偏見(読み)ヘンケン(英語表記)prejudice

翻訳|prejudice

デジタル大辞泉 「偏見」の意味・読み・例文・類語

へん‐けん【偏見】

かたよった見方・考え方。ある集団や個人に対して、客観的な根拠なしにいだかれる非好意的な先入観や判断。「偏見を持つ」「人種偏見
[類語]先入観先入主先入見僻目ひがめ贔屓目ひいきめ欲目固定観念偏る不公平不平等偏する僻する偏向偏在偏重偏頗へんぱ差別片手落ちバイアスアンフェア

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精選版 日本国語大辞典 「偏見」の意味・読み・例文・類語

へん‐けん【偏見】

  1. 〘 名詞 〙 かたよったものの見方・考え方。公平を欠いている意見。
    1. [初出の実例]「或専守家素、或固拘偏見」(出典:令義解(833)序)
    2. 「火吹竹で釣鐘を鋳やうな偏見を説出し」(出典:談義本・風流志道軒伝(1763)五)
    3. [その他の文献]〔漢書‐杜鄴伝〕

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最新 心理学事典 「偏見」の解説

へんけん
偏見
prejudice

 
stereotype調

 discriminationstigmaGoffman,E.1963

 attitude-behavior consistencyAjzen,I.1991theory of planned behavior

 

 McConahay,J.B.19811986modern racismaversive racismGaertner,S.L., Dovidio,J.F.1986Glick,P.Fiske,S.T.19962001benevolent sexismimplicit prejudiceintrospectionGreenwald,A.G.1998implicit association testIATimplicit attitude

 Allport,G.W.1954contact hypothesisdirect contact hypothesis19701980Aronson,E.1978jigsaw methodcooperative learning

 representationcategorizationBrewer,M.B.Miller,N.1984decategorization modelGaertner,S.L.1989recategorization modelHewstone,M.Brown,R.1986subcategorization modelDoise,W.1978crossed categorization modelAron,A.1991inclusion of other in the selfIOSWright,S.C.1997extended contact hypothesisin-groupIAT  
   

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改訂新版 世界大百科事典 「偏見」の意味・わかりやすい解説

偏見 (へんけん)


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日本大百科全書(ニッポニカ) 「偏見」の意味・わかりやすい解説

偏見
へんけん

ある種の事物、ことに特定の集団や個人に対して、客観的な事実の裏づけや合理的根拠が認められないのに人々が示す非好意的な偏った態度、信念ないし意見のこと。黒人やユダヤ人などに対するいわゆる人種的偏見は、その典型的なものである。

 偏見は、その対象との直接的な接触の経験に基づいて形成されるというより、しばしば自分の所属する社会集団内に存続しており、多くの人々に共有されているものが、年少のころから大人とのコミュニケーションを通して学習されることが多い。ひとたび偏見が形成されると、その対象に対してたとえ客観的に正しい情報が与えられても、選択的にゆがめて受け取られ、偏見は是正されずかえって強められてしまいがちである。また偏見は、パーソナリティー特性とも関係があり、権威主義傾向の者は強固な偏見をもちやすいとされている。偏見を見直させる有効な方法としては、実際に対象と直接接触する経験をもたせることがよいと考えられている。

[辻 正三]

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普及版 字通 「偏見」の読み・字形・画数・意味

【偏見】へんけん

 
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「偏見」の意味・わかりやすい解説

偏見
へんけん
prejudice

ある対象,人,集団などに対して,十分な根拠なしにもたれる,かたよった判断,意見などをさす。このような判断や意見は強固なものであり,それらが誤っていることを示す証拠をみせられても容易に変らない場合が多い。

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世界大百科事典(旧版)内の偏見の言及

【噂】より

… 関東大震災のさなかに発生し,朝鮮人虐殺事件をもたらした,〈朝鮮人が井戸に毒を投げ入れている〉という流言は,状況のあいまいさと重要さに規定された流言の代表例である。しかもこの流言は,流言の中にしばしば社会的偏見が含まれがちだ,という事実の適例でもある。あいまいな状況を何とか整序して解釈しようとするため,解釈者(あるいは民衆)の深層心理が解釈に投射されがちだからである。…

※「偏見」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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