日本歴史地名大系 「護国之寺」の解説
護国之寺
ごこくしじ
[現在地名]岐阜市長良雄総
雄おぶ総さ山の中腹にある。雄総山と号し、高野山真言宗。本尊は十一面観音で、おぶさ観音と通称される。﹁新撰美濃志﹂によれば、聖武天皇が奈良東大寺の大仏造立を志し、行基を諸国に派遣して冶工を尋ね求めたところ、厚あつ見み郡日ひ野のの郷に金王丸という童がおり、よい仏像をつくるので都に連帰り大仏を鋳造させた。この金王丸が﹁試みに鋳せし観世音千手ともあるひは十一面ともありの像﹂が当寺の本尊となったという。さらに﹁大仏成就供養の日、紫宸殿の前庭に紫雲一叢覆ひ来りてひとつの仏鉢を降らし、雲中に声ありて、茲鉢は是釈尊御在世霊鷲山にて持給ひし仏鉢なるを、希有の大像供養の仏事を天感ありて降す所なり﹂という仏鉢が、金王丸に下賜されて寺の什物になったとの由来を記す。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報