プロジェクトの開始までにWebディレクターが用意するものとこと13個まとめ Tweet さて、発注が決まった。クライアントからの要望はまだフワっとしてるけど、納期は何となーく見えている。︵もしくは納期だけがカッチカチに決まっている︶。 この状態からプロジェクトの本格スタートまでにディレクターが用意するべきものは何があるんだろう?今日はそのへんをまとめてみます。 ゴールまでのざっくりストーリー たとえばコーヒーのポータルサイトだったとして﹁コーヒーに関する情報なら何でもあります!﹂って言っても何も始まらない。そこにあるストーリーを多少適当でもいいのでドラマチックに盛り上げてしまいます。 1‥店主はかつて2店舗のカフェを切りもりした実店舗の経営者 2‥学生の頃からカフェが好きで、なんとか自分の理想のカフェを作りたかった 3‥それは、カフェの持つ独特の雰囲気とコーヒーの香りが大好きだったから 4‥だから、自慢のカフェの雰囲気を全国どこにいても感じてもらえるサイトを作りたかった。とかなんとか・・・ コンセプトキーワード なるべくシンプルに、なるべく誰にでもわかる言葉が望ましいです。 キラキラしてる。とか、感動的とか、そういった曖昧な言い回しは便利なんですが、コンセプトキーワードとしてはもっと具体的なほうがGood。 数字を入れたりちょっと仰々しい言い回しを使ってみるのもいいかもしんない。 例‥ ○カフェの雰囲気を100%家に持ち帰ることが出来るサイト ×コーヒーの総合情報サイト ターゲットの設定 ペルソナ定義・・・と言うよりターゲットユーザーの設定ですね。準備段階では簡潔に、﹁自分の知り合いでいうとあの人が一番コレ好きそうかなー?﹂という、ターゲットユーザーの仮定をします。 親しい友人や恋人、隣にいるスタッフ、あそこの会社のあの社長などなど、その辺にいる身近な人を想像しながら、﹁この人とこの人︵3人くらいかな?︶に喜んでもらいたい!﹂とかって決めておきます。 ユーザーの心理シナリオ 後で出てくるプロセスフロー︵サイトの中、WEBの中でどう動くか?︶とは異なり、シナリオとは﹁その人がサイトに来るまで﹂と﹁サイトに来てアクションを起こすまで﹂の2つをストーリー︵お話︶としてまとめる作業です。 僕はここでは夢物語を書いてしまうことが多いです。ざっくり定義したペルソナを対象に、こんな風に心理状態が推移してくれたら最高だよね!ていうシナリオを書き出していきます。 例えば、ペルソナに30代サラリーマン男性、妻子持ち・・・etc.とかって定義したとして︵まあ僕のことです︶ 1‥仕事の合間にコーヒーはよく飲む。 2‥でもインスタントのコーヒーに飽きてきている。 3‥サイトの存在を知る。 4‥お小遣いで手が届くプレミアムコーヒーの存在を知る。 5‥コーヒー豆のうんちくを知って飲みたくなる。 6‥どーせならって凝りたくなる。 7‥ちょっといいコーヒーミル︵豆ひき︶も一緒にほしくなる。 8‥周辺器具と一緒に、スペシャリテコーヒーのレシピも知りたくなる。 9‥色々見てるうちに買う前提になっていて、結局買う。 10‥友人・知人・嫁に自慢。 11‥さらに自分自身もリピート。 コンテンツ案まとめ 上記のようなシナリオが完成したら、それを実現するために必要なコンテンツ群をパワポでばーっと書き出していきます。この場合、 ・コーヒーそのものに関するうんちくコンテンツ ・コーヒー豆の品種一つ一つに関する深い知識コンテンツと味比較コンテンツ ・コーヒーレシピのコンテンツ ・周辺機器の情報と使い方解説 ・紹介しているものを直接購入出来るショップコンテンツ ・自慢というアクションを容易にするSNS連動コンテンツ・・・ と、まあこんな感じでしょうか? ライバルサイトの分析メモ ここまで概要が固まれば、ほぼサイトの属すことになるジャンルと、競合サイトの絞り込みが可能になります。 いわゆるベンチマーク調査が出来る下情報がそろったってことです。 関連ジャンルの様々なサイトをまとめて、どんなコンテンツを持っているのか?価格帯とデザインの方向性はどんな感じか?購入のための導線設計はどうなっているのか?1ページあたりに存在するコンテンツ量はどんなもんか?などをざかざかと手書きでもメモ帳でも記録していきます。 ライバルサイトチェックポイント ・どんなコンテンツを持っているか? ・コンテンツの﹁かたより﹂はどこにあるか? ・どんな導線を持っているか? ・デザインのテイストはどんな感じか? ・一番﹁儲かってそうなサイト﹂はどこか? ・キーワードは何を狙っているか? ・ユーザーに何をさせるためのサイトか? などなど ユーザー調査メモ ユーザー調査、なんて言うと非常に大仰な感じですが、要するに 楽天とかアマゾン、Yahoo!ショップ&オークションで、ユーザーのレビューと売れてそうなショップのランキングを見てメモっておこうってことです。 色々なユーザー調査の方法があるだろうとは思いますし、僕のこの方法はユーザー調査とはいえないかもしれません。でも、何となくつかめますし、何より早いです。 構築予定のサイトが属するであろうカテゴリにおいて、今何が注目されていて、みんなが何を見てサービスが期待するアクションをするに至っているのか。 みんなが本当にほしがっているのはどんなものなのか?など、以下のような項目に分けて見ていくと、結構分かって来ます。 ユーザー調査チェックポイント ・そのカテゴリで一番売れている商品は何? ・それを買った人は何て言って喜んでいる? ・それを買った人は何て言って怒っている? ・高いものと安いもの、買った人のレビューでテンションが高いのはどっち? ・自分で見ていて一番欲しくなったのはどれ? ・それはなぜ?デザイン?価格?みんなの意見? ・自分の身近な人に勧めるならどの商品? コンセプトマップ 一番大きなコンセプトを真ん中に置いて、それぞれ派生したコンテンツごとのコンセプトを定義した資料です。 例えば、コーヒーの周辺器具を扱うカテゴリと、コーヒーのレシピを扱うカテゴリでは、基軸となるサイトコンセプトは共有していないといけないですが、それぞれは別個のコンセプトを持っていないとつじつまがあわなくなりますよね? ディレクトリマップ コンセプトマップよりももっとシステマチックに、いわゆるディレクトリ構造に即して作成されるマップ。この時点で、ページ構成なんかを当て込みで決めてしまいます。 ルートフロー サイト内にやってきたユーザーを3つくらいのグループに分けて定義。それぞれ、どこからやってきてどう抜けていくのか?を図にしたものです。 例‥ メインユーザー PPC→TOP→個別︵3~10PV︶→購入 サブユーザー 検索→TOP→個別→共有 コンセプトモデルワイヤーフレーム このブログでもさんざん書き方やら効率化やらのネタで登場していますが、ここでようやくワイヤーフレームの作成となります。 ただ、ここまで事前の定義が出来ていれば、実はワイヤーの作成自体はもうそんなに難しく無いはず。頭の中にあるイメージを一気に書き上げてしまいましょう。 構築のスピードとクオリティをあげる、本気のワイヤーフレームの書き方 ここで注意事項ですが、この段階でのワイヤー作成に、もし時間がとれるなら、予算とか時間とか仕様とか、全部忘れて、﹁このサービスをこのターゲットに向けて提案するなら、こうあるべきでしょう!﹂という要素を全部組み込んで、コンセプトモデルを考え出してしまうと色々うまくいくことが多いです。 ﹁そりゃーもっといっぱい予算があればねぇ・・・﹂とか言う前に、﹁クライアントがお金をもっと出したくなるプラン﹂を先出ししてしまいます。 言われたことを実現するために予算よこせ!て言ってもなかなかうまくいかないもの。 むしろ、ディレクターの持つ﹁根拠を持ったアイデア﹂に投資させる。位の考え方で作ってしまっていいと思います。 あくまでコンセプトモデルなので、夢を見れるモデルを構築します。 プレゼン資料 具体的なプレゼンの資料作成方法は別のエントリーで解説しているのでこっちを参照 提案資料とデザインの切っても切れない関係について 上述の内容を﹁ざっくりとまとめた資料﹂を作成します。 あんまり緻密にはまとめません。もちろん人によってかなり作り方に開きはあると思いますが、僕はプレゼンは極端なくらい簡単に﹁結転結﹂でまとめるのが好きだしうまくいくと思っているので、内容はかなりかいつまんでざっくりとまとめます。 計画表 ほとんどの場合、当たり前のように﹁想定外﹂が起こるので、﹁想定外のことが起こるだろう﹂という想定を行った上で計画を立てます。 つまり、ざっくり多めに取る。ということ。基本的にはあんまりキッチリ組まない方が良いです。納期を守ったほうが良いのは当たりまえですが、ゆとりをもった方がクオリティが上がること。キッチリ区切ると混乱を生みやすいことを説明すると、意外とすんなり通ったりもします。 ﹁○月○日、デザイン3時間﹂とかではなく、﹁○月中旬~○月下旬‥デザインと確認﹂みたいな感じに組んでおくと楽ってことです。 プロジェクトスタート! さて、いよいよサイト構築がスタートだ。 もう、何も怖くない・・・でしょ?