タコ(読み)たこ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「タコ」の意味・わかりやすい解説

タコ
たこ / 蛸

章魚
octopus
devil fish

軟体動物門頭足綱八腕形目に属する動物の総称。

形態


Octopoda()()()()1()42()()()()U()21


分類


2(1)()Cirrata 112沿Opisthoteuthis depressaCirrothauma murrayi(2)Incirrata 沿Argonauta argoTremoctopus violaceusOcythoe tuberculata


生態


()Hectocotylus()()()姿BenthoctopusCallistoctopus arakawaioctopus plagueplague()


漁業


50西Octopus vulgarisO. ocellatusO. minorParoctopus dofleiniO. conaspadiceusO. arachnoides()


食品


西()()()

 調


民俗

タコは西洋ではデビル・フィッシュ(悪魔の魚)といわれているが、日本では人間に好意的な、賢くていたずら好きとイメージされる。薬師如来(やくしにょらい)が海上をタコに乗ってやってきたという伝説の蛸(たこ)薬師は、京都市や東京都目黒区など各地に存在しており、大阪府岸和田市などには、タコを禁食して祈れば眼病や吹き出物、いぼなどに霊験があるという蛸地蔵もある。また愛知県知多(ちた)郡の日間賀(ひまが)島では、毎年1月に蛸祭が行われるが、「タコ木」とよばれる木を沖へ流してタコを釣るしぐさをし、大漁祈願をする。このほか関西地方では、半夏生(はんげしょう)に「半夏蛸」といってタコを食べる風習があり、これは、タコのように大地に吸い付いて、その足のようにイネの広がるのを祝う縁起とされる。怪物的なタコの伝説は、西洋のクラーケンをはじめ、富山県の大ダコが牛馬を襲って食べる話(日本山海名産図会)など各地にあるが、タコがイモ掘りをするとか、新墓を掘り荒らすというような伝説もある。三重県鳥羽(とば)市の畔蛸(あだこ)町は、中秋の名月の夜、タコが田の畔(あぜ)にたくさん上ってきたためにつけられた地名だとされる。

[矢野憲一]

『ロジェ・カイヨワ著、塚崎幹夫訳『蛸』(1975・中央公論社)』『井上喜平治著『蛸の国』(1977・関西のつり社)』



たこ

胼胝腫(べんちしゅ)の俗称で、限局性の角質肥厚をさす。長期間にわたって圧迫や摩擦などの外的刺激を繰り返し受ける部位に、皮膚の防御反応として生ずる。通常は黄褐色調の硬い角板で、表面は平滑または多少ざらざらしている。ときに圧痛を訴えることがある。ある種の職業で特定の部位にできるもの(畳職人の肘(ひじ)だこなど)をはじめ、いわゆるペンだこ、座りだこ、靴ずれだこなどがその例である。治療は、原因を避けその部位に外力を加えないことが先決であるが、対症療法としてはスピール膏(こう)やピック膏などを貼(は)る。

[水谷ひろみ]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「タコ」の意味・わかりやすい解説

たこ

胝腫(べんちしゆ)tylosisとも呼ばれる。皮膚の小範囲に限局した角質の肥厚,増殖で,靴があたるなどといった長期間にわたって反復する圧迫や摩擦などの機械的刺激によって生ずる。一種の生体の防御反応である。一般に角質が楔状に皮膚に杭を打ち込んだようになっており,まわりの皮膚がこれをとりかこんで魚の目に似るものを〈魚の目〉といい,〈ペンだこ〉〈座りだこ〉〈靴ずれだこ〉などのように局面状のものをたこと呼ぶが,両者は本質的には同じものである。かかとや手足の指にできることが多いが,スポーツ選手や職業によっては手掌やひじなどにみられることもある。圧痛があれば,かみそりで削ったり,スピール膏などのサリチル酸剤をはって,軟らかくしてから削るが,いずれは再発する。刺激をさけるようにくふうすることもたいせつである。たこは切除しても,反復刺激が加われば,同じ場所に再発し,瘢痕(はんこん)が硬くなって,かえって痛みが強くなることがあるので,切除しないほうがよい。足の裏のウイルス性のいぼは,つねに踏みつけられて盛り上がらず,魚の目ないしはたこと同じ外観を呈するので,区別して治療する必要がある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タコ」の意味・わかりやすい解説

タコ
Octopoda; octopus; devil fish

 
 () 831812使 ()  360 ()   

たこ

胼胝」のページをご覧ください。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「タコ」の意味・わかりやすい解説

たこ

 
()()
 

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

普及版 字通 「タコ」の読み・字形・画数・意味

鼓】たこ

鼓うつ。

字通「」の項目を見る


【多】たこ

多幸。

字通「多」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内のタコの言及

【角質】より


︿

※「タコ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

タコノキ


12m7cm()...


コトバンク for iPhone

コトバンク for Android