![歯茎を守る男性たち](http://kataoka-dentalclinic.com/wp-content/uploads/2020/07/gum-treatment-with-small-men-scaled.jpg)
﹁わたしって口がくさいのかしら?﹂﹁ハミガキするとすぐに血が出る﹂﹁痛みもないのに突然歯が抜けた!﹂
このようなお悩みを持った方はすぐに歯周病を思い浮かべるのではないでしょうか。
ご両親が総入れ歯で食事に困っている姿を毎日目にしている方もいらっしゃるでしょう。
それでも日々の診療において、歯周病について正しい知識を持ち予防されている方はまだ多くないように感じます。
歯周病の主な原因となる細菌は誰しも必ず口腔内に存在していますが、早くから正しく細菌をコントロールする事でむし歯よりも比較的容易に予防することができると考えています。
しかしながら、細菌の悪性度・歯ぎしりや食いしばりといった習癖・遺伝的要因によって、ハミガキを一生懸命していても歯周病が進行していくケースも少なくありません。
また歯周病は様々な全身疾患とも関わりが深く、現在当院に通院中の患者様でも、数名ですが過去に歯周病から全身に波及し長期間の入院を余儀なくされた方もいらっしゃいます。
﹁親も歯が悪かったからどうせ自分も入れ歯になる﹂﹁他人からどう思われても気にしない﹂という方もいらっしゃるとは思いますが、もっと早くから歯を大切にしておけばよかったという患者様の声を耳にする度に予防の重要性を実感致します。
歯周病は非常に多くの因子が関係してはいるのですが、ここでは歯周病に特に大きな影響を与える﹁細菌﹂と﹁力﹂という2つの原因に焦点をあてて解説をさせて頂きます。正しく理解して頂くとともに、歯周病で歯を失わないために﹁家庭ですぐにできること﹂﹁歯科医院ですぐにできること﹂を具体的にご紹介させて頂きますので、ぜひ歯の健康だけでなく全身の健康維持につなげてください。
目次
●1.歯周病とはどのような病気なのか
●1-1 歯周病とは
●1-2 実は歯ぐきや骨を破壊するのは自分自身!?
●1-3 口臭だけではない歯周病の主な自覚症状
●1-4 歯周病はどのように進行していくのか?
●1-5 白い歯石と黒い歯石!?
●2.歯周病になる2つの大きな原因とすぐに実践できる予防法
●2-1 細菌
●2-2 歯に加わる咬合力
●2-3 歯周病予防のホームケアはプラークコントロールとフォースコントロールの2本柱
●2-4 歯周病にならないために歯科医院で行うプロフェッショナルケア
●3.歯周病リスクをセルフチェックしてみましょう
●4.歯周病についてよくある質問とその回答
●4-1 おすすめの歯ブラシや歯磨き粉はどれですか?
●4-2 歯周病は遺伝するというのは本当ですか?
●4-3 妊娠中は歯周病になりやすいの?
●4-4 たばこを吸っていると歯周病になりやすいのですか?
●4-5 片側だけで噛むのは歯によくないですか?
●4-6 子供の歯石は何歳ごろから取らないといけませんか?
●4-7 デンタルリンスや洗口剤は使った方がいいですか?
●4-8 副作用で歯周病になりやすい薬はありますか?
●4-9 インプラントも歯周病になるというのは本当ですか?
●5.歯周病の本当のおそろしさと放置することの大きな代償
●まとめ
1.歯周病とはどのような病気なのか
1-1 歯周病とは
![歯周病の口腔内写真](http://kataoka-dentalclinic.com/wp-content/uploads/2020/07/periodontitis-1024x683.jpg)
![歯の構造](http://kataoka-dentalclinic.com/wp-content/uploads/2020/07/structure-of-tooth-1024x980.jpg)
1-2 実は歯ぐきや骨を破壊するのは自分自身!?
![歯周ポケット内の細菌に対する免疫応答](http://kataoka-dentalclinic.com/wp-content/uploads/2020/07/bacteria-and-osteoclast-macrophage.jpg)
1-3 口臭だけではない歯周病の主な自覚症状
歯周病の主な自覚症状としては、出血・口臭・歯の動揺・歯茎の腫れ・歯石の付着があげられます。① 出血
![ブラッシング時の出血](http://kataoka-dentalclinic.com/wp-content/uploads/2020/07/blooding-of-brushing-1024x910.jpg)
② 口臭
![口臭](http://kataoka-dentalclinic.com/wp-content/uploads/2020/07/bad-breath-1024x723.jpg)
③ 歯の動揺
![歯周病による歯の動揺](http://kataoka-dentalclinic.com/wp-content/uploads/2020/07/mobility-of-tooth-1024x910.jpg)
④ 歯ぐきの腫れ
![歯周病による歯ぐきの腫れ](http://kataoka-dentalclinic.com/wp-content/uploads/2020/07/inflammation-of-gum-1024x910.jpg)
⑤ 歯石の付着
![歯石の付着した歯](http://kataoka-dentalclinic.com/wp-content/uploads/2020/07/tartar-removing-1024x339.jpg)
1-4 歯周病はどのように進行していくのか?
![歯周病の進行](http://kataoka-dentalclinic.com/wp-content/uploads/2020/07/process-of-periodontitis-1024x387.jpg)
1-5 白い歯石と黒い歯石!?
![歯肉縁上歯石と歯肉縁下歯石](http://kataoka-dentalclinic.com/wp-content/uploads/2020/07/tartar-brack-and-white-1024x683.jpg)
1章まとめ
歯周病は歯面に付着した﹁細菌﹂に﹁免疫﹂が働き歯周組織の破壊が起こる。
歯周病な主な自覚症状は、出血・口臭・動揺・腫れ・歯石である。
歯周病で失った歯槽骨は元には戻らない。
歯石は目に見えない部分にも付着している。
2.歯周病になる2つの大きな原因とすぐに実践できる予防法
![歯の周りの細菌と力](http://kataoka-dentalclinic.com/wp-content/uploads/2020/07/bacteria-and-force-around-tooth.jpg)
2-1 細菌
2-1-1 歯周病の原因菌がいなければ歯周病にはならないが、誰にでも原因菌は存在する。
![プラークの付着と歯肉の炎症](http://kataoka-dentalclinic.com/wp-content/uploads/2020/07/bacteria-and-gum-inflammation.jpg)
![歯周病の原因菌群](http://kataoka-dentalclinic.com/wp-content/uploads/2020/07/bacteria-complex-of-periodontitis-1024x576.jpg)
2-1-2 歯周病は﹁感染症﹂であり﹁生活習慣病﹂である
歯周病は細菌が原因となる﹁感染症﹂である一方で、ブラッシングや食事や睡眠や喫煙といった生活習慣もその進行に大きく関わる﹁生活習慣病﹂の側面も見られます。 初期は自覚症状が少なく、むし歯と比べて進行もゆっくりしたものであるため、自身が歯周病になっている実感のない患者様も、日々の診療でめずらしくはありません。 定期的なメインテナンスに長年通ってくださっている患者様だと、歯肉の状態で生活環境の変化を感じる事もあり、改善の提案ができれば歯周病の予防につながります。 お節介になってしまうかも知れませんが、その内容に踏み込んで聞き出すことができる信頼関係を築き上げることも私たちの大切な役割だと思っています。2-1-3 歯周病の原因菌がたまりやすい2つのポイント
![プラークが停滞しやすい部分](http://kataoka-dentalclinic.com/wp-content/uploads/2020/07/place-of-dental-plaque-retaintion-1024x768.jpg)
2-1-4 あなたは歯周病タイプ?むし歯タイプ?
歯磨きもろくにしていないのに全然むし歯にならない方や、何十年も歯科医院にいった事がないという方が、皆さまの周りにおられませんか? もちろん徹底したセルフケアを行い、良好な状態を自身の力だけで維持している方もいらっしゃいますが、むし歯にならず痛みを感じていなかったり見た目で分かりにくかったりするだけでずいぶんと歯周病が進行してしまっている人も見受けられます。 このような違いはお口の中に存在する細菌の種類・数・その割合や、生活習慣の違いによってあらわれます。![歯周ポケット内の細菌](http://kataoka-dentalclinic.com/wp-content/uploads/2020/07/bacteria-under-gingival-pocket.jpg)
2-2 歯に加わる咬合力
何度も言いますが大前提として歯周病の発生は主に﹁細菌﹂による炎症ですが、進行するにつれて歯に加わる﹁咬合力﹂の影響が大きくなり、重症化の加速因子として非常に大きな関わりをもっています。2-2-1 自分で自分の組織を傷つける咬合性外傷とは?
![力いっぱい食いしばっている様子](http://kataoka-dentalclinic.com/wp-content/uploads/2020/07/clenching-while-training-1024x683.jpg)
2-2-2 歯槽骨へのダメージは﹁力﹂×﹁時間﹂
![ダメージ=力×時間](http://kataoka-dentalclinic.com/wp-content/uploads/2020/07/force-by-time-1024x576.jpg)
2-2-3 歯列不整は高リスク
![叢生](http://kataoka-dentalclinic.com/wp-content/uploads/2020/07/crowd-teeth-1024x717.jpg)
2-3 歯周病予防のホームケアはプラークコントロールとフォースコントロールの2本柱
![歯周病予防の柱](http://kataoka-dentalclinic.com/wp-content/uploads/2020/07/two-major-method-of-prevent-periodontitis-1024x576.jpg)
2-3-1 歯周病予防にとても効果的なプラークコントロールの方法と道具とは?
![みんなの歯みがき](http://kataoka-dentalclinic.com/wp-content/uploads/2020/07/brushing-family-1024x351.jpg)
守ってほしい歯みがきの4つのポイント
力をいれすぎない
ブラッシングを行う歯の順番を決める
寝る前の歯みがきには時間をかける
手鏡で見ながら歯磨きする
2-3-2 歯間ブラシは歯みがきよりも効果的!?
![歯間ブラシとフロス](http://kataoka-dentalclinic.com/wp-content/uploads/2020/07/interdental-brush-dentalfloss.jpg)
![歯間部の磨き残し](http://kataoka-dentalclinic.com/wp-content/uploads/2020/07/interdental-plaque.jpg)
2-3-3 自分で自分の歯を破壊しないためのマウスピース
![ブラキシズム用のマウスピース](http://kataoka-dentalclinic.com/wp-content/uploads/2020/07/night-guard-of-braxism-e1594999695624.jpg)
![マウスピースを作るための型取り](http://kataoka-dentalclinic.com/wp-content/uploads/2020/07/making-of-night-guard.jpg)
![マウスピースの装着](http://kataoka-dentalclinic.com/wp-content/uploads/2020/07/setting-of-night-guard.jpg)
2-3-4 認知行動療法
![認知行動療法](http://kataoka-dentalclinic.com/wp-content/uploads/2020/07/reminder-tooth-contact-habit-1024x768.jpg)
- 作業中でも目につきやすいところに張り紙をする
- 30分~60分の間隔でアラームを設定して、噛んでいないか確認する
- 診断用マウスピースを着用してもらう
認知行動療法の具体的なアプローチは上記のようなものがあげられますが、どれも簡単にご自身でできることですので、ぜひ一度ためしてみてください。意外と昼間に噛みしめていることに気付いてもらえるかも知れません。
歯石がもたらす悪影響とは、歯石により歯面がザラザラになりプラークが停滞しやすくなったり、大きな歯石に邪魔をされてブラシの毛先が歯周ポケットに到達できなかったりして、プラークコントロールを妨げるという点です。
当院では以下のような流れで歯周病の治療を行っています。
(一)歯周ポケット測定と病状説明による動機づけと超音波スケーラーによる部分的な歯石除去
(二)超音波スケーラーによる口腔内全体の歯肉縁上歯石の除去とPMTC
(三)歯周ポケット測定と歯肉縁下歯石の確認とプラークコントロール指導
(四)ハンドインスツルメントによる歯肉縁下歯石の除去
(五)歯周ポケット歯肉の炎症の再評価
(六)1~6か月間隔での定期的なメインテナンス
まずは歯肉縁上歯石を決して痛みを与えないように除去することでプラークコントロールがいきわたりやすい状況をつくると同時に歯周病治療に対する意識を高めてもらいます。
治療途中でもメインテナンス受診時でも、炎症がみられる部分は随時プラークコントロールの指導を行います。
定期的なメインテナンスは単なるクリーニングではなく、プラークコントロールの水準の維持が大きな目的です。
メインテナンスとメインテナンスの間に、生活を取り巻く環境が著しく変化している患者様も珍しくありません。
妊娠・出産や転職・就職・退職、勤務シフトの変化、一人暮らしのスタート、ご両親の介護など、生活の変化は様々です。
そういった時にでも、現状で最適な手段や目標を提案して、歯周病を予防することがメインテナンスにおける私たちの最も重要な役割だと考えています。
また、専門家によるクリーニングを行った後でも12~16週で細菌グループは元に戻ってくることや、モチベーションを高い水準で維持するために3~4か月の1回のメインテナンスが効果的と考えられています。︵ⅰ:トータルペリオドントロジー、ⅱ:プロケアの本、ⅳ:歯科衛生士のためのペリオドントロジー、ⅷ 超明解メンテザペリオ︶
︶
2-4 歯周病にならないために歯科医院で行うプロフェッショナルケア
歯科医院では歯石の除去や研磨用ペーストを用いたPMTCを行いますが、目的は患者様自身が効果的にプラークコントロールできる口腔内環境を整えるためです。 たとえ一か月に1回全体的に歯石を除去しても、患者様のプラークコントロール水準が低いと歯周病を予防することはできません。2-4-1 プラークコントロールが行き渡る口腔内環境を整えるための歯石除去
![プロフェッショナルケアで使用する道具](http://kataoka-dentalclinic.com/wp-content/uploads/2020/07/tool-of-oral-professional-care-scaled.jpg)
![超音波スケーリング](http://kataoka-dentalclinic.com/wp-content/uploads/2020/07/ultra-sonic-scaling.jpg)
2-4-2 定期的なメインテナンスでモチベーションを維持する
![歯科医師と患者のコミュニケーション](http://kataoka-dentalclinic.com/wp-content/uploads/2020/07/communication-dentist-and-patient-1024x683.jpg)
2章まとめ
﹁細菌﹂がいなければ歯周病にはならない。
過剰な﹁力﹂は歯周病の悪化を加速する。
歯周病予防に効果的な方法はプラークコントロール。
最適なプラークコントロール方法はひとりひとり異なる。
歯石除去はプラークの停滞する部位を減らし、プラークコントロールが効果的に行き渡るようにする事が目的である。
メインテナンスではクリーニングだけでなくブラッシング指導が重要である。
メインテナンスの間隔は3~4か月に1回がよい。
3.歯周病リスクをセルフチェックしてみましょう
歯周病リスク セルフチェックリスト
□朝起きたとき、口の中がネバネバする。
□ブラッシング時に出血する。
□口臭が気になる。
□歯肉がむずがゆい、痛い。
□歯肉が赤く腫れている。︵健康的な歯肉はピンク色で引き締まっている︶
□かたい物が噛みにくい。
□歯が長くなったような気がする。
□昔と比べて前歯が出っ歯になったり歯と歯の間に隙間ができたりしてきた。食物が挟まる。
※上記の項目3つあてはまる → 油断は禁物です。予防に努めましょう。
※上記の項目6つあてはまる → 歯周病が進行している可能性があります。
※上記の項目全てあてはまる → 歯周病の症状がかなり進んでいます。
こちらは自覚症状として現れやすい症状を的確にまとめてくださっていたので、日本臨床歯周病学会から引用させて頂きました。
歯周病で生活の質が低下するのは、歯周病がかなり進行してからになりますので早期から対策していきましょう。失った歯は二度と戻りません。
平成30年に厚生労働省が行った調査が最新のもので、そこでは歯周病は抜歯を余儀なくされた歯の約37%で最も大きな割合をしめています。
多くは痛みがないままもう元には戻せない状態まで進行してしまう事や、歯を失うとその分だけ他の歯の負担が増えてしまうことで、歯の喪失のペースは加速してしまうことが、抜歯にまで至ってしまう要因だと思います。
抜歯によって歯を失うだけでなく、重度の歯周病になるとそれだけの炎症が常に起きていることから心血管疾患、誤嚥性肺炎、糖尿病、腎不全といった命に関わる疾患を引き起こす事があります。
私もこれまで診察した患者様でも少なくとも3名は歯周病が原因で1ヶ月以上の入院生活を余儀なくされています。感染性心内膜炎と肺炎でした。
また近年は大雨被害や地震による避難所生活を余儀なくされてしまう事もしばしばありますが、そのたびに口腔ケア困難により誤嚥性肺炎のリスクが高まるという報道を目にする方も少なくないと思います。
平成30年の厚生労働省調べで全世代で見ても肺炎による死亡は5位で、60歳以降に急激に割合が増加しています。
また歯周病患者は歯周組織が健康な方と比較して、心血管疾患のなりやすさが20~50%増加するという多くの研究結果が報告されています。︵ⅰ:トータルペリオドントロジー︶
そして歯周病と糖尿病は相互に関係しており、糖尿病により歯周病が悪化して、歯周病が悪化することにより糖尿病がさらに増悪するという悪循環が生まれます。
もちろん歯周病の治療を行うことで、糖尿病の主な評価項目であるHbA1Cが3ヶ月でも減少するという報告もされています。︵参照‥Munenaga Y, hemoglobin in Japanese subjects with type 2 diabetes by resolution of periodontal inflammation using adjuncttopical antibiotics︶
近年ではこのように歯周病が歯だけでなく全身の健康に影響を与えているという事は様々なメディアでも取り上げられていますが、科学的な裏付けも進んできています。
4.歯周病についてよくある質問とその回答
4-1 おすすめの歯ブラシや歯磨き粉はどれですか?
患者様ひとりひとりでオススメの歯ブラシや歯磨き粉は異なりますが、歯周病予防に効果が高いのではないかと感じた市販の歯磨き粉をまとめた記事がありますので、ぜひごらんください。 今すぐ買いに行ける!市販されている最強のおすすめ歯磨き粉8選 歯周病が治る!?現役歯科衛生士が実際に試したオススメの歯磨き粉5選4-2 歯周病は遺伝するというのは本当ですか?
歯周病は細菌に対する体の免疫応答により、自身の組織が破壊されていきます。 免疫応答は遺伝性が高いため、歯周病は遺伝性疾患の一面もあると考えられています。 ご両親が重度の歯周病である場合はより予防の意識を高めて頂いた方がよいでしょう。4-3 妊娠中は歯周病になりやすいの?
妊娠初期︵5週頃︶からホルモンバランスの変化により、唾液の質や細菌グループが変化して、同じように歯磨きをしていても歯肉炎が発生しやすくなることがあります。︵ⅰ:トータルペリオドントロジー︶ またつわりで歯磨きができなかったり、産後でも生活環境が劇的に変化したりするため歯周病リスクが高まりやすいタイミングと考えられます。4-4 たばこを吸っていると歯周病になりやすいのですか?
喫煙は歯周病のリスクを約3倍上昇させるといわれています。︵ⅰ:トータルペリオドントロジー︶4-5 片側だけで噛むのは歯によくないですか?
片側の奥歯が欠損しているなど片側に極端にかたよりすぎると咬合性外傷の原因となることがあります。 また長年続くと噛む側の筋肉だけが発達し顔貌にも変化をきたすことがありますので、かたよりを無くすための治療や意識はした方がいいでしょう。4-6 子供の歯石は何歳ごろから取らないといけませんか?
明確な基準となる年齢はありませんが、乳歯が生えそろう2歳半ほどのお子様でも歯石が付着していることはあります。 しかし多くは歯肉縁上歯石で非常に柔らかいもので、歯周病への進展の可能性は極めて低いと私は思いますが、安全に処置をおこなえる年齢になったらハンドインスツルメントで除去を図っています。 4歳を過ぎてからすることが多いように思います。4-7 デンタルリンスや洗口剤は使った方がいいですか?
クロルヘキシジンという成分は多くの洗口剤に含まれていますが、プラークの生成を阻害する効果が確証されています。 ただし日本で認められている有効濃度は低く、効果は期待できないという可能性や着色しやすい点を考慮する必要があります。 使用上の注意としては、ブラッシング後十分に水でゆすいだ後に使用してください。4-8 副作用で歯周病になりやすい薬はありますか?
薬剤のなかには歯ぐきを増殖させるものがあり、最もよく目にするのは高血圧の治療に用いられるカルシウム拮抗薬です。 医師と相談の上で、薬剤を変更してもらう事もありますが、変更後は3-4か月程度で改善が見られることが多いです。4-9 インプラントも歯周病になるというのは本当ですか?
インプラント自体は金属ですが、インプラントを支えているのは歯槽骨です。 プラークコントロールが不十分であれば、歯周病とよく似たインプラント周囲炎を引き起こします。 またインプラントは天然歯と比べてもプラークのたまりやすい形状に作らざるを得ないため、天然歯以上に丁寧なプラークコントロールが必要です。5.歯周病の本当のおそろしさと放置することの大きな代償
![H30年歯の喪失割合](http://kataoka-dentalclinic.com/wp-content/uploads/2020/07/cause-of-tooth-loss.png)
![歯周病と脳卒中心血管疾患糖尿病との関連性](http://kataoka-dentalclinic.com/wp-content/uploads/2020/07/periodontal-disease-relate-stroke-heartdisease-1024x1008.jpg)
![死因順位](http://kataoka-dentalclinic.com/wp-content/uploads/2020/07/cause-of-death.png)
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