改訂新版 世界大百科事典 「旬政」の意味・わかりやすい解説 旬政 (しゅんせい) 朝政の一つ。毎月1,11,16,21日に天皇が紫宸殿に出席して政事をみる儀。この日公卿はすべて参集する定めで,儀の終了後,宴をたまうのを旬宴といい,さらに禄をも支給された。︽日本書紀︾天武5年︵676︶10月朔日条には旬の字はないが,置酒して群臣に宴を賜ったのが旬政の初見とみなされ,以来平安時代前期までは,旬政はほぼ定日に行われていた。平安時代中期には,二孟旬といって4月1日と10月1日︵当日廃朝のときは2日︶の年2回となった。前者を孟夏旬,後者を孟冬旬という。ただし内裏を新造したときは新所旬,新帝が即位して初めて万機の政に臨むときは万機旬,11月1日が冬至に当たる︵朔旦冬至︶ときは朔旦旬といって,必ず旬政を行った。また別に吉日を選んで臨時旬を行うこともあるが,いずれも儀礼化して,宴に主体がある。なお天皇の出席しないときは平座︵ひらざ︶といい,公卿らが宜陽殿に集まって政をみるのが例である。 執筆者‥米田 雄介 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報