絶入（読み）ゼツニュウ

デジタル大辞泉 「絶入」の意味・読み・例文・類語

ぜつ‐にゅう〔‐ニフ〕【絶入】

「ぜつじゅ（絶入）」に同じ。
「躬みずからも終に及ばずして此処に―せんと思えば」〈紅葉・金色夜叉〉
 

ぜつ‐じゅ︻絶▽入︼

 
︽﹁せつじゅ﹂とも︾息が絶えること。また、気絶すること。ぜつにゅう。
﹁かれが嗔(いか)って向かふ時は大の男も―す﹂︿平家・五﹀  

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精選版 日本国語大辞典 「絶入」の意味・読み・例文・類語

せつ‐じゅ【絶入・殺入】

 

(一)〘 名詞 〙 ( ﹁ぜつじゅ﹂とも。﹁じゅ﹂は﹁入﹂の慣用音 ) たえいること。気絶すること。一時息の絶えること。ぜつにゅう。ぜつじゅう。ぜつじ。
(一)[初出の実例]﹁五条三位俊成、日来煩二咳病一、去月廿八日両度絶入﹂(出典‥玉葉和歌集‐安元二年︵1176︶一〇月二日)
 (二)﹁是が嗔(いか)て向ふ時は、大の男も絶入(セツシュ)す﹂(出典‥屋代本平家︵13Ｃ前︶五)
 (三)﹁殺入 セツジュ﹂(出典‥易林本節用集︵1597︶)
  

せつ‐じ【絶入・殺入】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「ぜつじ」とも ) 「せつじゅ（絶入）」の変化した語。〔饅頭屋本節用集（室町末）〕
    1. [初出の実例]「肝心の鼻柱をしたたかにくわされ、絶入(セツジ)する所を抓んで放れ、忽眼くらみ三度舞ふ迄は叶ず」(出典：浮世草子・懐硯（1687）三)

ぜつ‐にゅう‥ニフ【絶入】

  1. 〘 名詞 〙 ＝せつじゅ（絶入）
    1. [初出の実例]「絶入(ゼツニフ)なしたる弓子を誘いて、おのれが隠家〈略〉にかへり」(出典：読本・阿波之鳴門（1807）五)

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