デジタル大辞泉
「ゴルフ」の意味・読み・例文・類語
ゴルフ(golf)
ボールをクラブで打ち、9または18か所に設けられているホールに順次に入れ、打数の合計数が少ない者を勝ちとする球技。 [補説]多くは18ホールを1単位(ラウンド)とし、基準打数(パー)の合計は72が一般的。
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ゴルフ
〘 名詞 〙 ( [英語] golf ) 球技の一つ。屋外コース上で静止した小さなボールをクラブで打ち次ぎ、定められたホールへ入れ、それに要したストローク(打数)によって優劣を争う競技。一八ホールを一ラウンドとする。定められた数のホールの総打数の多寡を競うストロークプレー と、各ホールごとの打数の多寡で優劣をきめるマッチプレーとがある。[初出の実例]「この頃凝ってゐるゴルフ遊戯から疲れて帰ると」(出典:学生時代(1918)〈久米正雄〉求婚者の話)
出典 精選版 日本国語大辞典 精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
ゴルフ ごるふ golf
コース上に静止しているボールを杖(つえ)状のクラブで打ち継ぎ、定められたホール(球孔(きゅうこう))へ入れ、それまでに要したストローク(打数)の多寡によって優劣を競う競技。
[水谷 準・塩田 正 2020年4月17日]
ゴ ル フ の 起 源 に つ い て は 、 ス コ ッ ト ラ ン ド 固 有 の も の と す る 説 と 、 オ ラ ン ダ か ら 渡 来 し た も の と す る 2 説 が あ っ て 、 い ま だ に 決 定 的 な 実 証 は な い が 、 14 世 紀 に 現 行 の 形 式 と 方 法 に よ る 競 技 と し て ス コ ッ ト ラ ン ド の 庶 民 間 に 親 し ま れ た 事 実 が 明 ら か に さ れ て い る 。 15 世 紀 に は そ れ が 盛 ん に な り す ぎ て 、 国 民 の 武 道 と 信 仰 の 妨 げ と な る も の と さ れ 、 勅 令 に よ る 全 面 禁 止 、 あ る い は 安 息 日 の プ レ ー 禁 止 な ど も あ っ た が 、 事 実 は 、 こ の 競 技 が 貴 族 階 級 に も 蔓 延 ( ま ん え ん ) し 、 つ い に は 王 も 熱 中 す る 風 潮 と な っ た 。 こ れ が 、 こ の 競 技 の ﹁ 王 の 、 そ し て 、 い に し え な る 競 技 ﹂ R o y a l a n d A n c i e n t G a m e と 称 さ れ る ゆ え ん で あ る 。 16 世 紀 以 降 、 身 分 の 上 下 を 問 わ な い 競 技 に ま で 発 展 し 、 や が て イ ン グ ラ ン ド に ま で 波 及 し て い っ た 。
ス コ ッ ト ラ ン ド の 小 都 市 セ ン ト ・ ア ン ド リ ュ ー ズ S t . A n d r e w s に は 世 界 最 古 と い わ れ る 同 名 の コ ー ス が 現 存 し て い る が 、 18 世 紀 中 ご ろ に ク ラ ブ 組 織 ︵ 現 、 全 英 ゴ ル フ 協 会 = R & A ‥ R o y a l a n d A n c i e n t G o l f C l u b o f S t . A n d r e w s ︶ が で き 、 い わ ゆ る 選 手 権 競 技 も 始 め ら れ た 。 最 初 は シ ル バ ー ・ ク ラ ブ S i l v e r C l u b と 称 し て 実 物 大 の 銀 製 ク ラ ブ の 争 奪 戦 が 催 さ れ 、 公 式 競 技 に は 公 平 な 規 約 が 必 要 と あ っ て 、 13 か 条 か ら な る 規 則 が つ く ら れ た 。 こ れ が 現 行 の ゴ ル フ 総 則 の 基 盤 と な っ て い る 。 現 在 は R & A と 全 米 ゴ ル フ 協 会 ︵ U S G A ‥ U n i t e d S t a t e s G o l f A s s o c i a t i o n ︶ と の 協 議 の も と に 、 4 年 ご と に 大 幅 改 正 が 行 わ れ る 。 日 本 で は 、 こ れ を 日 本 ゴ ル フ 協 会 ︵ J G A ‥ J a p a n G o l f A s s o c i a t i o n ︶ が 翻 訳 し て ゴ ル フ ル ー ル を 普 及 し て い る 。
ゴ ル フ が 盛 ん に な る に つ れ て 、 使 用 す る ク ラ ブ や ボ ー ル を 専 門 に つ く る 者 が で き 、 彼 ら は ゴ ル フ 技 に も 長 じ て い た の で 実 技 教 習 に も 携 わ る よ う に な っ た 。 や が て 、 プ ロ フ ェ ッ シ ョ ナ ル と し て 認 め ら れ 、 ア マ チ ュ ア と 合 同 の オ ー プ ン 選 手 権 競 技 会 も 開 催 さ れ る 機 運 と な っ た 。 ほ か の ス ポ ー ツ で は 、 オ ー プ ン 競 技 に は 懇 親 的 な 意 義 し か な い 場 合 が 多 い が 、 ゴ ル フ で は 最 高 の 大 会 と 認 め ら れ て い る の は 、 遠 く 当 時 か ら の 伝 統 に よ る 。
ゴ ル フ は 19 世 紀 後 半 に イ ギ リ ス 本 土 か ら 大 西 洋 を 渡 っ て ア メ リ カ 大 陸 に 移 入 さ れ た 。 ア メ リ カ 合 衆 国 に お け る ゴ ル フ コ ー ス の 誕 生 は 1 8 8 8 年 の こ と で あ る が 、 そ の 後 わ ず か 20 年 も た た な い う ち に 、 イ ギ リ ス に 迫 る ほ ど の 実 力 を 備 え る よ う に な っ た 。 20 世 紀 に 入 る や ア メ リ カ は イ ギ リ ス に 追 い つ き 、 つ い に そ の 王 座 さ え 奪 っ た 。 そ れ に は 第 一 次 世 界 大 戦 が 大 き な 役 割 を 占 め て い る 。 イ ギ リ ス は 大 戦 を 勝 ち 抜 く た め 国 力 も 疲 弊 し 、 ゴ ル フ 界 も 沈 滞 し た 。 こ れ に 反 し て ア メ リ カ は 大 戦 に よ る 被 害 は ほ と ん ど な く 、 戦 時 中 も ゴ ル フ 大 会 で 赤 十 字 義 援 を 試 み た ほ ど の 余 裕 を 示 し 、 戦 後 の 好 景 気 に よ っ て ゴ ル フ の 大 衆 化 は す さ ま じ く 、 あ ら ゆ る 面 で イ ギ リ ス を 圧 倒 す る よ う に な っ た 。
﹇ 水 谷 準 ・ 塩 田 正 2 0 2 0 年 4 月 17 日 ﹈
一 方 ゴ ル フ 競 技 は 世 界 各 地 の イ ギ リ ス 植 民 地 を 拠 点 と し て 旧 大 陸 か ら 東 洋 へ も 浸 透 し 、 日 本 へ は 1 9 0 1 年 ︵ 明 治 34 ︶ に 神 戸 在 住 の イ ギ リ ス 人 ア ー サ ー ・ グ ル ー ム A r t h u r H . G r o o m ︵ 1 8 4 6 ― 1 9 1 8 ︶ に よ っ て 導 入 さ れ た 。 ゴ ル フ コ ー ス が 六 甲 ( ろ っ こ う ) 山 上 の 別 荘 地 帯 に 建 設 ︵ 4 ホ ー ル ︶ さ れ 、 神 戸 ゴ ル フ 倶 楽 部 ( く ら ぶ ) と し て 1 9 0 3 年 オ ー プ ン の 運 び と な っ た 。 こ れ に 呼 応 し て 1 9 0 6 年 に は 、 横 浜 の 根 岸 競 馬 場 内 に イ ギ リ ス 居 留 民 主 体 の ニ ッ ポ ン ・ レ ー ス ・ ク ラ ブ ・ ゴ ル フ ィ ン グ ・ ア ソ シ エ ー シ ョ ン が 設 立 さ れ 、 1 9 1 4 年 ︵ 大 正 3 ︶ に は 初 め て 日 本 人 を 会 員 と す る 東 京 ゴ ル フ 倶 楽 部 が 東 京 郊 外 駒 沢 ( こ ま ざ わ ) 村 に 発 足 し た 。
日 本 に お け る ゴ ル フ ァ ー は 、 初 め 上 流 階 級 だ け に 限 ら れ て い た が 、 そ の 大 衆 化 は 1 9 2 4 年 、 武 蔵 野 ( む さ し の ) カ ン ト リ ー 倶 楽 部 が 口 火 を 切 っ た 。 同 年 日 本 ゴ ル フ 協 会 が 設 立 さ れ 、 1 9 2 7 年 ︵ 昭 和 2 ︶ の 第 1 回 日 本 オ ー プ ン 選 手 権 競 技 で 、 ア マ チ ュ ア の 赤 星 六 郎 ︵ 1 9 0 1 ― 1 9 4 4 ︶ が 優 勝 し た 。 昭 和 期 に 入 る と 各 地 に 続 々 と ゴ ル フ 場 が 建 設 さ れ た 。 し か し 1 9 3 7 年 日 中 戦 争 か ら 太 平 洋 戦 争 を 迎 え る に 及 ん で 、 ゴ ル フ は 敵 性 ス ポ ー ツ と み な さ れ 、 さ ら に は 広 大 な コ ー ス が 軍 用 地 と し て 接 収 さ れ 、 戦 争 激 化 と と も に 逼 塞 ( ひ っ そ く ) 状 態 と な っ た 。 や が て 終 戦 を 迎 え て 、 ゴ ル フ が 駐 留 軍 の レ ク リ エ ー シ ョ ン と し て 大 き く 浮 か び 上 が り 、 軍 用 地 に 転 用 さ れ た ゴ ル フ 場 は ふ た た び 初 め の 姿 に 返 る 機 運 が 生 ま れ た 。 同 時 に 新 設 の ゴ ル フ 場 が 各 地 に つ く ら れ 、 日 本 ゴ ル フ 界 は 戦 前 を し の ぐ 状 態 と な っ た 。
﹇ 水 谷 準 ・ 塩 田 正 2 0 2 0 年 4 月 17 日 ﹈
史 上 ゴ ル フ ・ プ ロ 第 一 号 は イ ギ リ ス の ア ラ ン ・ ロ バ ー ト ソ ン A l l a n R o b e r t s o n ︵ 1 8 1 5 ― 1 8 5 7 ︶ で あ る 。 彼 は セ ン ト ・ ア ン ド リ ュ ー ズ で ボ ー ル 製 造 を 業 と し て い た が 、 プ レ ー 技 術 に も 優 れ 、 世 界 で 初 め て 70 台 の ス コ ア を 記 録 し 、 多 く の 帰 依 ( き え ) 者 を 得 た 。 ロ バ ー ト ソ ン の 後 継 者 ト ム ・ モ リ ス T h o m a s ( O l d T o m ) M o r r i s ︵ 1 8 2 1 ― 1 9 0 8 ︶ は ﹁ プ ロ の 父 ﹂ と い わ れ 、 技 量 ・ 人 格 と も に 優 れ 、 ゴ ル フ の 発 展 に 尽 く し 、 息 子 の ヤ ン グ ・ ト ム Y o u n g T o m M o r r i s ︵ 1 8 5 1 ― 1 8 7 5 ︶ と ペ ア を 組 ん で は 無 敗 の 戦 績 を あ げ た 。 イ ギ リ ス の 黄 金 期 は 19 世 紀 末 か ら 20 世 紀 初 頭 に か け て 最 高 に 達 す る が 、 ハ リ ー ・ バ ー ド ン 、 ジ ェ ー ム ス ・ ブ レ ー ド J a m e s B r a i d ︵ 1 8 7 0 ― 1 9 5 0 ︶ 、 ヘ ン リ ー ・ テ イ ラ ー H e n r y T a y l o r ︵ 1 8 7 1 ― 1 9 6 3 ︶ の 三 者 に 負 う と こ ろ が 大 き い 。 1 8 9 4 年 か ら 第 一 次 世 界 大 戦 の 1 9 1 4 年 ま で の 20 年 間 の 全 英 オ ー プ ン は ほ と ん ど こ の 三 者 の み で 優 勝 を 独 占 し て い る 。 と く に バ ー ド ン は ﹁ 近 代 ゴ ル フ の 父 ﹂ と よ ば れ 、 オ ー バ ー ラ ッ ピ ン グ ・ グ リ ッ プ ︵ 後 述 ︶ を 創 案 し た こ と で 知 ら れ る 。
20 世 紀 を 迎 え て か ら ア メ リ カ は イ ギ リ ス に 肉 薄 し 、 ま ず ウ ォ ル タ ー ・ ト ラ ビ ス W a l t e r T r a v i s ︵ 1 8 6 2 ― 1 9 2 7 ︶ が イ ギ リ ス 遠 征 に よ っ て 1 9 0 4 年 度 イ ギ リ ス ・ ア マ チ ュ ア 選 手 権 を 制 覇 、 そ れ か ら 9 年 後 の 1 9 1 3 年 に 、 全 米 オ ー プ ン 奪 取 の た め 渡 米 し た バ ー ド ン を 迎 え て 、 無 名 の 若 き ア マ チ ュ ア で あ っ た フ ラ ン シ ス ・ ウ イ メ ッ ト F r a n c i s O u i m e t ︵ 1 8 9 3 ― 1 9 6 7 ︶ が バ ー ド ン と の プ レ ー オ フ の す え 優 勝 し た 。 第 一 次 世 界 大 戦 に よ る 空 白 時 代 に ア メ リ カ ・ ゴ ル フ 界 は 著 し く 成 長 し 、 ウ ォ ル タ ー ・ ヘ ー ゲ ン W a l t e r H a g e n ︵ 1 8 9 2 ― 1 9 6 9 ︶ が 全 英 オ ー プ ン 選 手 権 の タ イ ト ル を と る こ と に よ っ て 事 実 上 イ ギ リ ス の 黄 金 時 代 は 去 り 、 ア メ リ カ の 第 一 期 の 黄 金 時 代 を 迎 え る こ と に な る 。 こ の 期 を 代 表 す る の が ウ ォ ル タ ー ・ ヘ ー ゲ ン 、 ジ ー ン ・ サ ラ ゼ ン お よ び ボ ビ ー ・ ジ ョ ー ン ズ の 3 名 で あ る 。 と く に ジ ョ ー ン ズ は ア マ チ ュ ア で あ り な が ら 当 時 28 歳 の 若 さ で 世 界 の 代 表 的 競 技 会 ︵ 全 米 ・ 全 英 両 オ ー プ ン と 英 ・ 米 両 ア マ チ ュ ア ︶ の 優 勝 を 1 年 間 で 成 就 す る と い う 不 滅 の 偉 業 ︵ グ ラ ン ド ス ラ ム ︶ に よ っ て 知 ら れ て い る 。
第 二 次 世 界 大 戦 後 は ア メ リ カ が 不 動 の 地 位 を 占 め 、 バ イ ロ ン ・ ネ ル ソ ン B y r o n N e l s o n ︵ 1 9 1 2 ― 2 0 0 6 ︶ 、 サ ム ・ ス ニ ー ド S a m S n e a d ︵ 1 9 1 2 ― 2 0 0 2 ︶ 、 ベ ン ・ ホ ー ガ ン の 3 名 が そ れ を 支 え た 。 こ れ ま で 代 表 的 名 手 を 3 名 ず つ あ げ て き た が 、 い わ ゆ る ビ ッ グ ・ ス リ ー の 呼 称 は 、 1 9 6 0 年 代 か ら 1 9 7 0 年 代 に か け て 活 躍 し た ア ー ノ ル ド ・ パ ー マ ー 、 ジ ャ ッ ク ・ ニ ク ラ ウ ス お よ び ゲ ー リ ー ・ プ レ ー ヤ ー G a r y P l a y e r ︵ 1 9 3 5 ― ︶ に 対 し て 与 え ら れ た も の で あ る 。 そ し て 、 リ ー ・ ト レ ビ ノ L e e T r e v i n o ︵ 1 9 3 9 ― ︶ 、 ト ム ・ ワ ト ソ ン T o m W a t s o n ︵ 1 9 4 9 ― 。 い ず れ も ア メ リ カ ︶ 、 セ ベ リ ア ー ノ ・ バ レ ス テ ロ ス S e v e r i a n o B a l l e s t e r o s ︵ 1 9 5 7 ― 2 0 1 1 。 ス ペ イ ン ︶ 、 ベ ル ン ハ ル ト ・ ラ ン ガ ー B e r n h a r d L a n g e r ︵ 1 9 5 7 ― 。 ド イ ツ ︶ 、 グ レ ッ グ ・ ノ ー マ ン G r e g N o r m a n ︵ 1 9 5 5 ― 。 オ ー ス ト ラ リ ア ︶ 、 ニ ッ ク ・ フ ァ ル ド N i c k F a l d o ︵ 1 9 5 7 ― 。 イ ギ リ ス ︶ 、 タ イ ガ ー ・ ウ ッ ズ E l d r i c k ︵ T i g e r ︶ W o o d s ︵ 1 9 7 5 ― 。 ア メ リ カ ︶ ら が そ の 後 の 名 手 と し て 名 を 連 ね た 。
﹇ 水 谷 準 ・ 塩 田 正 2 0 2 0 年 4 月 17 日 ﹈
日 本 で は 昭 和 初 期 に 入 っ て 多 く の プ ロ を 輩 出 し て い る が 、 宮 本 留 吉 ( と め き ち ) ︵ 1 9 0 2 ― 1 9 8 5 ︶ 、 安 田 幸 吉 ( こ う き ち ) ︵ 1 9 0 5 ― 2 0 0 3 ︶ 、 浅 見 緑 蔵 ( あ さ み ろ く ぞ う ) ︵ 1 9 0 8 ― 1 9 8 4 ︶ 、 中 村 兼 吉 ( か ね き ち ) ︵ 1 9 1 1 ― 1 9 7 4 ︶ 、 戸 田 藤 一 郎 ( と う い ち ろ う ) ︵ 1 9 1 4 ― 1 9 8 4 ︶ ら の 相 次 ぐ 渡 米 遠 征 の 善 戦 に よ っ て そ の 実 力 が 十 分 に 認 め ら れ 、 ま た 、 技 術 向 上 の 助 け と も な っ た 。 さ ら に 、 1 9 5 7 年 ︵ 昭 和 32 ︶ 日 本 の 霞 ヶ 関 ( か す み が せ き ) カ ン ツ リ ー 倶 楽 部 ︵ 2 0 2 0 年 オ リ ン ピ ッ ク 東 京 大 会 < 2 0 2 1 年 に 延 期 > の ゴ ル フ 会 場 で も あ る ︶ で 開 催 さ れ た 国 際 競 技 で あ る カ ナ ダ カ ッ プ ︵ 現 、 ワ ー ル ド カ ッ プ ︶ で 、 中 村 寅 吉 ( と ら き ち ) ︵ 1 9 1 5 ― 2 0 0 8 ︶ が 小 野 光 一 ︵ 1 9 1 9 ― 2 0 0 0 ︶ と ペ ア で 団 体 優 勝 す る と と も に 個 人 優 勝 す る に 至 っ て 、 日 本 の ゴ ル フ が 世 界 水 準 に 達 し て い る こ と を 証 明 し 、 沸 き 起 こ っ た の が 第 一 次 ゴ ル フ ブ ー ム で あ る 。 1 9 6 0 年 に は 日 本 初 の 民 間 ゴ ル フ ト ー ナ メ ン ト が 開 催 さ れ 、 杉 本 英 世 ( ひ で よ ) ︵ 1 9 3 8 ― ︶ 、 河 野 高 明 ︵ 1 9 4 0 ― 2 0 1 0 ︶ 、 安 田 春 雄 ︵ 1 9 4 3 ― ︶ ら が 活 躍 し 、 青 木 功 ( い さ お ) や 尾 崎 将 司 ( ま さ し ) ︵ 1 9 4 7 ― 、 別 名 ジ ャ ン ボ 尾 崎 ︶ 、 中 島 常 幸 ( つ ね ゆ き ) ︵ 1 9 5 4 ― ︶ 、 倉 本 昌 弘 ( ま さ ひ ろ ) ︵ 1 9 5 5 ― ︶ ら の 活 躍 で 日 本 の ゴ ル フ ト ー ナ メ ン ト は 1 9 8 0 年 代 後 半 に 全 盛 期 を 迎 え た 。 そ の 後 、 丸 山 茂 樹 ( し げ き ) ︵ 1 9 6 9 ― ︶ 、 田 中 秀 道 ( ひ で み ち ) ︵ 1 9 7 1 ― ︶ 、 石 川 遼 ( り ょ う ) ︵ 1 9 9 1 ― ︶ 、 松 山 英 樹 ( ひ で き ) ︵ 1 9 9 2 ― ︶ ら が P G A ツ ア ー ︵ ア メ リ カ 男 子 プ ロ ゴ ル フ ツ ア ー ︶ を 主 戦 場 と し 活 躍 し て い る 。
﹇ 飯 田 雅 樹 2 0 2 0 年 4 月 17 日 ﹈
golf course ゴルフがゲームとして育ったのは、スコットランド海岸の砂丘地帯であるため、競技場は当初リンクスlinks(砂原)とよばれた。やがて内陸地方にもゴルフ場が設けられるに至って、ゴルフコースは、シーサイド・コースとインランド・コースとに大別されてよばれるようになった。
シーサイド・コースの典型は、スコットランドにあるセント・アンドリューズ・(オールド)コースSt. Andrews (old) courseで、ゴルフが必要とするあらゆる条件を完全に具備している点で、天与のモデルであるとされる。同コースは自然の砂丘が牧草地帯となったところをコース化したもので、北海から吹き寄せる風の変化と、砂地の微妙な起伏とが複合して、プレーに無限の興趣を与える結果となった。シーサイド・コースの特徴は、より自然に即して設計されており、ここにゴルフコースのもっとも基本的な設計理念をみることができる。
これに比べて、インランド・コースは地形的に複雑で、丘陵、森林、細流、池沼などを内包するので、人工的な色彩の強い設計となるのが特徴である。その典型的なものとしてアメリカ、ジョージア州のオーガスタ・ナショナル・コースAugusta National courseをあげることができる。毎春4月にマスターズ・トーナメントが開催される同コースは、森と水、起伏と曲線とによってリンクス型(シーサイド・コース)とはまったく別種の興趣を盛ることに成功した。
[水谷 準・塩田 正 2020年4月17日]
ゴ ル フ コ ー ス は 、 当 初 は そ の 規 模 ・ 形 態 に 特 定 の 規 格 が 設 け ら れ て い た わ け で は な く 、 自 然 そ の も の を 利 用 し て 競 技 が 行 わ れ て い た が 、 長 い 年 月 の 間 に そ の 標 準 が で き あ が っ た 。
コ ー ス は 18 ホ ー ル を 基 本 と し て 全 長 6 0 0 0 ~ 7 0 0 0 ヤ ー ド ︵ 1 ヤ ー ド = 0 . 9 1 メ ー ト ル ︶ 前 後 の 距 離 を も ち 、 パ ー p a r ︵ 基 準 打 数 ︶ 72 が 標 準 の タ イ プ で あ る 。 こ れ を 一 巡 ︵ ラ ウ ン ド ︶ す る の に 約 4 時 間 を 要 す る 。 日 本 の コ ー ス 設 計 で は 、 食 事 や 休 憩 の た め に ク ラ ブ ハ ウ ス を 中 央 に 配 し て 、 9 ホ ー ル ︵ ハ ー フ ︶ を 終 え る と 自 然 に ハ ウ ス に 戻 れ る デ ザ イ ン が 多 い 。 前 半 の 9 ホ ー ル を ア ウ ト コ ー ス 、 後 半 の 9 ホ ー ル を イ ン コ ー ス と い い 、 各 コ ー ス は ロ ン グ ホ ー ル 2 、 ミ ド ル ホ ー ル 5 、 シ ョ ー ト ホ ー ル 2 の 計 9 ホ ー ル 、 全 体 で 18 ホ ー ル か ら な っ て い る 。 そ の 基 準 は 、 シ ョ ー ト は 2 5 0 ヤ ー ド 以 下 、 ミ ド ル は 2 5 1 ~ 4 7 0 ヤ ー ド 、 ロ ン グ は 4 7 1 ヤ ー ド 以 上 で 、 シ ョ ー ト の パ ー を 3 、 ミ ド ル を 4 、 ロ ン グ を 5 と し 、 合 計 パ ー 72 を 標 準 と す る 。 女 子 の 場 合 は 距 離 が 短 く 、 5 7 6 ヤ ー ド 以 上 の ロ ン グ ホ ー ル の パ ー は 6 に な っ て い る 。 ホ ー ル の 距 離 は 、 テ ィ ー の 中 心 か ら グ リ ー ン 中 心 ま で 水 平 に 計 測 し 、 曲 が っ て い る ︵ ド ッ グ レ ッ グ ︶ ホ ー ル で は 、 設 計 者 の 意 図 す る フ ェ ア ウ ェ イ の 中 心 を 通 じ て 計 測 す る 。
さ ら に 、 コ ー ス に は コ ー ス ・ レ ー テ ィ ン グ c o u r s e r a t i n g が あ る 。 パ ー は 単 に 距 離 か ら 割 り 出 さ れ た も の で 、 コ ー ス に よ っ て 自 然 の 条 件 は い ろ い ろ 異 な り 、 必 然 的 に プ レ ー の 難 易 が 生 ず る か ら 、 地 形 、 障 害 物 、 風 土 的 特 徴 を 距 離 に 加 え て 、 よ り 科 学 的 な 標 準 打 数 を 決 め る た め に 行 わ れ る コ ー ス の 評 価 が コ ー ス ・ レ ー テ ィ ン グ で あ る 。 た と え ば 平 坦 ( へ い た ん ) ・ 広 闊 ( こ う か つ ) な コ ー ス は パ ー 総 計 が 72 で あ っ て も 、 コ ー ス ・ レ ー ト は 69 で あ っ た り 、 優 れ た 設 計 の む ず か し い コ ー ス で は 74 に な っ た り す る 。 こ れ ら の 評 価 は 日 本 で は 日 本 ゴ ル フ 協 会 が 担 当 し て い る 。
﹇ 水 谷 準 ・ 塩 田 正 2 0 2 0 年 4 月 17 日 ﹈
ゴルフは一つの球を一つのクラブで打ち、コース上の18ホールをプレーすることによって成り立っている。また、野球やサッカーなど他の競技フィールドが比較的広いスポーツと比べてもゴルフは広大な場所で行われ、自然を相手にするスポーツなので、さまざまなことが起こる可能性もあり、他のスポーツに比べて規則が複雑になっている。そして、同時に大勢の人たちが一つの競技会に参加できるという特徴ももっているので、すべての参加者が公平性をもって競えるよう規則が複雑になっている。それと、もう一つの大きな特徴はレフェリーが立ち会わないことである。これは、プレーヤー自身がレフェリーであり、プレーヤー自身の判断で規則を守ってプレーしないといけないということを前提につくられているからである。自分だけが有利になるように、わざと違反をしたり、他人をだましたりするようなプレーヤーがいることは考慮していない。そのゴルフ規則が何百年もの間、こうして守られ続けている。
[飯田雅樹 2020年4月17日]
2019年1月1日からゴルフ規則は変更された。これまでもゴルフ規則は4年ごとの改正を行ってきたが、2019年の変更は単なる改正ではなく新しいゴルフ規則への移行となっている。現在のプレー形式はほとんどの場合ストロークプレー方式を採用しており、多くのプレーヤーが同時に競えるようになっている。しかし、ゴルフコースという広大なエリアでプレーされるため、ゴルフ規則も複雑になりすぎていた。公平性を保つには致し方ないが、そのためにラウンド時間がかかりすぎたり、新しいゴルファーの参入を妨げてしまったりという現状を改めるために、新しいゴルフ規則へと移行された。もともと、ゴルフ規則とはプレーヤーの誠実さに頼り、プレーヤーひとりひとりがゴルフ規則を守ってプレーするということから成り立っているが、新しいゴルフ規則ではいままで以上にプレーヤーの誠実さを求める内容となった。長年ゴルフをしてきたプレーヤーの多くは、最初のうちはとまどいもあったようだが、規則全体がわかりやすくなった、プレーの時間が短くなった、と実感しているようである。ただ、変わっていないのはゴルファーはつねに他のプレーヤーに心配りをし、コースを保護して安全確認を怠らず、礼儀正しさとスポーツマンシップ を示しながら洗練されたマナーでふるまうべきであるということである。
[飯田雅樹 2020年4月17日]
一 般 的 に ゴ ル フ は エ チ ケ ッ ト と マ ナ ー が た い せ つ だ と い わ れ て い る 。 で は 、 エ チ ケ ッ ト と マ ナ ー で は 何 が 違 う の か と い う と 、 マ ナ ー は 規 則 で は な い が 守 ら な け れ ば な ら な い も の 、 エ チ ケ ッ ト は 他 人 に 対 し て の 気 配 り で あ る 。 た と え ば バ ン カ ー か ら 出 た 後 、 そ の バ ン カ ー を き れ い に な ら す の が マ ナ ー で あ る 。 な ら さ な か っ た か ら と い っ て 規 則 違 反 に な る わ け で は な い が 守 ら な け れ ば な ら な い こ と で あ る 。 で は 、 エ チ ケ ッ ト は 何 か と い う と 、 な ら す と き に 使 っ た バ ン カ ー レ ー キ ︵ バ ン カ ー の 砂 を な ら す た め に 置 か れ て い る も の ︶ を 次 に 使 う 人 の た め に 取 り や す い 場 所 に 置 い て お く 気 配 り な ど を い う 。
プ レ ー ヤ ー は コ ー ス 上 の 他 の プ レ ー ヤ ー た ち に も 心 配 り を し な け れ ば な ら な い 。 他 の プ レ ー ヤ ー が ア ド レ ス に 入 っ た ら 、 む や み に 動 い た り 、 話 し た り 、 不 必 要 に 音 を た て た り し て 、 他 の プ レ ー ヤ ー の じ ゃ ま に な る よ う な こ と を し て は な ら な い 。 ま た 、 プ レ ー ヤ ー は コ ー ス 内 に 持 ち 込 ん だ 電 子 機 器 が 他 の プ レ ー ヤ ー の 集 中 を 乱 す こ と が な い よ う に 留 意 す べ き で あ り 、 テ ィ ー イ ン グ エ リ ア で は 自 分 の 打 順 に な る ま で テ ィ ー ア ッ プ ︵ テ ィ ー イ ン グ エ リ ア で 球 を テ ィ ー ペ グ に の せ る こ と ︶ し て は な ら な い 。 そ し て 、 他 の プ レ ー ヤ ー が プ レ ー を 始 め よ う と し て い る と き に 、 そ の プ レ ー ヤ ー の 球 の 近 く や 真 後 ろ 、 あ る い は ホ ー ル の 真 後 ろ に 立 っ た り し て は な ら な い 。 パ ッ テ ィ ン グ グ リ ー ン 上 で は 他 の プ レ ー ヤ ー の プ レ ー の 線 の 上 を 歩 い た り 、 他 の プ レ ー ヤ ー が ス ト ロ ー ク し て い る と き に プ レ ー の 線 上 に 影 を お と し て は な ら ず 、 同 じ 組 の プ レ ー ヤ ー 全 員 が そ の ホ ー ル の プ レ ー を 終 え る ま で 、 そ の 組 の プ レ ー ヤ ー は パ ッ テ ィ ン グ グ リ ー ン 上 か そ の 近 く で 待 っ て い る べ き で あ る 。 ま た 、 安 全 面 の 確 認 も 怠 ら ず 、 人 の 近 く で は 素 振 り を し な い よ う に し 、 前 の 組 の プ レ ー ヤ ー が 球 の 届 く 範 囲 外 に 出 る ま で は プ レ ー を 始 め て は な ら な い 。 そ し て 、 プ レ ー ヤ ー は 自 分 の 順 番 に な っ た ら す ぐ に プ レ ー で き る よ う に 準 備 し 、 ホ ー ル の プ レ ー が 終 わ っ た ら す ぐ に そ の パ ッ テ ィ ン グ グ リ ー ン か ら 離 れ 、 後 ろ の 組 に 迷 惑 を か け な い よ う に し な け れ ば な ら な い 。 ま た 、 プ レ ー の ペ ー ス を 保 つ こ と も 重 要 で 前 の 組 と の 間 隔 を あ け す ぎ な い よ う に 速 や か な プ レ ー の ペ ー ス を 維 持 す る こ と が 重 要 で あ る 。
﹇ 飯 田 雅 樹 2 0 2 0 年 4 月 17 日 ﹈
ゴ ル フ は 次 の 五 つ の コ ー ス エ リ ア で プ レ ー を 行 う 。 球 が ど の コ ー ス エ リ ア に あ る か に よ っ て 、 プ レ ー や 救 済 を 受 け る と き に 適 用 さ れ る 規 則 は 異 な る 。
︹ 1 ︺ テ ィ ー イ ン グ エ リ ア t e e i n g a r e a
プ レ ー ヤ ー が プ レ ー す る ホ ー ル を ス タ ー ト す る と き に 、 最 初 に そ こ か ら プ レ ー し な け れ ば な い エ リ ア 。 旧 称 、 テ ィ ー イ ン グ グ ラ ウ ン ド 。
︹ 2 ︺ ジ ェ ネ ラ ル エ リ ア g e n e r a l a r e a
プ レ ー し て い る ホ ー ル の テ ィ ー イ ン グ エ リ ア 、 バ ン カ ー 、 ペ ナ ル テ ィ ー エ リ ア 、 プ レ ー し て い る ホ ー ル の パ ッ テ ィ ン グ グ リ ー ン 以 外 の 場 所 で 、 コ ー ス 全 体 を 構 成 す る す べ て の エ リ ア 。 旧 称 、 ス ル ー ザ グ リ ー ン t h r o u g h t h e g r e e n 。
︹ 3 ︺ バ ン カ ー b u n k e r
バ ン カ ー と す る た め に つ く ら れ た 砂 の エ リ ア で 、 芝 や 土 が 取 り 除 か れ て 、 く ぼ み と な っ て い る 場 合 が 多 い 。
︹ 4 ︺ ペ ナ ル テ ィ ー エ リ ア p e n a l t y a r e a
プ レ ー ヤ ー の 球 が そ こ に 止 ま っ た 場 合 、 1 罰 打 で 救 済 が 認 め ら れ て い る エ リ ア 。 旧 称 、 ウ ォ ー タ ー ハ ザ ー ド も し く は ハ ザ ー ド 。
︹ 5 ︺ パ ッ テ ィ ン グ グ リ ー ン p u t t i n g g r e e n
プ レ ー ヤ ー が プ レ ー し て い る ホ ー ル の パ ッ テ ィ ン グ の た め に 特 別 に つ く ら れ た エ リ ア 。
﹇ 飯 田 雅 樹 2 0 2 0 年 4 月 17 日 ﹈
スタートホールの順番はくじ引きなどで決められる。次のホールからは最初にプレーする人をオナーhonorといい、前のホールのスコアがよかった(少なかった)順となる。同じスコアの人同士の順番は変わらない。二つのティーマーク(ゴルフコースによってさまざまな形があるが目印となる人工物)の前方を結び、ティーマークの外側から後方2クラブレングスからなる長方形のエリア内に球がなければならず、球がエリア内であればスタンスはエリア外でもかまわない。プレーしているホールのティーイングエリア内であれば何打目であろうとティーアップした状態でプレーすることができる。このエリア内からプレーするときは何打目であるかを問わず、設置されているティーマーカーは動かすことはできない。ティーアップしている球が(クラブが当たるなどして)ティーから偶然落ちても罰はなく、ふたたびティーアップしてプレーすることができる。大勢のプレーヤーがこの狭いエリア内からプレーするため、エリア内の地面の凹凸を直したり、じゃまな芝や草をちぎってもライ(球の置かれている状態)の改善とはならず罰はつかない(他のエリアでは罰がつく)。
[飯田雅樹 2020年4月17日]
プ レ ー し て い る ホ ー ル の テ ィ ー イ ン グ エ リ ア 、 バ ン カ ー 、 ペ ナ ル テ ィ ー エ リ ア 、 プ レ ー し て い る ホ ー ル の パ ッ テ ィ ン グ グ リ ー ン 以 外 の 場 所 。 い わ ゆ る 、 フ ェ ア ウ ェ イ f a i r w a y ︵ 芝 地 を 刈 り 込 み 、 球 を 打 ち や す い 状 態 に 保 つ よ う 配 慮 さ れ て い る 地 域 ︶ と ラ フ r o u g h ︵ フ ェ ア ウ ェ イ 以 外 の 、 意 図 的 な 非 整 備 地 帯 で 、 雑 草 、 低 木 、 樹 林 な ど か ら な る ︶ が そ の 代 表 と な る 。 そ の た め 、 バ ッ ク テ ィ ー ︵ コ ー ス の 各 ホ ー ル 最 後 方 に 配 置 さ れ る 上 級 者 用 の テ ィ ー イ ン グ エ リ ア ︶ を 使 用 し て い る プ レ ー ヤ ー に は フ ロ ン ト テ ィ ー ︵ バ ッ ク テ ィ ー よ り 前 に 位 置 す る 一 般 的 プ レ ー ヤ ー 用 の テ ィ ー イ ン グ エ リ ア ︶ は ジ ェ ネ ラ ル エ リ ア と な る 。 ま た 、 テ ィ ー イ ン グ エ リ ア か ら プ レ ー さ れ た 球 は イ ン プ レ ー の 状 態 と な る の で 、 基 本 的 に は 球 に 触 っ た り 球 を 取 り 替 え た り す る こ と は で き な い 。 た だ 、 委 員 会 に よ っ て プ リ フ ァ ー ド ラ イ と よ ば れ る ロ ー カ ル ル ー ル が 出 さ れ て い る 場 合 、 ジ ェ ネ ラ ル エ リ ア で 球 を ふ い た り 、 違 う 場 所 に プ レ ー ス す る こ と が 許 さ れ て い る ケ ー ス も あ る 。 他 に 異 常 な コ ー ス 状 態 ︵ 修 理 地 な ど ︶ や 動 か せ な い 障 害 物 に よ る 無 罰 で の 救 済 が 許 さ れ る ケ ー ス で も 、 球 を 拾 い あ げ て ふ く こ と が で き る 。 基 本 的 に 罰 あ り の 救 済 、 罰 な し の 救 済 を 受 け る た め に 球 が 拾 い あ げ ら れ た と き は 、 そ の 球 を ふ く こ と も で き る し 、 違 う 球 に か え る こ と も 許 さ れ て い る 。
﹇ 飯 田 雅 樹 2 0 2 0 年 4 月 17 日 ﹈
バンカーとして定義されている砂のエリアで、砂地から球をプレーするプレーヤーの能力をテストするために特別につくられた区域であるため、いくつかの制限がある。まず代表的なものは、プレーヤーに砂の状態をテストすることを禁止していることである。このため、手やクラブなどで砂に触れることはできない。これは球を打つためのアドレス時やバックスウィングのときに偶然触れても罰がつくので、アドレス時からクラブを砂につけないように構えなければならないということである。また、スタンスをとるときに自分の両足をしっかりと据えることは認められているが、過度に足を潜り込ませたり、水平な区域をつくるために足でバンカーの側面の砂を落としたりしてスタンスの場所をつくることは認められていない。ただ、バンカー内の動かせる障害物や、ルース・インペディメントとして定義されている石や葉っぱなどを動かすことは許されている。
[飯田雅樹 2020年4月17日]
ペ ナ ル テ ィ ー エ リ ア と は コ ー ス 上 の す べ て の 水 域 で あ り 、 球 が そ こ に 止 ま っ た ら そ の ま ま 打 つ こ と も で き る し 、 1 打 の 罰 に よ っ て 救 済 を 受 け る こ と も 認 め ら れ て い る エ リ ア で あ る 。 ペ ナ ル テ ィ ー エ リ ア に は 二 つ の 種 類 が あ り 、 救 済 を 受 け る 際 の 処 置 に も 違 い が あ る 。 イ エ ロ ー ペ ナ ル テ ィ ー エ リ ア は 委 員 会 に よ っ て 黄 杭 ( く い ) や 黄 線 に よ っ て マ ー ク さ れ て い る エ リ ア で あ り 、 レ ッ ド ペ ナ ル テ ィ ー エ リ ア は 赤 杭 や 赤 線 で マ ー ク さ れ て い る エ リ ア で あ る 。 委 員 会 に よ っ て マ ー キ ン グ さ れ て い な い か 、 特 定 さ れ て い な か っ た 場 合 は 、 レ ッ ド ペ ナ ル テ ィ ー エ リ ア と し て 扱 わ れ る 。 救 済 を 受 け る 際 の 処 置 の 仕 方 は 次 の 通 り で あ る 。
︹ 1 ︺ イ エ ロ ー ペ ナ ル テ ィ ー エ リ ア
( 1 ) ス ト ロ ー ク と 距 離 の 救 済
プ レ ー ヤ ー は 直 前 の ス ト ロ ー ク を 行 っ た 場 所 か ら 1 罰 打 の も と 、 元 の 球 か 別 の 球 を 救 済 エ リ ア に ド ロ ッ プ す る 。
( 2 ) 後 方 線 上 の 救 済
プ レ ー ヤ ー は 元 の 球 が そ の ペ ナ ル テ ィ ー エ リ ア の 縁 を 最 後 に 横 切 っ た 地 点 と ホ ー ル を 結 ぶ 線 上 で そ の ペ ナ ル テ ィ ー エ リ ア の 外 に ド ロ ッ プ し な け れ ば な ら な い ︵ 球 を ド ロ ッ プ す る こ と が で き る 後 方 の 距 離 に 制 限 は な い ︶ 。 ド ロ ッ プ し た と き に そ の 球 が 最 初 に 地 面 に 触 れ た 線 上 の 箇 所 に よ っ て 救 済 エ リ ア を 定 め る 。 そ の 救 済 エ リ ア は そ の 地 点 か ら ど の 方 向 に も 1 ク ラ ブ レ ン グ ス と な る 。
︹ 2 ︺ レ ッ ド ペ ナ ル テ ィ ー エ リ ア
( 1 ) 、 ( 2 ) イ エ ロ ー ペ ナ ル テ ィ ー エ リ ア の 処 置 と 同 様 。
( 3 ) ラ テ ラ ル 救 済 ︵ レ ッ ド ペ ナ ル テ ィ ー エ リ ア に 対 し て の み ︶
プ レ ー ヤ ー の 球 が 最 後 に レ ッ ド ペ ナ ル テ ィ ー エ リ ア の 縁 を 横 切 っ た と 推 定 さ れ る 地 点 を 基 点 と し 、 そ の 基 点 か ら ホ ー ル に 近 づ か ず 、 基 点 か ら 2 ク ラ ブ レ ン グ ス 以 内 の 救 済 エ リ ア に 1 罰 打 の も と 、 元 の 球 か 別 の 球 を ド ロ ッ プ す る 。
﹇ 飯 田 雅 樹 2 0 2 3 年 2 月 16 日 ﹈
パ ッ テ ィ ン グ グ リ ー ン の 上 に あ る 球 は い つ で も マ ー ク ︵ 止 ま っ て い る 球 の 箇 所 を 示 す 小 さ な 人 工 物 ︶ し て 拾 い あ げ ふ く こ と が で き る 場 所 で 、 球 が 拾 い あ げ ら れ て い る と き は イ ン プ レ ー で は な く な り 、 球 を リ プ レ ー ス し た と き に ふ た た び イ ン プ レ ー の 状 態 と な る 。 パ ッ テ ィ ン グ グ リ ー ン 上 の 砂 や バ ラ バ ラ の 土 は 罰 な し に 取 り 除 く こ と が で き る ︵ テ ィ ー イ ン グ エ リ ア で も 認 め ら れ る が 、 そ れ 以 外 の エ リ ア で は 取 り 除 け な い ︶ 。 ま た 、 パ ッ テ ィ ン グ グ リ ー ン 上 で 人 や 動 物 な ど の 外 的 影 響 に よ っ て つ く ら れ た 損 傷 は 修 復 す る こ と が で き る 。 た と え ば 、 ボ ー ル マ ー ク ︵ パ ッ テ ィ ン グ グ リ ー ン 上 に あ る 打 球 の 落 下 跡 ︶ や 芝 の 張 り 替 え 跡 、 古 い ホ ー ル ︵ 穴 ︶ の 埋 め 跡 や 靴 に よ る 損 傷 ︵ ス パ イ ク マ ー ク な ど ︶ 、 メ ン テ ナ ン ス 作 業 に よ っ て 傷 つ け ら れ た 擦 り 傷 や 、 動 物 の 足 跡 や 蹄 ( ひ づ め ) に よ る く ぼ み も 含 ま れ る 。 ま た 、 他 の エ リ ア と 違 い 、 プ レ ー ヤ ー の イ ン プ レ ー の 球 が 偶 然 に プ レ ー ヤ ー や キ ャ デ ィ に よ っ て 動 か さ れ て し ま っ て も 、 無 罰 で 元 の 位 置 に リ プ レ ー ス し な け れ ば な ら な い 。 プ レ ー し た 球 が 旗 竿 ( は た ざ お ) に 当 た っ て も 無 罰 な の で 、 旗 竿 を そ の ま ま に し た 状 態 で プ レ ー す る の か 取 り 除 い て か ら プ レ ー す る の か を 、 プ レ ー ヤ ー は プ レ ー す る 前 に 決 め な け れ ば な ら な い 。
﹇ 飯 田 雅 樹 2 0 2 0 年 4 月 17 日 ﹈
ゴ ル フ 競 技 は 、 お も に マ ッ チ プ レ ー m a t c h p l a y か ス ト ロ ー ク プ レ ー s t r o k e p l a y の 形 式 で 行 わ れ る 。
︹ 1 ︺ マ ッ チ プ レ ー
マ ッ チ プ レ ー は 、 プ レ ー ヤ ー と 相 手 が 1 対 1 で プ レ ー し て 、 ホ ー ル ご と の 勝 敗 を 競 い 合 う 競 技 形 式 で あ る 。 相 手 よ り も 少 な い ス ト ロ ー ク で そ の ホ ー ル を 終 了 し た ら 、 そ の ホ ー ル で の 勝 ち で あ る 。 ま た は 相 手 が そ の ホ ー ル を コ ン シ ー ド ︵ OK ボ ー ル ︶ し た ら 、 途 中 で も そ の ホ ー ル で の 勝 ち と な る ︵ コ ン シ ー ド と は 相 手 が 次 の 1 打 を 打 た な く て も 、 1 打 を 加 算 し て ホ ー ル ア ウ ト を 認 め る 意 思 表 示 で あ る ︶ 。 マ ッ チ の 勝 敗 が 決 ま る の は 、 プ レ ー ヤ ー が 残 り の ホ ー ル 数 よ り も 多 く 相 手 を リ ー ド し た と き で 、 ︵ ト ー タ ル の ス コ ア は 関 係 な く ︶ プ レ ー ヤ ー が そ の マ ッ チ の 勝 者 と な る 。 マ ッ チ プ レ ー に は ス ト ロ ー ク プ レ ー と は 違 う 特 別 規 則 が あ る 。 そ れ は 、 コ ン シ ー ド と 、 す で に 行 っ た ス ト ロ ー ク 数 に つ い て の 情 報 を 与 え る こ と な ど で あ る 。 こ の こ と に よ り 、 プ レ ー ヤ ー と マ ッ チ の 相 手 は 、 す べ て の ホ ー ル で 単 に 互 い に 対 し て 競 い 、 互 い の プ レ ー を 見 る こ と が で き 、 プ レ ー ヤ ー の 利 益 を 守 る こ と が で き る 。 プ レ ー の 状 態 が わ か る こ と に よ り 、 相 手 は 次 の ス ト ロ ー ク や そ の ホ ー ル の 残 り を ど の よ う に プ レ ー す る の か を 決 定 す る こ と が で き る し 、 終 了 し た ば か り の ホ ー ル の 結 果 を 確 認 す る こ と が で き る 。 プ レ ー ヤ ー が 相 手 に 間 違 っ た ス ト ロ ー ク 数 を 教 え て い た 場 合 、 規 定 時 間 内 に そ の 誤 り を 訂 正 し な か っ た と き 、 そ の プ レ ー ヤ ー は 一 般 の 罰 ︵ そ の ホ ー ル の 負 け ︶ を 受 け る 。 ス ト ロ ー ク プ レ ー が 競 技 会 に 参 加 し て い る プ レ ー ヤ ー 全 員 と の 戦 い と す る な ら 、 マ ッ チ プ レ ー は 相 手 と の 戦 い で あ る 。
︹ 2 ︺ ス ト ロ ー ク プ レ ー
一 般 的 に 多 く 行 わ れ て い る の が ス ト ロ ー ク プ レ ー で あ る 。 そ れ は 、 一 度 に 大 勢 の プ レ ー ヤ ー が 同 時 に 競 い 合 う こ と が で き る か ら で あ る 。 ま た 、 マ ッ チ プ レ ー に は な い 特 別 規 則 も あ る 。 そ れ は ス コ ア カ ー ド に ス コ ア を 記 入 す る こ と 、 ホ ー ル ア ウ ト を か な ら ず し な け れ ば な ら な い こ と で あ る 。 な ぜ な ら 、 各 プ レ ー ヤ ー が そ の 競 技 に 参 加 し て い る す べ て の プ レ ー ヤ ー と 競 う た め で あ り 、 す べ て の プ レ ー ヤ ー が 規 則 に 基 づ い て 平 等 に 扱 わ れ る 必 要 が あ る か ら で あ る 。 ラ ウ ン ド を 終 了 し た ら プ レ ー ヤ ー と マ ー カ ー ︵ プ レ ー ヤ ー の ス コ ア を 記 録 す る 人 ︶ は 、 そ の プ レ ー ヤ ー の 各 ホ ー ル の ス コ ア を 記 録 し 、 そ の ス コ ア が 正 し い こ と を 証 明 し な け れ ば な ら ず 、 そ の プ レ ー ヤ ー は そ の ス コ ア カ ー ド を 委 員 会 に 提 出 し な け れ ば な ら な い 。 そ し て 、 も っ と も 少 な い 合 計 ス ト ロ ー ク 数 で す べ て の ラ ウ ン ド を 終 え た プ レ ー ヤ ー が 勝 者 と な る 。
︹ 3 ︺ そ の 他 の プ レ ー 形 式
( 1 ) ス リ ー ボ ー ル ・ マ ッ チ プ レ ー t h r e e - b a l l m a t c h p l a y
マ ッ チ プ レ ー の 形 式 で 、 3 人 の 各 プ レ ー ヤ ー が 同 時 に 他 の 2 人 の プ レ ー ヤ ー と 個 別 に マ ッ チ を プ レ ー す る 。 そ し て 、 各 プ レ ー ヤ ー は 、 一 つ の 球 を プ レ ー し 、 そ の 球 を 両 方 の マ ッ チ に 使 用 す る 方 式 で あ る 。
( 2 ) フ ォ ア サ ム f o u r s o m e ︵ 通 称 、 オ ル タ ネ ー ト シ ョ ッ ト ︶
4 人 の プ レ ー ヤ ー が 同 時 に プ レ ー す る 。 2 人 の プ レ ー ヤ ー が 一 つ の 組 と な り 、 各 ホ ー ル で 2 人 が 一 つ の 球 を 交 互 に プ レ ー す る 競 技 で あ る 。
( 3 ) フ ォ ア ボ ー ル f o u r - b a l l
2 人 の プ レ ー ヤ ー が 一 つ の 組 と な り 、 4 人 の プ レ ー ヤ ー が 各 自 自 分 の 球 で プ レ ー す る 。 そ し て 、 各 ホ ー ル の 各 組 の ス コ ア は 、 2 人 の う ち の 少 な い ほ う の ス コ ア が そ の 組 の ス コ ア と な る 。
﹇ 飯 田 雅 樹 2 0 2 0 年 4 月 17 日 ﹈
コ ー ス 上 の ペ ナ ル テ ィ ー エ リ ア 以 外 の す べ て の 場 所 で 、 プ レ ー ヤ ー の 球 が む ず か し い 状 況 か ら 脱 出 す る た め に 1 打 の 罰 を 払 い 、 別 の 場 所 か ら プ レ ー す る こ と が で き る プ レ ー ヤ ー の 権 利 で あ る 。 た と え ば 、 プ レ ー ヤ ー の 球 が 木 の 上 に の っ て い た り 、 木 の 根 元 に は ま り 込 ん で い て 、 プ レ ー す る こ と が 困 難 な 場 合 に 有 効 な 処 置 で も あ る 。 ア ン プ レ ヤ ブ ル を 宣 言 で き る の は プ レ ー ヤ ー の み で 処 置 の 仕 方 は 次 の 通 り で あ る 。
︹ 1 ︺ ス ト ロ ー ク と 距 離 の 救 済 ︵ 後 述 の ﹁ ス ト ロ ー ク と 距 離 の 罰 に 基 づ く 救 済 ﹂ 参 照 ︶
︹ 2 ︺ 後 方 線 上 の 救 済 ︵ 前 述 の ﹁ ペ ナ ル テ ィ ー エ リ ア ﹂ 参 照 ︶
︹ 3 ︺ ラ テ ラ ル 救 済 ︵ 前 述 の ﹁ ペ ナ ル テ ィ ー エ リ ア ﹂ 参 照 ︶
︹ 4 ︺ バ ン カ ー 内 に あ る 球 を バ ン カ ー の 外 に 出 す こ と が で き る 救 済
バ ン カ ー 内 の 球 を ア ン プ レ ヤ ブ ル す る 場 合 、 1 罰 打 で の 救 済 は 同 じ バ ン カ ー 内 で な け れ ば 救 済 を 受 け る こ と が で き な い が 、 追 加 の 救 済 の 選 択 肢 と し て 、 バ ン カ ー 内 に あ る 球 の み 2 罰 打 と す る こ と で 、 球 が あ る 地 点 と ホ ー ル を 結 ん だ 後 方 線 上 ︵ そ の 線 上 の 後 方 で あ れ ば 距 離 に 制 限 は な い ︶ の バ ン カ ー の 外 の 救 済 エ リ ア に 、 元 の 球 か 別 の 球 を ド ロ ッ プ す る こ と が で き る 。
﹇ 飯 田 雅 樹 2 0 2 0 年 4 月 17 日 ﹈
プレーヤーの球を3分以内にみつけられなかったり、プレーヤーの球と確認できなかったとき、または、球がアウト・オブ・バウンズ に止まったとき、プレーヤーは1罰打のもとストロークと距離の救済を受けなければならない。処置の仕方は、直前のストロークを行った場所からホールに近づかない1クラブレングス以内の救済エリアに、元の球か別の球をドロップ(ティーイングエリアからプレーされていた場合はティーイングエリアからティーアップして打ち直し)してプレーを再開しなければならない。第1打目がアウト・オブ・バウンズであった場合は、1打目をカウントして1罰打を加える。そして、打ち直しとなるので次は3打目となる。
[飯田雅樹 2020年4月17日]
プレーヤーによってプレーされたばかりの球が紛失する可能性のある場所に飛んでいったり、アウト・オブ・バウンズである可能性がある場合に、球を探してから元のプレーした場所に戻るのは時間がかかるため、時間節約のため暫定的に別の球をプレーすることが許されている。暫定球をプレーした後に元の球がみつかった場合は、プレーされた暫定球は放棄されなければならない。また、最初の球があると推定する場所とホールから等距離、または、ホールから遠い所から暫定球を続けてプレーする限りにおいては、暫定球としての状態のままでその球をプレーすることができるが、球があると推定する場所よりもホールに近づいた場所からストロークを行ってしまうと、その暫定球がストロークと距離の罰のもとにインプレーとなる。その後に最初の球がみつかっても最初の球は紛失球となるので、この球でプレーしてしまうと誤球をプレーしたことになる。
[飯田雅樹 2020年4月17日]
規 則 に よ り 救 済 エ リ ア に 球 を ド ロ ッ プ す る と き は 、 つ ね に 元 の 球 か 別 の 球 を ド ロ ッ プ す る こ と が で き る 。 ド ロ ッ プ は プ レ ー ヤ ー 自 身 が ド ロ ッ プ し な け れ ば な ら ず 、 球 は 膝 ( ひ ざ ) の 高 さ か ら プ レ ー ヤ ー や 用 具 に 触 れ な い よ う に 真 下 に ド ロ ッ プ さ れ な け れ ば な ら な い 。 ま た 、 球 を 投 げ た り 回 転 を か け た り 転 が す こ と な く 真 下 に ド ロ ッ プ さ れ な け れ ば な ら な い 。 ド ロ ッ プ さ れ た 球 は 救 済 エ リ ア に 落 ち な く て は な ら ず 、 救 済 エ リ ア に 落 ち た 球 が 救 済 エ リ ア か ら 外 に 出 た 場 合 は 再 ド ロ ッ プ を し な け れ ば な ら な い 。 再 ド ロ ッ プ し た 球 も 救 済 エ リ ア の 外 に 止 ま っ た 場 合 は 、 2 度 目 に ド ロ ッ プ し た と き の コ ー ス 上 に 落 ち た 場 所 に リ プ レ ー ス す る こ と に よ っ て 救 済 エ リ ア に ド ロ ッ プ す る 処 置 は 終 了 し た こ と に な り 、 球 が そ こ に 留 ま っ た 時 点 で プ レ ー ヤ ー の 球 は イ ン プ レ ー の 状 態 に 戻 っ た こ と に な る 。
﹇ 飯 田 雅 樹 2 0 2 0 年 4 月 17 日 ﹈
ストロークプレーの原則はホールアウトすることなので、最大スコアがローカルルールでの採用となる。最大スコアがストロークプレーの一つの形式であり、プレーヤーの各ホールでのスコアを委員会が設定した最大のストローク数に制限する形式である。たとえば、パー(規定打数)の2倍のスコア、決められたスコア、または、ネットダブルボギー(ハンデ数を差し引いたダブルボギー)を委員会が最大スコアと決定した場合、実際のスコアが最大スコアを超えたとしても、決められた最大スコアがそのプレーヤーのスコアとなる。また、ホールアウトしなくてもそのプレーヤーには最大スコアがそのホールのスコアとなる。
[飯田雅樹 2020年4月17日]
暫定球をプレーしなかった場合で、球がみつからなかったとき、またはアウト・オブ・バウンズであった場合、規則ではストロークと距離の罰のもとに元の場所に戻り、球を打ち直さなければならないが、一般的なラウンドではプレーのペースに著しく問題が生じるケースもあるため、このローカルルールがつくられている。その目的は直前のストロークを行った場所に戻らずにプレーヤーがプレーを続けることができるように、追加の救済の選択肢を委員会が規定することを認めることである。また、このローカルルールはゴルファーがカジュアルにラウンドするときや、仲間内のコンペでプレーする一般的なプレーにだけ適しており、このローカルルールを高い技量のレベルの競技会などで使うのは妥当ではない。これは、暫定球でプレーしなかった場合の規定で、自分の球をみつけることができなかった場合やアウト・オブ・バウンズとなっていたときに、決められたルールのなかで、その球を紛失した近辺やアウト・オブ・バウンズとなった場所近辺から、2打の罰を払い別の球を定められたエリアからプレーできるというものである。
[飯田雅樹 2020年4月17日]
h a n d i c a p 。 ゴ ル フ は 子 供 か ら 大 人 ま で 、 初 心 者 か ら 上 級 者 ま で 同 時 に 競 え る ゲ ー ム で あ る 。 そ れ は ハ ン デ ィ キ ャ ッ プ が あ る か ら で あ る 。 ﹁ 18 ホ ー ル ・ パ ー 72 ﹂ と い う 場 合 、 ハ ン デ ィ キ ャ ッ プ 20 の 人 が 95 ス ト ロ ー ク で ラ ウ ン ド し た ら 、 95 か ら ハ ン デ ィ キ ャ ッ プ 20 を 引 い た ネ ッ ト ス コ ア は 75 で 、 ハ ン デ ィ キ ャ ッ プ 30 の 人 が 95 ス ト ロ ー ク で ラ ウ ン ド し た ら 、 95 か ら ハ ン デ ィ キ ャ ッ プ 30 を 引 い た ネ ッ ト ス コ ア は 65 ス ト ロ ー ク と な る 。 つ ま り 、 ハ ン デ ィ キ ャ ッ プ が あ る こ と で 技 量 に 差 が あ っ て も 同 時 に 競 う こ と が で き る の で あ る 。
︹ 1 ︺ オ フ ィ シ ャ ル ハ ン デ ィ キ ャ ッ プ o f f i c i a l h a n d i c a p
J G A / U S G A ハ ン デ ィ キ ャ ッ プ ・ イ ン デ ッ ク ス と よ ば れ 、 日 本 で は 2 0 1 4 年 ︵ 平 成 26 ︶ か ら 採 用 さ れ て い る 。 世 界 基 準 の 規 定 を 採 用 し て い る の で 、 国 際 的 に も 通 用 す る ハ ン デ ィ キ ャ ッ プ で あ る 。 こ の ハ ン デ ィ キ ャ ッ プ を 取 得 す る に は J G A ︵ 日 本 ゴ ル フ 協 会 ︶ の 認 可 を 受 け た ゴ ル フ 倶 楽 部 ( く ら ぶ ) に 所 属 し て ス コ ア カ ー ド を 提 出 す る 。 ま た は 、 J G A の 個 人 会 員 と な り ス コ ア カ ー ド を 提 出 す る 。 提 出 さ れ た ス コ ア カ ー ド が 5 枚 に 達 し た 後 、 J G A ハ ン デ ィ キ ャ ッ プ 規 定 ︵ U S G A ハ ン デ ィ キ ャ ッ プ シ ス テ ム 基 準 ︶ に 基 づ い て ス コ ア カ ー ド を 提 出 し た プ レ ー ヤ ー に J G A / U S G A ハ ン デ ィ キ ャ ッ プ ・ イ ン デ ッ ク ス が 発 行 さ れ る 。 ま た 、 ワ ー ル ド ハ ン デ ィ キ ャ ッ プ シ ス テ ム ︵ W H S ‥ W o r l d H a n d i c a p S y s t e m ︶ が 2 0 2 0 年 よ り ス タ ー ト さ れ 、 世 界 統 一 の ハ ン デ ィ キ ャ ッ プ シ ス テ ム と し て 世 界 各 国 が 導 入 を 始 め て い る 。
︹ 2 ︺ プ ラ イ ベ ー ト ・ ハ ン デ ィ キ ャ ッ プ p r i v a t e h a n d i c a p
一 般 的 に 使 わ れ て い る ハ ン デ ィ キ ャ ッ プ シ ス テ ム で 、 仲 間 内 な ど で 行 わ れ る ゴ ル フ コ ン ペ で 多 く 使 用 さ れ て い て 、 ハ ン デ ィ キ ャ ッ プ も 仲 間 内 で 決 め ら れ る 。 ほ か に ペ リ ア 方 式 と 新 ペ リ ア 方 式 が あ る 。 ペ リ ア 方 式 と は 18 ホ ー ル の な か で 6 ホ ー ル を 隠 し ホ ー ル と し て 設 定 し 、 こ の 隠 し ホ ー ル の ス コ ア を 基 準 に ハ ン デ ィ キ ャ ッ プ が 決 め ら れ る 。 隠 し ホ ー ル で の ス コ ア が 良 い と ハ ン デ ィ キ ャ ッ プ が 少 な く な り 、 逆 に ス コ ア が 多 い と ハ ン デ ィ キ ャ ッ プ も 多 く な る よ う に な っ て い る 。 そ し て 、 現 在 主 流 と な っ て い る の が 新 ペ リ ア 方 式 で あ り 、 ペ リ ア 方 式 の 隠 し ホ ー ル が 6 ホ ー ル な の に 対 し て 、 12 ホ ー ル の 隠 し ホ ー ル が 設 定 さ れ て い る 。
﹇ 飯 田 雅 樹 2 0 2 0 年 4 月 17 日 ﹈
アマチュアゴルファーとは一般的ゴルファーのことをいい、ゴルフで報酬や営利を目的としない一般的なプレーヤーである。日本ゴルフ協会(JGA)のJGA競技や各地区で行われているゴルフ競技に参加することができる。プロフェッショナルゴルファーは営利や報酬を目的とし、日本プロゴルフ協会(PGA)のプロテストに合格したトーナメントプレーヤーズと、ティーチングプロ 実技審査に合格し、ティーチング実技講習に合格した者と、日本女子プロゴルフ協会(LPGA)のプロテスト、ティーチングプロ実技審査に合格し、PGA主催のティーチングプロの実技講習に合格した者をいう。これらの者にはライセンスカードが発行され、海外でもプロフェッショナルとして活動ができる。男子プロは日本ゴルフツアー機構(JGTO)のクオリファイングトーナメントを通過した者がジャパンゴルフツアーJAPAN GOLF TOURに出場することができ、女子はLPGA会員でクオリファイングトーナメントを通過した者がLPGAツアーに出場できる。アマチュアゴルファーはプロのオープントーナメントに参加できるが、賞金はもらえない。プロはアマチュアのゴルフ競技に参加することはできない。日本のゴルフ場やゴルフ練習場で正式なゴルフレッスンを行っているのはPGA会員とLPGA会員である。
[飯田雅樹 2020年4月17日]
プ レ ー ヤ ー は ラ ウ ン ド 中 に 自 分 の プ レ ー を 援 助 す る 用 具 ︵ た と え ば 、 手 袋 や サ ン グ ラ ス ︶ を 使 用 す る こ と が で き る が 、 ゲ ー ム の 挑 戦 に 不 可 欠 で あ る 技 術 や 判 断 の 必 要 性 を 人 工 的 に な く し た り ︵ た と え ば 、 手 首 な ど を 固 定 さ せ る 用 具 や 風 速 計 、 傾 斜 を 測 定 す る 用 具 を 使 用 す る こ と ︶ 、 軽 減 す る 用 具 ︵ ク ラ ブ と 球 以 外 ︶ を 使 用 し た り 、 ス ト ロ ー ク を 行 う と き に 異 常 な 方 法 で 用 具 ︵ ク ラ ブ と 球 を 含 む ︶ を 使 用 す る こ と は で き な い 。 ﹁ 異 常 な 方 法 ﹂ と は 、 意 図 さ れ た 使 用 方 法 と は 根 本 的 に 異 な る 方 法 や 、 ゲ ー ム を プ レ ー す る こ と と は 通 常 受 け 入 れ ら れ な い 方 法 を 意 味 す る ︵ た と え ば 、 脇 ( わ き ) に タ オ ル 等 を は さ ん で ス ウ ィ ン グ 中 に 脇 が 締 め ら れ る よ う に す る な ど ︶ 。 用 具 の 使 用 に つ い て は ラ ウ ン ド 中 に 認 め ら れ る も の と 認 め ら れ な い も の が あ る が 、 そ れ は 次 の 通 り で あ る 。
︹ 1 ︺ 距 離 や 方 向 の 情 報
距 離 計 測 機 や コ ン パ ス を 使 い 距 離 や 方 向 の 情 報 を 得 る こ と は 認 め ら れ て い る 。 た だ し 、 距 離 計 測 機 で 距 離 だ け で な く 高 低 差 ま で 計 測 す る こ と は 認 め ら れ て い な い 。
︹ 2 ︺ 風 や 他 の 気 象 条 件 に 関 す る 情 報
電 気 機 器 な ど を 使 い 、 気 象 状 況 ︵ 風 速 を 含 む ︶ を 入 手 し た り 、 コ ー ス の 気 温 、 湿 度 を 計 測 す る こ と は 認 め ら れ て い る が 、 コ ー ス で 直 接 風 速 を 計 測 し た り 、 風 向 き を 確 か め る た め に 人 工 物 を 使 用 す る こ と は 認 め ら れ て い な い 。 た と え ば 人 工 物 の 粉 や ハ ン カ チ を 風 に な び か せ て 確 認 す る こ と で あ る 。 し か し 、 自 然 物 で あ る 芝 な ど を ち ぎ っ て 風 向 き を 確 認 す る 方 法 は 認 め ら れ て い る 。
︹ 3 ︺ 手 袋 や グ リ ッ プ 補 助 具
用 具 規 則 に 適 合 し て い る 単 純 な 手 袋 を 使 用 し た り 、 松 脂 ( ま つ や に ) 、 粉 を つ け る 、 ま た は 、 グ リ ッ プ の 周 り に タ オ ル や ハ ン カ チ を 巻 く こ と は 認 め ら れ て い る が 、 用 具 規 則 に 適 合 し て い な い 手 袋 を 使 用 し た り 、 手 の 位 置 や グ リ ッ プ 力 に 不 当 な 援 助 を 与 え る 用 具 を 使 用 す る こ と は 認 め ら れ て い な い 。
︹ 4 ︺ ス ト レ ッ チ 機 器 と ト レ ー ニ ン グ ま た は ス ウ ィ ン グ 補 助 器 具
一 般 的 な ス ト レ ッ チ の た め の 用 具 で ス ト レ ッ チ だ け を 行 う こ と は 認 め ら れ て い る が 、 ス ト レ ッ チ 機 器 で ゴ ル フ ス ウ ィ ン グ に 関 連 す る よ う な ス ト レ ッ チ 方 法 は 認 め ら れ て い な い 。 ま た 、 ゴ ル フ 用 に デ ザ イ ン さ れ て い る 練 習 機 器 や ス ウ ィ ン グ 補 助 器 具 ︵ 位 置 や 向 き を 確 認 す る た め の ア ラ イ メ ン ト 棒 や 加 重 ヘ ッ ド カ バ ー ︶ も 、 ラ ウ ン ド 中 に 使 用 す る こ と は 認 め ら れ て い な い 。
︹ 5 ︺ 医 療 上 の 理 由 の た め に 使 用 す る 用 具
病 状 を 緩 和 す る た め に サ ポ ー タ ー や テ ー プ 、 包 帯 な ど を 使 用 す る こ と は で き る が 、 ゴ ル フ ス ウ ィ ン グ の 補 助 な ど を 目 的 に そ れ ら を 使 用 す る こ と は 認 め ら れ て い な い 。 た と え ば 手 首 が 痛 む の で サ ポ ー タ ー や テ ー プ を 使 用 す る こ と は で き る が 、 ゴ ル フ ス ウ ィ ン グ を 有 利 に す る 目 的 で 手 首 を 固 定 し た り し て 、 そ れ ら の 用 具 を 使 用 す る こ と は で き な い 。
︹ 6 ︺ 障 が い を も つ プ レ ー ヤ ー の た め の 用 具 規 則 の 修 正
障 が い を も つ プ レ ー ヤ ー が 、 障 が い を も っ て い な い 他 の プ レ ー ヤ ー や 、 同 じ 障 が い 、 ま た は 異 な る タ イ プ の 障 が い を も つ プ レ ー ヤ ー と フ ェ ア に プ レ ー で き る よ う に す る よ う 規 則 を 修 正 す る 直 接 の 方 法 で あ る 。 そ う し た 規 則 の 修 正 が 2 0 2 3 年 か ら 規 則 25 と し て 新 た に 加 わ っ た 。
﹇ 飯 田 雅 樹 2 0 2 3 年 2 月 16 日 ﹈
プレーヤーはストロークを行うとき、用具規則に適合しているクラブを使用しなければならない。また、クラブを改造したり、偶然に変えられたときであっても、規則に適合するものでなければならない。しかし、適合していたクラブが通常の使用で摩耗して変わったとしても、そのクラブは適合クラブのままである。また、ラウンド中にクラブが損傷した場合は、その損傷したクラブを続けて使うこと、そして、可能であれば修理して使うこともできる(プレーを不当に遅らせないことが条件)。ただ、ラウンド中にクラブの性能特性を故意に変えることは許されていない。たとえば鉛を貼(は)ったりはがしたり、専用レンジを使い、ロフト角度(クラブフェースの傾斜角)を変えたり、クラブフェース(ヘッドの打撃面)の向きを変えたりすることはできない。そして、プレーヤーがラウンドで持ち運べるクラブの本数は14本までと制限されており、14本に達していない状態でラウンドを始めた場合は14本に達するまで追加することはできるが、14本に達したとき、それ以上追加することはできない。
[飯田雅樹 2020年4月17日]
ゴルフクラブは1本のシャフトと一つのクラブヘッドからなっている。ゴルフクラブは大きく分けて、ウッドwood、アイアンiron、ユーティリティクラブutility clubがある。昔のゴルフクラブではシャフトにヒッコリー材が使われていたが、1900年代前半にスチールシャフトが出現し、1928年にはジーン・サラゼンによってサンド・ウェッジsand wedgeが開発され、バンカーからのショットの難易度が劇的に変わった。また、1960年代にはゴム製のグリップも登場し、キャビティー・バック・アイアンcavity back ironも出現した。ウッドでは長年パーシモン・ヘッドpersimmon headが使われていたが、1970年代にはメタルウッドも現れ、1990年代に登場したチタンヘッドドライバーが現在の主流となっている。チタンヘッドは素材が軽いため、大きなクラブヘッドがつくられるようになり、長いシャフトでも楽に振れるようになり、飛距離を稼げるようになった。また、クラブセッティングも時代とともに変わってきていて、フェアウェイウッドfairway woodやロングアイアンlong ironがだんだん姿を消し、ユーティリティクラブが主流となってきている。
[飯田雅樹 2020年4月17日]
種 類 別 に 分 け る と 、 ウ ッ ド 、 ア イ ア ン 、 ユ ー テ ィ リ テ ィ ク ラ ブ 、 パ タ ー で あ る 。
ウ ッ ド に は 、 1 番 ウ ッ ド ︵ ド ラ イ バ ー ︶ 、 2 番 ウ ッ ド ︵ ブ ラ ッ シ ー 、 フ ェ ア ウ ェ イ ウ ッ ド ︶ 、 3 番 ウ ッ ド ︵ ス プ ー ン 、 フ ェ ア ウ ェ イ ウ ッ ド ︶ 、 4 番 ウ ッ ド ︵ バ フ ィ ー 、 フ ェ ア ウ ェ イ ウ ッ ド ︶ 、 5 番 ウ ッ ド ︵ ク リ ー ク ︶ が あ り 、 近 年 で は 、 7 番 、 9 番 、 11 番 ウ ッ ド も 主 流 に な り つ つ あ る 。
1 番 ウ ッ ド ︵ ド ラ イ バ ー ︶ は ゴ ル フ を プ レ ー す る な か で 、 も っ と も 飛 距 離 が で る ク ラ ブ で あ り 、 ロ フ ト ︵ 角 度 ︶ が 小 さ い の で 、 テ ィ ー ア ッ プ で き る テ ィ ー シ ョ ッ ト で 使 わ れ る の が 一 般 的 で あ る 。 ロ フ ト に は メ ー カ ー に も よ る が 、 9 度 、 10 度 、 11 度 と い ろ い ろ あ り 、 ロ フ ト が 小 さ い ほ ど 球 が あ が り に く く 、 初 心 者 に は ロ フ ト が 大 き い も の が や さ し く 打 て る た め 向 い て い る 。 現 在 の ド ラ イ バ ー は ロ フ ト 調 整 が で き た り 、 ク ラ ブ ヘ ッ ド の 向 き を 調 整 で き る ク ラ ブ も 多 く あ る の で 、 こ れ ら の ク ラ ブ で 自 分 に あ っ た ク ラ ブ を 選 ぶ こ と が 重 要 で あ る 。 ま た 、 ク ラ ブ 選 び で 重 要 な の が シ ャ フ ト 選 び で あ る 。 シ ャ フ ト に も い ろ い ろ 種 類 が あ り 、 長 い シ ャ フ ト も あ る し 短 い シ ャ フ ト の も の も あ る 。 ク ラ ブ の 長 さ は 18 イ ン チ ︵ 0 . 4 5 7 メ ー ト ル ︶ 以 上 で 、 パ タ ー を 除 い て 48 イ ン チ ︵ 1 . 2 1 9 メ ー ト ル ︶ 以 下 と 規 則 で 決 め ら れ て い る 。 一 般 的 に は 短 い ほ う が や さ し い が 飛 距 離 が 出 に く い と い わ れ て い る 。 ま た 、 シ ャ フ ト の 重 量 は 重 す ぎ る と 振 り 切 れ な く な り 、 軽 す ぎ る と ス ウ ィ ン グ が 不 安 定 に な り や す い 。 シ ャ フ ト は フ レ ッ ク ス ︵ 硬 さ ︶ が 重 要 で あ り 、 メ ー カ ー に よ っ て 多 少 の 違 い も あ る が 、 一 般 的 に フ レ ッ ク ス の 種 類 は 6 種 類 あ る 。 シ ャ フ ト が 柔 ら か い 順 番 に 、 L ︵ レ デ ィ ス ︶ 、 A ︵ ア ベ レ ー ジ ︶ 、 R ︵ レ ギ ュ ラ ー ︶ 、 SR ︵ ス テ ィ ッ フ レ ギ ュ ラ ー ︶ 、 S ︵ ス テ ィ ッ フ ︶ 、 X ︵ エ キ ス ト ラ ︶ で あ る 。 ド ラ イ バ ー の ヘ ッ ド ス ピ ー ド に あ っ た フ レ ッ ク ス を 選 ぶ の が 重 要 で あ る 。 シ ャ フ ト の ト ル ク ︵ シ ャ フ ト の ね じ れ ︶ は 球 が 曲 が り づ ら い の が 3 . 5 以 下 で あ り 、 少 し 曲 が っ て も 飛 距 離 を 重 視 す る 場 合 に は 3 . 5 以 上 の ト ル ク の シ ャ フ ト が 選 ば れ る 。 ま た 、 シ ャ フ ト に は キ ッ ク ポ イ ン ト ︵ シ ャ フ ト が 一 番 し な る ポ イ ン ト ︶ に も 種 類 が あ り 、 グ リ ッ プ 側 が 硬 く ク ラ ブ ヘ ッ ド 側 が 柔 ら か い 先 調 子 タ イ プ 、 グ リ ッ プ 側 が 柔 ら か く ク ラ ブ ヘ ッ ド 側 が 硬 い 元 調 子 タ イ プ 、 グ リ ッ プ 側 と ク ラ ブ ヘ ッ ド 側 が 硬 い 中 調 子 タ イ プ 、 グ リ ッ プ 側 と ク ラ ブ ヘ ッ ド 側 が 柔 ら か い ダ ブ ル キ ッ ク タ イ プ の 4 種 類 の タ イ プ が あ る 。 先 調 子 タ イ プ は 球 が あ が り や す く 初 心 者 向 き で あ り 、 元 調 子 タ イ プ は 球 が あ が り す ぎ る の を 嫌 う 上 級 者 タ イ プ で あ る 。 中 調 子 タ イ プ は タ イ ミ ン グ が と り や す く 、 ダ ブ ル キ ッ ク タ イ プ は タ メ が つ く り や す く 、 球 の つ か ま り や す さ に 優 れ て い る シ ャ フ ト タ イ プ と い わ れ て い る 。
フ ェ ア ウ ェ イ ウ ッ ド は ド ラ イ バ ー 以 外 の ウ ッ ド で あ り 、 2 番 ウ ッ ド は ほ と ん ど 出 回 っ て お ら ず 、 一 般 的 に は 3 番 ウ ッ ド ︵ ス プ ー ン ︶ か ら 下 の ク ラ ブ を さ す 。 形 は ド ラ イ バ ー に 似 て い る が ク ラ ブ ヘ ッ ド は 番 手 ︵ 数 字 ︶ が 大 き い ほ ど 小 さ く な っ て い る 。 芝 の 上 か ら 直 接 打 て る ク ラ ブ で 飛 距 離 が 出 し や す い 。 ロ フ ト が 大 き い ほ ど 球 が あ が り や す い が 、 シ ャ フ ト が 長 く 重 心 も 深 い た め 、 む ず か し い ク ラ ブ と い え る 。 最 近 の 傾 向 と し て は フ ェ ア ウ ェ イ ウ ッ ド が 少 な く な っ て き て い て 、 か わ り に 多 く な っ て き て い る の が ウ ッ ド 型 ユ ー テ ィ リ テ ィ ク ラ ブ で あ る 。 フ ェ ア ウ ェ イ ウ ッ ド よ り も や さ し く 打 て る の で 多 く 使 わ れ る よ う に な っ て い る 。 フ ェ ア ウ ェ イ ウ ッ ド よ り も シ ャ フ ト が 短 い 分 簡 単 に 打 て る が 球 が あ が り づ ら く 、 飛 距 離 も 出 し づ ら い 。 次 に ア イ ア ン 型 ユ ー テ ィ リ テ ィ ク ラ ブ が あ り 、 ア イ ア ン に 似 た つ く り に な っ て い る 。 ロ ン グ ア イ ア ン よ り も 球 が あ が り や す い が 、 ウ ッ ド 型 ユ ー テ ィ リ テ ィ ク ラ ブ よ り 球 が あ が り づ ら い 。
ア イ ア ン は ロ ン グ ア イ ア ン 、 ミ ド ル ア イ ア ン 、 シ ョ ー ト ア イ ア ン と あ る 。 ロ ン グ ア イ ア ン は 1 番 ア イ ア ン か ら 4 番 ア イ ア ン ま で の ク ラ ブ で あ り 、 ミ ド ル ア イ ア ン は 5 番 ア イ ア ン か ら 7 番 ア イ ア ン ま で の ク ラ ブ で あ る 。 8 番 ア イ ア ン 、 9 番 ア イ ア ン 、 ピ ッ チ ン グ ・ ウ ェ ッ ジ を シ ョ ー ト ア イ ア ン と よ び 、 ロ ン グ ア イ ア ン は 球 が あ が り づ ら く む ず か し い ク ラ ブ で あ る た め 、 ロ ン グ ア イ ア ン を 使 う 人 は ほ と ん ど い な く 、 ユ ー テ ィ リ テ ィ ク ラ ブ が 主 流 と な っ て い る 。 メ ー カ ー の ア イ ア ン 販 売 も 6 番 ア イ ア ン か ら の 販 売 が 主 流 と な っ て き て い る 。 ア イ ア ン は 番 手 が 大 き い 数 字 の ク ラ ブ ほ ど ロ フ ト が 大 き く 球 も あ が り や す い の で 、 グ リ ー ン を 直 接 ね ら う ク ラ ブ で あ る 。 次 に ロ フ ト が 大 き い の が ア プ ロ ー チ ・ ウ ェ ッ ジ で あ り 、 も っ と も ロ フ ト が 大 き い ク ラ ブ は サ ン ド ・ ウ ェ ッ ジ で あ る 。 ロ フ ト が 大 き い ア プ ロ ー チ ・ ウ ェ ッ ジ や サ ン ド ・ ウ ェ ッ ジ は グ リ ー ン の 近 く か ら の ア プ ロ ー チ で 多 く 使 わ れ て い る 。 と く に サ ン ド ・ ウ ェ ッ ジ は バ ン カ ー シ ョ ッ ト の た め に 開 発 さ れ た ク ラ ブ で あ り 、 バ ン カ ー か ら 打 つ と き に 適 し て い て 球 が も っ と も あ が り や す い ク ラ ブ で あ る 。 た だ 、 最 近 は ア プ ロ ー チ ・ ウ ェ ッ ジ 、 サ ン ド ・ ウ ェ ッ ジ と は よ ば ず に ロ フ ト 角 度 で よ ぶ 傾 向 に あ る 。 メ ー カ ー に も よ る が 一 般 的 に ア プ ロ ー チ ・ ウ ェ ッ ジ は ロ フ ト が 50 度 か ら 54 度 、 サ ン ド ・ ウ ェ ッ ジ は 55 度 か ら 60 度 ま で の も の を い う 。 ア イ ア ン セ ッ ト は ピ ッ チ ン グ ・ ウ ェ ッ ジ ま で が セ ッ ト 売 り の 主 流 と な っ て い る の で そ れ よ り 下 の 番 手 は 単 品 の ウ ェ ッ ジ を 組 み 合 わ せ る の が 主 流 と な っ て い る 。 50 度 、 54 度 、 58 度 と 組 み 合 わ せ た り 52 度 、 56 度 、 60 度 と 組 み 合 わ せ る 組 み 方 も あ る 。
パ タ ー は 絶 対 に 必 要 な ク ラ ブ で あ る 。 パ タ ー に も さ ま ざ ま な 種 類 が あ る が 、 代 表 的 な タ イ プ と し て ま ず あ げ ら れ る の が ピ ン タ イ プ で あ る 。 パ タ ー の 前 後 が 細 長 く 、 前 後 に 重 量 が あ る た め 芯 ( し ん ) を 外 し て 打 っ て も ま っ す ぐ 転 が り や す く 初 心 者 向 き と い え る 。 ま た 、 ス イ ー ト エ リ ア ︵ 芯 ︶ が 広 く て 目 標 に 対 し て 構 え や す い 特 徴 を も っ て い る 。 次 に L 字 タ イ プ で シ ャ フ ト と ヘ ッ ド を 見 る と 、 名 前 の 通 り L の 字 に 似 て い て L 字 タ イ プ と い わ れ て い る 。 ア イ ア ン の 形 に も 似 て い る の で シ ョ ッ ト の 感 覚 で 打 ち た い 人 に 向 い て い る 。 マ レ ッ ト タ イ プ は 重 心 距 離 が 深 い た め ま っ す ぐ 打 ち 出 し や す い と い わ れ て い て 、 ヘ ッ ド が 大 き く 重 い た め ヘ ッ ド の 重 さ で 距 離 を 出 し や す く な っ て も い る 。 ネ オ マ レ ッ ト タ イ プ は マ レ ッ ト タ イ プ に 似 て 、 ヘ ッ ド の 重 さ で 距 離 が 出 し や す く 、 ま っ す ぐ に 打 ち 出 し や す い 。 形 状 も ス ク エ ア ︵ 正 方 形 ︶ に 近 い た め 、 目 標 に 構 え や す く 、 ヘ ッ ド が 大 き い た め ミ ス ヒ ッ ト し て も ま っ す ぐ 転 が り や す い 。 セ ン タ ー シ ャ フ ト タ イ プ の パ タ ー は 、 名 前 の 通 り シ ャ フ ト が ヘ ッ ド の セ ン タ ー に あ り 、 シ ャ フ ト と ク ラ ブ フ ェ ー ス が 一 直 線 に 見 え て 引 っ か け づ ら い と い う 特 徴 を も っ て い る 。
﹇ 飯 田 雅 樹 2 0 2 0 年 4 月 17 日 ﹈
ラウンドのプレーで使用される球は用具規則に適合する球を使用しなければならない。球の重量は1.620オンス(45.93グラム)以下でなければならず、球の直径は1.680インチ(42.67ミリメートル)以上でなければならない。また、球は球対称(回転させても同じ形で、どの角度から見ても同じ形状であること)な球の特性とは異なる特性をもたせるようにデザインされたり、製造されたり意図的に手を加えられたものであってはならない。球の初速も決められた数値を超えてはならず、球の飛距離もR & AとUSGAによって承認された機器でテストされたときに、その規定された距離を超えてはならないなど多くの規定があり、それらをクリアした球が用具規則に適合された球となり、ラウンドのプレーで使用できる球となる。
[飯田雅樹 2020年4月17日]
ゴ ル フ で 使 用 さ れ る 球 は 最 初 、 堅 い 木 を 丸 く 削 ら れ て つ く ら れ た も の を 使 用 し て い た が 、 15 世 紀 中 ご ろ か ら フ ェ ザ ー ボ ー ル ︵ 革 の 中 へ 羽 毛 を 詰 め た も の ︶ が 使 わ れ る よ う に な り 、 19 世 紀 中 ご ろ か ら ガ ッ タ パ ー チ ャ 球 g u t t a - p e r c h a b a l l が 出 現 し た 。 こ れ は 、 熱 帯 植 物 の 樹 脂 か ら と っ た ゴ ム 様 の グ タ ペ ル カ ︵ ガ ッ タ パ ー チ ャ ー ︶ を 丸 め た も の で あ っ た 。 さ ら に 、 球 の 表 面 に 刻 み 目 を つ け る こ と に よ っ て 、 高 く 、 ま っ す ぐ に 飛 ぶ こ と が 発 見 さ れ た の が 現 在 の デ ィ ン プ ル ︵ く ぼ み ︶ の 始 ま り で あ る 。 1 8 9 8 年 、 現 在 の 球 の 前 身 と も な る ハ ス ケ ル 球 が 現 れ 、 飛 距 離 が 著 し く 増 大 し た 。 こ れ は 、 固 い ゴ ム 芯 を イ ン ド ゴ ム の 細 糸 で 巻 き 、 グ タ ペ ル カ の 皮 膜 で く る ん だ も の で あ る 。 1 9 9 0 年 代 は 糸 巻 ボ ー ル が 主 流 に な り 、 2 0 0 0 年 代 に 入 る と ウ レ タ ン カ バ ー の 多 層 構 造 ︵ ソ リ ッ ド コ ア ︶ タ イ プ が 出 現 し 、 飛 距 離 と 耐 久 性 に 劣 る 糸 巻 ボ ー ル は 衰 退 し て い っ た 。 現 在 で は 、 カ バ ー が 硬 く 中 身 が 柔 ら か い 飛 距 離 重 視 の デ ィ ス タ ン ス 系 と カ バ ー が 柔 ら か く 中 身 が 硬 い ス ピ ン 系 の 球 が 主 流 と な っ て き て 、 昔 か ら 比 べ て も ゴ ル フ 用 具 の な か で も っ と も 進 化 し た の が ゴ ル フ ボ ー ル で は な い か と い わ れ て い る 。
﹇ 飯 田 雅 樹 2 0 2 0 年 4 月 17 日 ﹈
ゴ ル フ 場 は 天 然 の 芝 で つ く ら れ て い る の で 、 ゴ ル フ を プ レ ー す る の に 非 常 に 滑 り や す く な っ て い る 。 そ こ で 滑 ら な い よ う に 靴 底 に 鋼 製 ス パ イ ク を つ け た ス パ イ ク シ ュ ー ズ が 誕 生 し 、 長 い 間 メ タ ル ス パ イ ク が 使 わ れ て い た 。 し か し 、 現 在 は グ リ ー ン を 傷 つ け て し ま う た め ほ と ん ど の ゴ ル フ コ ー ス で 禁 止 さ れ て い る 。 現 在 多 く 使 用 さ れ て い る の が ソ フ ト ス パ イ ク で あ り 、 プ ラ ス チ ッ ク や 樹 脂 で つ く ら れ て い る 。 以 前 と 違 い 鋲 ( び ょ う ) が 爪 の よ う な 形 を し て い る た め 、 鋲 が 芝 を し っ か り つ か め る よ う に な り 滑 り に く く な っ て い る 。 ス パ イ ク レ ス シ ュ ー ズ は 鋲 が つ い て い な い タ イ プ で 、 底 の 部 分 は 滑 り に く い 加 工 が さ れ て い る 。 鋲 が つ い て い な い の で 普 段 か ら 履 け る よ う に な っ て い る 。 ま た 、 現 在 で は 以 前 か ら 使 わ れ て い る 靴 ひ も タ イ プ に 加 え 、 ダ イ ヤ ル 式 タ イ プ も 使 用 さ れ る よ う に な っ て い る 。
﹇ 飯 田 雅 樹 2 0 2 0 年 4 月 17 日 ﹈
地上に静止しているゴルフボールをヒットするにはどんな打ち方をしても自由であるが、距離と方向の両方を正しく決めるには、クラブを一定した軌道に沿ってスウィングswingするのがもっとも効果的であるから、スウィングの基本的な原則はほとんど定石化されている。ただしプレーヤーの体格や力量は千差万別なので、その相違によって枝葉的調整が加味される。したがって、一流プロたちが一見異質のスウィングをしているようでも、その肝要なポイント、とくにインパクト(クラブが球に当たる瞬間)ではまったく符節があっている。要するに、ゴルフ・スウィングは、腕とクラブによる円運動であって、その軌道上にあるボールがクラブヘッドによって打ち出される受動作用にすぎないと理解すべきであろう。
[水谷 準・塩田 正 2020年4月17日]
g r i p ク ラ ブ と 人 体 を 結 合 さ せ る に は 両 手 で ク ラ ブ を 握 る 必 要 が あ る が 、 こ の 握 り 方 が グ リ ッ プ で あ っ て 、 正 し い グ リ ッ プ は も っ と も 基 本 的 な も の で あ る 。 グ リ ッ プ に は 次 の 3 種 が あ る が 、 い ず れ の 場 合 も 、 右 利 き の 者 は 右 手 が 左 手 よ り も 下 方 の ヘ ッ ド に 近 く な る か ら 、 そ の た め に 右 肩 が す こ し 下 が る の が 自 然 な 形 と な る 。
︹ 1 ︺ ナ チ ュ ラ ル ・ グ リ ッ プ n a t u r a l g r i p 野 球 の バ ッ ト を 握 る と き の よ う に 10 本 の 指 全 部 で シ ャ フ ト を 握 る の で 、 ベ ー ス ボ ー ル ・ グ リ ッ プ の 別 称 も あ る 。
︹ 2 ︺ イ ン タ ー ロ ッ キ ン グ ・ グ リ ッ プ i n t e r l o c k i n g g r i p 右 小 指 と 左 人 差 し 指 と を 絡 み 合 わ せ て 握 る 方 式 で 、 手 が 小 さ く 指 の 短 い 人 が 用 い る と 両 手 の 締 ま り が よ く な り 、 ス ウ ィ ン グ 中 に 緩 ま な い 効 果 が あ る 。
︹ 3 ︺ オ ー バ ー ラ ッ ピ ン グ ・ グ リ ッ プ o v e r l a p p i n g g r i p 右 の 小 指 を 左 の 人 差 し 指 の 上 に 重 ね て 握 る 方 式 で 、 右 利 き の 人 は 左 利 き に 比 べ て 右 手 が 強 力 な の で そ れ を 制 約 し 、 両 手 の 一 体 化 に 有 効 で あ る 。 イ ギ リ ス の ハ リ ー ・ バ ー ド ン が こ の グ リ ッ プ を 広 め た た め に バ ー ド ン ・ グ リ ッ プ と も 称 さ れ 、 も っ と も 多 用 さ れ て い る 。
な お 、 以 上 の グ リ ッ プ に 共 通 す る も の と し て 、 指 を 主 体 に し て 握 る 方 法 を フ ィ ン ガ ー ・ グ リ ッ プ f i n g e r g r i p と い い 、 親 指 の 付 け 根 の た な ご こ ろ で 握 る の を パ ー ム ・ グ リ ッ プ p a l m g r i p と い う 。 ま た 、 標 準 グ リ ッ プ を ス ク エ ア ・ グ リ ッ プ 、 右 手 を 開 き 左 手 を か ぶ せ た 握 り 方 を ス ト ロ ン グ ・ グ リ ッ プ 、 逆 に 右 手 を か ぶ せ ぎ み に し た 握 り 方 を ウ ィ ー ク ・ グ リ ッ プ と い う 。
﹇ 水 谷 準 ・ 塩 田 正 2 0 2 0 年 4 月 17 日 ﹈
ス ウ ィ ン グ は 飛 球 線 と 平 行 の 形 を と り 、 そ れ を 行 う た め に 足 場 を 固 め る 構 え を ス タ ン ス s t a n c e と い う 。 バ ラ ン ス を 保 つ た め に は 、 ス ウ ィ ン グ が 大 き い ほ ど 足 幅 を 広 げ る 必 要 が あ る が 、 自 由 な ス ウ ィ ン グ と バ ラ ン ス の 保 全 は 、 ﹁ ド ラ イ バ ー の ア ド レ ス で ほ ぼ 肩 幅 の 広 さ ﹂ が 定 説 で あ る 。 ス タ ン ス に は 次 の 3 種 が あ る 。
︹ 1 ︺ ス ク エ ア ・ ス タ ン ス s q u a r e s t a n c e 両 足 の つ ま さ き を 結 ん だ 線 が 飛 球 線 と 平 行 に な っ て い る 標 準 型 で 、 左 の つ ま さ き を 右 よ り も や や 開 い て セ ッ ト す る こ と で 腰 の 回 転 を 助 成 す る 。
︹ 2 ︺ ク ロ ー ズ ド ・ ス タ ン ス c l o s e d s t a n c e 右 足 を わ ず か に 手 前 に 引 き 、 両 つ ま さ き を 結 ん だ 線 が 飛 球 線 に 対 し て 右 か ら 左 へ ク ロ ス す る よ う に な る 立 ち 方 で 、 ボ ー ル に 左 回 転 を 与 え て フ ッ ク h o o k さ せ る 打 ち 方 を 容 易 に す る 。
︹ 3 ︺ オ ー プ ン ・ ス タ ン ス o p e n s t a n c e 左 足 を わ ず か に 手 前 へ 引 き 、 両 つ ま さ き を 結 ん だ 線 が 飛 球 線 に 対 し て 左 か ら 右 へ ク ロ ス す る 立 ち 方 で 、 ボ ー ル に 右 回 転 を 与 え て ス ラ イ ス s l i c e さ せ る 打 ち 方 が 容 易 と な る 。
ど の ス タ ン ス を と る に し て も 、 体 重 は 両 足 の 内 側 後 半 に か か っ て い る 感 じ で 、 両 足 に 均 分 さ れ 、 両 膝 ( ひ ざ ) を わ ず か に 曲 げ る 程 度 に 緩 め 、 し っ か り と 地 面 に 定 着 さ れ て い る 感 じ が 望 ま し い 。 ボ ー ル の 位 置 は 、 左 か か と の 内 側 か ら 飛 球 線 と 直 角 に 交 わ る 地 点 が 標 準 で 、 ク ラ ブ を ボ ー ル の 直 後 に あ て が い 、 ス ウ ィ ン グ を お こ す ア ド レ ス a d d r e s s ︵ 準 備 体 勢 ︶ が と ら れ る 。
﹇ 水 谷 準 ・ 塩 田 正 2 0 2 0 年 4 月 17 日 ﹈
b a c k - s w i n g 、 d o w n - s w i n g ス ウ ィ ン グ は 、 後 方 へ の 振 り 上 げ ︵ バ ッ ク ・ ス ウ ィ ン グ ︶ と 前 方 へ の 振 り 下 ろ し ︵ ダ ウ ン ・ ス ウ ィ ン グ ︶ の 二 つ の 部 分 で 構 成 さ れ る が 、 切 れ 目 の な い 単 一 動 作 ︵ ワ ン ピ ー ス ・ ス ウ ィ ン グ ︶ と 理 解 す べ き で あ る 。 ス ウ ィ ン グ は 、 地 面 に 対 し て 傾 斜 し た 平 面 を 形 成 す る が 、 長 身 の 者 ほ ど そ の 角 度 が 直 立 し 、 こ れ を ア ッ プ ラ イ ト u p r i g h t と い い 、 短 躯 ( た ん く ) ま た は 肥 満 の 者 は 水 平 に 近 く な り 、 こ れ を フ ラ ッ ト f l a t と い う 。 い ず れ も ス ウ ィ ン グ は 適 正 な タ イ ミ ン グ に よ っ て コ ン ト ロ ー ル さ れ て い な く て は な ら な い 。
﹇ 水 谷 準 ・ 塩 田 正 2 0 2 0 年 4 月 17 日 ﹈
driver shot ドライバーは長打のティーショット用であるが、ティーアップの高さとボールの位置によって弾道の高低を変化させたり、またキャリー(滞空距離)をも変えることができる。スウィングの弧を大きくするほどクラブヘッドの速度が増して距離も増大する。
[水谷 準・塩田 正 2020年4月17日]
fairway wood shot 比較的ボールのライがよい場合の長打用で、ドライバーと異なり、ややダウンブロー(打ち下ろし)ぎみのスウィングでボールをとらえないと上昇力がつかない。
[水谷 準・塩田 正 2020年4月17日]
ウッド型ユーティリティクラブは、基本的にフェアウェイウッドが短くなったものであり、フェアウェイウッドの打ち方とあまり変わらないが、打ち込まずに滑らすように打つのがこつである。
[飯田雅樹 2020年4月17日]
アイアン型ユーティリティクラブは、アイアンに比べて、ソールが幅広になっているため、無理せずに球があがるので、滑らすように払い打ちをするのがこつである。
[飯田雅樹 2020年4月17日]
ア イ ア ン は 、 標 的 を ね ら う た め の 正 確 さ と 、 ラ イ の 悪 い ボ ー ル を た た き 出 す た め に 発 案 さ れ た も の で 、 打 ち 方 は 、 ウ ッ ド が 箒 ( ほ う き ) と す れ ば 、 ア イ ア ン は は た き と 考 え る と 、 そ の 性 能 を 理 解 し や す い 。
︹ 1 ︺ ロ ン グ ア イ ア ン l o n g i r o n 1 ~ 4 番 ま で を ロ ン グ ア イ ア ン と 称 し て い る が 、 ユ ー テ ィ リ テ ィ ク ラ ブ と 比 べ て も 球 が 上 が り づ ら く 、 ス ウ ィ ン グ に ば ら つ き が あ る と 使 い こ な せ な い た め セ ッ ト 売 り か ら は 外 れ て い る 。
︹ 2 ︺ ミ ド ル ア イ ア ン m i d d l e i r o n 5 ~ 7 番 の ア イ ア ン を さ し 、 一 般 的 に 1 3 0 ~ 1 6 0 ヤ ー ド の 距 離 に 用 い 、 よ り 正 確 な シ ョ ッ ト が 要 求 さ れ る 。 シ ョ ッ ト の 特 徴 は 、 ダ ウ ン ブ ロ ー に シ ョ ッ ト す る こ と に よ っ て ボ ー ル に バ ッ ク ス ピ ン を か け て グ リ ー ン 上 で 止 ま る 球 を 打 つ こ と で あ る 。
︹ 3 ︺ シ ョ ー ト ア イ ア ン s h o r t i r o n 8 、 9 番 ア イ ア ン と ピ ッ チ ン グ ・ ウ ェ ッ ジ を さ し 、 通 常 1 3 0 ヤ ー ド 以 下 の 距 離 に 用 い ら れ る 。 シ ョ ー ト ア イ ア ン の 目 標 は 旗 ︵ ピ ン ︶ そ の も の で あ り 、 そ の た め に は い っ そ う ボ ー ル に バ ッ ク ス ピ ン を か け て 、 着 地 後 た だ ち に 停 止 で き る シ ョ ッ ト が 要 求 さ れ る 。 ダ ウ ン ブ ロ ー が 有 効 で 、 ク ラ ブ 自 体 も そ の 作 用 を 助 け る 構 造 と な っ て い る 。
︹ 4 ︺ シ ョ ー ト ・ ア プ ロ ー チ s h o r t a p p r o a c h グ リ ー ン か ら 80 ヤ ー ド 以 内 の シ ョ ッ ト は 多 彩 で 、 バ ラ エ テ ィ ー が あ る が 、 そ の た め の ク ラ ブ と し て ア プ ロ ー チ ・ ウ ェ ッ ジ と サ ン ド ・ ウ ェ ッ ジ が あ る 。 メ ー カ ー に よ っ て は 52 度 と か 58 度 と い っ た よ う に 度 数 だ け で 表 示 し て い る も の も あ る 。
( 1 ) ラ ン ニ ン グ シ ョ ッ ト r u n n i n g s h o t 3 分 の 2 以 上 を 転 が し て 旗 ま で 寄 せ る 打 法 で 、 方 向 の 正 確 さ と い う 点 で も っ と も 安 全 で あ り 、 使 用 ク ラ ブ は 普 通 ミ ド ル ア イ ア ン や シ ョ ー ト ア イ ア ン が 多 用 さ れ る 。
( 2 ) ピ ッ チ シ ョ ッ ト p i t c h s h o t ボ ー ル を 高 く あ げ て ボ ー ル を 止 め る シ ョ ッ ト 。 立 ち 木 や バ ン カ ー を 越 し て 旗 ( ピ ン ) を ね ら う 場 合 に 用 い ら れ る が 、 熟 練 の 技 が 要 求 さ れ る 。
( 3 ) ピ ッ チ ・ エ ン ド ・ ラ ン p i t c h a n d r u n ピ ッ チ と ラ ン ニ ン グ と を 併 用 し た シ ョ ッ ト で 、 効 果 も 両 者 の 特 質 を 兼 備 し て い る 。 練 習 に よ っ て 使 用 ク ラ ブ ︵ 通 常 シ ョ ー ト ア イ ア ン ︶ の キ ャ リ ー と ラ ン の 割 合 を 知 っ て お く こ と が 必 要 で あ る 。
( 4 ) チ ッ プ ・ シ ョ ッ ト c h i p s h o t ご く 短 い 距 離 を ラ ン ニ ン グ で 寄 せ る 打 法 を い う 。
︹ 5 ︺ パ ッ テ ィ ン グ p u t t i n g ﹁ パ ッ ト に 定 型 な し ﹂ と い う の が 定 説 と な っ て い る の は 、 ボ ー ル を カ ッ プ に 沈 め る の が 究 極 目 的 だ か ら で あ る 。 し か し 正 し い パ ッ ト の 原 則 は 、 パ タ ー フ ェ ー ス が 直 角 を 保 っ て 、 距 離 に 応 じ て 必 要 な 速 度 で 動 く こ と で あ っ て 、 そ れ を い か な る 場 合 も 実 行 で き る よ う に す る に は 独 自 の 型 を も つ 必 要 が あ る 。 そ れ ら を 大 別 す る と 三 つ の 型 と な る 。 手 首 型 ︵ タ ッ プ 式 ︶ は 、 フ ォ ロ ー ス ル ー ︵ イ ン パ ク ト か ら フ ィ ニ ッ シ ュ ま で の 間 ︶ を 小 さ く し て 手 首 の 屈 折 で ボ ー ル を ピ シ ッ と 打 つ の で 、 必 然 的 に ヒ ッ ト 性 が 強 く な る 。 腕 型 ︵ ス ト ロ ー ク 式 ︶ は 、 両 腕 を ラ イ ン に 平 行 に 動 か し な が ら パ タ ー ヘ ッ ド を 振 り 子 の よ う に 移 動 さ せ る 。 肩 型 は 、 肩 の 回 転 に 多 く 依 存 し 、 距 離 の 大 小 を そ の 回 転 度 で 決 め る 。 パ ッ ト は フ ィ ー リ ン グ ︵ 感 覚 ︶ が 大 き な 要 素 を 占 め 、 さ ら に グ リ ー ン の 傾 斜 と 芝 目 を 読 ん で そ の 変 化 に 適 応 し た パ ッ テ ィ ン グ を し な い と 、 単 に 打 ち 方 が 正 し い だ け で は 成 功 率 を 高 め ら れ な い 。
︹ 6 ︺ 特 殊 な ラ イ か ら の シ ョ ッ ト
( 1 ) 登 り 坂 ︵ ア ッ プ ヒ ル u p - h i l l ︶ 左 足 が 右 足 よ り も 高 い ラ イ で は 、 体 重 が 右 荷 重 に な る の で 、 で き る だ け そ れ を 避 け る 立 ち 方 を し 、 ボ ー ル も 右 足 寄 り に 置 く 。 フ ッ ク が か か り や す い の で 目 標 を 右 側 に 設 定 す る 。
( 2 ) 下 り 坂 ︵ ダ ウ ン ヒ ル d o w n - h i l l ︶ 右 足 が 左 足 よ り も 高 く な る ラ イ で は 、 体 重 が 左 荷 重 に な り 、 ス ウ ィ ン グ 中 に 左 へ よ ろ け 、 ト ッ プ ボ ー ル に な り や す い 。 そ れ を 避 け る た め に 右 足 寄 り に ボ ー ル を 置 く 。 ス ラ イ ス が か か り や す い 。
( 3 ) 前 上 り ︵ ハ イ ・ ラ イ h i g h l i e ︶ ボ ー ル が 両 足 よ り も 高 い ︵ た と え ば 土 手 の 斜 面 な ど ︶ 場 合 に は 、 ボ ー ル と 体 と の 間 隔 が 近 く な り 、 ス ウ ィ ン グ も フ ラ ッ ト に な ら ざ る を え な い の で 、 体 重 の バ ラ ン ス に 注 意 し 、 ク ラ ブ を 短 め に 持 ち 、 コ ン パ ク ト な ス ウ ィ ン グ を 心 が け る 。 フ ッ ク が か か り や す い の で 目 標 を 右 側 に 設 定 す る 。
( 4 ) 前 下 り ︵ ロ ー ・ ラ イ l o w l i e ︶ ボ ー ル が 両 足 よ り も 低 い 場 合 に は 、 ボ ー ル と の 間 隔 が 遠 く な る の で 、 広 め の ス タ ン ス を と っ て 低 い 姿 勢 を と り 、 そ の 姿 勢 を 崩 さ ず に ボ ー ル を と ら え る 。 ( 2 ) と 同 様 に 打 球 は ス ラ イ ス ぎ み に な る 。
( 5 ) 草 深 い ヘ ビ ー ・ ラ フ h e a v y r o u g h ボ ー ル が 長 い 雑 草 の 中 に 沈 ん で い る と き は 、 ボ ー ル と ク ラ ブ フ ェ ー ス の 間 に 草 の 葉 が 挟 ま る か ら 、 飛 距 離 は 極 端 に 短 縮 さ れ 、 ボ ー ル も 低 く な る 。 ロ フ ト の 大 き い ク ラ ブ で 脱 出 を 優 先 さ せ る 。
( 6 ) 林 間 ・ 樹 木 の 交 錯 し た な か か ら 脱 出 す る 場 合 梢 ( こ ず え ) を 越 す に は ク ラ ブ フ ェ ー ス を 極 端 に オ ー プ ン に 構 え て カ ッ ト シ ョ ッ ト し 、 木 の 枝 下 を 低 く 抜 く に は ロ フ ト の 少 な い ロ ン グ ア イ ア ン を 短 く 持 っ て コ ン パ ク ト ・ ス ウ ィ ン グ に 努 め 、 脱 出 す る こ と に 重 点 を 置 く 。
︹ 7 ︺ バ ン カ ー シ ョ ッ ト b u n k e r s h o t ボ ー ル の 手 前 の 砂 へ ク ラ ブ を 打 ち 込 み 、 砂 と い っ し ょ に ボ ー ル を 飛 ば す 打 法 が 使 わ れ 、 こ れ を エ ク ス プ ロ ー ジ ョ ン e x p l o s i o n ︵ 爆 打 ︶ と い う 。 ボ ー ル の 飛 距 離 は 削 り と る 砂 の 量 と ス ウ ィ ン グ の 大 き さ で 決 ま る 。 そ れ に は ま ず 砂 質 を 見 分 け る こ と と 、 砂 の 状 態 を 測 知 す る こ と が 必 要 で あ る が 、 ク ラ ブ を 砂 に 触 れ て は い け な い か ら 、 し っ か り 足 場 を 固 め る と 同 時 に 、 砂 の 状 態 を 察 知 す る 。 砂 は 産 地 に よ っ て 礫 ( こ い し ) 状 の も の か ら 粉 状 の も の ま で い ろ い ろ あ り 、 ク ラ ブ ヘ ッ ド へ の 抵 抗 を 異 に し 、 ま た 乾 湿 に よ っ て 砂 の 締 ま り ぐ あ い が 変 わ っ て く る の で 、 い っ そ う 複 雑 さ を 増 す 。 エ ク ス プ ロ ー ジ ョ ン に は サ ン ド ・ ウ ェ ッ ジ が 使 用 さ れ る が 、 固 く 締 ま っ た 砂 で は フ ラ ン ジ ︵ 輪 ぶ ち ︶ の 厚 い サ ン ド ・ ウ ェ ッ ジ は は ね 返 り が 強 す ぎ て 危 険 の 度 合 い も 多 く 、 こ の 場 合 に は 9 番 ア イ ア ン な ど で 、 砂 を 浅 く と る 。
︹ 8 ︺ 天 候 の 影 響 下 に あ る シ ョ ッ ト
( 1 ) 風 天 候 の 変 化 の う ち も っ と も シ ョ ッ ト に 影 響 す る の は 風 で あ っ て 、 天 然 の 障 害 の 一 種 と み な さ れ る 。 風 に 対 す る に は 、 そ れ に 逆 ら わ ず に む し ろ 利 用 す る こ と で あ る 。 向 か い 風 ︵ ア ゲ イ ン ス ト ︶ や 横 風 で は で き る だ け 低 い 球 が 有 効 で 、 そ れ に は ボ ー ル の 位 置 を 普 通 よ り や や 中 央 寄 り に す る 。 追 い 風 ︵ フ ォ ロ ー ︶ で は 、 で き る だ け 高 い 球 を 打 て ば そ れ だ け 距 離 も 伸 び る 。 テ ィ ー ア ッ プ を 高 め に す る 。
( 2 ) 雨 地 面 湿 潤 で シ ョ ッ ト の ラ ン が 殺 さ れ 、 ま た ダ フ の ミ ス を 誘 発 し や す い の で 、 で き る だ け ボ ー ル を ク リ ー ン に 打 つ 。
﹇ 水 谷 準 ・ 塩 田 正 ・ 飯 田 雅 樹 2 0 2 0 年 4 月 17 日 ﹈
打 た れ た ボ ー ル は ス ウ ィ ン グ の 独 自 な 型 に よ っ て 、 そ れ ぞ れ の 球 質 を も つ 。 厳 密 に は ス ト レ ー ト ・ ボ ー ル ︵ ま っ す ぐ 飛 ぶ ボ ー ル ︶ は な く 、 通 常 ど ち ら か に 曲 が る 。 右 打 ち の 場 合 、 ま っ す ぐ 飛 ん で 、 ボ ー ル が 落 ち ぎ わ に す こ し 右 に カ ー ブ す る も の を フ ェ ー ド ・ ボ ー ル f a d e b a l l 、 左 に カ ー ブ す る も の を ド ロ ー ・ ボ ー ル d r a w b a l l と い う 。 い ず れ も 正 し い ボ ー ル で 、 球 質 に 応 じ て コ ー ス 戦 略 を 考 え る 。 し か し 、 ス ウ ィ ン グ の 軌 道 が 飛 球 線 を ク ロ ス し た り 、 ク ラ ブ フ ェ ー ス が ボ ー ル に ス ク ェ ア ︵ ま っ す ぐ ︶ に 当 た ら な い と 、 ボ ー ル は 方 向 が 狂 っ た り 、 右 ・ 左 に 大 き く カ ー ブ し た り す る 。 意 識 的 ︵ イ ン テ ン シ ョ ナ ル ︶ に 行 う も の を 除 い て 、 こ の 曲 が り 方 が 著 し い 場 合 に は ミ ス シ ョ ッ ト で 、 次 の よ う な も の が あ る 。
︹ 1 ︺ ス ラ イ ス s l i c e 右 へ カ ー ブ す る シ ョ ッ ト で 、 ス ウ ィ ン グ の 軌 道 が ア ウ ト サ イ ド ・ イ ン ︵ ボ ー ル と 目 標 を 結 ん だ 線 の 外 側 か ら ク ラ ブ が ボ ー ル に 当 た る こ と ︶ に 入 り 、 ク ラ ブ フ ェ ー ス が オ ー プ ン ︵ 右 向 き ︶ で ボ ー ル に 接 し 、 カ ッ ト す る か ら で あ る 。
︹ 2 ︺ フ ッ ク h o o k イ ン サ イ ド ・ ア ウ ト ︵ ボ ー ル と 目 標 を 結 ん だ 線 の 内 側 か ら ク ラ ブ が ボ ー ル に 当 た る こ と ︶ に 入 り 、 ク ラ ブ フ ェ ー ス が ク ロ ー ズ ︵ 閉 じ て 左 向 き ︶ に 当 た る と 左 カ ー ブ の シ ョ ッ ト と な る 。
︹ 3 ︺ プ ル p u l l ︵ ひ っ か け ︶ ス ウ ィ ン グ の 軌 道 が 飛 球 線 の 外 側 か ら 内 側 へ ク ロ ス し 、 ボ ー ル は 左 へ 直 行 す る 。 著 し い も の を ス マ ザ ー と い う 。
︹ 4 ︺ プ ッ シ ュ p u s h ︵ 押 し 出 し ︶ ス ウ ィ ン グ の 軌 道 が 飛 球 線 の 内 側 か ら 外 側 へ ク ロ ス し 、 ボ ー ル は 右 へ 直 行 す る 。
︹ 5 ︺ ダ フ d u f f ボ ー ル を 直 接 打 た ず 手 前 の 地 面 を ヒ ッ ト し た た め 必 要 な 距 離 が 得 ら れ な い ミ ス で 、 し ば し ば 犯 す 者 を ダ ッ フ ァ ー と い う 。
︹ 6 ︺ ト ッ プ t o p p i n g ボ ー ル の 赤 道 か ら 上 部 へ ク ラ ブ の ブ レ ー ド が 当 た る と ボ ー ル は 上 が ら ず に ゴ ロ に な る 。 腕 が 縮 む の と 、 上 体 が 左 へ 流 れ る ︵ ス ウ ェ イ ︶ の が 原 因 で あ る こ と が 多 い 。
︹ 7 ︺ ス カ イ ン グ s k y i n g ︵ 俗 称 、 て ん ぷ ら ︶ ク ラ ブ ヘ ッ ド が ボ ー ル の 底 部 を 打 つ た め に 高 い 球 と な る 。 ス ウ ィ ン グ を 力 む と 上 体 が 沈 む し 、 手 首 の 使 用 が 過 多 に な っ て お こ る 例 が 多 い 。
︹ 8 ︺ シ ャ ン ク s h a n k ソ ケ ッ ト s o c k e t と も い う 。 ボ ー ル が フ ェ ー ス の 中 心 を 大 き く 外 れ 、 あ る い は シ ャ フ ト の 挿 入 部 ︵ ソ ケ ッ ト ︶ に 当 た り 、 ボ ー ル は 極 端 に 右 へ 飛 び 出 す 。 原 因 の う ち も っ と も 多 い の は 、 手 だ け で ク ラ ブ を 送 り 出 す ﹁ 手 打 ち ﹂ ス ウ ィ ン グ に な る こ と で あ る 。
﹇ 水 谷 準 ・ 塩 田 正 2 0 2 0 年 4 月 17 日 ﹈
世 界 四 大 メ ジ ャ ー ト ー ナ メ ン ト と よ ば れ て い る の は 、 開 催 月 順 に 並 べ る と 次 の 通 り で あ る 。
( 1 ) マ ス タ ー ズ ト ー ナ メ ン ト M a s t e r s T o u r n a m e n t ︵ 4 月 開 催 ︶
他 の メ ジ ャ ー と 違 い 毎 年 ア メ リ カ 、 ジ ョ ー ジ ア 州 の オ ー ガ ス タ ・ ナ シ ョ ナ ル ・ ゴ ル フ ク ラ ブ で 同 ク ラ ブ の 主 催 で 開 催 さ れ る 。 1 9 3 4 年 に ボ ビ ー ・ ジ ョ ー ン ズ ら に よ っ て 創 設 さ れ た 全 世 界 で も っ と も 注 目 さ れ る ゴ ル フ ト ー ナ メ ン ト と い え る 。
( 2 ) 全 米 プ ロ ゴ ル フ 選 手 権 P G A C h a m p i o n s h i p ︵ 5 月 開 催 ︶
P G A チ ャ ン ピ オ ン シ ッ プ と も よ ば れ る 。 1 9 1 6 年 の 創 設 で 、 全 米 プ ロ ゴ ル フ 協 会 の 主 催 で 開 催 さ れ る 。 2 0 1 9 年 か ら 5 月 に 開 催 時 期 が 変 更 さ れ た ︵ 以 前 は 8 月 開 催 ︶ 。
( 3 ) 全 米 オ ー プ ン 選 手 権 U . S . N a t i o n a l O p e n C h a m p i o n s h i p ︵ 6 月 開 催 ︶
ア メ リ カ 国 内 を は じ め ヨ ー ロ ッ パ 1 か 所 、 ア ジ ア 1 か 所 ︵ イ ギ リ ス と 日 本 ︶ で 予 選 会 が あ り 、 最 終 予 選 会 を 通 過 し た 選 手 が 出 場 で き る 。 ア マ チ ュ ア も 1 . 4 以 下 の ハ ン デ ィ キ ャ ッ プ を も っ て い れ ば 出 場 で き る オ ー プ ン 競 技 で あ る 。 1 8 9 5 年 の 創 設 で U S G A ︵ 全 米 ゴ ル フ 協 会 ︶ の 主 催 で 開 催 さ れ る 。
( 4 ) 全 英 オ ー プ ン 選 手 権 T h e O p e n C h a m p i o n s h i p / B r i t i s h O p e n ︵ 7 月 開 催 ︶
正 式 名 称 は ジ ・ オ ー プ ン ・ チ ャ ン ピ オ ン シ ッ プ で 、 ブ リ テ ィ シ ュ ・ オ ー プ ン と も よ ば れ て い る 。 1 8 6 0 年 の 創 設 、 世 界 最 古 の ゴ ル フ ト ー ナ メ ン ト で R & A ︵ ロ イ ヤ ル ・ ア ン ド ・ エ ン シ ェ ン ト ︶ の 主 催 で 開 催 さ れ る 。
﹇ 飯 田 雅 樹 2 0 2 0 年 4 月 17 日 ﹈
Grand Slam。スポーツ界で初めてグランドスラムということばが用いられたのは、1930年に当時28歳でアマチュアであったボビー・ジョーンズが、当時の世界四大タイトル、全英アマチュア、全米アマチュア、全英オープン、全米オープンを1年間ですべて制覇したことから使われるようになった。現在の四大メジャートーナメントは前述のように変わっているが、1年間でグランドスラムを達成したのはボビー・ジョーンズただ一人である。複数年を要してメジャートーナメントを制覇した者をキャリア・グランドスラムとよび、ボビー・ジョーンズ(アメリカ)、ジーン・サラゼン(アメリカ)、ベン・ホーガン(アメリカ)、ゲーリー・プレーヤー(南アフリカ)、ジャック・ニクラウス(アメリカ)、タイガー・ウッズ(アメリカ)らが達成している。女子のメジャートーナメントは現在、ANAインスピレーション、全米女子プロゴルフ選手権、全米女子オープン、全英女子オープン、エビアン選手権と五大トーナメントで、キャリア・グランドスラムの達成者はルイーズ・サックスLouise Suggs(1923―2015。アメリカ)、ミッキー・ライトMickey Wright(1935―2020。アメリカ)、パット・ブラッドリーPat Bradley(1951― 。アメリカ)、ジュリ・インクスターJuli Inkster(1960― 。アメリカ)、カリー・ウェブKarrie Webb(1974― 。オーストラリア)、アニカ・ソレンスタムAnnika Sorenstam(1970― 。スウェーデン)の6名がいる。シニアのメジャートーナメントはシニア・プレーヤーズ選手権、全米プロシニアゴルフ選手権、全米シニアオープン、全英シニアオープン、リージョンズ・トラディションの五大トーナメントで、キャリア・グランドスラムの達成者はベルンハルト・ランガーBernhard Langer(1957― 。ドイツ)ただ一人である。日本人で海外メジャーの優勝者は、1977年に全米女子プロを制した樋口久子(ひさこ)(1945― )、2013年全米プロシニアを制した井戸木鴻樹(いどきこうき)(1961― )、2019年全英女子オープンを制した渋野日向子(しぶのひなこ)(1998― )、2021年にマスターズ・トーナメントを制した松山英樹の4名である。
[飯田雅樹 2021年4月16日]
代表的な二大競技会が日本オープン(ジャパンオープン、1927年創設)と日本最古のゴルフトーナメントでもある日本プロゴルフ選手権(ジャパンプロ、1926年創設)であり、ほかに日本ゴルフシリーズ(1963年創設)、日本プロゴルフマッチプレー(1975年創設、現在休止中)と日本ゴルフツアー選手権(2000年創設)がある。女子ゴルフのメジャートーナメントは日本女子オープン(1968年創設)、日本女子プロゴルフ選手権(1968年創設)、ワールドレディスチャンピオンシップ(1973年創設)、LPGAツアーチャンピオンシップ(1979年創設)がある。
[飯田雅樹 2020年4月17日]
日 本 は 狭 い 国 土 で あ り な が ら ア メ リ カ 、 イ ギ リ ス に 次 い で 現 在 世 界 第 3 位 の ゴ ル フ 場 数 を 誇 っ て い る 。 第 二 次 世 界 大 戦 前 の 1 9 4 0 年 ︵ 昭 和 15 ︶ に は 64 コ ー ス ま で 増 え 、 2 0 0 2 年 ︵ 平 成 14 ︶ の 2 4 6 0 コ ー ス を ピ ー ク に 2 0 1 8 年 時 点 で 2 2 4 8 コ ー ス ま で 減 少 し て い る 。 ゴ ル フ 場 の 多 い 都 道 府 県 は 多 い 順 番 に 北 海 道 、 兵 庫 県 、 千 葉 県 で あ る 。 北 海 道 は 減 少 傾 向 に あ る が 千 葉 県 な ど は 逆 に 増 加 傾 向 に あ る 。
ゴ ル フ 人 口 も バ ブ ル 時 代 に 最 高 潮 を 迎 え 、 時 代 と と も に 減 少 傾 向 に あ る 。 と く に 20 代 か ら 30 代 の 男 性 が 減 少 し て い る 。 そ れ は 自 家 用 車 を も た な い 若 者 が 増 え た の も 原 因 の 一 つ と 考 え ら れ て い る が 、 逆 に 女 性 や 時 間 と お 金 に 余 裕 が あ る 60 代 以 上 の ゴ ル フ ァ ー が 増 え て い る と い う 統 計 も あ る 。 ま た 、 バ ブ ル 期 と 比 べ て も プ レ ー フ ィ ー ︵ ゴ ル フ コ ー ス の 使 用 料 ︶ も 低 く な っ て き て い る 。 地 方 の コ ー ス な ど は か な り の 低 料 金 と な っ て い る が 、 オ リ ン ピ ッ ク 正 式 種 目 に も か か わ ら ず 、 1 回 プ レ ー す る だ け で 3 0 0 円 ~ 1 2 0 0 円 と 、 高 額 な ゴ ル フ 場 利 用 税 が い ま だ に 残 っ て い る た め 、 廃 業 せ ざ る を 得 な い ゴ ル フ 場 も 増 え て お り 、 ゴ ル フ 人 口 の 減 少 に も つ な が っ て い る 。
ま た 、 1 9 2 6 年 に 日 本 最 古 の ゴ ル フ ト ー ナ メ ン ト で あ る 日 本 プ ロ ゴ ル フ 選 手 権 が 開 催 さ れ て か ら 多 く の 企 業 が ス ポ ン サ ー と な り 、 多 く の ゴ ル フ ト ー ナ メ ン ト が 開 催 さ れ て き た 。 ゴ ル フ ト ー ナ メ ン ト は 他 の プ ロ ス ポ ー ツ に 比 べ て も 賞 金 が 高 く 、 こ れ に よ っ て 多 く の 若 者 が プ ロ ゴ ル フ ァ ー を 目 ざ し 、 バ ブ ル 期 に は 青 木 功 、 尾 崎 将 司 、 中 嶋 常 幸 、 倉 本 昌 弘 な ど ス タ ー 選 手 が 活 躍 し 、 40 試 合 近 く の ト ー ナ メ ン ト が 開 催 さ れ た 。 バ ブ ル の 崩 壊 と と も に 徐 々 に 衰 退 し た が 、 最 近 で は 石 川 遼 ︵ プ ロ ト ー ナ メ ン ト 初 優 勝 時 、 高 校 生 ︶ や 池 田 勇 太 ( ゆ う た ) ︵ 1 9 8 5 ― ︶ 、 ア メ リ カ P G A ツ ア ー で 優 勝 し て い る 松 山 英 樹 な ど の 活 躍 で 盛 り 返 し 始 め て い る 。 女 子 プ ロ ゴ ル フ は 歴 史 が 少 し 浅 く 、 全 米 女 子 プ ロ に 優 勝 し た 樋 口 久 子 、 1 9 8 7 年 ア メ リ カ L P G A ツ ア ー の 賞 金 女 王 岡 本 綾 子 ( あ や こ ) 、 1 9 9 3 年 ア メ リ カ L P G A ツ ア ー で の 優 勝 を 果 た し た 小 林 浩 美 ( ひ ろ み ) ︵ 1 9 6 3 ― ︶ な ど の 活 躍 で 人 気 も 出 始 め 、 横 峯 ( よ こ み ね ) さ く ら ︵ 1 9 8 5 ― ︶ 、 宮 里 藍 ( み や ざ と あ い ) ︵ 1 9 8 5 ― ︶ ︵ プ ロ ト ー ナ メ ン ト 初 優 勝 時 、 高 校 生 ︶ な ど の 出 現 で ブ レ ー ク し た 。 現 在 で は 鈴 木 愛 ︵ 1 9 9 4 ― ︶ や 、 2 0 1 9 年 全 英 女 子 オ ー プ ン で 優 勝 し た 渋 野 日 向 子 を は じ め 黄 金 世 代 、 プ ラ チ ナ 世 代 と よ ば れ る 20 歳 前 後 の 女 子 プ ロ ゴ ル フ ァ ー の 活 躍 で 、 男 子 ト ー ナ メ ン ト よ り も 人 気 が 出 て い る 。
﹇ 飯 田 雅 樹 2 0 2 0 年 4 月 17 日 ﹈
( 1 ) 公 益 財 団 法 人 日 本 ゴ ル フ 協 会 ︵ J G A ‥ J a p a n G o l f A s s o c i a t i o n ︶
日 本 の ア マ チ ュ ア 競 技 や 日 本 オ ー プ ン 、 日 本 女 子 オ ー プ ン 、 日 本 シ ニ ア オ ー プ ン と い っ た ナ シ ョ ナ ル オ ー プ ン の 主 催 な ど ゴ ル フ 競 技 の 健 全 な る 発 展 、 国 際 交 流 、 ジ ュ ニ ア ゴ ル フ ァ ー の 育 成 や R & A と U S G A で つ く ら れ た ゴ ル フ 規 則 の 翻 訳 を し て 、 ゴ ル フ 規 則 の 普 及 に 努 め て い る 。
( 2 ) 公 益 社 団 法 人 日 本 プ ロ ゴ ル フ 協 会 ︵ P G A ‥ T h e P r o f e s s i o n a l G o l f e r s ' A s s o c i a t i o n o f J a p a n ︶
文 部 科 学 省 管 轄 の も と 日 本 唯 一 の ﹁ プ ロ ゴ ル フ ァ ー ﹂ の 団 体 で あ る 。 日 本 プ ロ ゴ ル フ 選 手 権 、 日 本 の シ ニ ア ツ ア ー の 主 管 で も あ る 。 プ ロ テ ス ト を 実 施 し プ ロ テ ス ト に 合 格 し た 者 、 テ ィ ー チ ン グ プ ロ の 実 技 審 査 を 合 格 し た 者 を プ ロ ゴ ル フ ァ ー と よ ぶ 。 2 0 1 9 年 の 時 点 で 日 本 に は 5 5 0 0 人 以 上 の プ ロ ゴ ル フ ァ ー と よ ば れ る P G A 会 員 が 存 在 し て い て 、 日 本 の ゴ ル フ 場 や ゴ ル フ 練 習 場 で の ゴ ル フ レ ッ ス ン 活 動 の 頂 点 に 位 置 し て い る 。
( 3 ) 一 般 社 団 法 人 日 本 女 子 プ ロ ゴ ル フ 協 会 ︵ L P G A ‥ T h e L a d i e s P r o f e s s i o n a l G o l f e r s ' A s s o c i a t i o n o f J a p a n ︶
日 本 の 女 子 プ ロ ゴ ル フ ァ ー の 団 体 で あ る 。 L P G A ツ ア ー の 主 管 で あ る 。 プ ロ テ ス ト と テ ィ ー チ ン グ プ ロ の テ ス ト を 実 施 し て 合 格 し た 者 が 女 子 プ ロ ゴ ル フ ァ ー で あ り 、 L P G A 会 員 と な る 。 そ の L P G A 会 員 の な か で ク ォ リ フ ァ イ ン グ ト ー ナ メ ン ト を 通 過 し た 者 が L P G A ツ ア ー に 出 場 で き る 。 同 じ 略 称 の 全 米 女 子 プ ロ ゴ ル フ 協 会 と 区 別 す る た め J L P G A と も 表 記 さ れ る 。
( 4 ) 一 般 社 団 法 人 日 本 ゴ ル フ ツ ア ー 機 構 ︵ J G T O ‥ J a p a n G o l f T o u r O r g a n i z a t i o n ︶
日 本 の 男 子 ゴ ル フ ツ ア ー を 主 管 し 、 ク ォ リ フ ァ イ ン グ ト ー ナ メ ン ト を 実 施 し て い る 。 そ れ に 通 過 し た 者 が J G T O ツ ア ー 、 A b e m a T V ( ア ベ マ テ ィ ー ブ イ ) ツ ア ー と よ ば れ る 2 部 ツ ア ー に 出 場 で き る 。
﹇ 飯 田 雅 樹 2 0 2 0 年 4 月 17 日 ﹈
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) 日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
ゴルフ golf
目次 歴史 イギリス,アメリカ 日本 ゴルフコース 用具 ボール クラブ 競技方法 基本的なルール 基本的な技術 グリップ アドレスとスタンス スイング パット 世界の大トーナメント ゴルフと日本社会
ゴ ム 製 の 小 さ な ボ ー ル を ク ラ ブ で 打 ち , コ ー ス 上 の 18 , も し く は そ れ 以 上 の ホ ー ル ︵ 穴 ︶ に 順 次 入 れ , 打 数 の 多 少 に よ っ て 勝 敗 を 争 う ス ポ ー ツ 。
歴 史
イ ギ リ ス , ア メ リ カ
ゴ ル フ の 起 源 に つ い て 三 つ の 説 が あ る が , ど の 説 も 明 確 な 根 拠 の あ る も の で は な い 。 第 1 は , ス コ ッ ト ラ ン ド の 羊 飼 い の 牧 童 た ち が 羊 を 追 い な が ら 石 を 転 が し て 遊 ん だ と い う 説 , 第 2 の オ ラ ン ダ を 起 源 と す る も の は , オ ラ ン ダ の 球 戯 , ヘ ッ ト コ ル フ ェ ン h e t k o l v e n と い う ホ ッ ケ ー に 似 た ゲ ー ム が 変 化 し ス コ ッ ト ラ ン ド に わ た っ た と い う 説 , 第 3 は , 紀 元 80 年 , ロ ー マ 帝 国 の ユ リ ウ ス ・ ア グ リ コ ラ 将 軍 が ス コ ッ ト ラ ン ド を 征 服 し た と き , 羽 毛 を つ め た 革 製 の ボ ー ル を 木 杖 で 打 つ パ ガ ニ カ p a g a n i c a と い う 球 戯 を 行 い , 3 世 紀 に わ た る ロ ー マ 軍 の 長 期 占 領 中 に 土 着 し て ゴ ル フ に な っ た と い う 説 で あ る 。
い ず れ に し て も 14 世 紀 中 こ ろ か ら , 現 行 の 方 法 に よ る ゴ ル フ が 行 わ れ て い た こ と は , ス コ ッ ト ラ ン ド の グ ロ ス タ ー 大 聖 堂 の ス テ ン ド ・ グ ラ ス に , ボ ー ル に 向 か っ て ス イ ン グ し て い る 男 の 図 が 描 か れ て い る こ と で 明 ら か で あ る 。 ゴ ル フ は 貴 族 を 中 心 に 発 達 し た も の と み ら れ , 1 4 5 7 年 に 国 王 ジ ェ ー ム ズ 2 世 が , ゴ ル フ の 流 行 は 武 術 , 弓 術 の 訓 練 を 妨 げ る と し て , 12 歳 か ら 50 歳 ま で の 男 子 に ゴ ル フ 禁 止 令 を 出 し て い る 。 同 様 の 禁 止 令 は 70 年 , 91 年 に も 出 さ れ , 以 後 も 安 息 日 の プ レ ー の 禁 止 な ど が 記 録 に 残 さ れ て い る 。
18 世 紀 に 入 る と , ゴ ル フ を 愛 好 す る 貴 族 た ち が ゴ ル フ 場 を 中 心 と し て ク ラ ブ を つ く る よ う に な っ た 。 1 7 4 4 年 に オ ナ ラ ブ ル ・ カ ン パ ニ ー ・ オ ブ ・ エ ジ ン バ ラ ・ ゴ ル フ ァ ー ズ H o n o u r a b l e C o m p a n y o f E d i n b u r g h G o l f e r s ︵ 後 の ミ ュ ア フ ィ ー ル ド ・ ゴ ル フ ク ラ ブ ︶ の 第 1 回 会 合 が 開 か れ , エ ジ ン バ ラ 市 会 か ら 贈 ら れ た 銀 製 カ ッ プ を 賞 品 と し て 争 奪 戦 が 行 わ れ た 。 こ れ が 記 録 に の こ る 最 初 の ゴ ル フ ク ラ ブ と ゴ ル フ 競 技 で あ る 。 つ い で 54 年 に は ス コ ッ ト ラ ン ド の セ ン ト ・ ア ン ド ル ー ズ に セ ン ト ・ ア ン ド ル ー ズ ・ ゴ ル フ ク ラ ブ ︵ 後 の ロ ー ヤ ル ・ ア ン ド ・ エ ン シ ェ ン ト ・ ゴ ル フ ク ラ ブ ︶ が 創 設 さ れ た 。 ル ー ル , ゲ ー ム 方 法 も 整 備 さ れ , 1 7 4 4 年 の エ ジ ン バ ラ ・ ゴ ル フ ァ ー ズ の 創 立 時 に 13 ヵ 条 の ル ー ル が 決 め ら れ , 64 年 に は セ ン ト ・ ア ン ド ル ー ズ で 1 ラ ウ ン ド が 22 ホ ー ル か ら 18 ホ ー ル に 短 縮 さ れ る な ど , ほ ぼ 現 在 の ゴ ル フ ゲ ー ム の 原 形 が 完 成 し た 。 そ し て 1 8 3 4 年 , ウ ィ リ ア ム 4 世 が セ ン ト ・ ア ン ド ル ー ズ ・ ゴ ル フ ク ラ ブ に ロ ー ヤ ル ・ ア ン ド ・ エ ン シ ェ ン ト ・ ゴ ル フ ク ラ ブ ・ オ ブ ・ セ ン ト ・ ア ン ド ル ー ズ R o y a l a n d A n c i e n t G o l f C l u b o f S t . A n d r e w s の 名 称 を 与 え , 全 国 の ゴ ル フ ク ラ ブ の 統 轄 , 規 則 の 制 定 , 選 手 権 の 開 催 と 運 営 に 当 た ら せ る こ と に な っ た 。 第 1 回 全 英 オ ー プ ン ゴ ル フ 選 手 権 大 会 は 60 年 に ス コ ッ ト ラ ン ド の プ レ ス ト ウ ィ ッ ク で 開 催 さ れ , 8 人 の プ ロ に よ っ て 争 わ れ た 結 果 , ウ ィ リ ー ・ パ ー ク ・ シ ニ ア が 優 勝 し て い る 。 ま た 85 年 に 第 1 回 全 英 ア マ チ ュ ア ゴ ル フ 選 手 権 大 会 が , 93 年 に 第 1 回 の 全 英 女 子 ゴ ル フ 選 手 権 大 会 が 行 わ れ る な ど , ゴ ル フ は 隆 盛 期 を 迎 え た 。
ゴ ル フ が 本 格 的 に ア メ リ カ で 行 わ れ る よ う に な っ た の は , 1 8 8 8 年 ニ ュ ー ヨ ー ク 州 ヨ ン カ ー ズ に セ ン ト ・ ア ン ド ル ー ズ ・ ク ラ ブ が 創 立 さ れ て か ら で あ る 。 そ し て 94 年 に ア メ リ カ ゴ ル フ 協 会 が 生 ま れ , 翌 95 年 に 第 1 回 全 米 オ ー プ ン ゴ ル フ 選 手 権 大 会 が ロ ー ド ・ ア イ ラ ン ド 州 ニ ュ ー ポ ー ト ・ ゴ ル フ ク ラ ブ で 行 わ れ て い る 。 ゴ ル フ は ア メ リ カ で も 急 速 に 普 及 し , 1 9 0 5 年 に 初 の ア メ リ カ , イ ギ リ ス 対 抗 競 技 が 行 わ れ る ま で に な っ た 。 ア メ リ カ の 技 術 的 な 進 歩 は め ざ ま し く , 13 年 の 全 米 オ ー プ ン で は ア メ リ カ の 無 名 の 20 歳 の 青 年 , F . D . ウ ィ メ ッ ト が イ ギ リ ス の ト ッ プ プ ロ , バ ー ド ン H a r r y V a r d o n を 破 り , ま た 21 年 の 全 英 オ ー プ ン で は 初 め て ア メ リ カ の プ ロ , J . ハ チ ソ ン が タ イ ト ル を 奪 っ た 。 こ う し て , ゴ ル フ の 主 流 は イ ギ リ ス か ら ア メ リ カ に 移 り , 30 年 に 全 英 オ ー プ ン , 全 米 オ ー プ ン , 全 英 ア マ チ ュ ア , 全 米 ア マ チ ュ ア の 各 選 手 権 を と り , 年 間 グ ラ ン ド ス ラ ム を 達 成 し て ︿ 球 聖 ﹀ と い わ れ た ボ ビ ー ・ ジ ョ ー ン ズ B o b b y J o n e s ︵ 1 9 0 2 - 7 1 ︶ ら を 輩 出 し , ま た 第 2 次 世 界 大 戦 後 , S . ス ニ ー ド , B . ホ ー ガ ン , A . パ ー マ ー , J . ニ ク ラ ウ ス な ど の 名 選 手 が 生 ま れ て い る 。 ア メ リ カ で の プ ロ ・ ト ー ナ メ ン ト は 1 8 9 9 年 に ウ ェ ス タ ン ・ オ ー プ ン が 創 設 さ れ て 以 後 徐 々 に 増 加 し , 1 9 3 8 年 に は 年 間 38 試 合 に 達 し た 。 97 年 現 在 , 47 試 合 を 数 え , 1 月 か ら 10 月 末 ま で ツ ア ー と し て 全 開 催 地 を 移 動 し な が ら ア メ リ カ 全 土 で 行 わ れ て い る 。 ま た , ヨ ー ロ ッ パ 各 国 で は ヨ ー ロ ッ パ ・ ツ ア ー も 行 わ れ て い る 。
ヨ ー ロ ッ パ ・ ツ ア ー は 順 調 に 発 展 し , そ の 範 囲 も 旧 東 ヨ ー ロ ッ パ 圏 は も ち ろ ん , 中 近 東 , ア フ リ カ , ア ジ ア に ま で 拡 大 し て い る 。 選 手 層 も 厚 く な り , か つ て は イ ギ リ ス 中 心 だ っ た も の が 最 近 で は ス ウ ェ ー デ ン , ス ペ イ ン , ド イ ツ , イ タ リ ア な ど か ら も 優 秀 な 選 手 を 生 み 出 し て い る 。 旧 共 産 圏 か ら も 近 い う ち に 優 秀 な 選 手 が 出 現 す る だ ろ う 。 ア メ リ カ , 日 本 , ヨ ー ロ ッ パ , 南 ア フ リ カ , オ ー ス ト ラ ジ ア ン ︵ オ ー ス ト ラ リ ア , ニ ュ ー ジ ー ラ ン ド な ど ︶ が 現 在 , 世 界 五 大 ツ ア ー と 呼 ば れ る 。
日 本
日 本 に は , 1 9 0 1 年 に 神 戸 に 住 む イ ギ リ ス 人 茶 商 の A . グ ル ー ム に よ っ て 導 入 さ れ , 六 甲 山 に 4 ホ ー ル の ゴ ル フ コ ー ス を つ く り , 03 年 に 神 戸 ゴ ル フ 俱 楽 部 を 創 設 し た 。 つ い で 06 年 に 横 浜 在 住 の イ ギ リ ス 人 を 主 体 に ニ ッ ポ ン ・ レ ー ス ク ラ ブ ・ ゴ ル フ ィ ン グ ・ ア ソ シ エ ー シ ョ ン が 設 立 さ れ , こ の 二 つ の ク ラ ブ が 中 心 と な っ て 07 年 に 日 本 ア マ チ ュ ア ゴ ル フ 選 手 権 大 会 が 始 ま っ た 。 な お , 同 選 手 権 大 会 の 日 本 人 の 優 勝 は , 18 年 の 第 12 回 大 会 が 最 初 で あ る 。 日 本 人 に よ る 最 初 の ク ラ ブ は 1 9 1 4 年 に 発 足 し た 東 京 ゴ ル フ 俱 楽 部 ︵ 東 京 駒 沢 ︶ で , そ の 後 , 鳴 尾 , 舞 子 , 程 ヶ 谷 な ど 7 コ ー ス が 生 ま れ , 24 年 に 日 本 ゴ ル フ 協 会 が 設 立 さ れ た 。 そ し て 27 年 に 第 1 回 の 日 本 オ ー プ ン 選 手 権 競 技 が 行 わ れ , ア マ チ ュ ア の 赤 星 六 郎 が 優 勝 し て い る 。 ゴ ル フ コ ー ス の 増 加 は , 同 時 に プ ロ ゴ ル フ ァ ー の 誕 生 を う な が し , プ ロ 第 1 号 の 福 井 賞 治 を は じ め , 宮 本 留 吉 , 浅 見 緑 蔵 , 戸 田 藤 一 郎 と い っ た 優 秀 な プ ロ が 続 々 と 登 場 し た 。 ゴ ル フ は 日 本 人 の 上 流 階 級 に 広 が り , 39 年 に ゴ ル フ ク ラ ブ は 74 を 数 え た が , 第 2 次 世 界 大 戦 に よ っ て ゴ ル フ は 敵 性 ス ポ ー ツ と み な さ れ て コ ー ス は 軍 用 地 に 接 収 さ れ , ま た 田 畑 と な り 激 減 し た 。
第 2 次 大 戦 後 , 残 さ れ た ゴ ル フ コ ー ス は 米 軍 の レ ク リ エ ー シ ョ ン 施 設 と し て 使 用 さ れ て い た が , 50 年 に 日 本 ゴ ル フ 協 会 主 催 の 選 手 権 競 技 が 再 開 さ れ , 57 年 に は 日 本 プ ロ ゴ ル フ 協 会 が 設 立 さ れ る な ど し て , ゴ ル フ 界 は 新 し い 時 代 を 迎 え た 。 57 年 に 霞 ヶ 関 カ ン ツ リ ー 俱 楽 部 ︵ 埼 玉 県 ︶ で 行 わ れ た 第 5 回 カ ナ ダ カ ッ プ ︵ 現 , ワ ー ル ド カ ッ プ ︶ で , 日 本 代 表 の 中 村 寅 吉 , 小 野 光 一 組 が 優 勝 し た こ と が 契 機 と な り , ゴ ル フ は 国 民 的 な ス ポ ー ツ と し て 認 知 さ れ , ゴ ル フ ァ ー が 急 増 し , ゴ ル フ 場 も 続 々 と 新 設 さ れ た 。 ゴ ル フ の 大 衆 化 の な か で , 男 子 プ ロ の ト ー ナ メ ン ト が 盛 ん に な り , ア メ リ カ 同 様 の ツ ア ー 体 制 を と っ て , 97 年 現 在 , 年 間 36 試 合 を 行 っ て い る 。 こ の 他 , グ ロ ー イ ン グ ・ ツ ア ー , シ ニ ア ・ ツ ア ー な ど す べ て を 合 わ せ る と 年 間 79 試 合 に な る 。 外 国 か ら の 一 流 選 手 が 訪 れ る 一 方 で , 青 木 功 , 中 島 常 幸 , 尾 崎 将 司 ら が イ ギ リ ス , ア メ リ カ の ト ー ナ メ ン ト で 活 躍 す る な ど , 日 本 の ゴ ル フ は 世 界 の ト ッ プ レ ベ ル に 成 長 し て い る 。 な お , 日 本 人 選 手 で 全 米 プ ロ ゴ ル フ 協 会 の ツ ア ー ・ ラ イ セ ン ス を 得 て 本 格 的 に ツ ア ー に 参 戦 し た の は こ れ ま で 9 人 。 し か し ツ ア ー に 勝 っ た の は 1 9 8 3 年 ハ ワ イ ア ン ・ オ ー プ ン の 青 木 功 だ け で あ る 。 青 木 は 92 年 か ら 満 50 歳 以 上 が 資 格 の あ る シ ニ ア ・ ツ ア ー に 進 み , 97 年 ま で に 7 勝 。 と く に 97 年 は ヘ イ ル ・ ア ー ウ ィ ン , ギ ル ・ モ ー ガ ン に つ い で 賞 金 ラ ン キ ン グ 3 位 に 入 る 健 闘 を み せ た 。
ゴ ル フ は 当 初 か ら 女 性 の 参 加 が あ り , 1 8 9 3 年 に イ ギ リ ス 女 子 ゴ ル フ 連 盟 が 結 成 さ れ る な ど , 女 性 ゴ ル フ ァ ー も 組 織 化 さ れ て い っ た 。 し か し 本 格 化 す る の は 第 2 次 世 界 大 戦 後 で , 1 9 4 6 年 に 全 米 女 子 オ ー プ ン ゴ ル フ 選 手 権 大 会 が 始 ま り , 49 年 に ア メ リ カ 女 子 プ ロ ゴ ル フ 協 会 が 設 立 さ れ た 。 現 在 で は ア メ リ カ の 女 子 プ ロ は 男 子 な み の ト ー ナ メ ン ト ・ ツ ア ー 体 制 を 組 ん で い る 。 日 本 で は 67 年 に 日 本 プ ロ ゴ ル フ 協 会 内 に 女 子 部 が 置 か れ , 74 年 に 日 本 女 子 プ ロ ゴ ル フ 協 会 が 発 足 し た 。 現 在 は ア メ リ カ に 次 ぐ ト ー ナ メ ン ト 体 制 が と ら れ , 97 年 現 在 36 試 合 を 行 っ て い る 。 選 手 の レ ベ ル も 向 上 し , 樋 口 久 子 , 岡 本 綾 子 が ア メ リ カ の ト ー ナ メ ン ト で 優 勝 し た ほ か , 近 年 で は 小 林 浩 美 , 平 瀬 真 由 美 が ア メ リ カ の 女 子 プ ロ ゴ ル フ 協 会 ツ ア ー 選 手 と し て 参 加 し , そ れ ぞ れ 優 勝 を か ざ っ た 。 国 内 で は 福 島 晃 子 の よ う な 大 型 選 手 も 生 ま れ , 日 本 ツ ア ー を リ ー ド し て い る 。
ゴ ル フ コ ー ス
各 ホ ー ル の 構 造 は , テ ィ ー グ ラ ウ ン ド ︵ ボ ー ル の 打 出 し 場 所 ︶ , フ ェ ア ウ ェ ー ︵ 芝 を 刈 り 込 ん だ 正 し い 順 路 ︶ , ラ フ ︵ 雑 草 の 生 え た 地 域 ︶ , ウ ォ ー タ ー ハ ザ ー ド ︵ 海 , 池 , 川 な ど の 障 害 物 ︶ , バ ン カ ー ︵ 砂 を し い た く ぼ 地 の 障 害 物 ︶ , グ リ ー ン ︵ 直 径 1 0 . 7 9 c m の 穴 を そ な え , ボ ー ル が こ ろ が り や す い よ う に 芝 を 刈 り 込 ん だ 場 所 ︶ か ら な り , こ れ を 1 区 画 と し , 原 則 的 に は 18 ホ ー ル ︵ 1 ラ ウ ン ド ︶ を 一 単 位 と し て い る 。 各 ホ ー ル に は 距 離 に 応 じ て 基 準 と な る 打 数 ︵ パ ー p a r ︶ が 定 め ら れ て い る 。 パ ー は 熟 練 し た プ レ ー ヤ ー な ら ば 達 成 可 能 な 打 数 で , グ リ ー ン 上 を 2 打 と し て 算 定 し て い る 。 男 女 の 距 離 別 の パ ー は 表 の と お り 。 18 ホ ー ル の コ ー ス は , 普 通 は パ ー 3 の シ ョ ー ト ・ ホ ー ル が 4 , パ ー 4 の ミ ド ル ・ ホ ー ル が 10 , パ ー 5 の ロ ン グ ・ ホ ー ル が 4 で , パ ー の 合 計 が 72 に な る よ う に つ く ら れ て い る 。 な お パ ー よ り 1 打 少 な く ホ ー ル ア ウ ト し た 場 合 を バ ー デ ィ b i r d i e , 2 打 少 な い 場 合 を イ ー グ ル e a g l e , 3 打 少 な い 場 合 を ア ル バ ト ロ ス a l b a t r o s s と い い , パ ー 3 の シ ョ ー ト ・ ホ ー ル の 1 打 が カ ッ プ イ ン し た 場 合 を ホ ー ル イ ン ワ ン と い う 。 パ ー よ り 1 打 多 い 場 合 を ボ ギ ー b o g e y , 2 打 多 い 場 合 を ダ ブ ル ボ ギ ー d o u b l e b o g e y , 3 打 多 い 場 合 を ト リ プ ル ボ ギ ー t r i p l e b o g e y と い う 。
コ ー ス は 元 来 , 自 然 の 地 形 を そ の ま ま 利 用 し て い た 。 初 期 の ス コ ッ ト ラ ン ド の コ ー ス は , ほ と ん ど が リ ン ク ス ラ ン ド と 呼 ば れ る 海 岸 ぞ い の 砂 丘 地 帯 に あ り , ラ フ や 障 害 と な る ハ ザ ー ド ︵ バ ン カ ー や ウ ォ ー タ ー ハ ザ ー ド ︶ が 自 然 の ま ま に , 多 く 残 さ れ て い た 。 そ の 伝 統 に 立 つ イ ギ リ ス の コ ー ス は , フ ェ ア ウ ェ ー が 狭 く , う ね り に 富 み , ︿ リ ン ク ス ﹀ と 呼 ば れ る 。 ミ ス シ ョ ッ ト を し た 場 合 に 厳 し い ︿ 加 罰 型 ﹀ の コ ー ス で あ っ た 。 加 え て , 風 が 強 い 海 岸 ぞ い の コ ー ス の た め , 弾 道 の 低 い 球 で 正 確 に 攻 め る や り 方 が 主 流 で あ っ た 。
一 方 , ア メ リ カ で は , 人 工 的 な コ ー ス 建 設 が 進 み , イ ギ リ ス に 比 べ 温 暖 な 気 候 や 散 水 設 備 な ど の 技 術 革 新 に よ り , 柔 ら か な 芝 地 の 多 い コ ー ス が 増 え て い っ た 。 柔 ら か な 芝 を も ち , か つ フ ェ ア ウ ェ ー の 広 い コ ー ス の た め , 飛 距 離 を 伸 ば し , 高 い 球 で 直 接 ピ ン を ね ら う と い う 攻 め 方 が と ら れ た 。 世 界 的 に ア メ リ カ 型 の コ ー ス が 広 が る 契 機 と な っ た の は , ボ ビ ー ・ ジ ョ ー ン ズ が イ ギ リ ス の 名 コ ー ス 設 計 家 ア リ ス タ ー ・ マ ッ ケ ン ジ ー と 共 に つ く っ た オ ー ガ ス タ ・ ナ シ ョ ナ ル ・ ゴ ル フ コ ー ス ︵ ア メ リ カ , ジ ョ ー ジ ア 州 ︶ で 1 9 3 4 年 か ら 開 始 さ れ た マ ス タ ー ズ ・ ト ー ナ メ ン ト が 好 評 を 博 し た こ と に あ る 。 以 後 , ア メ リ カ 型 コ ー ス が 世 界 の 主 流 と な り , 日 本 に お い て も ア メ リ カ 型 コ ー ス が 普 及 し て い る 。
用 具
ゴ ル フ の 用 具 は , 長 い 歴 史 の な か で 技 術 の 進 歩 と と も に 大 き く 性 能 が 変 わ り , ゴ ル フ ス イ ン グ や コ ー ス の 設 計 ま で も 大 き く 変 え て き て い る 。
ボ ー ル
ボ ー ル の 材 質 は , 最 初 は 堅 い 木 を 丸 く し た も の を 使 っ て い た が , 15 世 紀 中 ご ろ に は 革 の な か に 羽 毛 を 詰 め た フ ェ ザ ー ボ ー ル が あ ら わ れ た 。 19 世 紀 に 入 っ て ガ タ パ チ ャ ボ ー ル g u t t a - p e r c h a b a l l が 出 現 し た 。 こ れ は 熱 帯 植 物 の 樹 脂 か ら と っ た ゴ ム 状 の も の を 丸 め た も の で あ っ た 。 こ の 当 時 か ら 表 面 に 刻 み 目 ︵ デ ィ ン プ ル ︶ を つ け る こ と に よ っ て , 高 く ま っ す ぐ に 飛 ば す た め の く ふ う が な さ れ た 。 こ の デ ィ ン プ ル は , そ の 後 , 形 状 , 深 さ な ど が 改 良 さ れ , ゴ ル フ ボ ー ル の 飛 距 離 を 生 む 大 き な 要 素 と な っ て い る 。 1 8 9 8 年 , 現 在 の ボ ー ル の 原 型 と い え る ハ ス ケ ル ボ ー ル が 生 ま れ た 。 こ れ は ゴ ム 芯 に 細 い 糸 ゴ ム を 巻 き つ け た も の で , 表 皮 に は ガ タ パ チ ャ を か ぶ せ た 。 現 在 は 芯 が 液 状 ︵ リ キ ッ ド セ ン タ ー ︶ と 固 体 ︵ ソ リ ッ ド セ ン タ ー ︶ の 2 種 類 が あ る 。 現 在 は 糸 ゴ ム , 表 皮 の ゴ ム と も 高 性 能 な も の に 変 わ り , 当 時 の も の と 比 べ ら れ な い よ う な 飛 距 離 を 生 み 出 す よ う に な っ て き た 。 ゴ ム の 性 能 の 進 歩 は , 芯 , 糸 ゴ ム を 使 わ な い ツ ー ピ ー ス ボ ー ル を 生 み 出 し , 飛 距 離 , 性 能 も 糸 巻 き ボ ー ル に 劣 ら な い も の に ま で な っ た 。 ボ ー ル の サ イ ズ は , ス モ ー ル サ イ ズ ︵ 直 径 4 . 1 1 c m よ り 小 さ く な い も の ︶ と ラ ー ジ サ イ ズ ︵ 直 径 4 . 2 7 c m よ り 小 さ く な い も の ︶ の 2 種 類 ︵ 重 さ は い ず れ も 4 5 . 9 2 g よ り 重 く な い も の ︶ あ る が , 現 在 の 公 式 ト ー ナ メ ン ト で は イ ギ リ ス , ア メ リ カ , 日 本 と も ラ ー ジ サ イ ズ が 公 認 球 と さ れ て い る 。
ク ラ ブ
ゴ ル フ ク ラ ブ の 形 や 構 造 は 規 則 に よ っ て 規 定 さ れ て い る 。 ク ラ ブ は グ リ ッ プ , シ ャ フ ト , ヘ ッ ド の 三 つ の 部 分 か ら 成 り , ヘ ッ ド が 木 製 の も の を ウ ッ ド ク ラ ブ , 金 属 製 の も の を ア イ ア ン ク ラ ブ と い う 。 ウ ッ ド ク ラ ブ は 基 本 的 に 1 番 ︵ ド ラ イ バ ー ︶ か ら 5 番 ︵ ク リ ー ク ︶ ま で あ り , ア イ ア ン は 1 番 か ら 9 番 ま で と , ア プ ロ ー チ 用 の ピ ッ チ ン グ ウ ェ ッ ジ , バ ン カ ー か ら 打 つ サ ン ド ウ ェ ッ ジ が あ り , さ ら に グ リ ー ン 上 で 使 う パ タ ー が あ る 。 ヘ ッ ド の 大 き さ , ロ フ ト ︵ 角 度 ︶ な ど の 違 い に よ り , 求 め る 距 離 に よ っ て 使 い 分 け る 。 ゴ ル フ が 発 達 し た こ ろ は , シ ャ フ ト が ヒ ッ コ リ ー で ヘ ッ ド も 木 製 で あ っ た が , ガ タ パ チ ャ ボ ー ル が 出 現 し た の と 同 じ こ ろ に , ア イ ア ン ク ラ ブ が 実 用 化 さ れ た 。 20 世 紀 に 入 っ て シ ャ フ ト も ス チ ー ル シ ャ フ ト に 変 わ り , 1 9 2 8 年 に イ ギ リ ス ゴ ル フ 協 会 に よ っ て 公 認 さ れ た 。 ま た , 30 年 代 に 競 技 に 携 行 す る ク ラ ブ の 本 数 制 限 ︵ 14 本 以 下 ︶ が 実 施 さ れ た 。 シ ャ フ ト の 素 材 も , カ ー ボ ン フ ァ イ バ ー を は じ め , チ タ ン な ど が 使 わ れ , ま た , ウ ッ ド ク ラ ブ の ヘ ッ ド も パ ー シ モ ン ︵ 柿 材 ︶ が 主 流 で は あ る が , 金 属 製 , カ ー ボ ン フ ァ イ バ ー な ど が 使 わ れ る よ う に な っ た 。
競 技 方 法
ゴ ル フ の 競 技 方 法 に は , ス ト ロ ー ク プ レ ー s t r o k e p l a y と マ ッ チ プ レ ー m a t c h p l a y の 二 つ が あ る 。 ス ト ロ ー ク プ レ ー と は 1 ラ ウ ン ド ︵ 18 ホ ー ル ︶ , ま た は そ れ 以 上 の 決 め ら れ た ホ ー ル 数 を , 最 も 少 な い 打 数 で ホ ー ル ア ウ ト し た 競 技 者 を 優 勝 と す る 競 技 方 法 で あ り , マ ッ チ プ レ ー と は ホ ー ル ご と に 勝 負 を 決 め て い き , 決 め ら れ た ホ ー ル を 終 え て 勝 ち ホ ー ル の 多 い ほ う を 勝 者 と す る 方 法 で あ る 。 か つ て , ス ト ロ ー ク プ レ ー の 優 勝 者 に は 金 メ ダ ル を 授 け る 習 慣 が あ り , 優 勝 者 は メ ダ リ ス ト と 呼 ば れ , 競 技 方 法 は メ ダ ル プ レ ー と い わ れ た 。 ゴ ル フ の 競 技 は 当 初 , 個 人 対 抗 の マ ッ チ プ レ ー で あ っ た が , 参 加 競 技 者 が 多 け れ ば 勝 抜 き 戦 は 決 勝 を 終 え る ま で 時 間 が か か る た め に , 一 度 に 多 人 数 参 加 し て も 所 定 の ラ ウ ン ド 数 で 競 技 が 終 了 す る ス ト ロ ー ク プ レ ー を 採 用 す る こ と が 多 く な っ て き た 。
1 8 6 0 年 の 第 1 回 全 英 オ ー プ ン は プ レ ス ト ウ ィ ッ ク で 行 わ れ た が , 当 時 , プ レ ス ト ウ ィ ッ ク は 12 ホ ー ル し か な く , こ れ を 3 ラ ウ ン ド , 36 ホ ー ル の 競 技 と し て 行 っ た 。 現 在 の よ う に 4 ラ ウ ン ド , 72 ホ ー ル に な っ た の は 92 年 ミ ュ ア フ ィ ー ル ド で 行 わ れ た と き か ら で あ る 。 全 米 オ ー プ ン も 第 1 回 大 会 ︵ 1 8 9 5 ︶ か ら ス ト ロ ー ク プ レ ー で 行 わ れ て い る 。 全 米 プ ロ は 現 在 は ス ト ロ ー ク プ レ ー で 行 わ れ て い る が , 1 9 1 6 年 第 1 回 大 会 以 来 57 年 ま で の 41 年 間 , マ ッ チ プ レ ー で 行 わ れ た 。 こ の 変 更 は , ア メ リ カ の プ ロ 選 手 が マ ッ チ プ レ ー を 嫌 っ た こ と , テ レ ビ 中 継 に 不 適 当 な こ と な ど の 理 由 か ら で あ る 。
現 在 , マ ッ チ プ レ ー で 行 わ れ て い る 世 界 的 な 試 合 と し て は , 全 米 ア マ チ ュ ア 選 手 権 が あ る 。 日 本 で は 最 初 か ら ス ト ロ ー ク プ レ ー が 中 心 と な っ て い る が , 日 本 プ ロ ゴ ル フ 選 手 権 大 会 は 第 6 回 大 会 ︵ 1 9 3 1 ︶ か ら 28 回 大 会 ︵ 1 9 6 0 ︶ の 間 , マ ッ チ プ レ ー で 行 わ れ て い た 。 し か し , 現 在 マ ッ チ プ レ ー を 見 直 そ う と い う 動 き が あ り , 毎 年 10 月 に は ロ ン ド ン で 世 界 マ ッ チ プ レ ー 選 手 権 大 会 が 行 わ れ , 日 本 で も 日 本 プ ロ ゴ ル フ マ ッ チ プ レ ー 選 手 権 が 開 催 さ れ て い る 。 ア マ チ ュ ア の 試 合 で は マ ッ チ プ レ ー が 多 く 用 い ら れ て い る 。 各 ゴ ル フ 場 の ク ラ ブ 選 手 権 で は ス ト ロ ー ク プ レ ー で 予 選 を 行 っ て 人 数 を 限 定 し , そ の 後 は マ ッ チ プ レ ー で ク ラ ブ チ ャ ン ピ オ ン を 決 め る 方 法 が 行 わ れ て い る 。
そ の 他 , 次 の よ う な 競 技 方 法 が あ る 。 ︵ 1 ︶ ツ ー ボ ー ル ・ ス リ ー サ ム t w o b a l l t h r e e s o m e 1 人 対 2 人 で 争 い , 2 人 組 は 1 個 の ボ ー ル を 交 互 に 打 つ マ ッ チ プ レ ー 。 ︵ 2 ︶ ツ ー ボ ー ル ・ フ ォ ア サ ム t w o b a l l f o u r s o m e 2 人 対 2 人 で 各 組 が 1 個 の ボ ー ル を 交 互 に 打 つ マ ッ チ プ レ ー 。 ︵ 3 ︶ フ ォ ア ボ ー ル マ ッ チ f o u r b a l l m a t c h 2 人 ず つ が ペ ア と な り 各 自 の ボ ー ル を 打 ち , 2 人 の う ち の 少 な い 打 数 同 士 で 勝 負 す る マ ッ チ プ レ ー 。 エ キ ジ ビ シ ョ ン マ ッ チ や , ア メ リ カ ・ ヨ ー ロ ッ パ 対 抗 の ラ イ ダ ー カ ッ プ に も こ の 試 合 形 式 が と り 入 れ ら れ て い る 。 ︵ 4 ︶ ツ ー ム ス ト ー ン t o m b - s t o n e コ ー ス の ト ー タ ル の パ ー と 自 分 の ハ ン デ ィ キ ャ ッ プ を 加 え た 数 だ け , 打 ち 終 わ っ た と こ ろ に 旗 を 立 て て プ レ ー を 終 了 す る 。 出 発 点 か ら よ り 遠 距 離 に 旗 を 立 て た ほ う が 勝 つ 。 な お ハ ン デ ィ キ ャ ッ プ と は , コ ー ス の パ ー を 平 均 し て 何 打 超 え て ラ ウ ン ド す る か を 示 す 数 字 で , 原 則 と し て 0 ~ 36 ま で の ラ ン ク が あ り , そ の 人 の 力 量 が わ か る 。 打 数 ︵ グ ロ ス ス コ ア ︶ か ら ハ ン デ ィ キ ャ ッ プ を 引 い た も の を ネ ッ ト ス コ ア と い い , ア マ チ ュ ア の 場 合 は そ の ス コ ア を 他 の 人 と の 比 較 の 対 象 と す る 。 ︵ 5 ︶ ポ イ ン ト タ ー ニ ー p o i n t t o u r n e y ホ ー ル の パ ー に 対 し て 自 分 の ス ト ロ ー ク が パ ー な ら ば 2 点 , 1 打 多 け れ ば 1 点 , 少 な け れ ば 3 点 と 点 数 を つ け , そ の ト ー タ ル 点 数 で 勝 敗 を 争 う 。
基 本 的 な ル ー ル
ゴ ル フ ル ー ル が 他 の ス ポ ー ツ の ル ー ル と 根 本 的 に 相 違 し , ま た 最 も き わ だ っ た 特 徴 と し て あ げ ら れ る の は , ジ ャ ッ ジ メ ン ト を 審 判 が 行 う の で は な く , プ レ ー ヤ ー 自 身 が 審 判 と な る と い う こ と で あ る 。 打 数 , ペ ナ ル テ ィ ︵ 罰 ︶ は み ず か ら が 判 断 し , 打 数 を 申 告 し 罰 を 課 し て い く 。 そ れ ゆ え に ゴ ル フ は ︿ 紳 士 の ス ポ ー ツ ﹀ と い わ れ る 。 ま た , ゴ ル フ は 自 然 の コ ー ス を 対 象 に 行 わ れ る ス ポ ー ツ で あ り , 自 然 の 状 態 を そ の ま ま に プ レ ー す る こ と が 基 本 と な る 。 そ の た め , ホ ー ル の 第 1 打 を 放 っ た と き に ボ ー ル は イ ン プ レ ー と な り , グ リ ー ン 上 を 除 き そ の ホ ー ル を 終 え る ま で ど の よ う な 状 態 で あ ろ う と ボ ー ル に 直 接 触 れ て は な ら ず , あ る が ま ま の 状 態 で プ レ ー す る こ と が 原 則 と な っ て い る 。 し か し , コ ー ス が 特 別 な 状 態 で プ レ ー に 不 公 平 が 起 き た り , ま た , 救 済 す る こ と が , ゴ ル フ の 基 本 的 精 神 に 抵 触 し な い と き は , 特 別 ル ー ル が 設 け ら れ る 。 た と え ば フ ェ ア ウ ェ ー 上 に 降 雨 等 の 水 た ま り が あ る 場 合 は , 罰 な し で 移 動 で き る 。 こ れ は , 前 者 が ゼ ネ ラ ル ル ー ル と 呼 ば れ る の に 対 し て ロ ー カ ル ル ー ル と 呼 ば れ る 。 ル ー ル は 競 技 方 法 や 用 具 に つ い て 定 め ら れ て い る が , イ ギ リ ス ゴ ル フ 協 会 ︵ ロ ー ヤ ル ・ ア ン ド ・ エ ン シ ェ ン ト ・ ゴ ル フ ク ラ ブ ︶ が 時 代 の 流 れ に よ っ て 適 時 , 変 更 , 改 正 を 行 っ て き た 。 ゴ ル フ の 主 流 が ア メ リ カ に 移 っ て か ら も , ア メ リ カ ゴ ル フ 協 会 と 話 し 合 い つ つ , ル ー ル を 改 正 し , 現 在 で は 4 年 ご と に 大 幅 に 改 正 , そ の 他 の 年 に , 若 干 の 語 句 の 改 正 を 行 っ て い る 。 日 本 で は , そ れ ら の 動 向 に あ わ せ つ つ , 日 本 ゴ ル フ 協 会 が ル ー ル を 定 め て い る 。
基 本 的 な 技 術
芝 の 上 に 静 止 し て い る ボ ー ル を 打 つ こ と は だ れ で も で き る こ と だ が , よ り 正 確 に , よ り 遠 く に ボ ー ル を 飛 ば す に は , 基 本 的 な 技 術 の 習 得 が 必 要 で あ る 。 一 流 選 手 の ス イ ン グ は , そ れ ぞ れ の 体 格 , 個 性 に よ っ て 異 な っ て い る よ う に み え る も の の , 基 本 は 同 じ で あ る 。 ゴ ル フ ス イ ン グ は 体 を 軸 と し て , 腕 と ク ラ ブ の 円 運 動 で あ り , そ の ク ラ ブ ヘ ッ ド の 軌 道 上 に あ る ボ ー ル を 打 ち 出 す 動 作 で あ る 。 こ の 円 運 動 が つ ね に 一 定 で あ れ ば , そ れ だ け ボ ー ル を 正 確 に と ら え る 確 率 は 高 く な っ て く る 。 ス イ ン グ 中 , 軸 を 動 か さ ず 体 の 回 転 を 行 い , ま た 体 の 各 部 分 を ク ラ ブ を ス ム ー ズ に ス イ ン グ さ せ る た め , ヘ ッ ド ス ピ ー ド を 増 す た め に 使 う こ と が 技 術 向 上 に つ な が っ て く る 。
グ リ ッ プ
ク ラ ブ の 握 り 方 を グ リ ッ プ と い う 。 こ れ に よ っ て ス イ ン グ も 変 わ っ て く る と ま で い わ れ , 正 し い グ リ ッ プ が 正 し い ス イ ン グ の 第 一 歩 で あ る 。 グ リ ッ プ に は 3 種 あ る 。 ︵ 1 ︶ ベ ー ス ボ ー ル グ リ ッ プ 野 球 の バ ッ ト を 握 る よ う に 10 本 の 指 で 握 る グ リ ッ プ 。 現 在 で は ほ と ん ど 使 わ れ て い な い 。 ︵ 2 ︶ イ ン タ ー ロ ッ キ ン グ グ リ ッ プ 左 手 の 人 差 指 と 右 手 の 小 指 を か ら ま せ る グ リ ッ プ 。 手 の 小 さ な 人 に は い い と さ れ て い る が , 必 ず し も そ う で は な く , J . ニ ク ラ ウ ス が こ の グ リ ッ プ を 用 い て い る の は 有 名 で あ る 。 ︵ 3 ︶ オ ー バ ー ラ ッ ピ ン グ グ リ ッ プ 左 の 人 差 指 と 中 指 の 間 に 右 手 の 小 指 を 重 ね る グ リ ッ プ 。 イ ギ リ ス 人 の H . バ ー ド ン が 考 案 し た の で バ ー ド ン グ リ ッ プ と も い わ れ る 。 小 指 を 重 ね 左 右 の 手 に 一 体 感 を も た せ て い る が , こ の グ リ ッ プ を 用 い る 選 手 も 多 い 。 ま た グ リ ッ プ の か ぶ せ 方 と し て , 左 手 を か ぶ せ 右 手 を 開 い た の を フ ッ ク グ リ ッ プ , 左 手 を 浅 く 握 り 右 手 を か ぶ せ た グ リ ッ プ を ウ ィ ー ク グ リ ッ プ と 呼 ぶ 。 ス ク エ ア グ リ ッ プ は 右 手 の 親 指 と 人 差 指 で つ く ら れ る V 字 形 が 右 肩 と 右 耳 の 間 を 差 す も の を い う 。
ア ド レ ス と ス タ ン ス
ボ ー ル を 打 つ 体 勢 を ア ド レ ス と い う 。 ス タ ン ス ︵ 足 幅 ︶ の 標 準 は 肩 幅 で , 右 肩 は 左 肩 よ り も や や 下 が り , 膝 を 柔 ら か く 曲 げ 高 い い す に 腰 か け る よ う な 体 勢 を と る 。 ス タ ン ス は , 両 足 の つ ま 先 を 結 ん だ 線 が 飛 球 線 と 平 行 な ス タ ン ス を ス ク エ ア ス タ ン ス と い い , 体 重 は ド ラ イ バ ー シ ョ ッ ト で は 右 足 に や や か け , ア イ ア ン で は 中 央 に か け る 。 オ ー プ ン ス タ ン ス は 飛 球 線 に 対 し て 両 足 の つ ま 先 を 結 ん だ 線 が 左 に 向 く 。 フ ェ ー ド 系 の ボ ー ル ︵ 落 ち 際 に 右 に 切 れ る 打 球 ︶ を 打 つ 人 に 多 い 。 ま た , シ ョ ー ト ア プ ロ ー チ , バ ン カ ー シ ョ ッ ト で は オ ー プ ン ス タ ン ス を と り , 腕 の 振 り 抜 き を ス ム ー ズ に す る 。 ク ロ ー ズ ド ス タ ン ス は オ ー プ ン ス タ ン ス と は 逆 に , 左 足 が 前 に 出 て 右 足 を 引 く ス タ ン ス で , ド ロ ー 系 の ボ ー ル ︵ 落 ち 際 に 左 に 切 れ る 打 球 ︶ を 打 つ 人 に 多 い 。
ス イ ン グ
ま ず 体 の 回 転 と 腕 の 動 き に 一 体 感 を も た せ な が ら ク ラ ブ を 上 げ て い く 。 ニ ー ア ク シ ョ ン ︵ 膝 運 動 ︶ を 使 っ て 体 重 を 右 足 に か け , 腰 , 肩 を 十 分 に ま わ す バ ッ ク ス イ ン グ の 頂 点 ︵ ト ッ プ ・ オ ブ ・ ス イ ン グ ︶ で は 腰 は 45 度 , 肩 は 90 度 回 転 し , 背 中 が 目 標 方 向 に 向 く 。 左 腕 を 伸 ば し , グ リ ッ プ の 位 置 は 右 肩 と 右 耳 の 中 間 に な る 。 こ の ト ッ プ ・ オ ブ ・ ス イ ン グ で 力 を 蓄 え , そ し て , 下 半 身 の リ ー ド で ダ ウ ン ス イ ン グ に 入 る 。 体 重 は 右 足 か ら 左 足 に 移 し な が ら , ト ッ プ の 緊 張 を 生 か し た 腕 で ひ っ ぱ り 下 ろ し て , 球 を 打 っ て ︵ イ ン パ ク ト ︶ , 一 気 に フ ィ ニ ッ シ ュ ま で 体 を 回 転 し , ク ラ ブ を 大 き く ス ム ー ズ に 振 り 切 る 。 こ の よ う に ク ラ ブ を 一 つ の 軌 道 で 動 か す ワ ン ピ ー ス ス イ ン グ が 基 本 と な る 。 ま た , ゆ っ く り と し た リ ズ ム , タ イ ミ ン グ で ス イ ン グ す る こ と を 忘 れ て は な ら な い 。
パ ッ ト
パ ッ ト に 型 な し と い わ れ る 。 グ リ ー ン 上 の ボ ー ル を ホ ー ル カ ッ プ に 沈 め る こ と が 目 的 で あ り , 個 人 個 人 が 最 も 安 定 す る 型 を も つ 。 し か し , ス ト ロ ー ク す る 方 向 が ね ら っ た 方 向 に 真 っ す ぐ で あ る こ と , ク ラ ブ ヘ ッ ド の フ ェ ー ス が ラ イ ン に 対 し て 直 角 で あ る こ と の 2 点 が 基 本 で あ る 。 距 離 に 応 じ て ス ト ロ ー ク の 強 さ を 調 整 す る こ と が た い せ つ で あ る 。
世 界 の 大 ト ー ナ メ ン ト
男 子 プ ロ で は , 全 英 オ ー プ ン , 全 米 オ ー プ ン , マ ス タ ー ズ ・ ト ー ナ メ ン ト , 全 米 プ ロ を 世 界 四 大 ト ー ナ メ ン ト ︵ メ ジ ャ ー ト ー ナ メ ン ト ︶ と 呼 び , 他 の 競 技 と 区 別 し て い る 。 そ し て 四 大 ト ー ナ メ ン ト を 1 年 間 で す べ て 制 覇 す る こ と を グ ラ ン ド ス ラ ム と い う 。 だ が 現 在 ま で こ れ を 達 成 し た も の は な く , 多 年 に わ た り 制 覇 し た も の も ジ ー ン ・ サ ラ ゼ ン G e n e S a r a z e n ︵ 1 9 0 2 - 9 9 ︶ , ベ ン ・ ホ ー ガ ン B e n H o g a n ︵ 1 9 1 2 - 9 7 ︶ , ゲ ー リ ー ・ プ レ ー ヤ ー G a r y P l a y e r ︵ 1 9 3 5 - ︶ , ジ ャ ッ ク ・ ニ ク ラ ウ ス J a c k N i c k l a u s ︵ 1 9 4 0 - ︶ の み で あ り , ま た 同 一 年 に 3 タ イ ト ル を 制 覇 し た も の は , 1 9 5 3 年 の ベ ン ・ ホ ー ガ ン ︵ 全 米 プ ロ は 不 出 場 ︶ の み で あ る 。
四 大 ト ー ナ メ ン ト が そ ろ っ た の は , 1 9 3 4 年 の マ ス タ ー ズ 開 設 以 降 で あ り , ま た 四 大 ト ー ナ メ ン ト が 意 識 さ れ る よ う に な っ た の は , 60 年 に ア ー ノ ル ド ・ パ ー マ ー A r n o l d P a l m e r ︵ 1 9 2 9 - ︶ が グ ラ ン ド ス ラ ム 達 成 を 目 標 に し て か ら で あ る 。 飛 行 機 交 通 の 便 も 悪 か っ た 60 年 代 以 前 の 名 選 手 に と っ て は , グ ラ ン ド ス ラ ム の チ ャ ン ス は 少 な か っ た 。 な お 1 9 3 0 年 に ボ ビ ー ・ ジ ョ ー ン ズ が ア マ チ ュ ア と し て グ ラ ン ド ス ラ ム を 達 成 し て い る が , こ れ は , 全 英 オ ー プ ン , 全 米 オ ー プ ン , 全 英 ア マ チ ュ ア , 全 米 ア マ チ ュ ア の 4 競 技 で あ る 。
︵ 1 ︶ 全 英 オ ー プ ン ゴ ル フ 選 手 権 大 会 T h e B r i t i s h O p e n 1 8 6 0 年 に 始 ま っ た 世 界 で 最 も 歴 史 が 古 く , 単 に T h e O p e n と も 呼 ば れ る 。 伝 統 的 に 海 岸 ぞ い の コ ー ス の み で 行 わ れ て お り , 現 在 は セ ン ト ・ ア ン ド ル ー ズ な ど の 7 コ ー ス で 順 次 開 催 さ れ て い る 。 フ ェ ア ウ ェ ー が 狭 く , ラ フ の 深 い 伝 統 的 な コ ー ス で 行 う 点 も , こ の ト ー ナ メ ン ト の 価 値 を 高 め て い る 。 日 本 選 手 で は 1 9 8 2 年 の 倉 本 昌 弘 の 4 位 が 最 高 で あ る 。
︵ 2 ︶ 全 米 オ ー プ ン ゴ ル フ 選 手 権 大 会 U . S . N a t i o n a l O p e n C h a m p i o n s h i p ア メ リ カ ゴ ル フ 協 会 設 立 の 翌 年 の 1 8 9 5 年 に ス タ ー ト し た 選 手 権 大 会 。 コ ー ス は 固 定 さ れ て い な い が , 4 年 前 に 開 催 コ ー ス が 決 ま り , 以 後 , 本 大 会 に ふ さ わ し く コ ー ス を 整 備 す る こ と に な っ て い る 。 シ ー ド 選 手 は 少 な く , 最 近 で は 6 0 0 0 人 以 上 が 参 加 す る 予 選 を 勝 ち 抜 か ね ば な ら ず , 勝 つ こ と が 最 も 難 し い , と い わ れ る 。 1 9 8 0 年 に 青 木 功 が ジ ャ ッ ク ・ ニ ク ラ ウ ス と 優 勝 を 争 い , 2 位 と な っ て い る 。
︵ 3 ︶ マ ス タ ー ズ ・ ト ー ナ メ ン ト M a s t e r s T o u r n a m e n t 1 9 3 4 年 に ボ ビ ー ・ ジ ョ ー ン ズ が み ず か ら つ く っ た ア メ リ カ , ジ ョ ー ジ ア 州 の オ ー ガ ス タ ・ ナ シ ョ ナ ル ・ ゴ ル フ ク ラ ブ A u g u s t a N a t i o n a l G o l f C l u b に 有 力 選 手 を 招 待 し , ト ー ナ メ ン ト を 開 い た こ と か ら 始 ま っ た 。 こ れ ら の 選 手 た ち を マ ス タ ー ズ ︵ 名 手 た ち ︶ と マ ス コ ミ が 呼 ん だ こ と か ら , 37 年 よ り 正 式 な 名 称 と な っ た 。 ジ ョ ー ン ズ の 設 計 し た 小 川 が 流 れ る 美 し い コ ー ス で , 毎 年 , 招 待 さ れ た 世 界 の 有 力 選 手 が 競 う 点 に 特 色 が あ る 。 日 本 か ら も 毎 年 2 人 招 待 さ れ て い る 。
︵ 4 ︶ 全 米 プ ロ ゴ ル フ 選 手 権 大 会 P G A C h a m p i o n s h i p 1 9 1 6 年 に 開 設 さ れ た が , ア メ リ カ の 国 内 プ ロ の 資 格 者 に 限 ら れ て い た た め , 前 記 3 ト ー ナ メ ン ト に 比 べ 軽 視 さ れ て い た 。 し か し 近 年 は , 外 国 の 優 秀 選 手 を 招 待 し , 価 値 を 高 め て い る 。 16 年 か ら 57 年 ま で は マ ッ チ プ レ ー 形 式 だ っ た が , 58 年 か ら は ス ト ロ ー ク プ レ ー 形 式 に か わ っ て い る 。 優 勝 者 に は ア メ リ カ ・ プ ロ ツ ア ー に 10 年 間 シ ー ド 権 ︵ 1 9 7 0 年 以 前 は 生 涯 シ ー ド 権 ︶ が 与 え ら れ る 。 な お コ ー ス は 固 定 さ れ て い な い 。
そ の 他 の 大 ト ー ナ メ ン ト と し て , ア メ リ カ で は 高 額 賞 金 で 知 ら れ る ト ー ナ メ ン ト ・ プ レ ー ヤ ー ズ 選 手 権 大 会 , ニ ク ラ ウ ス が ホ ス ト を つ と め る メ モ リ ア ル ・ ト ー ナ メ ン ト な ど が 知 ら れ て い る 。 ま た 世 界 各 国 の プ ロ の 代 表 が 参 加 す る も の と し て ワ ー ル ド カ ッ プ ︵ 1 9 6 6 年 以 前 は カ ナ ダ カ ッ プ ︶ が あ る 。 日 本 の 大 ト ー ナ メ ン ト と し て は , 日 本 オ ー プ ン 選 手 権 大 会 ︵ 1 9 2 7 創 設 ︶ , 日 本 プ ロ ゴ ル フ 選 手 権 大 会 ︵ 1 9 2 6 創 設 ︶ , 日 本 プ ロ ゴ ル フ マ ッ チ プ レ ー 選 手 権 ︵ 1 9 7 5 創 設 ︶ , ゴ ル フ 日 本 シ リ ー ズ ︵ 1 9 6 3 創 設 ︶ な ど が あ る 。 1 9 7 0 年 代 か ら は ス ポ ン サ ー ド ・ ト ー ナ メ ン ト が 飛 躍 的 に 増 え , 男 子 で は 賞 金 額 も 1 億 ~ 2 億 円 規 模 に な っ た 。 と く に 毎 年 11 月 に ︿ イ ン タ ー ナ シ ョ ナ ル ・ ツ ア ー ﹀ の 名 称 で 行 わ れ る 太 平 洋 マ ス タ ー ズ , ダ ン ロ ッ プ ・ フ ェ ニ ッ ク ス , カ シ オ ・ ワ ー ル ド は , 海 外 か ら も 多 数 の 選 手 が 参 加 し て 大 詰 め の 国 内 ツ ア ー を 盛 り 上 げ て い る 。
ゴ ル フ と 日 本 社 会
1 9 0 0 年 ご ろ か ら 在 留 外 国 人 に よ っ て 移 入 さ れ た ゴ ル フ は , 第 2 次 大 戦 前 は 一 部 上 流 階 級 の ス ポ ー ツ で あ っ た が , 60 年 代 の 高 度 経 済 成 長 の な か で 大 衆 化 し た 。 97 年 現 在 , 全 国 に 約 2 3 0 0 の ゴ ル フ 場 が あ り , 年 間 の 総 入 場 者 数 は 1 億 人 に 達 し て い る 。 こ こ か ら 推 測 す る と ゴ ル フ 人 口 は 約 9 0 0 万 人 に な り , ご く ま れ に プ レ ー を す る 人 を 含 め た 潜 在 人 口 は 1 0 0 0 万 人 に 達 す る と 考 え ら れ る 。 競 技 人 口 , プ ロ の ト ー ナ メ ン ト 数 と 賞 金 , テ レ ビ 番 組 数 な ど を 総 合 す る と , ア メ リ カ に 次 ぐ ゴ ル フ の 盛 ん な 国 と い え る 。
大 衆 化 さ れ た と は い え , 日 本 の ゴ ル フ に は イ ギ リ ス や ア メ リ カ に み ら れ な い い く つ か の 特 徴 が あ る 。 一 つ は 地 価 が 高 い た め コ ー ス 建 設 費 が か さ み , そ の 結 果 , 入 会 金 や ビ ジ タ ー の プ レ ー 料 金 が 著 し く 高 い こ と で あ る 。 現 在 , コ ー ス 建 設 費 は 土 地 購 入 費 も 含 め , 一 般 に 1 ホ ー ル 4 億 ~ 5 億 円 か か る と い わ れ , 18 ホ ー ル 造 成 費 と ク ラ ブ ハ ウ ス 建 設 費 で 軽 く 1 0 0 億 円 以 上 が 相 場 と な っ て い る 。 そ れ ら の 費 用 負 担 の た め , ゴ ル フ ク ラ ブ の 会 員 に な る に は 数 百 万 円 以 上 が 必 要 と な る 場 合 が 多 い 。 さ ら に , 歴 史 が あ り , 交 通 の 便 の よ い 名 門 ク ラ ブ は 2 0 0 0 万 ~ 3 0 0 0 万 円 に 達 す る 例 も あ る 。 1 9 9 0 年 代 に 入 っ て バ ブ ル 経 済 が は じ け , 入 会 金 な ど の 相 場 は 一 時 期 に 比 べ る と か な り 値 下 が り し た が , そ れ で も ア メ リ カ な ど ゴ ル フ 大 衆 国 か ら み れ ば 格 段 に 高 い 。 し た が っ て ゴ ル フ を 楽 し み た い と 思 っ て も , 簡 単 に 会 員 に な れ な い こ と に な る 。 個 人 購 買 力 に 限 界 が あ る こ と か ら , 日 本 独 自 の 制 度 と し て , 企 業 が メ ン バ ー と な る 法 人 会 員 制 が あ る 。 こ の 制 度 は 財 政 的 に は メ リ ッ ト が 大 き い が , 自 分 の ク ラ ブ と い う 意 識 を 弱 め る こ と と な り , 外 国 の よ う な ク ラ ブ ラ イ フ が 育 ち に く く な っ て い る 。 ま た 会 員 制 度 に 基 づ か な い パ ブ リ ッ ク コ ー ス が 少 な い こ と も あ り , プ レ ー 料 金 は 外 国 に 比 べ て 高 い 。
そ れ ら の 悪 条 件 に も か か わ ら ず ゴ ル フ が 普 及 し た の は , 前 述 し た よ う に 企 業 が 法 人 会 員 と な り , 接 待 や つ き あ い に ゴ ル フ を 利 用 し た た め で あ る 。 そ の 結 果 , 会 社 員 を 中 心 に 急 速 に 広 が っ て い っ た 。 ま た 競 技 自 体 と し て は , コ ー ス を 歩 く こ と が 中 心 で , 激 し い 運 動 で は な い こ と か ら , 年 齢 や 体 力 に か か わ ら ず 楽 し め る こ と , ハ ン デ ィ キ ャ ッ プ の 導 入 に よ り 初 心 者 も ベ テ ラ ン も ゲ ー ム に 参 加 で き る な ど の 長 所 が あ る こ と も 普 及 の 理 由 で あ る 。
執 筆 者 ‥ 岩 田 禎 夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」 改訂新版 世界大百科事典について 情報
ゴルフ
小 球 を ク ラ ブ ︵ 打 棒 ︶ で 打 ち , ホ ー ル ︵ 穴 ︶ に 入 れ る ま で に 要 す る 打 数 の 少 な さ を 競 う ス ポ ー ツ 。 正 規 の コ ー ス は ア ウ ト ︵ 前 半 ︶ お よ び イ ン ︵ 後 半 ︶ の 各 9 ホ ー ル , 計 18 ホ ー ル よ り な り , 各 ホ ー ル は テ ィ ー グ ラ ウ ン ド ︵ 最 初 に 球 を 打 ち 出 す 場 所 ︶ , フ ェ ア ウ ェ ー ︵ 芝 を 刈 り そ ろ え た 順 路 ︶ , ラ フ ︵ 雑 草 地 ︶ , ウ ォ ー タ ー ハ ザ ー ド ︵ 池 , 小 川 な ど ︶ , バ ン カ ー ︵ 砂 の く ぼ 地 ︶ , グ リ ー ン ︵ 芝 を 特 に 短 く 刈 り そ ろ え , 直 径 約 1 0 . 8 c m の ホ ー ル を 設 け た と こ ろ ︶ で 構 成 さ れ る 。 各 ホ ー ル の 長 さ は 一 定 せ ず , お の お の 標 準 打 数 ︵ パ ー ︶ が 定 め ら れ て い る 。 ク ラ ブ に は 頭 部 が 木 製 の ウ ッ ド ク ラ ブ ︵ 近 年 は チ タ ン , 合 金 な ど の メ タ ル 製 や カ ー ボ ン フ ァ イ バ ー と 金 属 の 複 合 素 材 の も の に 取 っ て 代 わ ら れ て い る が , 呼 称 は ウ ッ ド ︶ , 金 属 製 の ア イ ア ン ク ラ ブ , グ リ ー ン 上 で 球 を こ ろ が す た め の パ タ ー が あ り , 競 技 で は 14 本 ま で 使 用 が 許 さ れ る 。 競 技 法 に は , 総 打 数 の 少 な い ほ う を 勝 ち と す る ス ト ロ ー ク プ レ ー ︵ メ ダ ル プ レ ー と も ︶ と , 各 ホ ー ル ご と に 勝 負 を 決 め , 勝 っ た ホ ー ル 数 を 競 う マ ッ チ プ レ ー が あ る 。 ま た 公 式 の 試 合 で は 認 め ら れ な い が , 一 般 に は ハ ン デ ィ キ ャ ッ プ 制 が 行 わ れ る 。 判 定 を 審 判 に よ ら ず , プ レ ー ヤ ー 自 身 の 申 告 に よ っ て 行 う の が き わ だ っ た 特 徴 と い え る 。 ゴ ル フ の 起 源 に つ い て は ス コ ッ ト ラ ン ド 発 祥 説 , オ ラ ン ダ 発 祥 説 な ど が あ る が 未 詳 。 14 世 紀 中 こ ろ か ら ほ ぼ 現 行 の 方 法 に よ る ゴ ル フ が 行 わ れ , 18 世 紀 に は ス コ ッ ト ラ ン ド や イ ン グ ラ ン ド の 貴 族 た ち の ク ラ ブ を 中 心 に ス ポ ー ツ と し て の 形 態 が 整 え ら れ た 。 日 本 で は 1 9 0 3 年 に 兵 庫 県 の 六 甲 山 に ゴ ル フ 場 が 作 ら れ , 神 戸 ゴ ル フ 倶 楽 部 が 創 立 さ れ た こ と に 始 ま る 。 プ ロ ・ ス ポ ー ツ と し て の ゴ ル フ も 盛 ん で , ア メ リ カ , ヨ ー ロ ッ パ , 日 本 を 中 心 に 多 数 の 試 合 が 開 催 。 ︿ メ ジ ャ ー ﹀ と 呼 ば れ る 4 大 大 会 は , マ ス タ ー ズ , 全 米 オ ー プ ン , 全 米 プ ロ , 全 英 オ ー プ ン 。 男 子 の ほ か 女 子 , 男 子 シ ニ ア ︵ 50 歳 以 上 ︶ が そ れ ぞ れ 競 う 。 オ リ ン ピ ッ ク 種 目 と し て は , 1 9 0 0 年 パ リ オ リ ン ピ ッ ク , 1 9 0 4 年 セ ン ト ル イ ス オ リ ン ピ ッ ク で 採 用 さ れ , そ の 後 長 く 除 外 さ れ て い た が , 2 0 1 6 年 の リ オ デ ジ ャ ネ イ ロ オ リ ン ピ ッ ク で 復 活 す る こ と に な っ て い る 。
→ 関 連 項 目 尾 崎 将 司 | 杉 原 輝 雄 | 中 村 寅 吉 | ホ ー ル イ ン ワ ン
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ゴルフ golf
ボ ー ル を ク ラ ブ で 打 ち , ホ ー ル に 入 れ る ま で の 打 数 の 少 な さ を 競 う 競 技 で マ ッ チ プ レ ー と ス ト ロ ー ク プ レ ー に 大 別 さ れ る 。 ス コ ッ ト ラ ン ド 発 祥 説 が 有 力 で , 15 世 紀 頃 現 在 の よ う な 競 技 形 式 が 整 え ら れ た 。 1 7 5 4 年 , 22 人 の 貴 族 に よ り セ ン ト ア ン ド ル ー ズ に ク ラ ブ が 結 成 さ れ , 1 8 3 4 年 ウ ィ リ ア ム 4 世 が , こ れ に ロ イ ヤ ル ・ ア ン ド ・ エ ン シ ェ ン ト ・ ゴ ル フ ク ラ ブ の 名 を 与 え た 。 同 ク ラ ブ は 全 イ ギ リ ス の ゴ ル フ ク ラ ブ を 統 轄 し , 成 文 の ル ー ル を 制 定 し た 。 19 世 紀 末 ア メ リ カ に 普 及 し , 次 い で 世 界 各 国 に 広 ま っ た 。 日 本 で は 1 9 0 1 年 イ ギ リ ス 人 A . グ ル ー ム が 神 戸 六 甲 山 に 最 初 の ゴ ル フ コ ー ス を つ く り , 1 9 0 7 年 最 初 の 日 本 ア マ チ ュ ア 選 手 権 大 会 が 開 催 さ れ た 。 1 9 2 4 年 日 本 ゴ ル フ 協 会 結 成 。 主 要 な 国 際 大 会 と し て は 全 英 オ ー プ ン ゴ ル フ 選 手 権 大 会 , 全 米 オ ー プ ン ゴ ル フ 選 手 権 大 会 , 全 米 プ ロ 選 手 権 , マ ス タ ー ズ ト ー ナ メ ン ト が あ る 。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
ゴルフ〔ゲームソフト〕
任天堂が発売するゲームソフト。スポーツゲーム。1984年5月発売。ファミリーコンピュータ用。その後、アーケードゲームやファミコンディスクシステムなどに移植。
ゴルフ〔自動車〕
ドイツのフォルクスワーゲンが1974年から製造、販売している乗用車。3ドア、5ドアハッチバックを中心とする。同社を代表する大衆車として世界的に知られる。
ゴ ル フ ︹ 万 年 筆 ︺
イ タ リ ア 、 ス テ ィ ピ ュ ラ 社 の 万 年 筆 の 商 品 名 。 ﹁ ア カ デ ミ ア ﹂ シ リ ー ズ 。 ゴ ル フ を し て い る 人 が モ チ ー フ 。
出典 小学館 デジタル大辞泉プラスについて 情報
世界大百科事典(旧版)内の ゴルフの言及
【セント・アンドルーズ】より
…宗教改革の影響をうけ1559年に大聖堂が破壊され,以後衰退する。しかし,1754年のセント・アンドルーズ・ゴルフクラブ(後にローヤル・アンド・エンシェント・クラブ)の創立を契機にゴルフのメッカとなり,また海岸保養地として再び繁栄をとり戻した。市内には大聖堂の一部や13世紀の古城,1410年に起源を有するスコットランド最古のセント・アンドルーズ大学がある。…
※「ゴルフ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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