。それよりも、「未来志向」を掲げ、朴槿恵前政権との違いを強調するという。