六訂版 家庭医学大全科 「副腎皮質ステロイド薬」の解説
副腎皮質ステロイド薬
(内分泌系とビタミンの病気)
一般に副腎皮質ステロイド薬と呼ばれるものは、糖質コルチコイド作用をもつ薬剤で、血糖を上昇させる作用、脂肪や蛋白を分解する作用、炎症や免疫を抑える作用、血圧を上昇させる作用などさまざまな生理作用をもちます。このため、抗炎症作用や免疫抑制作用を期待して、喘ぜん息そく、アトピー、関節炎をはじめ、さまざまな病気の治療に利用されます。
ステロイド薬の効果は強力ですが、副作用も多く、慎重に使わなければなりません。副作用は糖尿病、感染症、胃潰瘍、骨こつ粗そし鬆ょう症しょう、精神症状、高血圧などさまざまです。また、大量に長期間ステロイド薬を使った場合は、副腎が萎いし縮ゅくしてしまっているため、急に使用を中止すると急性副腎不全を起こすので危険です。医師の指示に従い、少しずつ減らしていく必要があります。
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報