デジタル大辞泉 「海草」の意味・読み・例文・類語 かい‐そう〔‐サウ〕【海草】 1海中に生える顕花植物。アマモの類。 2 海中に生えるアマモや藻類の総称。 うみ‐くさ【海草】 《「うみぐさ」とも》海中に生育する藻や草の総称。かいそう。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「海草」の意味・読み・例文・類語 かい‐そう‥サウ【海草】 (一)[1] 〘 名詞 〙 (一)① 海中に生える被子植物。アマモ、スガモなどをいう。海藻は含まない。うみくさ。 (二)② 海に生える藻類や草の総称。︹名語記︵1275︶︺ (二)[2] 和歌山県の北西部の郡。貴志川・有田川流域にあり、紀伊水道に面する。明治二九年︵一八九六︶、海部(あま)郡と名草(なくさ)郡が合併して成立。 うみ‐くさ︻海草︼ (一)〘 名詞 〙 (二)① ( ﹁うみぐさ﹂とも ) 海中に生育する藻や草の総称。かいそう。︹名語記︵1275︶︺ (三)② 鮑(あわび)をいう女房詞。うみのくさ。︹女房躾書︵室町末︶︺ 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
日本大百科全書(ニッポニカ) 「海草」の意味・わかりやすい解説 海草かいそうsea grass 海生の大形植物のことであるが、普通は海生の種子植物をいう。海藻seaweedsの対比語。海草類はすべて単子葉植物で、世界に2科12属約50種分布する。日本の沿岸にはアマモ、コアマモほか2科8属15種あり、藻場(もば)とよばれる海中林を形成し、魚貝類の絶好なすみかとなっている。水平分布では、スガモが関東地方以北にみられるが、多くの海草は中部地方以西に分布する。日本産の海草で温帯性のものは、干潮線上にコアマモ、干潮線にエビアマモ、干潮線直下にアマモ、干潮線下数メートルから十数メートルにオオアマモ、スゲアマモ、タチアマモが生育する。熱帯性のものは、干潮線上にウミジグサ、ウミヒルモ、マツバウミジグサ、干潮線にリュウキュウスガモ、干潮線直下にボウアマモ、ベニアマモ、リュウキュウアマモ、干潮線下数メートルから十数メートルにウミショウブが生育する。 ﹇大滝末男﹈ アマモ 砂泥質の浅海底に群落をつくる。別名アジモ︵味藻︶、モシオグサ︵藻塩草︶、リュウグウノオトヒメノモトユイノキリハズシ︵竜宮の乙姫の元結の切りはずし︶©水中フォート・エンタープライズ 楚山いさむ"> アマモ スガモ 海岸の岩礁にしっかりと根を張る。葉の長さは1~1.5m©水中フォート・エンタープライズ 楚山いさむ"> スガモ ウミヒルモ 浅い海底の砂地に生える。葉形を小判に見立ててウミコバンともいう©水中フォート・エンタープライズ 楚山いさむ"> ウミヒルモ 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「海草」の意味・わかりやすい解説 海草かいそうsea grass 海中に生える植物のうちで,被子植物を,海藻と区別してこのようにいうことがある。海草はすべて単子葉類で,海岸近くや入江の比較的浅い海底の岩石または砂土に根をおろし,匍匐茎によって群生する。葉は細長い紐状かへら形で単葉,縁に鋸歯はない。水中に形の単純な花を咲かせる。種子は米粒大であるが胚乳を欠く。日本には7属15種があり,アマモ,スガモ,エビアマモが各地に普通。ウミヒルモは中部以南にみられる。 seaweed (海草) の語を上記の意味の海草と海藻 marine algaeとを含めて使うこともある。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
世界大百科事典(旧版)内の海草の言及 【海藻】より …分類上は緑藻,褐藻および紅藻が主体である。これに対し,海草はsea grassで,スガモ,アマモに代表される海産顕花植物である。海藻は世界で約8000種が知られ,日本の近海からも約1200種が見いだされている。… ※「海草」について言及している用語解説の一部を掲載しています。 出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」