山中城本丸裏手の空堀 写真=西股 総生(以下同)

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増尾城(千葉県)の空堀(24mm相当で撮影)

 

 調調
杉山城(埼玉県)の虎口。画面左下から曲輪内に向かう通路が直角に折れ、土橋となって虎口に導かれる様子をがわかる構図とした(24mm相当)

 とはいえ、一般の歴史好き・城好きの人たちは、考古学の実践訓練など受けたことはないだろう。そこで今回は、土の城をうまく撮る最大公約数的な基本を、初心者にもわかりやすく説明してみよう。


 使
葛山城(静岡県)二ノ曲輪。画面右下の虎口は枡形となっており、通路は直角に折れて画面奥へと導かれる。画面奥に主郭の切岸が見える(28mm相当)

 問題は焦点距離(画角)だが、土の城でもっとも使いやすい焦点距離は、35mm判換算でズバリ24mmである(APS-Cなら16mm、マイクロフォーサーズなら12mmが相当)。一般的に、広角レンズとしてもっとも使いやすいのは28mm(APS-Cフォーマット18mm、マイクロフォーサーズ14mm)だが、土の城の場合は24mmが標準レンズと考えてよいくらいだ。実際、単焦点の24mmを1本カメラにつけて行けば、ほぼ間に合ってしまう。

高天神城(静岡県)遠望。湿地や水田の中に屹立する占地を表現するため、遠望写真をあえて広角レンズで撮ってみた(28mm相当)

 24mm28mm7424mm8410

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小机城(横浜市)の空堀を24mm相当で撮影。このような巨大な空堀を撮るにはやはり24mmの画角が有効だ

 24mm28mm28mm24mm28mm使24mm
菅谷城(埼玉県)の空堀と土塁を28mm相当で撮影。整備された城なら28mmでもけっこう撮れることがわかる

 24mm20mm18mm

 調20mm18mm使
滝山城(東京都)の中ノ丸。広大な曲輪を超広角17mmで撮ってみたが、漠然と広いだけでイマイチ締まりのない構図で、右隅にはゴーストも出ている。画角が広い分、余計な光も拾ってしまうわけだ