ルビは、ルビの付く文字列のあとに、﹁︽︾﹂でくくって入力します。︵学術記号の﹁≪≫﹂と混同しやすいので注意してください。︶
印刷物では通常、﹁がつこう﹂、﹁きようしつ﹂のように、ルビの拗促音が小書きされません。けれど青空文庫のファイルでは、原則として﹁学校︽がっこう︾﹂、﹁教室︽きょうしつ︾﹂などと、ルビの拗促音を小書きしてください。
ただし、拗促音を小書きしない旧かな作品では、ルビにも小書きを用いないでください。
作品本文が旧かなであるにもかかわらず、ルビは新仮名とした底本があります。この際は、ルビの拗促音は小書きしてください。︵旧かな作品中の新仮名ルビの拗促音を小書きしたたときは、﹁青空文庫収録ファイルへの記載事項﹂に従って、ファイル末にその旨を記載してください。︶
ルビ付きの熟語が連続する場合には、
青空文庫注記
一応︽いちおう︾何時︽いつ︾もの
のようにルビを分割します。
ただし、複合語として定着している場合は、
青空文庫注記
一瀉千里︽いっしゃせんり︾
のように1つにまとめます。
分けるべきか、まとめるべきか迷ったときは、まとめてください。
ルビの付く文字列がはじまる前には、﹁|﹂を入れます。
書き込まれた﹁|﹂は、﹁︽︾﹂におさめられたルビを、プログラムを使って底本にある形に再現しようとする際などに、処理の手がかりとして利用できます。
底本に次のようにあれば、
青空文庫注記
武州|青梅︽おうめ︾の宿
と入力してください。
ルビのかかる部分が漢字だけで構成され、かな、記号、空白など、﹁漢字以外の文字﹂に続いている場合には﹁|﹂は必要ありません。
青空文庫注記
耳まで火照《ほて》って
繰り返し記号「々」は、漢字として扱います
青空文庫注記
すると稍々︽やや︾度を失った
﹁々﹂と同様、JIS X 0208では第1水準第2水準に含められていない、﹁仝﹂︵おなじ、ドウ、くりかえし︶、﹁〆﹂︵しめ︶、﹁〇﹂︵ぜろ、レイ︶、﹁ヶ﹂︵コ、カ、ガ︶も、﹁|﹂がいるかいらないかの判断にあたっては、漢字とみなしてください。
︻外字注記︼︵4-6参照︶で表現する﹁二の字点﹂︵二の字点、面区点番号1-2-22︶も、﹁々﹂と同様に漢字として扱います。
青空文庫注記
確実さで、益※﹇#二の字点、面区点番号1-2-22﹈︽ますます︾はっきりと
アルファベットの単語にルビが付く場合は、︻外国語の入力︼︵5参照︶の項にあるように、原則として単語の前後に半角のスペースを入れて入力するので、その内側に記述します。
青空文庫注記
兄きのような Fanatiker《ファナチイケル》 とは
※単語のあとにくる半角アキは、「《」の前ではなく、「》」のあとに置きます。
アルファベットの句や文にルビが付く場合は、単語ごとにルビを付けます。
青空文庫注記
“Kosinski《コジンスキイ》 soll《ゾル》 leben《レエベン》 !”
ルビのかかる範囲の特定ができない場合には、「|」を用います。
青空文庫注記
そんな|お伽話《フェヤリー・ストーリース》は、
青空文庫注記
霧の|ロンドン警視庁《スコットランドヤード》…
ヱ」などのカタカナが含む場合も「|」を用います。
青空文庫注記
いいか|釜右ヱ門《かまえもん》。
複数のアルファベットの単語に、一つのまとまったルビが付く場合には、「|」を用いてルビのかかる範囲を特定してください。
青空文庫注記
字下げされた箇所は、原則として、注記を用いてレイアウトを表現します。
本文の一部が字下げしてあったり、地︵ページの下︶に寄せてある場合は、以下の要領で注記してください。
ここでは、あきなしで天に寄せてある処理を、﹁天付き﹂と呼びます。
あきなしで地に寄せてある処理を、﹁地付き﹂と呼びます。
数文字分下をあけて、地に寄せてある処理を、﹁地寄せ﹂と呼ぶことにします。
1行だけの字下げ
字下げされている文字列の前に、[#○字下げ]と書き込んでください。
青空文庫注記
…ここでもっと大事なのは論述のスタイルである。
﹇#3字下げ﹈灰いろの抽象の世に住まんには濃きに過ぎたる煩悩の色
九鬼周造が詩と短歌をかなり数多く残し、…
1行だけの字下げは、ブロックの注記を用いて、次のように書くこともできます。
青空文庫注記
…ここでもっと大事なのは論述のスタイルである。
﹇#ここから3字下げ﹈
灰いろの抽象の世に住まんには濃きに過ぎたる煩悩の色
﹇#ここで字下げ終わり﹈
九鬼周造が詩と短歌をかなり数多く残し、…
ブロックでの字下げ
字下げされているブロックの1行前に、﹇#ここから○字下げ﹈と書き込んでください。
○には、ブロック全体が何字分下げてあるかを、全角のアラビア数字で書き込んでください。
字下げされたブロックが終わったら、改行して﹇#ここで字下げ終わり﹈と書いてください。
青空文庫注記
…然し愚な純な弱い白が、主人夫妻にはいつまでも忘られぬのである。
﹇#ここから5字下げ﹈
白は大正七年一月十四日の夜半病死し、赤沢君の山の上の小家の梅の木陰に葬られました。甲州に往って十年です。村の人々が赤沢君に白のクヤミを言うたそうです。﹁白は人となり候﹂と赤沢君のたよりにありました。﹁白﹂は幸福な犬です。
大正十二年二月九日追記
﹇#ここで字下げ終わり﹈
地付き
地付き処理されている文字列の前に、﹇#地付き﹈と書き込んでください。
地付き処理された文字列だけが、独立した行の下に位置しているときは、改行してまず﹇#地付き﹈と書き込み、続けて、その文字列を入力してください。
青空文庫注記
◯四月に於けるわが収入は、金五十二円八十銭であった。大学卒業後今日までに於ける最低収入の月であった。記憶に値する。
﹇#地付き﹈︵この日記終り︶
区切り記号の字下げ
本文の区切りに使う記号の字下げには字下げ注記を使いません。
底本で5字下げて﹁*﹂と表記されていても、テキストファイルでは﹁﹇#5字下げ﹈*﹂とせず、たとえば以下のように全角空白をその数のぶん入力してください。
*
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書籍や雑誌ではしばしば、内容の切れ目でページや段をあらため、次のページや次の段のはじめから、あとを続ける組み版が行われます。
前の内容が、左右どちらのページで終わったかにかかわらず、続きを次の左ページ︵縦組みの場合︶から始める処理を、﹁改丁︵かいちょう︶﹂と呼びます。
﹁改丁﹂はしばしば、大きな内容の切れ目で用いられます。
続きを次のページから始める処理を、﹁改ページ﹂と呼びます。︵﹁改頁﹂とも書きますが、青空文庫の注記では﹁改ページ﹂とします。︶
﹁改ページ﹂はしばしば、中程度の内容の切れ目で用いられます。
段組された書籍で用いられる、内容の切れ目で段を改める処理を、﹁改段﹂と呼びます。
段組された書籍でも、新しい内容が次のページから始まる場合は﹁改ページ﹂、次の左ページから始まる場合は﹁改丁﹂と呼びます。
改丁
青空文庫注記
…頗︽すこぶ︾る理論の品価を増︽まし︾たるもの多し。明治八年三月二十五日、福沢諭吉|記︽しるす︾。
﹇#改丁﹈
﹇#1字下げ﹈文明論之概略 巻之一﹇#﹁文明論之概略 巻之一﹂は大見出し﹈
﹇#3字下げ﹈第一章 議論の本意を定る事﹇#﹁第一章 議論の本意を定る事﹂は中見出し﹈
軽重、長短、善悪、是非等の字は、相対︽あいたい︾したる考えより生じたるものなり。…
改ページ
青空文庫注記
…もし得ることあらば、他日これを記してその功徳︽こうとく︾を表︽ひょう︾し、もって世人の亀鑑に供すべし。
﹇#地から1字上げ﹈︵明治七年三月出版︶
﹇#改ページ﹈
﹇#1字下げ﹈学問のすゝめ 八編﹇#﹁学問のすゝめ 八編﹂は大見出し﹈
﹇#地から3字上げ﹈福沢諭吉著
﹇#5字下げ﹈我心をもって他人の身を制すべからず﹇#﹁我心をもって他人の身を制すべからず﹂は中見出し﹈
アメリカのウェイランドなる人の著︽あらわ︾したる﹁モラルサイヤンス﹂という書に、人の心身の自由を論じたることあり。…
改段
青空文庫注記
…彼らの青春のすべてを決して見ることはない一〇〇万の観客に捧げたことに、十分な感謝もしていないようである。
﹇#改段﹈
﹇#3字下げ﹈2 最近まで、私はフランスにいた﹇#﹁2 最近まで、私はフランスにいた﹂は中見出し﹈
一九八三年の七月一四日、フランス革命記念日、フランス大統領は、コンコルド広場の記念塔の下にたって、…
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