支援物資が届かない!熊本が陥った「悪循環」 東日本大震災の反省は生かされなかったのか

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熊本県庁に集まった支援物資を仕分けする職員ら=18日午後4時半ごろ(撮影・三笘真理子)





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「5年前の反省」が生かされたとは言い難い

当記事はqBiz 西日本新聞経済電子版の提供記事です

だが、それが各市町村や避難所になかなか届かない。県の担当者は「物資の仕分けなどを担当する職員が足りず、作業が追いつかない」。別の県の担当者によると、「熊本県庁の混乱、人手不足が著しく、(被災地からの)物資の要望も止まっている」と明かす。

支援物資の配布には食料や衛生用品といった仕分けが重要だが、行政は「素人」。2011年の東日本大震災でも支援物資の滞留が指摘され、仕分けを民間物流業者に任せることでようやく避難所に物資が届くようになった。今回の物資不足は、5年前の反省が生かされたとは言い難い事態だ。

行政と市町村の連携にも難がある。今の分配は市町村の要請を受けて県が送る「プル型」。県が避難者数から必要量を見積もり、要請がなくても送る「プッシュ型」に比べ、プル型はどうしてもニーズと支援に時間差が生じるが、県は今も「プル型」を続けている。

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