デジタル大辞泉 「適当」の意味・読み・例文・類語 てき‐とう〔‐タウ〕【適当】 ﹇名・形動﹈(スル) 1 ある条件・目的・要求などに、うまくあてはまること。かなっていること。ふさわしいこと。また、そのさま。﹁工場の建設に適当な土地﹂﹁この仕事に適当する人材﹂ 2 程度などが、ほどよいこと。また、そのさま。﹁調味料を適当に加える﹂﹁一日の適当な仕事量﹂ 3 やり方などが、いいかげんであること。また、そのさま。悪い意味で用いられる。﹁客を適当にあしらう﹂﹁適当な返事でごまかす﹂ →適切﹇用法﹈ [類語]︵1︶適切・適正・適確・至当・妥当・穏当・相応・好適・適合・合致・即応・ぴったり・頃(ころ)合い・程合い・手(てご)頃(ろ)・適う・適する・合う・沿う・そぐう・適える・向く・似合う・似つかわしい・ふさわしい・しっくり・打ってつけ・持ってこい・当てはまる・同調する・フィットする・便宜・好都合・便利・利便・誂(あつら)え向き・タイムリー・有り難い・うれしい・御(おん)の字・重(ちょ)宝(うほう)・有用・有益・簡便・軽便・至便・格好・好個・程よい・絶好・願ったり叶ったり・願ってもない・然(しか)り・即する・肌が合う・適格・適材・与(くみ)し易い・然(しか)るべき・マッチ・究(くっ)竟(きょう)・合い口・合目的・文句無し・リーズナブル・好条件・見合う・匹敵・言い得て妙・恰(あたか)もよし・三拍子揃(そろ)う・似合わしい・ジャストミート・思いがけない・当を得る・馬が合う・息が合う・順当・どんぴしゃり・所を得る・最適・壺(つぼ)にはまる・水を得た魚(うお)のよう・結構尽くめ/︵2︶適度・適宜・程(ほど)程(ほど)・そこそこ・好(い)い加減/︵3︶生半可・ぞんざい・投げ遣り・でたらめ・ちゃらんぽらん・行きあたりばったり・無責任・いい加減・安易・人任せ・天道任せ・運任せ・風任せ・成り行き任せ・無計画・出たとこ勝負・ぶっつけ本番・手当たり次第・片っ端から・甘い・手ぬるい・生ぬるい・甘っちょろい・手(てが)軽(る)・楽・安直・杜(ずさ)撰(ん)・放漫・漫然・閑却・等(とう)閑(かん)・なおざり・お座なり・おろそか・ゆるがせ・粗末・易きに付く・なまじ・なまじっか・なまなか・なまじい・生煮え・微温的・不十分・不完全・不徹底・不行き届き・半端・中途半端・宙ぶらりん 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「適当」の意味・読み・例文・類語 てき‐とう‥タウ【適当・的当】 (一)〘 名詞 〙 ( 形動 ) (二)① ( 的当 ) ( ━する ) ずばり言い当てること。端的に説示すること。他の方便を用いないで直接に指示すること。 (一)[初出の実例]﹁直指(ぢきし)は説夢なり、的当は説夢なり﹂(出典‥正法眼蔵︵1231‐53︶夢中説夢) (二)﹁卜筮の本意は︿略﹀鬼神と響応感通して、暗合冥契するの趣意に原きたる者故、上古淳直の世にては的当したるやら知るべからず﹂(出典‥旧習一新︵1875︶︿増山守正﹀上) (三)② ( ━する ) ある状態・目的・要求などにうまくあうこと。ほどよくあてはまること。ふさわしいこと。また、そのさま。相当。 (一)[初出の実例]﹁事をなすことをあてて、適当するやうにせんと思ときは、不レ得レ已無心よりしてする也﹂(出典‥清原国賢書写本荘子抄︵1530︶四) (二)﹁私の健康状態を云ひ現はすべき適当(テキタウ)な言葉は、他に何うしても見付からなかった﹂(出典‥硝子戸の中︵1915︶︿夏目漱石﹀三〇) (三)[その他の文献]︹魏志‐鍾繇伝︺ (四)③ うまくその場を取り繕い、しのぐこと。また、いいかげんなこと。また、そのさま。 (一)[初出の実例]﹁適当にインチキをされて私はいい鴨であったのかも知れない﹂(出典‥歪んだ自画像︵1963︶︿阿川弘之﹀) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例