改訂新版 世界大百科事典 「ダシナクツチュン党」の意味・わかりやすい解説
ダシナクツチュン党 (ダシナクツチュンとう)
Dashnaktsutyun
アルメニアの民族主義政党。1890年ロシア帝国のティフリス︵現,トビリシ︶で結成された。︿連盟﹀の意。同党員を意味するダシナキDashnakiとも呼ばれる。92年創立大会で︿トルコ領アルメニアの解放﹀を掲げる綱領を制定。1903年の︿アルメニア教会危機﹀︵ロシア政府のロシア化強行策︶以降ロシア領カフカスにおいても運動を強化することを決定した。エス・エル党的な社会主義を掲げ,07年第二インターナショナルに加盟。17年ペトログラード︵現,サンクト・ペテルブルグ︶の十月革命に対しては,ザカフカスの民族主義諸派とともにザカフカス委員部を形成,18年4月ザカフカス連邦共和国を独立させ,5月に同共和国が分裂するとアルメニア共和国の独立を宣言した。しかし20年11月にはアルメニアにソビエト権力が樹立される。この党は21年2月これに対する反乱を起こすが敗北に終わり,その後は国外でソビエト権力批判を続ける。
執筆者‥高橋 清治
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報