iPad向け読書ビューアのインターフェイスを比較する(後編)


●販売ストアと連携する各事業社の読書ビューアを比較する

 PDF4iPad6

 
Voyager Books

URL:http://itunes.apple.com/jp/app/voyager-books/id376763267?mt=8
:Voyager Japan
:
:1.0

 T-Time HDT-Time

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 /調調調使

 使

 SafariPC

BookViewerVoyager Books
オンラインショップ(理想書店)の画面。iPadでの表示に最適化されており競合サイトに比べると見やすいが、タイトルがどのような基準で並んでいるのかいまいち分かりづらいカートに商品を追加した画面。この時点でタイトルが「理想書店」から「VOYAGER STORE」に切り替わっておりやや違和感がある。左下の「戻る」ボタンが正しく機能せずに手動でアプリを再起動せざるを得ないこともしばしば「マイブック」を表示したところ。タイトルにタッチするとビューアが起動する
ビューアの画面。タップによるページめくりにこそ非対応だが、余計なインターフェイスが表示されておらず読書に集中しやすい。画面全体を上もしくは下にスワイプすればページの進捗が表示できる。表示しているのは浜野保樹氏著「極端に短いインターネットの歴史」画面を上もしくは下にスワイプするとサムネイルおよびツールバーが表示される。ツールバーは画面右端をタッチすることで4段階で切り替わる。機能的には盛りだくさんだが、利用頻度が高いと思われる「MyBooksに戻る」ボタンの所在がやや分かりにくい雑誌も売られていたので買ってみた。今回購入したのはアスキー・メディアワークス「MacPeople 2010年8月号」。文字は多少小さいが問題なく読める。テキスト主体の書籍と違って製版データをそのまま利用していると見られ、文字サイズ変更などはできない。後述のビューンやマガストアと同様読み込みに時間がかかるのが難
見開き表示で縦書きと横書きを切り替えた状態。本文はもちろん、タイトルや挿絵の配置もきちんと切り替わるのは秀逸。ちなみに表示しているのは津野海太郎氏著「ガリ版の話」

■ebiReader

URL:http://itunes.apple.com/us/app/id295716527?mt=8
:eBOOK Initiative Japan
:
:1.1.0.8

 稿(7/23)28,151eBookJapaniPadiPhone2iPadiPad

 ebiReader/使/使

 

 /My

 iPadiPadiPhonePCMacWeb50
トップページ。ファーストビューはマンガを中心とした表示だが、一般書のラインナップも充実している。ちなみにこれはアプリではなくSafariで開いている初回購入にあたっては、ユーザー登録とトランクルーム登録のプロセスが分離しており、またダウンロードしたebiReaderにトランクルームのログイン情報を登録したりと、かなりの手間がかかることを覚悟しておく必要がある。クレジットカード情報を登録しておけば次回以降はワンタッチ決済が利用できる購入済みタイトルを保管しておく「トランクルーム」。他のデバイスで続きを読む際には、いったんこのトランクルームに戻してから別のデバイスで開く必要がある。また、保存冊数が50冊を超えると別途利用料金が必要
電子書籍タイトルの個別の紹介ページ。必要な情報がまとまっており見やすい。購入ボタンを押すと決済プロセスへと移行し、購入が完了するとトランクルームから電子書籍タイトルを参照できるようになるアプリの画面。下部にはビューアを起動する「読書」ボタンのほか、My書庫、トランクといったボタンが並ぶが、慣れるまでは分かりづらい読書のためにはトランクルームからダウンロードする必要がある。購入直後にebiReaderを起動するとダウンロードに必要なボタンが表示されていないこともあった
単ページ表示の画面。今回は小飼弾著「空気を読むな、本を読め。」のほか、伊坂幸太郎著「チルドレン」を購入して表示してみたが、文字サイズの変更機能や縦書き横書きの切り替え機能はなく、画像ベースでの閲覧となる横向きにすると見開き表示になる。iPhoneビューアの2倍表示となるため余白の広さが気になる。また画面中央を長押しするとしおりや移動方向などの調整メニューが表示されるが、直感的でなく使いづらい

■Renta! 100円貸本 HD

URL:http://itunes.apple.com/jp/app/id372572743?mt=8
:Papyless
:
:1.0

 7,00048483(1100)

 T-Time使

 iPhoneiPad

 1
トップページ。幅こそiPadに最適化されているが、iPhone向けの素材を流用しているせいか個々の画像サイズが大きく、全体的に冗長な感がある新刊一覧のページ。アプリ下部のボタンによって切り替えられる。取扱コンテンツはマンガが主電子書籍タイトルの個別の紹介ページ。画像、文字とも大きくやや冗長
今回は山川健一著「「書ける人」になるブログ文章教室」をレンタルしてみた。レンタル料は48時間でチケット3枚=300円相当。「読む」を押すとビューアが起動する縦方向の表示。画面下部に最初と最後への移動ボタン、ヘルプ、閉じるボタン、ページめくりボタンがあるマンガはもちろん、今回試用したテキスト系のタイトルについても文字サイズ調整やしおりなどの機能はない
本体を横向きにしても見開き表示にはならず、横幅いっぱいに表示される。マンガを扱うビューアとしてはややクリティカルな問題であるように感じられるレンタル中のタイトルは「借りている本を読む」のアイコンにタッチすると表示される。このほか、興味のある本を登録しておくマイリスト機能を備える

■ビューン

URL:http://itunes.apple.com/jp/app/id372350361?mt=8
:Viewn
:30450
:1.0.6

 305稿(7)Wi-Fi

 

 1.0.6便
起動画面。本稿執筆時点ではWi-Fi環境のみの対応となるトップページ。上段に吊り広告を模したバナー、中段に雑誌タイトルが表示される。左右スワイプでほかのタイトルを閲覧可能。下段には日テレNEWS24提供のニュースが表示される今回は「AERA 8月2日号」を表示してみた。先のトップページでタイトルを選ぶとすぐに内容が表示される。なお、このページでグレーになっている箇所のように、権利の関係か表示されないエリアおよびページはそこそこ多い
横向きにすると見開きで表示される。このままでは細かすぎて読めない場合もあるが、ピンチイン/アウト、もしくはダブルタップでスムーズに拡大/縮小できる画面中央にタッチするとページ下部にメニューが表示され、目次表示が行える同じくページ下部のメニューからはiTunesのアルバムアートワークに似たサムネイル表示が行なえる。ただし現状ではバラパラめくろうとすると画像の読み込みが追いつかないことが多い
日テレNEWS24提供のニュースの一覧。サムネイル、日付、タイトルが表示されるニュースの一部は動画でも提供される。高画質というわけではないが、比較的スムーズに視聴可能

■マガストア 電子雑誌書店

URL:http://itunes.apple.com/jp/app/id327447987?mt=8
:DENTSU
:
:2.1.2

 

 My

 /AERA 822010/7/17

 iPad1iTunes

 
トップページ。雑誌の検索から購入、表示までこのアプリ内で完結している今回は先のビューンと同じく「AERA 8月2日号」を購入してみた。紙版の全記事が含まれていないことを強調するためか、タイトル下に「LITE版」の表示がある。アプリ内課金を採用しており、購入時にはiTunesに登録してあるクレジットカード等の情報が利用される単ページ表示の状態。さきのビューンと同じページを表示してみたが、ざっと見る限り内容は同一のようだ
見開き表示。表示内容/挙動ともにビューンと酷似しているメニュー表示についてはビューンと若干異なる。これは目次表示で、画面上部のアイコンにタッチすることにより表示されるビューンと同じくiTunesのアルバムアートワークに似たサムネイル表示が行なえる
リフロー表示をサポートし、本文のテキストだけを抽出して表示することが可能。文字サイズの変更や表示色の白黒切替もサポートする一覧ページでは購入済みのバックナンバーが表示される。いったん読み込んだタイトルはオフラインでの閲覧も可能

■FujisanReader

URL:http://itunes.apple.com/jp/app/fujisanreader/id373775364?mt=8
提供元:Fujisan Magazine Service
価格:無料
試用時のバージョン:1.0

 Fujisan.co.jpが提供している雑誌用ビューア。iPadに最適化されたサイトは用意されておらず、iPadはあくまでも購入した電子書籍タイトルのビューアという位置づけ。ただし購入した電子書籍タイトルはビューアの「デジタル雑誌ライブラリ」に自動的に登録されるので、手動で同期する必要はない。

 競合となるビューン、マガストアと同じくヤッパのビューアを採用しており、使い勝手は基本的に同様。画像は低解像度を読み込んでから順次高解像度に差し替わっていく方式。いったん読み込んでしまえばオフライン環境でも閲覧は可能だが、低解像度のまま固まってしまう場合もしばしばだ。

 ページをタップすると画面上部にメニューバーが表示され、ホーム、目次、サムネイル表示、しおりボタンが並ぶのはマガストアと同じだが、今回試用したタイトルではリフローボタンは表示されなかった。また、今回試用した3タイトルで目次を表示しようとしたところ「表紙」、「目次」しか項目が存在せず、詳細なページが表示されなかった。これが不具合なのか、もともとデータがないのかは不明。iTunesのアルバムアートワークに似たサムネイル表示も可能だが、今回の試用環境ではマガストアに比べるとかなり表示が重く、数分待っても表示されなかった。

 購入サイトは紙の本と電子書籍が混在していることから使い勝手は必ずしもよくなく、電子書籍を探していたのに、うっかり紙の本をカートに追加してしまうこともしばしば。また、基本的には定期購読を前提としているため、単体売りのラインナップがほとんどなく、見本誌こそあるものの何かを試しに買ってみるということが気軽にできないのはつらい。ビューアよりもむしろ購入サイトに改善の余地がありそうだ。

サイトはiPad用に個別に用意されておらず、PC用と同じサイトを用いる。上部タブの「デジタル雑誌」を選択するとiPadやiPhoneで読める雑誌のページに移動できるページの見出しは「iPhone/iPad対応雑誌」となっているが、ここから先の遷移でもまだ紙版購入の選択肢が用意されており、うっかりカートに入れてしまうこともしばしば。極めてストレスが溜まる設計だ決済画面。紙の本と同一の画面のため、配送先住所やギフト設定など、実情に見合わない項目も目立つ。項目の非表示が無理ならせめてグレーアウトにしておくべきだろう
購入したタイトルの代金は後払制となっている。クレジットカード決済は用意されていないようだiPad用アプリはサイトで購入した電子書籍タイトルを読むビューアという位置づけ。起動すると表示される「デジタル雑誌ライブラリ」のページに購入済みのタイトルが表示されている。先のページのサムネイルをタップするとビューアが起動する。今回はダイヤモンド社「週刊ダイヤモンド〈臨時増刊〉 トヨタ激震」を購入して表示している。これは単ページ表示の状態
見開き表示。ヤッパのビューアを採用していることもあり、挙動はビューンやマガストアと酷似サムネイル表示。今回試用した3タイトルでは、リフロー表示はサポートしていなかった

●ユーザの満足度が高い電子書籍ビューアを作るには

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(2010年 7月 30日)

[Reported by 山口 真弘]