小論集
私が過去にfj.*に向けて書いた記事の中で、エッセイとしてのまとまりがあるものを抜粋して掲載することにしました。今後、もし時間が取れれば書き下ろしも増やしていきたいと思っています。
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レイアウト・フォーマット --- 知恵蔵事件, in別冊ジュリスト 著作権判例百選, 有斐閣, 2001年4月
法学部の学生なら必ずお世話になる有斐閣の﹁判例百選シリーズ﹂。私がここに執筆することになるとは、学部時代には夢にも思いませんでした。担当した事件は、デザイン系の美大の学生さんにも馴染みの深い、レイアウト・フォーマットに関するもの。
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The Origin of Two American Copyright Theories: A Case of the Reception of English Law, The Journal of Arts Management, Law and Society, Vol. 30, No. 3, (Fall 2000, Heldref Publications)
英語論文がアメリカの専門雑誌に掲載されました。やったー。掲載のきっかけは、インターネットでの公開。編集の Maryとのやり取りもインターネットのおかげでとっても助かりました。
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デジタル/ネットワーク時代・著作権の臨界 (改題), 2000年11月30日 国際大学グローコム デジタル著作権研究会 第一回オープン・フォーラムにて報告
情報伝達技術とビジネスの形態、著作権制度の関連について歴史的に解説し、デジタル化、ネットワーク化していく情報伝達技術においてどのようなビジネスモデルが最適であるのか、また著作権制度はどのように変わっていくのかを展望したもの。
これまた、詳細な文献リストや脚注をつける作業ができないので、公開できません。大学をしばらく休んで自分の書いたものの整理をしたいです。
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情報法の背景, 2000年5月12日 一橋大学 法文化構造論にて報告
情報機器の一般化に伴って生じている法的問題を表面的に追いかける結果になりがちな﹁情報法﹂を批判し、基礎法学・比較法学としての﹁情報法﹂の問題設定と目的について考察したもの。2001年度の﹁情報法﹂の導入編として使いまわす予定です。
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著作権の情報流通技術決定論 仮説, 2000年3月18日 国際日本文化研究センターにて報告
1840年頃に産業規制法としての著作権概念が文化振興法へと転換したことを指摘する発表。文献による論証が不十分なのでまだ公表できません。今年度後半には完成度を上げて雑誌に投稿したいとおもっております。
[愚痴] どうも、この論文はお蔵入りになりそうです。一つ一つ、文献の該当個所を挙げるような地道な作業に費やす時間が取れないため、内容的には問題なくても公開できないのか悩みです。
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倫理問題, inbit別冊﹁情報セキュリティ﹂, 共立出版, 2000年1月
また、倫理。私に倫理について語る資格があるとは自分でも思えませんが、書かなければならないこともあるのでもう一度。なんでも﹁倫理﹂でことを済ませようとする人たちが多すぎます。
この﹁倫理問題﹂の原稿は、下の﹁コンピュータ・ネットワークにおける自由と倫理﹂で用いた論文に加筆したものです。重要な部分について加筆したので、ご批判は書籍に掲載されたものに対して行ってください。明大情報科学センター紀要には、私の口述内容が掲載されておりまして、論文は掲載されませんでした。
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もう一つのプライバシーの話 --- 中学生、高校生のためのプライバシー問題へのヒント ---, 青空文庫, 1999年9月
夏の終わりにある研究会に出席しました。そこではプライバシー問題や情報教育の内容に関するざっくばらんな議論が行われました。その議論をするなかで私が考えたことを文章にまとめてみました。通説を問い直す﹁もう一つの﹂シリーズ第二弾です。
富田さんにお願いして、こんなに立派なにしていただきました。
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求人・求職活動における個人情報保護に関する報告, inインターネット求人・求職情報の現状とその課題, 社団法人 全国求人情報誌協会, 1999年3月
一昨年から参加していたインターネットにおける求人・求職活動に関する研究会の最終報告書です。結局、中間報告書は部内扱いになり、これが正式バージョンということになりました。
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誰をどのように護るのか --- CDAの目的と効果について, 1999年1月30日, 情報処理学会 電子化知的財産社会基盤研究会にて報告. 情処研報, Vol.99, No.11.
ある秋の午後、私に﹁CDA-2﹂について報告するように、という依頼が来ました。私が最初の﹁CDA﹂に言及する論文を書いたことがあったからのようです。だいたいCDA関係の法律は、冬の声が聞こえる頃 成立し、12月前には違憲立法確認訴訟が提起され、年明けの1月か2月には違憲判決がでる、というパターンで進むので、このCDAがらみの論文はいつも正月をまたいで執筆することになります。私にとっては紅白や第九と近い位置づけになりつつあるので、もう﹁CDA-3﹂だの﹁CDA-4﹂だのというような法律を作らないように、アメリカ議会にお願いしたいところです。
| コンピュータ・ネットワークにおける自由と倫理, 1998年11月21日, 明治大学情報科学センター情報教育研究会にて報告.
ある夏の日、私に﹁情報倫理﹂について話すように、という依頼が来ました。﹁倫理学者でも哲学者でも、まして倫理について人に話すほどエラくない私になんで?﹂﹁だいたい、情報倫理ってなんだ?﹂と思いましたが、私が﹁ハッカー倫理﹂なんて題した論文を書いたことがあったからみたいです。さて、それから﹁倫理﹂や﹁哲学史﹂の本を色々と読みながらにわか勉強です。結果的には、そのおかげで﹁面白い﹂(と皆さんがおっしゃる)講演になったようです。
明日から、私自身が倫理的にならないといけないような気になるので、倫理の研究はあんまりうれしくないですね:-)。
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判例解説 Cubby, Inc. v. CompuServe Inc., 776 F.Supp. 135 (1991), ﹁アメリカ法﹂ 1998-1, 1998年7月31日
日米法学会の邦語機関紙﹁アメリカ法﹂に判例解説が載りました。依頼があったのは、去年のたしか9月ですから、もう一年前です。依頼時に紹介する判例も指定されたのですが、その時点でCubby事件は、すでにあちこちで紹介されてしまっていた判例でした。事務局に問い合わせてみたら﹁理事会の決定ですから﹂ということで、そのまま書く事になりました。脚注(1)に掲げられている先行研究の焼き直しになっていることは否定できません。
| もう一つの著作権の話 --- 中学生、高校生のための著作権の基礎理論 ---, 青空文庫,1998年7月
青空文庫には、私の論文がいくつか収録されています。呼びかけ人の一人である富田さんの依頼で﹁著作権の原理と現代著作権理論﹂を収録することになったのですが、これは、講演原稿なので必ずしも読みやすい内容ではありませんでした。また、青空文庫の掲示板﹁みずたまり﹂には、﹁著作権の原理﹂を読んだ中学生の方から、﹁難しい﹂という書き込みがされていました。そこで、もう少し整理して、わかりやすく書いた﹁基礎理論﹂の本を書くことを約束していたのです。私の最初の単行本が出版された記念に、私は﹁中学生、高校生向けの基礎理論﹂の本をエキスパンドブック形式で電子出版することにしました。
ボイジャーの野口さんのおかげで、こんなに立派なになりました。
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コピーライトの史的展開 [知的財産研究叢書2],信山社,1998年7月
博士論文の内容が本になりました。私の最初の単行本になります。売り物なので全文公開はできませんが、前半の内容は﹁コピーライトの史的展開﹂として、学内雑誌に掲載したものを加筆訂正したものです。だから、こちらをご覧になって、買うに価するものかどうかご判断ください。また全体の要旨は、こちらでご覧になれます。また﹁はしがき﹂部分のPDFファイルを準備しました。
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アメリカ著作権理論の起源 -- アメリカにおけるイギリス法継受の一事例 --, 報告用 手許資料, 比較法研究 No. 60 (1999) 128. 1998年6月6日 比較法学会第61回総会 英米法部会.
京都の同志社大学で行われた比較法学会で発表してきました。内容は博士論文のなかでも﹁比較法﹂的観点から面白いと思われた、18世紀末イギリス理論がアメリカに伝播する様子を概説するもの。時間どおりに発表を終えたし、質問にもきちんと答えられたので発表としてはうまくいきました。
求人・求職活動における個人情報保護に関する報告, inインターネット求人・求職情報の現状とその課題 (中間報告書), 社団法人 全国求人情報誌協会, 1998年3月
じつは昨年からインターネットにおける求人・求職活動に関する研究会に参加していたのです。これはその中間報告書に収録されたもの。就職活動の厳しさはこれから増すばかり。皆様も私も。はぁ...。
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著作権の原理と現代著作権理論, 1998年1月31日 比較法史学会関東部会、2月2日 国際大学グローコム にて報告
いろいろとあって、似たような内容で﹁研究報告などしなさい﹂と言われたので、今の自分の思うところをぶちまけた報告。
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英米法系コピーライトに関する歴史的研究, 1997年5月
表題と目次と要旨だけ公開の私の博士論文。5年間を費したバカ長大論文の結末は原稿用紙約1300枚!! 1998年1月7日についに口述試験をやりまして、どうにか博士号を取得することができました。
| 要旨
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情報テクノロジーの進展と法的課題in堀部政男・編著, 情報公開・プライバシーの比較法, 日本評論社, 1996年12月
情報公開とプライバシーに関心があり、おまけにお金持ちな貴方のために。
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アメリカにおけるインターネットへの司法権力の介入: IAJ News, Internet Association of Japan, Vol.3 No.1, 1996年4月
エッチがダメになった背景にはどんな事情があるのか知りたい貴方のために。
比喩・概念・法 ---仮想空間を切り分けるもの(1)---: Smart Community, Smart Community 研究会, 1995年11月
﹁サイバースペース﹂とか﹁スーパーハイウェイ﹂とかいう言い方の違いのなかになんか意味があるの?という貴方のために。
アスペン・サミット オンライン ---ネットワーク時代の政府と共同体の役割---: Smart Community, Smart Community 研究会, 1995年10月
アメリカのネットワーク関係団体ってどんなことをしているの?という貴方のために。
ハッカー倫理と情報公開・プライバシー:﹁高度情報化の法体系と社会制度﹂ 科学研究費補助金・重点領域研究報告書, 1995年3月
ハッカーは犯罪者であると思っている貴方のために。
| ネットワーク上の名誉毀損と管理者の責任: レポート, 1994年4月
オンラインで罵倒されたことがある貴方のために。[注意!!]このレポートで言及している﹁ニフティサーブ名誉毀損事件﹂に関する最初の判決が出たために、にわかにこのレポートへの関心が復活しているようですが、次の点にご注意。
●このレポートは訴えが提起された1994年当時に書かれたものであること。
●このレポートは大学院ゼミの論題として書かれたもので、アメリカの名誉毀損に関する法理を機械的に適用してみた﹁思考実験﹂であること。
●訴訟での被告であるWAKEI氏による批判記事がNIFTY-Serve FSHISO MES4 #3079からのコメントリンク のうち #3102 に掲載されています (2000年9月4日確認)。私の立場は、同コメントリンク #3108 のAnonymous.P 氏の推測するとおりです。
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コピーライトの史的展開
著作権ってなんだか胡散臭いなと感じている貴方のために。1996年12月をもってイギリス編が完結しました。めでたし。
| 法令用語と判例における﹁情報﹂: ﹁情報の瑕疵がもたらす民事上の責任に関する調査研究﹂ 財団法人 比較法研究センター, 1993年6月
情報、情報っていうけど、法律の世界ではどんなふうに把握しているの?という疑問を持つ貴方のために。
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