鷹羽狩行 【たかは しゅぎょう】
昭和5年10月5日〜。あいまいさを排除した、即物的で的確な対象把握を基底に、ユーモアとウィットに富んだ、切れの鋭い明晰な句を作っている。
代表句集
- 「誕生」 昭和40年
- 「平遠」 昭和49年
- 「遠岸」 昭和47年
- 「五行」 昭和54年
代表作品
スケートの濡れ刃携へ人妻よ ︵﹃誕生﹄昭和40︶ ・ 天瓜粉しんじつ吾あ子こは無一物 ︵﹃誕生﹄昭和40︶※1 みちのくの星入り氷柱われに呉れよ ︵﹃誕生﹄昭和40︶ ・ 新緑のアパート妻を玻璃囲ひ ︵﹃誕生﹄昭和40︶ ・ 畦を違へて虹の根に行けざりし ︵﹃誕生﹄昭和40︶ ・ 摩天楼より新緑がパセリほど ︵﹃遠岸﹄昭和47︶ ・ 紅梅や枝々は空奪ひあひ ︵﹃月歩抄﹄昭和52︶ ・ 蛇よりも殺あやめし棒の迅とき流れ ︵﹃五行﹄昭和54︶ 麦踏みのまたはるかなるものめざす ︵﹃第九﹄平成1︶ ・ 人の世に花を絶やさず返り花 ︵﹃十二紅﹄平成10︶※2 ・
※1 ﹁天瓜粉︵てんかふん︶﹂は汗疹を防ぐための薬。湯上りの子供の全身に天瓜粉をつけている様子を詠んだ句。 ※2 ﹁返り花﹂は初冬の小春日和に咲く季節はずれの花。
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