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Collection: alexa_web_2009
白鳥は哀しからずや空の青海のあをにも染まずただよふ (『海の声』明治41) 幾山河越えさり行かば寂しさの終てなむ国ぞ今日も旅ゆく (『海の声』明治41) 海底に眼のなき魚の棲むといふ眼の無き魚の恋しかりけり (『路上』明治44) 白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒はしづかに飲むべかりけれ (『路上』明治44) かたはらに秋ぐさの花かたるらくほろびしものはなつかしきかな (『路上』明治44) 多摩川の砂にたんぽぽ咲くころはわれにもおもふひとのあれかし (『路上』明治44) ふるさとの尾鈴の山のかなしさよ秋もかすみのたなびきて居り (『みなかみ』大正2) 納戸の隅に折から一挺の大鎌あり、汝が意志をまぐるなといふが如くに (『みなかみ』大正2) うすべにに葉はいちはやく萌えいでて咲かむとすなり山桜花 (『山桜の歌』大正12) 瀬瀬走るやまめうぐひのうろくづの美しき春の山ざくら花 (『山桜の歌』大正12)※1 (その他) ※1 「うろくづ」は小さい魚を指す。