有毒植物(読み)ユウドクショクブツ(英語表記)poisonous plant

デジタル大辞泉 「有毒植物」の意味・読み・例文・類語

ゆうどく‐しょくぶつ〔イウドク‐〕【有毒植物】

アルカロイドなどの有毒成分が含まれている植物。食べると中毒を起こしたり触れるとかぶれたりして、人畜に危害を及ぼすもの。ハシリドコロトリカブトウルシイラクサなど。適量を用いれば薬用となるものも多い。

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精選版 日本国語大辞典 「有毒植物」の意味・読み・例文・類語

ゆうどく‐しょくぶつイウドク‥【有毒植物】

 

(一)   
 

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改訂新版 世界大百科事典 「有毒植物」の意味・わかりやすい解説

有毒植物 (ゆうどくしょくぶつ)
poisonous plant




 100調

 

尿使35mg6

 



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日本大百科全書(ニッポニカ) 「有毒植物」の意味・わかりやすい解説

有毒植物
ゆうどくしょくぶつ

植物の一部または全体に有毒な成分を含む植物をいい、草本植物の場合は、毒草ともいう。有毒植物は古くから人類に知られ、矢毒のほか、死刑執行、毒殺などにも利用されてきた。キンポウゲ科のトリカブトは全草有毒であるが、とくに種子と根の毒性が強く、アイヌはこれを捕鯨や熊(くま)狩りの矢毒とした。また、死刑の宣告を受けたギリシアの哲学者ソクラテスは、セリ科のドクニンジンの煮汁を飲んで死んだといわれている。日本には近縁種のドクゼリが野生するが、早春になるとこれをセリと間違えて食し、死亡することもある。マメ科の牧草であるシロツメクサの若芽、ミヤコグサなどには青酸配糖体が含まれており、これを飼料とした家畜が倒れる例もある。青ウメなどを生食すると、含有成分が胃酸で加水分解され、胃の中に青酸を生じるため人体に有毒となるが、塩漬けなどの加工をすると、有毒成分はほとんど失われてしまうので中毒の心配はない。経口的な有毒植物がもつ有毒成分の多くはアルカロイド(トリカブト、タバコなど)や配糖体(キョウチクトウ、ウメ、アセビなど)で、強い苦味があるが、ドクウツギの有毒成分のように苦味のないものもある。有毒植物にはこのほかに接触によってかぶれたり、皮膚炎をおこすものがある。イラクサ類では全草を覆う刺毛にギ酸などを含んでいるし、ウルシ類の樹皮からはフェノール性化合物が分泌される。これらは、いずれもかぶれの原因となる有毒成分である。風媒花のマツやスギの花粉は、アレルギー体質の人にとっては、やはり有毒植物である。

 日本に野生する有毒植物は、猛毒から微毒のものまで含めると約200種あり、毎年数百人の中毒事故が記録される。しかし、有毒植物の多くは、適量を用いれば、かえって人体にとって薬効を示すものであり、この観点からすれば、有毒植物と薬用植物との区別はつけにくいといえる。最後に、中毒症状例と、原因となるおもな植物名をあげる。めまい(ドクゼリ、ドクムギ)、けいれん(ドクウツギ、ドクゼリ、トリカブト)、全身麻痺(まひ)(ケシ、トリカブト)、呼吸麻痺(ケシ科、トリカブト、ヒガンバナ、トウゴマ)、精神錯乱(チョウセンアサガオ、トウダイグサ科)。

[杉山明子]

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百科事典マイペディア 「有毒植物」の意味・わかりやすい解説

有毒植物【ゆうどくしょくぶつ】

人間や動物にとって有毒な成分を含む植物。触れると皮膚に炎症を起こしたり,食べると中毒して麻痺(まひ),けいれん,窒息,嘔吐(おうと)などの症状を起こさせたり,ときには死亡させるものをいう。同じ植物でも毒性は動物によって異なり,薬用植物となるものや,狩猟(毒矢など)や殺虫などに利用できるものもある。日本産の有毒植物は約200〜300種といわれ,毒成分はアルカロイドが圧倒的に多いが,ジギタリスなどに含まれる配糖体毒もある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「有毒植物」の意味・わかりやすい解説

有毒植物
ゆうどくしょくぶつ
poisonous plants

高等植物で有毒な物質を含むもの。シキミ,ドクウツギ,トリカブト,ドクゼリ,チョウセンアサガオ,ヒガンバナ,ケシなどいろいろあり,その成分の確認されたものも少くない。また古来その適量を薬用にあててきたものも多い。たとえば,ジギタリスは薬用植物であって,その成分のジギトキシンなどは心不全に用いられるが,用量や対象症状が不適当であれば,容易に中毒をきたす。

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世界大百科事典(旧版)内の有毒植物の言及

【薬用植物】より


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【有用植物】より


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※「有毒植物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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