デジタル大辞泉 「リコリス」の意味・読み・例文・類語 リコリス(〈ラテン〉Lycoris) ヒガンバナ科ヒガンバナ属の球根植物。葉と花は違う季節に出る。ヒガンバナやナツズイセンがよく知られる。 リコリス(licorice) カンゾウの一種、スペインカンゾウのこと。根をキャンディーやグミなど菓子類の風味づけに用いる。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
食の医学館 「リコリス」の解説 リコリス リコリスの和名および中国名は甘草(かんぞう)。その名のとおり、強い甘みが特徴のめずらしいスパイスです。 一般の食卓には、馴染みが薄いかもしれませんが、医療の分野では、洋の東西を問わず、極めて重要な存在。中国では最古の薬用植物として、解毒剤や消炎剤に処方され、ヨーロッパでもぜんそくや口内炎(こうないえん)の薬として、古くから珍重されていました。現在でも胃薬やかぜ薬などの原料として、もっとも広く利用されている薬用植物の1つです。 リコリスに含まれる、甘みの主成分であるグリチルリチンには、消炎や抗潰瘍(こうかいよう)、鎮静、緩下(かんげ)などにすぐれた作用を発揮するほか、肝細胞の活性化や再生をうながす働きもあります。 具体的症状としては、胃炎、胃潰瘍(いかいよう)、肝硬変(かんこうへん)、肝炎、口内炎、便秘(べんぴ)、かぜ、気管支炎、関節炎などに有効です。ただし、貧血や高血圧の人、妊娠中の女性は多量の服用を避けてください。 ○食品としての使い方 グリチルリチンには砂糖の150倍もの甘みがあり、砂糖が輸入される以前の日本では、重要な甘味料でした。しかし現在、家庭ではほとんど使われていません。漬けものやつくだ煮、カレー粉などに加えて、味に丸みを与えるのが一般的です。 出典 小学館食の医学館について 情報