靖国参拝で首相「政教分離違反にあたらず」 参院代表質問
参院は29日午前の本会議で、安倍晋三首相の施政方針演説への各党代表質問に入った。首相は昨年末の靖国神社参拝について﹁私人の立場で参拝し、供花代は公費から支出していない。憲法の政教分離の原則に違反する可能性があるとの指摘はあたらない﹂と表明した。民主党の神本美恵子副代表への答弁。
首相は中国、韓国との首脳会談を﹁私の方から両国に積極的に働きかけている﹂と強調。﹁困難な課題があるからこそ、前提条件をつけずに会談すべきだ。両国にも同様の態度を求める﹂と早期実現を訴えた。憲法改正は﹁国民的な議論の深まりを踏まえ、しっかりと着実に取り組んでいきたい﹂と意欲を示した。
先の臨時国会で成立した特定秘密保護法に関し、神本氏は﹁国民の不安や疑念は歴史の教訓を踏まえたものだ﹂として、法律の拡大解釈によって国民の生活が脅かされる可能性があると追及。首相は﹁国民の日常生活が脅かされることはない。丁寧に説明を重ね、効果的な運用ができるよう準備する﹂と理解を求めた。
神本氏は民主党政権が始めた高校授業料無償化について所得制限の導入は教育政策の後退として﹁十分な教育予算を確保し、公教育の充実に努めるべきだ﹂と求めた。
続いて質問した自民党の溝手顕正参院議員会長は過去最大となった貿易赤字への政府の対応策を尋ねた。赤字の一因である燃料輸入額の増加を抑えるため、原子力発電所の再稼働にどう取り組むかをただした。
午後には衆院本会議で2日目の代表質問に入り、公明党の井上義久幹事長、みんなの党の渡辺喜美代表らが質問に立つ。