日本歴史地名大系 「北国脇往還」の解説
北国脇往還
ほつこくわきおうかん
- 長野県：総論
- 北国脇往還
﹁北国街道﹂または﹁北国往還﹂ともよばれる場合が多いが、五街道の一つである中山道と北国街道とを結ぶ支線であるので﹁北国脇往還﹂というのが正しい。中山道の佐久郡追おい分わけ宿から分れて、小こも諸ろ、小ちい県さがた郡田たな中か・海うん野の・上うえ田だ、埴はに科しな郡坂さか木き︵現坂さか城き町︶、戸とぐ倉ら・矢やし代ろ︵現更こう埴しよく市屋やし代ろ︶、更さら級しな郡丹たん波ばじ島ま︵現長野市︶、水みの内ち郡善ぜん光こう寺じ町︵同︶・稲いな積づみ︵同︶、牟む礼れ︵現上水内郡牟礼村︶、古ふる間ま︵現上水内郡信濃町︶・柏かし原わばら︵同︶・野のじ尻り︵同︶の各宿を経て越後国頸くび城き郡関せき川がわ宿︵現新潟県中頸城郡妙みよ高うこ高うこ原うげん町︶に入り、同国高田︵現新潟県上じよ越うえつ市︶において北国街道に連絡していた。そのうち田中宿と海野宿、古間宿と柏原宿は月の前半と後半に分けて宿場役を務め、戸倉宿は上戸倉と下戸倉に分れていた。加賀藩主前田氏が江戸参勤の際の上下道であったため別に加賀街道といった場合もある。
道筋は、追分宿から千曲川右岸を通り、田中宿から望もち月づき道を、海野宿から大だい門もん道︵大門峠を越えて諏訪郡へ通ずる道︶を、上田宿から上じよ州うしゆう道を、矢代宿から松まつ代しろ道︵松代から福ふく島じま・長なが沼ぬまを経て神かじ代ろ宿で北国脇往還に合する︶を、篠しのノのい井おい追わ分け︵現長野市篠ノ井︶から犀さい川がわ道︵更級郡今いま井い・今いま里ざとを経て犀川小こい市ち渡に至る道︶を、それぞれ分ち、丹波島宿で犀川を渡って善光寺宿に出る。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報