特別展示「首くくり栲象」



2019.8.27 [Tue.] - 8.31 [Sat.]  
会期中無休  


小山登美夫ギャラリー
  -  
作品展示:宮本隆司写真作品、首くくり栲象を名乗るまでの古沢守、古沢宅、古澤宅、古澤栲に関する活動資料、羽永光利写真作品 

【上映スケジュール】
11:00 â€“ 18:00
宮本隆司撮影・庭劇場ドキュメンタリー映像『Kubikukuri Takuzou』 Niwa Gekijyo Theater ï¼ˆ2011年撮影)
43分43秒上映

インスタレーション『首くくり栲象 声とことば』
映像、構成:余èŠä¿å­ã€€ï¼ˆ2010年撮影) インタヴュアー:右田総一郎 
協力:黒沢美香アーカイブス 
*上記は入場無料

18:00-
余èŠä¿å­ã€ŒHangman Takuzo」(2010å¹´åˆä½œã€46分)映画上映
*上記映画上映は入場料1000円(税込)となります。  ã€€

【オープニングレセプション】 
2019å¹´8月27日 [火] 
「Hangman Takuzo」映画上映終了後、19:00-20:00

協力:タカ・イシイギャラリー、BankART 1929、青山|目黒

機材協力:DMM、合同会社テクネー、オオタファインアーツ、タカイシイギャラリー 

首くくり栲象」Ryuji Miyamoto Â©2013
 


今回、小山登美夫ギャラリーでは、「首くくり栲象」の庭劇場での姿を追う宮本隆司の写真・映像展示と、余èŠä¿å­ã®2010å¹´åˆä½œã®ã€ŒHangman Takuzo」(46分)の上映を、8月の5日間、行います。

首くくり栲象さんは、自宅の庭を「庭劇場」と称し、月に2回程度パフォーマンスを行なっていたと聞きます。私は、今年の3月、宮本隆司さんの「首くくり栲象」写真集の出版記念展覧会を見るまで、恥ずかしながら、その存在すら知らなかったのです。なので、もちろん、庭劇場でのパフォーマンスも見ていません。でも、こんな人がいたのかという驚きと、以前衝撃を受けた羽永光利さんの写真「突っ立っている痙攣」の人物が同一人物だということを知り、彼の存在の仕方と表現を見ていただきたいと思い、今回の展示を企画しました。

写真集に書かれた宮本さんの文章の中に
「首くくり栲象は自身の行為にまつわる神秘的な想いを嫌っていた。『毎日、庭で首をくくっています』とごく普通のことをやっているように言っていた。『死に触れず、死を作品化する、あるいは生に触れず、生を作品化することはできるはずだ』とも書いていた。」(宮本隆司『首くくり栲象』写真集 BankART1929発行より)
とあります。

現代美術のアーティストである松澤宥、高松次郎、風倉匠につながるこの人間が、最後に選んだ表現の凄さを是非、見て見てください。
(小山登美夫)

【展示に関して、および上映タイムスケジュール】

11:00  19:00
作品展示:宮本隆司写真作品、首くくり栲象を名乗るまでの古沢守、古沢宅、古澤宅、古澤栲に関する活動資料、羽永光利写真作品 

【上映スケジュール】
11:00  18:00
宮本隆司撮影・庭劇場ドキュメンタリー映像『Kubikukuri Takuzou』 Niwa Gekijyo Theater ï¼ˆ2011年撮影)
43分43秒上映 

インスタレーション『首くくり栲象 声とことば』
映像、構成:余èŠä¿å­ã€€ï¼ˆ2010年撮影) インタヴュアー:右田総一郎 
協力:黒沢美香アーカイブス 
*上記は入場無料 

18:00 
余èŠä¿å­ã€ŒHangman Takuzo」(2010å¹´åˆä½œã€46分)映画上映
*上記映画上映は入場料1000円(税込)となります。

【「Hangman Takuzo」について】

映画「Hangman Takuzo」は2010年の4月、広å³çœŒã®ç€¬æˆ¸å†…海のとある小å³ã«ç«‹ã¤å»ƒå±‹ã§æ’®å½±ã•ã‚Œã¾ã—た。当時ニューヨークを拠点に活動しておりまして、撮影のために日本に一時帰国。わたしは監督と撮影を担当し、首くくり栲象、黒沢美香、川村浪子の3名が出演者として参加しました。首くくり栲象さんー英訳は「Hangman Takuzo」、よって映像のタイトルとなるーは、40年以上「首吊り」という行為を芸術活動として行い、東京の国立市にある自宅の庭にて自身のパフォーマンスを「庭劇場」として上演しçšã‘ていました。パートナーは日本のコンテンポラリーダンスのパイオニアである振付å®ãƒ»ãƒ€ãƒ³ã‚µãƒ¼ã®é»’沢美香さんです。この2人が、「この人こそ真のアーテイストだ!」と尊敬してやまない川村浪子さんは、自ç„の中で裸体で歩くという行為芸術をする人です。 ãƒ©ã‚¤ãƒ–・パフォーマンスという儚い世界で生きてきた4名のアーティストが、永遠を約束してくれる「映像」にロマンと希望を持ってå³ã«é›†ã¾ã‚Šå…±åŒç”Ÿæ´»ã‚’送りながら撮影しました。しかし、首吊りイメージへの倫理的な抵抗から、アメリカでは上映が長い間åã‚ãšæ˜ ç”»ã¯ãŠè”µå…¥ã‚Šã¨ãªã£ã¦ã„たのですが、2014年、ニューヨークから京都に活動の拠点を移したことを機に、日本ではじめてダンス作品をåˆä½œç™ºè¡¨ã™ã‚‹æ©Ÿä¼šã‚’得ました。そのとき作った「ZERO ONE」というダンスのなかに映像を組み込むことで、「Hangman Takuzo」が初めて世に出ることができました。2015年にNYにて上演された「ZERO ONE」が、NYタイムズ紙の批評å®ãŒé¸ã ã€Œ2015年のダンス・ベストテン」に選出されたのを機に、映画「Hangman Takuzo」は国内外のアートフェスティバルから招聘され、上演を重ねています。
(余èŠä¿å­ï¼‰



【作å®ãƒ—ロフィール】

首くくり栲象(くびくくりたくぞう・古沢守、古沢宅、古澤宅、古澤栲)
1947å¹´12月26日、群馬県安中市生まれ。18歳で上京し、路上やギャラリーでのパフォーマンスやアクションを開始。 ç¾Žè¡“å®ã®é¢¨å€‰åŒ ã‚„松澤宥、高松次郎らの薫é™ã‚’受ける。1970年頃より首吊りのパフォーマンスをはじめ、50歳をむかえた頃より20年以上にわたり、毎日のように自宅の庭である「庭劇場」で首を吊りçšã‘てきた。余èŠä¿å­ç›£ç£ã€ŽHangman Takuzo』(2010)、小笠原隆夫監督『首くくり栲象・方法序説』(2011)、堀江実監督『首くくり栲象の庭』(2016)、木村文洋監督『息衝く』(2017)、山下敦弘監督『ハード・コア』(2018)などの映画に出演。主な舞台は、大野一雄フェスティバル2004をはじめとした黒沢美香との共演や、安藤朋子と共演したARICA「èã®å¤¢ã€ï¼ˆ2009、演出/藤田康城)など。2018å¹´3月31日午後、肺がんのため70歳で永眠。 

宮本隆司(みやもとりゅうじ)
1947年、東京生まれ。多摩美術大学デã‚イン科卒業後、建築雑誌編集部員を経て写真å®ã¨ã—て独立。第14回木村伊兵衛写真賞(1989年)、第6回 ãƒ´ã‚§ãƒãƒã‚¢ãƒ»ãƒ“エンナーレ建築展金獅子賞(1996年)、第55回芸術選奨文部科学大臣賞受賞(2005年)。主な写真集に、「建築の黙示録」(平凡社 / 1988年)、「新・建築の黙示録」(平凡社 / 2003年)、「九龍城砦」(ペヨトル工房 / 1988年、平凡社 / 1997年、彩流社 / 2017年)、「Angkor」(トレヴィル / 1994年)、「KOBE 1995 After the Earthquake」(建築・都市ワークショップ / 1995年)、 ã€ŒRYUJI MIYAMOTO」(Steidl / 1999年)、「CARDBOARD HOUSES」 ï¼ˆBEARLIN / 2003年)、など多数。 2019年東京都写真美術館で個展「いまだ見えざるところ」を開催。 

余èŠä¿å­ï¼ˆã‚ˆã“しやすこ)
広å³çœŒå‡ºèº«ã€äº¬éƒ½åœ¨ä½ã€‚振付・演出å®ãƒ»æ˜ åƒä½œå®ã€‚1996年より2013年までニューヨークをベースに作品を発表しその後拠点を京都に移す。2003年、2006年のベッシー賞最高作品賞受賞。 New York Live Artsの初代レジデントコミッションアーティスト(2011å¹´  2013年)。文学、歴史、ポップカルチャーを題材にした作品の他、「余èŠä¿å­ Ã— é«˜æ ¡ç”Ÿãƒ€ãƒ³ã‚¹ãƒ—ロジェクト」、映画の自主åˆä½œã€1990年森鴎外記念自分史文学賞受賞など、創作活動は多岐にわたる。ホイットニー美術館、グッゲンハイム美術館、マサチューセッツ現代美術館や、国内外の劇場、フェスティバルの招聘上演を重ねる。ジョン・サイモン・グッゲンハイム・メモリアル・ ãƒ•ã‚§ãƒ­ãƒ¼ã€ãƒ•ã‚¡ãƒ³ãƒ‡ãƒ¼ã‚·ãƒ§ãƒ³ãƒ»ãƒ•ã‚©ãƒ¼ãƒ»ã‚³ãƒ³ãƒ†ãƒ³ãƒãƒ©ãƒªãƒ¼ãƒ»ã‚¢ãƒ¼ãƒˆãƒ»ãƒ•ã‚§ãƒ­ãƒ¼ã€ãƒ‹ãƒ¥ãƒ¼ãƒ¨ãƒ¼ã‚¯å¸‚芸術å®åŠ©æˆã€ã‚¯ãƒªã‚¨ã‚£ãƒ†ã‚£ãƒ–・キャピタル助成を受賞。今年10月に開催される城崎国際アートセンター主催公演では、新作「shuffleyamamba」を出石永楽館にて発表する。

写真集
『首くくり栲象』
本体価格 2,376円(税込)
体  裁 B5版108p ãƒãƒ¼ãƒ‰ã‚«ãƒãƒ¼
発  行 2018年12月7日初版発行
著  者 宮本隆司
テキスト 長井和博
発  行 BankART1929

 


2024© TOMIO KOYAMA GALLERY INC. All Rights Reserved.