出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
学術的、専門的な調査研究に基づき、美術品を収集保管し、必要に応じて展示を行う機関、およびその施設の建物。主として、日本では学芸員とよばれる専門職員が業務を担当する。専門職員は、アメリカではキューレーターcurator、イギリスではキーパーkeeper、フランスではコンセルバトゥールconservateurなどと、各国によって呼称・業務の内容につき差異がある。
美術館には、絵画、彫刻、工芸のほか、考古学的遺物や武具、服飾品などを含む美術博物館ともいうべき性格のものと、絵画のみを扱う絵画館(ドイツ語でピナコテークPinakothek)、彫刻専門の美術館(グリュプトテークGlyptothek)がある。またロンドンやワシントンのナショナル・ギャラリーのように、元来は歩廊や通路をさすギャラリーgalleryが絵画館に近い意味で使われることもある。
[友部 直]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 図書館情報学用語辞典 第4版図書館情報学用語辞典 第5版について 情報
…ベルサイユ宮殿の〈鏡の間Galerie des Glaces〉はその好例。細長い広間が展示空間として使われることにより,美術館ないし展示場もギャラリーとよばれ,その代表例はウフィツィ美術館,ロンドンおよびワシントンのナショナル・ギャラリーである。また,屋根付き歩行者通路もギャラリーとよばれ,転じてそこに集まる群集,特にゴルフ競技の観客をもさす。…
…なぜならば,建築や,建築の内外に付随するため現地に残されている美術品を除いて,過去のあらゆる美術的遺産は必ずなんらかの収集に属しているといえるからである。啓蒙主義の時代とそれに続くフランス革命期に,各王家の収集が次々に公共化されて美術館の形を取るようになる以前には,すべての美術品収集は私的性格をもち,公開はきわめて例外的であった。本項では,そのような美術館以前の時代の収集と近代以降の私的コレクションとを扱う。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」