出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
もとはごたごたしたつまらないもののことであるが、美術的な書画、刀剣、陶器などをいう。これら古人が使用したものを文人たちが実用と愛玩(あいがん)のために文房具として座右に置く風習は日本では室町時代からおこり、江戸中期ころからそれらを骨董とよぶようになった。明治には古い伝世の美術工芸品を骨董と総称し、それらを販売する古物(こぶつ)屋を古道具屋または骨董屋とよぶようになった。現代では絵画の類を別にし、器物の類だけを骨董として扱う傾向がある。
[永井信一]