気候変動に関する政府間パネル(読み)キコウヘンドウニカンスルセイフカンパネル(英語表記)Intergovernmental Panel on Climate Change

デジタル大辞泉 の解説

きこうへんどうにかんする‐せいふかんパネル〔キコウヘンドウにクワンする‐〕【気候変動に関する政府間パネル】

Intergovernmental Panel on Climate Change》⇒アイ‐ピー‐シー‐シー(IPCC)

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日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

気候変動に関する政府間パネル
きこうへんどうにかんするせいふかんぱねる
Intergovernmental Panel on Climate Change


IPCC()1988WMOUNEP2023195(1)(2)(3)3Working GroupWGTask Force on National Greenhouse Gas InventoriesTFI1IPCC

 IPCC19901995200120072013201420212023576121323421198019996.4521198620052.64.86211.51.5CO2201920304820356520509911992UNFCCC2199752015

 IPCC2007

  2023920

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知恵蔵 の解説

気候変動に関する政府間パネル

人為起源による気候変化、影響、適応、緩和の方策について、科学、技術、社会科学の面から評価を行うために1988年、世界気象機関(WMO)と国連環境計画(UNEP)が設置した組織。90年に第1次報告書を出したのを皮切りに2001年に第3次報告書を公表、さらに07年に第4次報告書をまとめた。報告書は時を追って次第にデータの積み重ねで精緻(せいち)化され、第4次は温暖化が起こっているかどうかについては、第3次報告書の「可能性が高い」から、「起こっている」と断定し、そのうち人為起源の温室効果ガスの増加が温暖化の原因とほぼ断定した。1980年から90年までに比べ、2090年から99年の平均気温の上昇は1.1〜6.4℃の範囲と予測した。それを環境の保全と経済の発展を両立させる「持続発展型社会シナリオ」では約1.8℃、化石エネルギーを重視する高成長社会シナリオでは約4.0℃と予測。30年まではこうしたシナリオの違いにかかわらず10年当たり0.2℃気温が上昇するとしている。 さらに気温の上昇によって、▼淡水資源では、今世紀半ばまでに年平均河川流量と利用可能水量が、多くの中緯度の一部の乾燥地域と乾燥熱帯地域で10〜30%減少する▼生態系では、多くの生態系において復元力が追いつかなくなる▼作物は年平均気温が1〜3℃の上昇幅なら生産量は増加するが、それを超えて上昇すれば減少に転じる▼80年代までに海面上昇によって毎年洪水の被害者数が数百万人ずつ増える、と予測した。そして、既に、氷河湖の数の増加と拡大、発芽、鳥の渡りなど春季現象が早期化している、多くの地域の湖沼や河川で水温が上昇、熱波による死亡、病原菌を媒介する生物による感染症リスクの増加など、影響が生じているとした。一方で、温室効果ガスの排出量の削減対策とともにそれに社会が対応する「適応」策の強化の必要性も強調している。

(杉本裕明 朝日新聞記者 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

気候変動に関する政府間パネル
きこうへんどうにかんするせいふかんパネル
Intergovernmental Panel on Climate Change; IPCC

 
 UNEP WMOCO21988 IPCC111IPCC調562007  

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世界大百科事典(旧版)内の気候変動に関する政府間パネルの言及

【国連環境開発会議】より


 19808811UNEP(WMO)︿(IPCC)9081922

※「気候変動に関する政府間パネル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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