日本大百科全書(ニッポニカ) 「区長」の意味・わかりやすい解説
区長(行政)
くちょう
さまざまな区︵特別区、政令指定都市の区、地域自治区など︶の長。地域を分けるときに﹁区﹂が用いられるが、なんらかの組織が設けられ、これが﹁区﹂とよばれることもある。地方自治法︵昭和22年法律第67号︶には、特別地方公共団体として特別区および財産区、それ以外に、政令指定都市に置かれる区または総合区、地域自治区が定められている。また、法令の定めとは別に、﹁区﹂が用いられることもあり、地理的な名称として用いられる場合もある。
特別区は、1952年︵昭和27︶の地方自治法改正により都の内部団体となり、区長の公選制が廃止されたが、1974年改正後、区長公選制は復活している。
政令指定都市の区長は市長の補助機関であり、市長が任命する。都市内分権による住民自治を実現するために、2014年の地方自治法改正により、政令指定都市の市長の権限に属する事務の一定のものを総合区長に執行させるため、条例で区にかえて総合区を設けることが認められている。総合区長には総合区の事務所の職員の任免権などが与えられ、議会の同意を得て任命される。総合区の区域内の住民には解職請求権が認められている︵86条、252条の20の2︶。
地域自治区の事務所の長は市町村長の補助機関であるが、合併特例法︵正称﹁市町村の合併の特例に関する法律﹂平成16年法律第59号︶では、事務所の長にかえて区長を置くことが認められている︵24条1項。なお市町村合併時に特例的に設けられる地域自治区については、23条、25条にも定めがある︶。
なお、いわゆる町内会や自治会の代表者が区長とよばれることがあり、条例の定めるところにより、区長が住民と市町村との連絡等を行うことにつき報酬が支払われることがある。
﹇荒木 修 2022年2月18日﹈
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