食の医学館 「皮蛋、烏骨鶏卵」の解説 ぴーたんうこっけいらん【皮蛋、烏骨鶏卵】 日本でふつう食用にされるたまごは、ほとんどが鶏卵とウズラのたまごです。 それ以外に利用されているたまごというと、アヒルのたまごでつくられた皮蛋(ピータン)が、もっともなじみ深いでしょう。 皮蛋はアヒルのたまごを、石灰や炭酸ナトリウムを混ぜたアルカリ性の泥、もしくは調合液に漬け込んでつくります。 2か月ほど漬けると、アルカリの働きで白身のたんぱく質がかたまって、皮蛋となるわけです。 栄養的にみると、皮蛋は鶏卵より、脂質、鉄、カルシウム、レチノールを豊富に含んでいますが、日常的な食品ではないので、健康への影響を云々するほどではありません。 利用法はそのまま切り分けて食べるほか、中華風サラダのドレッシングに隠し味として加えると、味を引き立てます。特有のアンモニア臭が気になるときは、切ってからしばらく置いておくといいでしょう。 このほかに特殊なたまごとして、烏骨鶏卵(うこっけいらん)があります。 烏骨鶏は鶏の一種で、名前のとおり、皮膚から内臓、骨までが黒いのが特徴。たまごはふつうの鶏卵より、やや小さめです。 しかし、飼育がむずかしく産卵数が非常に少ないために、烏骨鶏卵の価格はふつうの鶏卵の10倍以上にもなります。 栄養的にみると、ふつうの鶏卵と極端なちがいのない烏骨鶏卵ですが、中国では古来から、滋養強壮の秘薬として扱われてきました。 そのため、最近の健康ブームのなかで注目されるようになり、たまご自体はもちろん、それを原料につくられた卵油なども、人気を集めています。 出典 小学館食の医学館について 情報