デジタル大辞泉 「チェック」の意味・読み・例文・類語 チェック(check) ﹇名﹈(スル) 1 小切手。﹁トラベラーズチェック﹂ 2 格子縞の模様。チェッカー。﹁タータンチェック﹂ 3 書類などを照合すること。また、照合済みの印をつけること。また、その印。﹁該当箇所をチェックする﹂ 4 調べて、不都合なものが入り込むのを阻止すること。﹁人の出入りをチェックする﹂﹁ボディーチェック﹂ 5 点検、調査、確認などをすること。﹁あの店は要チェック﹂﹁周辺の病院をチェックしておく﹂ 6 チェスで、王手をかけること。また、その宣言。 7 飲食店などの勘定。﹁テーブルチェック﹂ 8 ⇒チッキ [類語]︵2︶縞(しま)・ストライプ・縦縞・横縞・棒縞・格子縞・弁慶縞・ウインドーペーン/︵3︶︵4︶︵5︶調べる・検する・閲(けみ)する・閲(えっ)する・改める・検査・点検・検分・吟味・実検・臨検・検閲・査閲・監査/︵7︶会計・勘定・お愛想・締める︵〆る︶ 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「チェック」の意味・読み・例文・類語 チェック (一)〘 名詞 〙 ( [英語] check ) (二)① 小切手。 (一)[初出の実例]﹁別にチェッキとて短冊形(なり)の切手二、三十枚横帳に綴たるものを渡す﹂(出典‥西洋旅案内︵1867︶︿福沢諭吉﹀附録) (三)② ( ━する ) 完全であるかどうかを一つ一つ調べること。 (一)(イ) 書類などを照合すること。引き合わせること。また、それが済んだことを示すしるし。﹁﹂印など。 (一)[初出の実例]﹁何か書いた物を取り出して、それを鉛筆でチェックしながら﹂(出典‥或る女︵1919︶︿有島武郎﹀前) (二)(ロ) 悪い点がないかどうか、ひとりひとりについて、また、一つ一つのものについて確かめること。くいとめること。 (一)[初出の実例]﹁ときどき馬を厳しくチェックして、松岡を嘆かせる相手だ﹂(出典‥深い河︵1969︶︿田久保英夫﹀一) (四)③ 直角に交差する何本もの線によって作られた、たくさんの長方形や正方形で構成される模様。チェッカー。 (一)[初出の実例]﹁派手なチェックの外套﹂(出典‥色ざんげ︵1933‐35︶︿宇野千代﹀) (五)④ チェスで、王手をかけること。また、その時の宣言。 (一)[初出の実例]﹁ビン中尉はさっさと手をうごかして﹃王手(チェック)﹄という﹂(出典‥輝ける闇︵1968︶︿開高健﹀) (六)⑤ ⇒チッキ 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
改訂新版 世界大百科事典 「チェック」の意味・わかりやすい解説 チェックcheck 目次 ディストリクト・チェック 市松模様,格子縞,そのほか線が直角に交差した格子柄模様の総称。一般に先染めした経糸︵たていと︶と緯糸︵よこいと︶で織り出して作るが,プリントで表したものもある。種類は各種あるが,その名称は織物の由来からつけられたものが多い。おもなものにスコットランドのタータンやタータンをもたない新興土地所有者たちによってそれぞれの地方でつくられたディストリクト・チェックdistrict check,そのほか窓枠のように仕切られたウィンドー・ペーンwindow pane,ピン・チェックpin check︵微塵︵みじん︶格子︶,ギンガム,ブロック・チェックblock check︵市松格子︶などがある。イギリスではとくにタータンのセット︵格子柄︶はプラッドplaidと呼び,ディストリクト・チェックなどのチェックと区別している。アメリカでは一般に柄の大きな格子をプラッド,小さな格子をチェックと呼んでいる。 ディストリクト・チェック スコットランドの領主制の確立とともに発展したクラン・タータンと異なり,これは1715年および45年のジャコバイト蜂起の失敗により,領主からの没収地やイングランドへ移住したクランたちが残していった土地に入った新興土地所有者たちによってデザインされた。彼らはイングランドやボーダー地区の貴族やジェントリーたちで,広大な土地を買い求め,領主の家系を示すクラン・タータンに代わるものとして,雇い人のために柄を創案した。ディストリクト・チェックはほとんどチェビオット種の羊毛を中心に使用し,綾織で製織後,縮絨を施す。多くの種類とそのバリエーションがあるが,おもなものに,シェパード・チェック,グレン・フェシー,グレン・アーカート,コイガッハ,ロバット,プリンス・オブ・ウェールズなどがある。 ︵1︶シェパード・チェックshepherd check 18世紀後半,新興土地所有者がハイランドに牧羊を導入し,そのためにボーダー地区の羊飼いたちを雇用した。彼らが身にまとっていた4ヤード丈の伝統的な布は,黒糸6本・白糸6本の綾織によるチェック︵いわゆる千鳥格子︶で,そのためにこの名が由来した。なお,糸の太さや本数によって猟犬のきばが並んでいるように見えるハウンド・トゥース・チェックhound tooth checkや星が並ぶようなスター・チェックstar checkの名称もつけられている。︵2︶グレン・フェシーglen feshie シェパード・チェックに赤のオーバー・チェックを配したもので,19世紀前半にグレン・フェシー︵フェシー急流の峡谷の意︶の領地で考案された。︵3︶グレン・アーカートglen urquhat 一般に,グレン・チェックglen checkの名で知られる。白と黒で,シェパード・チェックとスタンダード柄が2インチずつ交互に繰り返されるものである。1840年代に,シーフィールド伯夫人が自分の領地グレン・アーカートのために考案したとされるが,実際は峡谷の村に住む婦人がデザインした。︵4︶コイガッハcoigach シェパード・チェックを基本とし,煉瓦色と黒のチェックが交互に配されたもの。1874年ころアメリカのあるガン・クラブでユニフォームとしてこの柄が採用されてから,ガン・クラブ・チェックとも呼ばれる。︵5︶ロバットlovat 比較的新しく作られたもので,1840年代にロバット卿がロッホ・モラール付近のつりがね草,桜草,シダ,樺の木肌などの色のハーモニーを採り入れてつくらせたものである。ライト・ブルー38,ブライト・イェロー16,クローム・イェロー22,ダーク・イェロー・ブラウン12,白12の割合による混織でロバット・ミクスチャーlovat mixtureまたはロバット・グリーンlovat greenとも呼ばれる。無地ではあるが,ディストリクト・チェックに入れられている。ロバット・ミクスチャーはロバット卿の臣下,雇人,家族のためのものであったが,やがてこの色調はスコットランドの織物の代表的な色となっている。︵6︶プリンス・オブ・ウェールズPrince of Wales 煉瓦色と白によるグレン・チェックを基礎とし,なかにスモール・グレン・チェックが使われ,灰青色のオーバー・チェックを配したもの。名の由来は,エドワード7世が皇太子︵プリンス・オブ・ウェールズ︶時代にディーサイドのアバゲルディ・ハウスでの狩猟用としてデザインしたことによる。 執筆者‥山崎 宗城 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
百科事典マイペディア 「チェック」の意味・わかりやすい解説 チェック 洋服地の格子縞(こうしじま)のこと。プリントもあるが織物,特に毛織物に特色あるチェックがみられる。タータン・チェック︵タータン︶は英国の伝統あるチェック。シェパード・チェックはスコットランドの羊飼いが用いたという小さな千鳥格子。グレン・チェックは小さな格子の組合せで大きな格子を表す。オーバー・チェックは小さな格子の上に別糸で大きな格子を表す。ガン・クラブ・チェックは米国の狩猟クラブの制服からきたもの。タッターソールは乗馬服に多く,ロンドンの馬市場にちなんだもの。ピン・チェックはごく細かいみじん格子。ブロック・チェックはチェッカーボードともいい,市松模様のこと。 →関連項目ストライプ 出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報