デジタル大辞泉
「コロラトゥーラ」の意味・読み・例文・類語
コロラトゥーラ(〈イタリア〉coloratura)
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百科事典マイペディア
「コロラトゥーラ」の意味・わかりやすい解説
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コロラトゥーラ
coloratura[イタリア][ラテン]
音楽用語。彩色の意。声楽の装飾法で,トリル,跳躍音程を埋める速い走句,小さい音型の反復,器楽音型の模倣などがあり,しばしば即興演奏される。特に17~19世紀のオペラのアリアにおいて歌手の技巧提示あるいは劇的表現のため用いられ,こうしたタイプの性格的声種としてコロラトゥーラ・ソプラノを生み出している。ワーグナー派はこれを非劇的なものとして排斥したが,R.シュトラウスの18世紀の形式への回帰によって再び多く用いられている。
執筆者‥井形 ちづる
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
コロラトゥーラ
ころらとぅーら
coloratura イタリア語
Koloratur ドイツ語
音楽用語。細かい音符の連続やトリルなどの装飾音型を用いることによって、軽快で華やかに動く技巧的旋律のことをいう。18、19世紀のオペラのアリアに多くみられ、モーツァルトのオペラ﹃魔笛(まてき)﹄の夜の女王など、その名人芸的旋律に適するソプラノをとくにコロラトゥーラ・ソプラノとよんだ。現在コロラトゥーラといえば、たいていの場合このコロラトゥーラ・ソプラノをさすが、コロラトゥーラはソプラノだけでなく、ロッシーニのオペラ﹃シンデレラ﹄のアンジェリーナのように、アルトのアリアにも存在する。さらにこの用語は声楽曲に限らず、ショパンのピアノ曲など器楽曲においても用いられる。
﹇黒坂俊昭﹈
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コロラトゥーラ
coloratura
音楽用語。経過句,走句,トリルなどによる速い技巧的な声楽旋律。18~19世紀のオペラのアリアに多くみられる。モーツァルトの﹃魔笛﹄における夜の女王のアリアが有名。
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世界大百科事典(旧版)内のコロラトゥーラの言及
【ソプラノ】より
…バロックのオペラ・セリアにあっては女声よりも力強さと音量が勝る等の理由から,[カストラート]が君臨していたが,オペラ・ブッファの発展とともに女声が一般的となる。そして役柄,声質,唱法に応じてコロラトゥーラcoloratura(主役級が華麗な高音域の旋律を技巧をこらして歌うもの),リリコlirico(抒情的な声で可憐な娘役),ドラマティコdramatico(力強く劇的な性格表現),スブレットsoubrette(艶のある声で気転の利く侍女役)などに分類されるようになる。さらにドニゼッティ,ベリーニなどのイタリア・ロマン派オペラ独得の唱法,[ベル・カント]は,プリマ・ドンナたるソプラノの声の美しさと技巧を極限にまでおし進めた。…
【ソプラノ】より
…バロックのオペラ・セリアにあっては女声よりも力強さと音量が勝る等の理由から,[カストラート]が君臨していたが,オペラ・ブッファの発展とともに女声が一般的となる。そして役柄,声質,唱法に応じてコロラトゥーラcoloratura(主役級が華麗な高音域の旋律を技巧をこらして歌うもの),リリコlirico(抒情的な声で可憐な娘役),ドラマティコdramatico(力強く劇的な性格表現),スブレットsoubrette(艶のある声で気転の利く侍女役)などに分類されるようになる。さらにドニゼッティ,ベリーニなどのイタリア・ロマン派オペラ独得の唱法,[ベル・カント]は,プリマ・ドンナたるソプラノの声の美しさと技巧を極限にまでおし進めた。…
※「コロラトゥーラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」