日本大百科全書(ニッポニカ) 「フグ」の意味・わかりやすい解説
フグ
ふぐ / 河豚
布久
分類・形態
生態
フグ毒
漁業
おもな漁場は黄海と東シナ海である。瀬戸内海西部や日向灘(ひゅうがなだ)、天草(あまくさ)諸島などは、かつては有名な漁場であったが、近年ではわずかな漁獲量を数えるのみに減少している。漁法は魚種によって異なり、トラフグは底延縄(はえなわ)で、カラスは浮延縄で漁獲される。またサバフグ類は底引網や籠(かご)網漁業によって漁獲されている。フグ漁は8月下旬に解禁され、春の彼岸ごろに終わる。下関(しものせき)には、トラフグ、カラス、マフグ、シマフグなどが昭和40年代には年間5000トンも水揚げされていたが、しだいに減少の一途をたどり1979年(昭和54)には2000トンを割った。その後回復基調に入り、1999年(平成11)には約2600トンとなった。一方、沿岸のサバフグ漁は西日本各地で盛んに行われ、年間5000トンを超える漁獲量がある。
[松浦啓一]
養殖
養殖は、価格の高いトラフグのみを対象として行われている。昭和30年代前半に人工受精による飼育が実験的に行われ、1964年に山口県で種苗生産が本格的に開始された。最初は年間10万尾以下の生産量であったが、最近では60万~70万尾の生産が可能となっている。初夏に天然産卵場で親魚をとらえて採卵し、孵化(ふか)後はプランクトンや冷凍アミを餌として飼育する。1尾の雌から20万~200万粒の卵が得られる。孵化後約50日で体長3、4センチメートルになる。1年半ほど飼育したものが市場に出荷され、販売される。1キログラムあたりの平均価格は約4300円(1999)。
フグ類は食用とされるほか、フグ提灯(ぢょうちん)に加工されて各地で土産(みやげ)物にされている。テトロドトキシンは医薬品となり、神経痛、胃けいれんなどに適用されている。
[松浦啓一]
食品
民俗
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