から揚げなどで有名な大分市が、中心地街において、厠、便所とも呼ばれる通称﹁トイレ﹂と現代アートの祭典・トリエンナーレを掛け合わせた全国初となる芸術祭﹁おおいたトイレンナーレ﹂を2015年度の開催に向けて始動させることが分かった。同年には、JR・大分駅ビルや県立美術館の開業が予定されており、これに合わせることで、大分市が持つ新しい魅力を発信し、さらなるまちづくりを目指していく。まずは、今年度2013年から﹁トイレ﹂をテーマにしたシンボルとなるアート作品などの制作を始めていくようだ。
アントレプレナーシップとは
﹁おおいたトイレンナーレ﹂は、大分県大分市が実施している﹁アントレプレナーシップ事業制度﹂で選ばれた事業案だ。アントレプレナーシップとは、企業家精神と呼ばれるもの。大分市では、2004年度からこれを制度化させることで、自治体業務を第一線で支えている職員が、既存の枠に捉われない自由な発想で事業の企画・提案から事業化までを自らの手で行うことを目的としている。大分市以外にも、横浜市などでも同制度が取り入れられており、職員の企画力の向上や地域活性化を図っている。
大分県に﹁トイレ﹂を見に行こう!
2012年度の同制度で選ばれたこの﹁おおいたトイレンナーレ﹂の事業案を実現するために、市民団体やアートイベント団体などの代表から選ばれた9名で構成された﹁アートを活かしたまちづくり検討委員会﹂が6月に発足。そして、9月4日︵水︶に基本方針や手法についての書類が釘宮磐市長に提出されたと報道されている。
それによると〝公共的で個人的な空間でもあるトイレをアートの力で開放する。トイレをひらくことをきっかけに、中心市街地と、そこを訪れる人を結び、大分のまちをひらきます〟とのことだ。﹁トイレ﹂を大分の街を歩く目的にしてもらうことで、観光客を増加させ、さらなるまちづくりの狙いがあるようだ。
﹁トイレ﹂はキレイだけじゃない
また、基本計画として、中心市街地の店舗や公共施設にあるトイレを選定し、作品内容を検討した上で、アーティストがそれらを作品化する現代美術展の開催も予定されている。さらには﹁トイレ﹂を清潔感ではなく、美しい、面白い、楽しいなどの芸術的な観点から選ばれる﹁トイレアートコンクール﹂も実施する予定のようだ。
今、日本全国の地方都市では、まちおこしを図るために現代アートを活用したトリエンナーレが増えている。今回の﹁トイレ﹂と現代アートを掛け合わせた、今までにないユニークな試みが、大分市をさらに盛り上げる契機となり得るのかに注目したいところだ。
KAI-YOU編集者。1991年大阪生まれ。 企画、編集、取材、文章を書いたり、時々ニコニコ生放送でゲーム実況主として配信を行い、現在では放送の度にたまに10,000来場者数を越えるなど、インターネット上に少なくない数のファンを持つ。KREVAの新譜﹁嘘と煩悩﹂が楽しみ。
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