2015|08|
2003-09-06 残暑 [長年日記]
_ [Music] A Tribute To Cannonball / Bud Powell & Don Byas
![A Tribute To Cannonball](https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51E0304QlmL._SL160_.jpg)
_ [OpenSource] 坂村健書評
まあに書くほどのことでもないのでこちらに。
この坂村健先生のなのだが、二点理解に苦しむ点がある。
GPL︵The GNU General Public License‥ 一般公開仕様許諾書︶で有名なFree Software Foundation︵FSF︶
GPLは仕様を公開しろと言っているんではなくて、ソースを出せと言っているのです。だいたい、GeneralとPublicはともかく、なんで原語にない﹁仕様﹂が出てくるのかよく分からない。
nitpickingと思われるかもしれないが、坂村さんは前もどこだったかで﹁TRONは仕様が公開されているからオープンソースだ﹂というようなことを話しておられた。ゆえに、本気で﹁オープンソース==仕様の公開﹂だと思い込んでいるのではないかと危惧される。
オープンソースというのはソフトウェアのソース、すなわち実装のライセンスに関してある基準(OSD)を満たしているかどうかという話だから、仕様が公開されているかどうかではなく、オープンソースな実装が存在するか否が問題なのだ。RFCで仕様が公開されているプロトコルがあっても、それを実際にしゃべるオープンソースな実装がなければ意味がないのと同じである。
TRONの仕様がオープンなのは大変結構だし、先進的な発想だったと思うが、TRONのオープンソースな実装が存在するとかしないという話ならともかく、TRONそのものがオープンソースだとは言うのは無意味な言説だろう(オープンアーキテクチャとかなら分かる)。だいたいがかわいそうじゃないか(笑)。
もう一点。
ちなみにTRONでは,改良したソフトウェアの開示の義務はない.だから,﹁組み込みLinuxをITRONの上で動かしてGPLの制約を逃れる手法﹂などにも利用されているようだ.
parseすべく努力したのですが、意味がよくわからない。最初のセンテンスはわからなくもない(でもこれも実装のライセンスに依存する話だと思う)。それより、なんでITRONの上でLinuxカーネルを動かすとGPLの制約を逃れられるんだ?
GPL は 一般公衆利用許諾契約書 と訳されています。<br>http://www.gnu.org/licenses/gpl.ja.html<br>利用を使用と訳し、かつ仕様と誤記したのではないでしょうか?
そうか、誤記という可能性もありますね。<br>まあそもそもその訳付けたの私なんで、できればそっちを使って欲しいという気分も。
日記の記述スタイルはtDiaryスタイルでしょうか? もしそうならdoc/README.htmlの「tDiary記述のコツ」を一読されることをお勧めします.<br>凝ったHTMLを生成する必要がないのであればwikiスタイルの方がストレスなく書けると思います.
「ITRONの上でLinuxカーネルを動かすとGPLの制約を逃れられるんだ?」について。<br>・日経エレクトロニクス2001年12月17日号<br>・日経エレクトロニクス2003年6月23日号<br>を参照すればお分かりになるかと思います。<br>『GPL最前線』という特別編集版に収録されていますので、そちらを入手されるのが便利かと思います。<br><http://ne.nikkeibp.co.jp/NE/2003/030721sp/mokuji.html>