大脳(読み)ダイノウ(英語表記)cerebrum

翻訳|cerebrum

デジタル大辞泉 「大脳」の意味・読み・例文・類語

だい‐のう〔‐ナウ〕【大脳】

 
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精選版 日本国語大辞典 「大脳」の意味・読み・例文・類語

だい‐のう‥ナウ【大脳】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「たいのう」とも ) 脳の一部で、発生的には脳の前端部の嚢胞で、後に大脳半球となる端脳と呼ばれる部分。狭義には、大脳半球のみをいい、広義には、中脳・間脳・大脳半球の総称。高次の神経作用を行なう。〔医語類聚(1872)〕

大脳の補助注記


(1)[] Kleine-hersenen
(2)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「大脳」の意味・わかりやすい解説

大脳
だいのう
cerebrum

概論


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ヒトにおける大脳


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大脳皮質の構造

大脳皮質は神経細胞が主成分となる灰白質で、全大脳皮質の平均の厚さは2.5ミリメートル〔前頭葉の中心前回(中心溝の前の部分)は4ミリメートル、後頭葉の視覚野(ブロードマンの17野)は1.5ミリメートル〕とされている。大脳皮質の神経細胞は総数140億とされるが、大脳の表面では平行な層構造をなし、互いに複雑で機能的な連絡をとっている。この大脳皮質の神経細胞層は基本的には6層の構造を示すが、皮質発生の途中で、一度はかならず6層形成の過程を示す皮質層と、どんな時期でも6層形成を示さない層とがある。前者を等皮質とよび、後者を不等皮質とよぶ。等皮質とは系統発生的にはもっとも新しい部分の新皮質に相当し、不等皮質は、さらにもっとも古い旧皮質(原皮質)と、それよりやや新しい古皮質に分けられる。大脳半球の大部分の皮質は新皮質に属し、旧皮質、古皮質は大脳半球の底面や内部にうずもれている海馬、歯状回(しじょうかい)、中隔、嗅葉、海馬旁回(ぼうかい)、扁桃核(体)などが含まれる。新皮質は高等な動物ほど発達しており、ヒトではとくに発達がよい。こうした新皮質を統合の中枢とする系を「新皮質系」という。旧皮質、古皮質は辺縁皮質ともよび、辺縁皮質を統合の中枢とする系を「大脳辺縁系」という。ドイツの神経科医ブロードマンK. Brodmann(1868―1918)は大脳皮質の各部位の層構造の相違から、大脳皮質を52の皮質野に区分し、それぞれに一連の番号を付し、脳地図をつくった(1908)。今日でも、大脳皮質の部位を示すとき、一般的にはこのブロードマンの脳地図が使われる。

[嶋井和世]

大脳皮質の機能中枢




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(3) 

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(5) 

(6) 

(7) 31()()

 


大脳白質の構造


4()調()

 

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新皮質系のメカニズム




 調

 3

 


前頭葉


46846891011()121314

 910()1112

 4445


頭頂葉


31257


側頭葉


43()4142()22223940223940

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 4238W. G. Penfield18911976


後頭葉

視覚に関する中枢がある。17野は第一次視覚野で、網膜からの光刺激は、視神経を通り、外側膝状体(視床の中継核)を経て、ここで光として感ずることができる。18野は第二次視覚野で、過去に経験した記憶と照合して、たとえば「バラの花」であるとか「チョウ」であるとかが認識できる。19野は第三次視覚野とよばれ、さらに複雑な視覚的イメージをつくりだす部分である。これらの領域は視覚の連合野であって、その損傷によっていろいろな視覚的失認がおこる。たとえば、光が見えても何色だかわからないとか、人の顔だとわかっても、それがだれだかわからないなどである。また、これらの領域の損傷で、視覚的想起が不可能になるため、夢をみなくなるという。

[鳥居鎮夫]

大脳辺縁系のメカニズム


()調()

 P. D. MacLean19132007



197619801981121983

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改訂新版 世界大百科事典 「大脳」の意味・わかりやすい解説

大脳 (だいのう)
cerebrum


︿︿︿︿123mm


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大脳」の意味・わかりやすい解説

大脳
だいのう
cerebrum

 
1  

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百科事典マイペディア 「大脳」の意味・わかりやすい解説

大脳【だいのう】

中脳間脳および終脳の総称。終脳は左右の大脳半球からなり,これだけを大脳と呼ぶこともある。
→関連項目多動症候群ブローカ

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栄養・生化学辞典 「大脳」の解説

大脳

 脳の一部.

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世界大百科事典(旧版)内の大脳の言及

【意識】より


 

※「大脳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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