山縣有朋(1838-1922)は、幕末から明治・大正にかけて活躍した軍人そして政治家です。長州藩出身で、吉田松陰の松下村塾に学び、高杉晋作らと奇兵隊を率いて倒幕運動に活躍。明治維新後に新政府より欧州視察の命を受け訪欧し、帰国後は廃藩置県、徴兵制(国軍としての軍隊制度)の制定、地方自治制度確立、近代官僚制度構築など新体制の形成に深く関与しました。第3代・第9代内閣総理大臣、参議、初代参謀本部長、初代内務大臣、枢密院議長などを歴任。その後、元勲として元老筆頭となり政界に大きな影響力を与え、近代日本の基礎をつくった日本人の一人としてその中心的役割を果たしました。 | |
記念館の建物は、現存する数少ない明治時代の洋風木造建築の一つで、建築史のうえでも貴重なものであり、平成2年に栃木県有形文化財(建築)に指定されました。これを契機に修復をおこない、この建物の維持保存と山縣有朋の遺品・資料をあわせて公開することになり、平成4年12月に私立歴史博物館「山縣有朋記念館」として開館しました。平成25年に公益財団法人となりました。 |
栃木県矢板市所在の栃木県指定有形文化財である明治時代の代表的洋風建築物と幕末・明治・大正期の資料及び山縣有朋の遺品を維持保存、一般に公開するとともに調査研究を行なう。また、所有森林は山縣有朋が明治期に、わが国の森林保持のために創設したものです。これを将来に維持し、人々の森林への理解や支援を得られるように、森づくりと自然環境教育などを通じて森林愛護の普及活動、そして、自然環境と共生できる森林管理や森林の循環利用を実現するための調査研究等を行うことによって、社会文化の向上に寄与することを目的とする。
理事長 山縣 有德