小池光 【こいけ ひかる】
昭和22年6月28日〜。何気ない日常の風景を写実風に詠みながら、存在の本質を深くえぐるような歌を作っている。
代表歌集
- 「バルサの翼」 昭和53年
- 「廃駅」 昭和57年
- 「日々の思い出」 昭和63年
- 「草の庭」 平成7年
代表作品
つつましき花火打たれて照らさるる水のおもてにみづあふれをり ︵﹃バルサの翼﹄昭和53︶ ・ いちまいのガーゼのごとき風たちてつつまれやすし傷持つ胸は ︵﹃バルサの翼﹄昭和53︶ ・ 死ぬまへに孔雀をくはむと言ひ出でし大雪の夜の父を怖るる ︵﹃廃駅﹄昭和57︶ ・ ガス室の仕事の合ひ間公園のスワンを見せに行つたであらう ︵﹃廃駅﹄昭和57︶※1 ・ 廃駅をくさあぢさゐの花占めてただ歳月はまぶしかりけり ︵﹃廃駅﹄昭和57︶ ・ 数寄屋橋ソニービルディングの屋上に青きさんぐわつのみぞれ振りゐき ︵﹃廃駅﹄昭和57︶ ・ 佐野朋子のばかころしたろと思ひつつ教室へ行きしが佐野朋子をらず ︵﹃日々の思い出﹄昭和63︶ ・ そこに出てゐるごはんをたべよといふこゑすゆふべの闇のふかき奥より ︵﹃草の庭﹄平成7︶ ・ 猫の毛のぼろぼろとなりしものぞ行き路地のおくにてカラオケきこゆ ︵﹃草の庭﹄平成7︶ ・ 日本語をあやつるときに天皇をつねはらはらとわれらおもへりき ︵﹃草の庭﹄平成7︶※2 ・
※1 ナチスとしてユダヤ人虐殺に携わりながら、休日には良き父として、愛児と公園に遊びに行ったであろう、という意。 ※2 昭和天皇の独特な言い回しを回想した歌。
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