インクジェットプリンター

インクジェットプリンター(inkjet printer)とは、インクを微滴化し、被印字媒体に対し直接に吹き付ける方式を用いたプリンターである。

インクジェットプリンター PM-700C

概要

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使

稿6710

19801990Multi Function PrinterMFP20012005[1]

19902000

開発史

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1990年キヤノンノート型BJ-10vの後1993年に発表されたBJ-10v Lite(仕様はBJ-10vとほぼ同じ)、セントロニクス方式のパラレルインタフェース。(内部のカバーを外し手前に置いている)当時のノートパソコンとほぼ同じ大きさで持ち運びが容易。

186718791950西

1960[2]1970HP1984ThinkJet[3]1985BJ-80[4]

199010BJ-10v[5]199611PM-700C[6][7]200832

2016mlml

基本分類

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インクジェットプリンターの方式は、コンティニュアス型オンデマンド型に分類できる。現在実用されているものの中でも小型プリンター用として主流となっているのはオンデマンド型で、ピエゾ方式サーマル方式の2つである。

コンティニュアス型

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コンティニュアス型インクジェット装置



使使100使

オンデマンド型

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使10


ピエゾ方式

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ピエゾ方式オンデマンド型インクジェット装置



19601980[1]

1990使CAD使GELJET





使使




  • インク内に気泡が混じると目詰まりが生じやすい。
  • ドット毎にピエゾ素子を用意するためヘッド構造が複雑である。
  • ピエゾ素子を小型化するとインクを押し出すために必要な体積変化が得られにくい。

サーマル方式

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サーマル方式オンデマンド型インクジェット装置



使197019841985BJ-80













調

寿

使[?]




オンデマンド型のヘッド構造

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上述のインク塗布の機構を集積したものを「プリントヘッド」(または単にヘッド)と呼ぶ。ヘッドには複数のインクノズルが作りこまれており、インクカートリッジ内のインクタンクから供給されたインクを塗布する。プリンターの機構で紙などの被印字媒体を動かし、その印字媒体の動く方向と直行方向にプリンターヘッドを動作させて印字を行う「シリアルヘッド方式」が一般的である。また比較的長いプリンターヘッドを固定して、被印字媒体の動きだけで印刷を行う「ラインヘッド方式」もある。インクヘッド製造時には、インクの流路など半導体露光装置(ステッパ)を使って作りこむことが行われる。またインクノズル部分はエキシマレーザーによって加工される場合もある。

インクジェットプリンターでの高密度画素印刷は、このプリントヘッドの高精度の制御が要求される。例えば、1,200dpi解像度で印刷を行うためには1つの画素を20マイクロメートルで塗布する必要がある。この場合、一滴のインクの量は数ピコリットル(数兆分の1リットル)程度であり、さらにプリントヘッドを毎秒500ミリメートルで移動させながら20マイクロメートルで画素印字するためには毎秒2万5,000発ものインクの噴出が必要となる。当然、カラー印刷の場合では色数(通常4色から7色)分の同じ場所に重ね合わせて噴出する技術が必要である。また、プリントヘッドの動作と被印字媒体送りを同期させる制御や色ごとに塗布位置が若干ずれても目立たないような画像処理をあらかじめ行うなどのプリンター周辺技術も高度なものが求められる。

インク

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インクジェットプリンターの4色インクカートリッジ

インクジェットプリンターでの印刷に使用されるインクは、オンデマンド型プリンターではほぼすべて水系のインクが使用されている。これは主に染料インクと顔料インクの2系統に分けられる。

色インク

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CMY使使使BkC+M+Y+Bk41/41/6Bk4Bk

染料系インク

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 - 

 - 退

 - 24


顔料系インク

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 - 







 - 



調()

固体インク

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使使[8]6010[9]3D2013[10]

その他のインク

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ミマキエンジニアリング社UVインクジェットプリンタ UJF-3042HG

使UV


インクジェットプリンター用紙

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インクジェットプリンターにとって被印字媒体となるのは主として紙であるが特に主流である染料系インクを普通紙に使用した場合、にじみが発生する。またインクが裏側まで染み抜けてしまう、裏抜けという現象が発生する場合もある。このため、インクジェットプリンターメーカーなどでは高品質な印刷結果を得るためにいわゆる専用紙と呼ばれるものを開発している。専用紙にはコート紙、光沢紙などが使われる。

コート紙
普通紙の表面にインクを吸収し固着させることで、にじみの発生を抑えるコート層を形成した用紙。一般にインクジェットプリンターメーカーが発売している純正品で単に普通紙というとおおむねこの用紙のことを言うことが多い。インクジェットプリンター用のコート紙では主に高分子系か、多孔性微粒子系のコート層が使われる。
光沢紙
基本的にはコート紙と同じ構造であるが白紙部や画像印字部に光沢があり、写真印刷等に用いられる。基材の違いにより
  1. 光沢が出やすい印画紙原紙(レジンコート紙)や、フィルムの表面にコート層を設けたもの
  2. 普通紙の表面に光沢化処理を施したコート層を設けたもの
に大別される。1は基材に使われることが多いレジンコート紙から「RCタイプ」、2は光沢化処理にキャスト法(金属等の平滑な表面を紙に写し取って光沢化する方法)が多く用いられるため「キャストタイプ」等と呼称されることがある。

応用技術

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使使20041120TFT

DNA

DNADNADNA

3D

3D



FEDELSED2

[11]3D

特許技術を有する主な企業

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パソコン用のインクジェットプリンターで世界シェアのトップを占める米ヒューレット・パッカードのほか、日本企業も周辺技術も合わせて多くの特許を取得している。

インクジェットプリンターの市場規模

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以下にインクジェットプリンターおよび複合機の市場規模を示す(数字は台数)。

世界市場 日本市場
プリンター
(SFP)
複合機
(MFP)
プリンター
(SFP)
複合機
(MFP)
1999年 51,232,000 (統計なし) 4,689,000 (統計なし)
2000年 63,690,000 (統計なし) 6,414,000 (統計なし)
2001年 60,590,000 (統計なし) 6,104,000 (統計なし)
2002年 58,200,000 10,700,000 5,545,000 500,000
2003年 55,706,000 25,500,000 5,043,000 1,400,000
2004年 51,616,000 38,100,000 4,192,000 2,200,000

非純正インク問題

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ml便[12]使[13][14]使

互換インクカートリッジ

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使

[15][16]使使[17][18]

使[19][20]使[21]

ICIC

IC[22]

詰め替え用インク

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使使

10020ml使使 使使

IC使IC[23]IC[1]

ml2016[24][25]IC使

芸術作品になった技術

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67 [26]EDAPEA

脚注

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注釈

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  1. ^ モノクロで低解像度のものとしては、電卓用プリンターなどとして商品化されたこともあった

出典

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(一)^ ab8

(二)^ 19846IP-130K . . 2008125

(三)^ HP1980. . 200984

(四)^ 1985BJ-80. . 2008125

(五)^ 1990BJ-10. . 2008125

(六)^ 199611PM-700C . . 200984

(七)^ PM-700C --- . BP. 200984

(八)^ FXPSA4

(九)^ 

(十)^ 3D Systems To Acquire a Portion of Xeroxs Oregon Based Solid Ink Engineering and Development Teams

(11)^ . . 2009812

(12)^ . 4-1. 201064

(13)^ . . 201064

(14)^ .  . 201064

(15)^ . Canon Sustainability Report 2008. pp. p.39. 2009817

(16)^ . . 2009817

(17)^ . . 20081116

(18)^ . . 20081116

(19)^ 便. 使. 2009819

(20)^ 便. HP使. 2009819

(21)^ ITmedia. . 201064

(22)^ 

(23)^ HP

(24)^ . 3 . 202181

(25)^ BCN. G33103. 202181

(26)^ 

参考文献

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  • 特許庁『平成16年度特許出願技術動向調査報告書』

関連項目

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外部リンク

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