2024年6月20日、ロシアのプーチン大統領はベトナム・ハノイを訪問し、ホーチミン廟に花輪を捧げた(写真:UPI/アフロ)

(川島 博之:ベトナム・ビングループ、Martial Research & Management 主席経済顧問)

 2024年6月20日、ロシアのプーチン大統領がベトナムを訪問した。ベトナムの招きに応じたものであるが、ロシア側が招請を依頼したとも言われる。

 プーチンは国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状が出ている。そんなプーチンは経済成長著しいベトナムを訪問して、自身が孤立していないことを世界に見せつけたかったのだろう。

 ベトナムの指導層は概ね60歳以上であり、ベトナム戦争を記憶している。戦争の際に旧ソ連は終始一貫して援助してくれた。またカンボジア侵攻によって孤立した時も、見捨てることなく援助の手を差し伸べてくれた。ベトナム指導層にはその恩に応えたいのと意識があった。


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ベトナムのハノイ・オペラハウスで行われたレセプションに出席したロシアのプーチン大統領とベトナムのトー・ラム国家主席(2024年6月20日、写真:代表撮影/ロイター/アフロ)