デジタル大辞泉 「大手」の意味・読み・例文・類語 おお‐て〔おほ‐〕【大手】 1城の正面。また、正門。追(おう)手(て)。⇔搦(から)め手。 2 取引所で、多額の売買をする人や会社。大手筋。 3 同種の企業の中で、特に規模の大きい会社。大手筋。﹁大手の私鉄﹂ 4 敵の正面を攻撃する軍勢。追手。⇔搦め手。 ﹁―、搦め手二手にわかって攻めのぼる﹂︿平家・九﹀ おお‐で〔おほ‐〕【大手】 肩から手の指先まで。「大手を広げて道をふさぐ」 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「大手」の意味・読み・例文・類語 おお‐ておほ‥【大手】 (一)〘 名詞 〙 (二)① 城の正面。表門。大手門。追手(おうて)。⇔搦手(からめて)。 (一)[初出の実例]﹁西は一谷を城に構へ、東は生田の森を大手(オホテ)の木戸口とぞさだめける﹂(出典‥平家物語︵13C前︶九) (三)② 敵を正面から攻撃する軍隊。追手(おうて)。⇔搦手(からめて)。 (一)[初出の実例]﹁大手は長井の渡り、搦手(からめで)は故我杉(こがすぎ)の渡りより寄せ候ひしに﹂(出典‥平家物語︵13C前︶四) (四)③ ﹁おおてすじ︵大手筋︶③﹂の略。︹取引所用語字彙︵1917︶︺ (五)④ ﹁おおてすじ︵大手筋︶④﹂の略。 (一)[初出の実例]﹁うちもそのうちにはダムの工事位出来る大手になってみせるね﹂(出典‥われら戦友たち︵1973︶︿柴田翔﹀終) おお‐でおほ‥︻大手︼ (一)〘 名詞 〙 (二)① 肩から手の指先まで。 (一)[初出の実例]﹁力およばず、大手(おほで)をひろげて、高倉面(たかくらおもて)の小門よりはしりいでんとするところに﹂(出典‥平家物語︵13C前︶四) (三)② あたりをはばからない態度を示すこと。気ままなふるまい。 (一)[初出の実例]﹁座敷にぎめかしく、大手にしなし﹂(出典‥評判記・吉原すずめ︵1667︶上) おおておほて【大手】 姓氏の一つ。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
日本歴史地名大系 「大手」の解説 大手おおて 宮崎県:日南市飫肥城下大手[現在地名]日南市飫肥(おび)四―五丁目・同八―九丁目 飫肥城大手門の南に位置する武家屋敷地。広(ひろ)小(こう)路(じ)︵北︶・後(うし)町(ろまち)馬場︵南︶などの東西路が通り、上級藩士の屋敷や会所などがあった。西を酒(さか)谷(たに)川︵西川︶が流れ、南には町人町の本(ほん)町、北東には十(じゆ)文(うも)字(んじ)︵武家屋敷地︶が続いた。なお飫肥城本丸の北に位置する北の丸・西の丸・小(こじ)城(よう)などを含めて大手とよぶ場合もあった︵天保一〇年﹁門川徳助覚書﹂門川家文書︶。会所は大手の北西隅にあり、家老以下出納係まで出所して政務を執っていた。承応元年︵一六五二︶から万治二年︵一六五九︶のものと推定される城下絵図︵日南市蔵︶では、のちに会所が置かれた地は武家屋敷となっている。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報